平成 26 年第3回 6月定例会 6 月 13 日 釧路市議会 石川明美議員の新図書館問題での質問 新図書館における賃貸契約と入札問題についてお尋ねします。 今議会においては、新図書館に質問が多く集中しております。私は、この新図書館につい て、その入り口の問題についてお尋ねいたします。 地方公共団体の契約は原則として一般競争入札によらなければならないとして、地方自 治法や会計法、その他法律によって定められております。しかし、今回の新図書館の建設に おいては、これから建設予定の民間のビルにあらかじめ申し合わせをしたように賃貸入居 を決めてしまいました。民間業者もそれを受け入れ、図書館入居に向けて設計変更も行い建 設を進めているという、そうした流れになっております。ここには入札という精神が全く抜 け落ちているのではないでしょうか。 図書館の建設費はおよそ 20 億円、30 億円と非常に多額の費用がかかります。当然、公共 施設の建設に関しては公平性、透明性をきちんと担保するために一般競争入札を行わなけ ればなりません。しかし、今回のような手法を使えば、どんな大型の公共施設の建設も入札 なしに可能となってしまいます。私は、今回のこのような賃貸方式には反対でございますが、 仮に百歩譲ったとして、賃貸という形であってもいわゆるこの図書館に関しては公開型の プロポーザル方式など、そうした入札は行うべきではないかと考えておりますが、このこと について考え方をお聞きいたします。 ●総務部長(中井康晴) (登壇) 私からは、新図書館の賃貸契約の関係についてご答弁 を申し上げます。 新図書館の整備につきましては、現在、教育委員会において民間ビルの賃貸を基本として 検討を進めておりますが、この賃貸契約につきましては、不動産の借入契約に当たるもので あります。不動産の借入契約は、特定の土地や家屋を借り入れる必要がある場合に行われる もので、通常、特定の相手方との折衝の結果、価格、その他の条件が整った上で初めて契約 を締結するものであることから、随意契約による場合の典型的な事例とされており、競争入 札に適さない性質を持つものとされてございます。したがいまして、新図書館の賃貸契約に つきましては、方式にかかわらず入札にはなじまないものと考えてございます。 私からは以上でございます。 ●26番(石川明美議員) 先ほどご答弁をいただきました。いわゆる自治法を含めた法律 上は全く問題ないと。確かに法律上、そういう仕組みになっていると私も思います。ただ、 今回の進め方を見た場合、いわゆるその法律の趣旨、契約、入札を含めた公平性、透明性を きちんと担保していくと。そこからさまざまな法律が制定されているところでございます。 もちろん地方自治法や会計法もそうでございますが、とりわけいわゆる入札談合関与行為 1 防止法ですか、官製談合防止法と簡単に呼ばれていますが、この法律にもありますし、公共 工事入札契約適正化ということも法律も施行され、あくまでも契約に対して透明性がしっ かり担保されること、確保されることを目的として明確に述べております。当然、この法律 に基づいて北海道においては入札監視委員会が設置されて、それぞれチェックをかけてい る状況もございます。 今回の新図書館の流れを見ますと、推定では図書館というのは先ほど言いましたように 20 億円、帯広では 35 億円かかったと言われていますけど、かなり大型の公共工事になりま す。それが釧路でも建設しなければならないという中で、いや、実はビル建てる計画がある んだけど、うちのところでビル建てるのでその中に入りませんかっていう入札する以前の 前の話の段階からもう決まっちゃうわけですね。そうすると、その経過の流れ、また特定の 民間の不動産業者がもうそこで既に決まってしまうと、これは今の法律の条項ではなくて、 法律の目的、観点から見ても、また思想から見ても少しおかしいのではないか。 先ほどの1回目の質問に聞きましたように、もしこの手法を使えば、いわゆる老朽化した 建てかえの計画において、事前にいわゆる行政のその部門と接触を図りながら話が進んで いって、まさに契約に関して入札もないのに話がどんどん建設のほうに進んでしまうと、こ れこそ過去さまざまな入札で談合を含めて大きな事件が起きた、その大もとにつながる側 面があるからこそ、私はこの問題を質問したわけなんです。この手法を許すと本当に大変な ことに私なると思っています。公平、透明感を持って入札、そして契約をしなければならな いのに、事前にそのうわさ、状況をわかっている中で、よくわからない民間業者と話が進め ながら、いや、実はビルを建てる計画があったのだと、よろしくということで話がどんどん 進んでいって、計画もどんどん進んで、いつの間にか入居の賃貸契約になってしまったと、 ここにいわゆる公契約における透明性が全く私は見えてこない。まさに法律の趣旨から大 きく外れることになるのではないかという思いがあったればこその質問でございました。 この出発から現在の新図書館におけるいわゆる公平性、透明性についてどのように認識し ているか再度お尋ねします。 ●総務部長(中井康晴) ただいまの図書館の民間ビルの賃貸契約についてのご質問でござ います。 民間ビルの賃貸契約につきましては、目的物に代替性がない場合において、地方自治法の 施行令第 167 条の2第1項第2号の規定により随意契約を行うことができるということで 私ども認識をしているところでございます。 ●26番(石川明美議員) そうですね、確かに随意契約、いわゆる地方自治法及び地方自 治法施行令の中の随意契約という項目の中に、その性質が競争入札に適しないものとか、い ろいろ随意契約の条件が書いてあります。確かに法律上はこれに適合すると思います。ただ 問題は、法律の条項ではなくて、このようなあり方を容認していくと、これからとんでもな 2 い大きな事件も発生してしまうのではないか、その懸念があるから今回質問させていただ いたわけでございます。 今後、大きな公共事業、建設計画に関していわゆる従来どおりの進め方ではなくて、実は 私のところで計画があるんだという、市民が知らないうちにどんどん話が進んでいって、表 に出たときはほぼ決まっていると。例えば今回の例えで言いますと、いわゆるビル建設計画 があると、じゃあそこに入りたいと言ったら、他の民間の不動産業者が、いやいや待てと、 私のところにも計画があるんだと、そしたらまた別の第三者の民間業者が、いやいや、そう いうんだったら私が図書館にふさわしい場所、土地と建物を提供いたしましょうという話 が広がる可能性はありますよね。ここ、この時点に至れば、透明性も公平性も何もないわけ です。一民間事業者と話がどんどん進んでいって、入居のレイアウト、いわゆる形までどん どん決めていくと。これはちょっとまずいのではないかと思いますが、現在の地方自治法及 びさまざまな入札契約等に関する法律のいわゆる条項ではなくて、その精神に照らしてい かがなものかということについて再度答弁をいただきます。 ●総務部長(中井康晴) 不動産の借入契約、通常相手方と折衝の結果、価格、その他の条 件が整った上で初めて契約をするということでございます。そして、地方自治法上の中でも 認められている部分なんで、今のところそれは問題ないというふうに思ってございます。 ●26番(石川明美議員) 契約が調う、調う前に話がどんどん進んでいるんではないです か。ここを問題にしているんです。この点について、時間もありませんので、市長、契約に 至るまでのこの流れ、これをもっと透明性を担保するために、市長として今後こういった民 間契約に対してどのように考えておられるか最後にご答弁をお願いしまして、終わります。 (時間切れ) ●市長(蝦名大也) 法律のところまで詳しくというふうになると、ちょっとお答えできな いところでございます。しかし、進めていく中で、図書館というものを市の中で今までの図 書館が耐震もアウトになった中で進めていくということの中で、どの場所でということも お話をしていきながら、そしてまた今検討委員会の中でどのような形で進めていくのかと いうことを議論いただきながら、そうやって進めているところでありまして、私はそういっ た中ではしっかり透明性でありますとか、そういったいろんなご検討もいただきながらし っかりしたものをつくっていくということが重要だと、このように考えております。 3
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