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生徒諸君へ
校長室の窓から
2016.10.6
第6号
『ノーベル賞』
毎年10月にノーベル賞の受賞者が発表されます。最近日本人の受
賞者が多いような気がします。ダイナマイトの発明などで大きな財産
を築いたアルフレッド・ノーベルは物理学、化学、医学生理学、文学、
平和の5分野(後に経済学が加わる)で「人類に最大の貢献をもたら
した人物に、毎年、賞金を送るものとする」とした遺言と日本円で約
207 億円を残して亡くなったのです。これがノーベル賞のはじまりです。
受賞の条件は、受賞が発表された時点で本人が生存していることのみで、性別や人種、国
籍、年齢、学歴などは問われないとなっています。その授賞式はノーベルの命日である1
2月10日と決められています。
今年もノーベル賞の受賞者が発表されました。細胞が自分のタンパク質を分解してリサ
イクルする「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる仕組みを解明した大隅良典(おお
すみ よしのり)氏がノーベル医学生理学賞を受賞されます。このオートファジーはがんを
抑える薬や美容液などですでに実用化されているのです。
大隅良典氏のインタビューなどから彼の人となりを考えていきましょう。「人のやらな
いことをやる」集団生活でのルールは別として、自分自身を大切にしているのだろうと思
います。「童顔で若造に見られたくないから、留学前にひげを生やした」なんとなく正直
者というか人間くささが感じられます。「温かく見守ってくれた今は亡き両親にまずは報
告したい。良い家庭人だったとは言えないが、ずっと支えてくれた妻に感謝したい」子育
てはほとんど奥様に任せ、自分自身は研究室にこもりっきりだったといいます。しかし、
心の中ではいつも家族に感謝していたのではないでしょうか。大隅良典氏の趣味の一つに
四つ葉のクローバー(シロツメクサ)探しがあるそうです。四つ葉のクローバーを見つけ
た人には幸運が訪れると言われています。大学の大隅研究室の14人
のメンバー全員に四つ葉のクローバーを贈っているそうです。きっと
身近な人たちをとても大切にしているのでしょうね。