商法 次の【設問】 (1) (2)の両方に答えなさい(配点は6:2) 。解答に際しては,適宜条 文を挙げること。解答用紙は,表面(30 行)のみを使用すること。 【設問】 (1)甲株式会社(以下「甲社」という。 )は取締役会設置会社であり,監査役設置会社で ある。甲社の取締役は A・B・C の3名で,A が代表取締役であり,また D が監査役であ る。A は自己の所有する不動産を1億円で甲社に譲渡したいと考え,B の内諾を得た。し かし,C と D は,1億円は高すぎるとして反対した。そこで,A は,B のみに招集通知を 発して臨時取締役会を開催し,出席者 A・B の賛成で,当該不動産の売買(以下「本件売 買」という。 )を承認し,当該承認に基づき本件売買が実施された。本件売買の効力につい て論じなさい。 (2)P株式会社(以下「P社」という。)は,取締役会設置会社である。P社の定款には, 譲渡による株式の取得には株式会社の承認を要する旨が定められている。P社の発行済株 式の全部を保有する株主であるQは,その持株の全部をP社の取締役会の承認を得ずにR に譲渡し,QとRは共同で株主名簿の名義書換えをP社に請求した。P社はこれを拒むこ とができるか。 (80点)
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