日本語学(概論) 北﨑勇帆

日本語学(概論)
北﨑勇帆
授業概要
私達が普段の日常生活で何気なく使っている言語、
「日本語」のことをどれだけ知っているだろうか。少し考
えてみると、携帯電話や車がどのような仕組みで動いているのかがよく分からないのと同じように、実は、普
段使っている日本語にも知らないことがたくさんあるということに気が付く。なぜ、
「一本、二本、三本」は「い
っぽん、にほん、さんぼん」と発音するのか? なぜ、
「今日、お昼ご飯どう?」という質問に、
「嫌です」では
なく「これから授業があるんだ」という答えで断ることができるのか? なぜ、高校の古文で習った「係り結び」
は今の日本語にはないのか? なぜ、嘘の色(?)は赤くないのに「真っ赤な嘘」というのか?
本講義では、こうした素朴な疑問を各回のトピックとし、音韻・文法・語彙・表記・敬語・方言といった観
点から日本語の様々な現象・特徴を講義する。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
「日本語」について(ガイダンスを含む):他の言語から見た日本語はどんな言語か?
日本語の音韻①(現代1):なぜ「ぱぴぷ」のような半濁音はハ行以外にないのか?
日本語の音韻②(現代2)
:なぜ「かんだ」は Kanda で「しんばし」は Shimbashi なのか?
日本語の音韻③(歴史):なぜ「一本、二本、三本」は「いっぽん、にほん、さんぼん」?
日本語の語彙①(現代):妹や弟を「おい、妹」と呼ばないのはなぜ?
日本語の語彙②(歴史):「真っ赤な嘘」の嘘は赤いのか?
日本語の文法①(現代1):そもそも、
「文」「文法」とは何か?「あっ!」は文か?
日本語の文法②(現代2):なぜ「これから授業があるんだ」で誘いを断れるのか?
日本語の文法③(歴史):「係り結び」はどこへ行った?
日本語の表記①(現代):「歳」と「才」はどう違う?
日本語の表記②(歴史):なぜ、日本語には平仮名とカタカナと漢字があるのか?
日本語の敬語①(現代):「正しい敬語」とは何か?
日本語の敬語②(歴史):目上の人に「~給え」が失礼でなかったのはなぜ?
日本語の方言①:東京にも方言はあるのか?
日本語の方言②:「ら抜き言葉」は新しい現象なのか?
試験(筆記試験による)
到達目標
・日本語に関する諸問題について一通りの知識を身につける。
・日常の生活の中で、言葉に対して素朴な疑問を抱けるようになる。
履修上の注意
・私語・遅刻・途中退室等厳禁。3分の2以上の出席を義務とする。
・母語が日本語である必要はないが、日本語での日常会話ができることが望ましい。
予習復習
・次回のトピックに関して、「○○といったテーマについて考える」程度の予習・宿題を課すことがある。
・復習は特に求めないが、試験前になって困らないように適宜講義内容を振り返っておくこと。
評価方法
① 講義内での講師からの質問に対し、その回答をコメントシートに記入してもらう。
(各回 3 点、計 45 点)
② 小テスト(5点を3回、計 15 点) ③期末試験(60 点)
以上の①②③を合計し、上限を 100 点として単位を認定する。
テキスト
講義中に資料を配布するため、テキストの購入は不要。参考書として、月本雅幸編『日本語概説』
(放送大学
出版)、沖森卓也編『日本語概説』(朝倉書店)など。