アジア型稲作の成立

2016/10/4
4大農耕文化 とその伝播
文化要素の1
文化要素の1つ …
農具のいろいろ
… その分布は
主作物や農法の
分布とほぼ一致
↓
農耕文化
農耕文化
の比較表
★「文化」の要素は
文化」の要素は
アジア型稲作の成立
地中海:
麦文化
複合的な
複合的なsetを構成
setを構成
冬作物
(麦,菜
(麦 菜
類)
黄河:灌漑
雑穀農業
サバンナ:
雑穀中心
畑作,
畝立,
犂耕
雲南:照葉
樹林文化
雑穀,
焼畑,
稲作
点播,
田植え
株立て
鍬耕作
マレー:根
菜文化
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伝統的
稲作地
古い農業形態
粗放的
農業地域
東南アジアの
農業地域
二圃式農業の栽培暦
伝統的稲作地域
-近代的変容
マルトンヌ指数
P/
/(T+10) … 東西農法の分かれ目
ホッラマバード北郊外の
Google Earth画像
(2010.04.14)
イラン・ホッラマバード
イラン・ホッラマバード地方
ホッラマバード地方
の天水農業地帯の例
西欧型農法の形成
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もう1つの農業地域分化 … 市場
・この区分法に対しては,指標選択と組合せの合
改訂案が提起されている。
理性をめぐって,多くの改訂案
改訂案
・地図帳や教科書等に出ている区分図を比べて
みると,どんな点が論点か知ることができる。
ヨーロッパの主な工業地帯
※1980年代以降,イングランド中部
や北西ドイツの重工業地帯は衰退
気味。南仏,南ドイツ,北イタリアにハ
イテク工業地帯が生成している。
・しかし,左図の濃い地域が,西欧の
人口重心に近く,土地利用集約度の
高い地域であることに変わりない。
Whittleseyの農業地域区分
★特に「東・南アジア」のとらえ方
… 自給的,集約的,アジア式
… 経済性を加味した
経済性を加味した区分
を加味した区分
・「農業」の5
「農業」の5要素
①作物・家畜の組み合わせ
作物・家畜の組み合わせ
②生産技術 … 農具とその使用法
③土地利用の集約性 … 面積あたり収量
④生産物の使途
生産物の使途 … 自家消費,
自家消費, 交換,
交換, 販売
⑤住居・営農施設の利用
住居・営農施設の利用 … 定住、移動
⇒大区分
・東洋型 … 穀物主、自給的、土地集約的
・西洋型 … 有畜穀物、商業的、労働生産性
・乾燥型 … 牧畜,遊牧
・新大陸・植民地型 … 企業的、大農園
・13地域区分
地域区分
1.遊牧
遊牧
2.企業的牧畜
企業的牧畜
3.移動耕作
移動耕作
4.粗放的定住農業
粗放的定住農業
5.自給的稲作
自給的稲作
6.自給的畑作
自給的畑作
7.プランテーション
プランテーション
8.地中海式農業
地中海式農業
9.企業的穀物農業
企業的穀物農業
10.商業的混合農業
商業的混合農業
11.自給的混合農業
自給的混合農業
12.商業的酪農
商業的酪農
13.園芸農業
園芸農業
Whittlesey区分の
区分の問題点
区分の問題点
★区分基準
区分基準のあいまい
基準のあいまいさ
のあいまいさ
・「5要素」の優先関係が不明で、「理論的分
類」と「経験的区分」が初めから混在。
⇒指標を限定すると明快になるが、「農業」
は総合的・文化的営みである点にむずかし
さ。
★農業技術
農業技術の発達による変化
・とりわけ1960年頃以降の農業技術の発展で、
各地で農業が変化
eg. 乾燥地帯での灌漑の整備 … アム・シルダ
リア川の流域、ナイル川下流域に巨大な灌漑
農業地帯(主に綿花
綿花の商業生産)が出現。
綿花
eg. アジアでの「緑の革命」 … 米・麦の増産、
機械化・商業化の進展
Grigg修正
★「まとまり」認定の
まとまり」認定の恣意性
」認定の恣意性
1)
)「園芸農業」
園芸農業」 … 都市市場の近郊なら世界
どこでも行われている。
どれほど「まとまり
まとまり」をもっていれば世界的な
まとまり
「農業地域」と認定するのか?
2)
) 区分精度の不均一
区分精度の不均一 … 西欧に詳しく、熱帯
地域で粗い区分
eg. アフリカの低緯度地帯が「焼畑移動耕
作」でひとまとめにされているが、その焼畑作
物はイモ類(熱帯雨林)と雑穀の地域(サバ
ナ)に分かれる。
3)
)地域の「代表的な農業
地域の「代表的な農業」の判断基準
代表的な農業」の判断基準
eg. ジャワ … 「プランテーション」もあるが、
ジャワ=「穀物の島」の語源のとおり,伝統の
灌漑水利に支えられた集約的稲作
集約的稲作地域。古代
集約的稲作
王国〜植民地時代を通じて、東南アジアの食
料庫であった。
★しかし,論理的・客観的すぎても,「実感」や「経験」と合わないことになりかねない。
そこに人文要素を含む地域区分の難しさ。 今もこの区分が使われるのは,少なくと
も世界スケールでみる場合は、「実感」とあう部分がなお多いから。
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