Special 特 集 環境不動産考察 気候変動など地球環境問題の対策に国際社会の 2015年12月パリで開かれた国連気候変動枠 関心が高まる中で、不動産についても持続可能な 組条約第21回締約国会議( COP21) で、2020 環境価値が高い「環境不動産」の観点が欠かせな 年以降の地球温暖化対策の国際的枠組みとなる くなりました。 「パリ協定」が採択されました。本年9月に米国と 「責任投資原則( PRI ) 」には国内外における 中国がパリ協定の批准を決めたことで、早ければ年 1,500以上の機関が署名し、また世界の主要な 内にも発効条件が整うとの見通しです。パリ協定を 機関投資家が参画する国連環境計画金融イニシア 受けて、UNEP FIとPRI等が共同で、ESGや気候 が、ESG課題に配慮した金融シ ティブ(UNEP FI ) 変動のリスクを不動産投資の意思決定プロセスに統 ステムへの転換を推進しているため、J-REIT、不動 合するためのフレームワーク作りを行うなどの動き 産会社にとっても不動産の環境価値は大きなテーマ もあります。 となります。 本特集では、パリ協定を受けた国際的な不動産 ※ PRI: Principles for Responsible Investment )」 投資の動向、そして日本における環境総合性能評価 ※ は、環 境( Environmental )、社 会( Social )及 び 企 業 統 治 ( Governance ) にわたる諸々の課題( ESG課題) を、資産運用に 組み込む考え方 システムや賃貸借契約の新たな動きのご紹介、また 築地市場の移転先でも話題となった土壌汚染問題 については、海外の土壌汚染対策を紹介するととも に国内の課題解決に向けた提案を、それぞれに詳し い皆様に解説頂きました。 ●「 持続可能な不動産投資-パリ協定を実行するための行動フレームワーク」 伊藤 雅人 氏 の紹介 ●環境問題を巡る動向と環境総合性能評価システムの活用について 篠﨑 由果 氏 ●「グリーンリース」と「不動産の ESG 投資」 堀江 隆一 氏 ●海外における汚染地再生による経済活性化の紹介 ~我が国の汚染地の有効利用促進に向けて~ 14 ARES 不動産証券化ジャーナル Vol.33 光成 美紀 氏
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