大山駅・上板橋駅周辺地区のまちづくりの状況について 1 大山

まちづくり調査特別委員会資料
平 成 28 年 10 月 4 日
都市整備部拠点整備課
大山駅・上板橋駅周辺地区のまちづくりの状況について
1
大山駅周辺地区
(1)道路整備と一体的に進める沿道まちづくり
① 重点整備地域(不燃化特区)
首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、東京都は平成 24 年 1
月に「木密地域不燃化 10 年プロジェクト」を立ち上げ、木造住宅密集地域の改善
を加速させる取り組みを行っている。
大山駅西地区では、総建物棟数約 500 棟のうち、約 53%が木造・防火造の建物
が集積しているなど、都市災害に脆弱な地区が残っていることから、特に重点的・
集中的に市街地の不燃化等を図るべき地域(重点整備地域)として不燃化特区の
指定を受けている。
東京都は、防災上効果の高い都市計画道路である補助第 26 号線(特定整備路線)
の整備を平成 32 年度までに進めるとしており、区としても、補助第 26 号線沿道
一体のまちづくりを含め木造住宅密集地域の改善に向けての取り組みを進めてい
る。
「不燃化特区整備方針図」
(防災都市づくり推進計画(改定)(※) 平成 28 年 3 月発行)
※東京都が、震災を予防し、震災時の被害拡大を防ぐため、延焼遮断帯の形成など、都市構造の改善に関
する諸施策を推進することを目的として定めた計画。
1
② 市街地再開発事業
不燃化特区内では防災広場や補助第 26 号線の移転施設の目的がある大山町ピ
ッコロ・スクエア周辺地区市街地再開発事業や沿道建築物の共同化により延焼遮
断帯の形成を図る目的がある大山町クロスポイント周辺地区市街地再開発事業が
各準備組合により進められている。
平成 28 年度中の都市計画決定については、施設計画の見直しや関係機関との協
議の進捗を踏まえ、スケジュールが組みなおされた。
区としては、両準備組合がめざしている平成 29 年度の都市計画決定に向け、引
き続き準備組合と関係機関との協議が円滑に進められるよう連携を図っていく。
【地権者の意向と事業性の向上等を踏まえ、6 月の総会にて検討区域の範囲が変更】
変更前
変更後
2
大山町ピッコロ・スクエア周辺地区
【地権者数】
変更前:33 名
→
変更後:50 名
【今後の予定】
平成 30 年 2 月
都市計画決定
平成 30 年 12 月
組合設立
平成 32 年 3 月
工事着工
平成 35 年度
工事完了
※部分竣工を準備組合にて検討中
大山町クロスポイント周辺地区
【地権者数】
変更前:56 名
→
変更後:42 名
【今後の予定】
平成 29 年 7 月
都市計画決定
平成 30 年 5 月
組合設立
平成 31 年 3 月
工事着工
平成 33 年 8 月
工事完了
大山町クロスポイント周辺地区
イメージ図
A街区
住宅、店舗等
約25階建て
B街区
住宅、店舗等
約10階建て
D街区
住宅、店舗等
約25階建て
C街区
店舗等
約3階建て
3
③ 都市計画道路沿道のまちづくり
区は、東京都が行う補助第 26 号線の整備にあわせて、建物の共同化などの沿道
まちづくりを同時に進めていく。
一般的な道路整備事業では、道路にかかる方々は、移転によって、住みなれた
まちを離れることとなるが、沿道まちづくりによる隣接地との共同住宅が建てら
れれば、近隣に住み続けることができる。また建替えができない接道していない
敷地も、周辺の敷地とあわせて共同化(市街地再開発事業等)されることで土地
を活用することができるなど、沿道の建物が耐震・不燃建築物に建て替わり、狭
あい道路も改善され、地域の防災性が向上する効果が期待できる。
今後も引き続き様々な助成制度等を活用しながら共同化事業等を提案し、地域
と一体となって燃えにくいまちづくりを進めていく。
4
「燃え広がらない・燃えないまち」づくりイメージ図
(東京都長期ビジョン(PR 版)平成 27 年 3 月発行)
4
「道路整備と一体的に進める沿道まちづくり」イメージ図
5
(東京都都市整備局)
(2)駅前広場等の検討
区は鉄道立体化を見据え、各交通機関への乗換え利便性の向上を図ることを
目的に、駅前広場に関する検討や、交通量調査等の実態調査に基づき、鉄道立
体化に伴い変化する交通ネットワークの検討を行っている。
一方、昨年 9 月、大山駅付近の鉄道立体化を見据え、駅前を中心としたまち
づくりの方向性について、意見交換することを目的に「大山駅周辺のまちづく
りを考える会」
(以下、
「本会」という。)が発足した。現在までに 8 回開催して
おり、これまでの活動内容について、経過報告を行う。
本会を構成する町会及び商店街
大山本町会
大山町会
大山東町会
凡例
:駅前広場の
検討対象範囲
遊座大山
商店街振興組合
ハッピーロード大山
商店街振興組合
① 本会の活動内容
これまでに委員の方と、大山駅の駅前広場には、交通空間・環境空間として
どの様な機能が必要で優先すべきなのか、意見交換を重ねてきた。
今年度は、5 月に実施した交通量調査の結果を踏まえ、駅前を中心とした交通
ネットワークについて意見交換を行っている。また、連続立体交差事業の目的
と効果、手続きの流れ等を紹介し、理解を深めていただいている。
昨年度本会において出された意見
空 間
機
能
駅前広場の位置
交通空間
交通結節機能
出された意見 ○必要と考えられるもの
×不要と考えられるもの
○鉄道敷の活用検討
○路線バス(補助第26号線沿い)
○コミュニティバス(駅前広場で対応)
○自転車駐車場(買い物客向け・機械式の分散配置)
○レンタサイクル
市街地拠点機能
環境空間
都
市
の
広
場
機
能
交流機能
○イベント広場
景観機能
○地区のシンボル ×モニュメント・噴水等は不要
サービス機能
○交番(長寿医療センター前の交番移設)
○公衆電話(災害時) ○トイレ
防災機能
○災害時の避難スペース
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② 本会での現地視察の実施
今年 8 月には、連続立体交差事業と駅前広場などを対象に、他地区の先行事
例について本会委員の方々の現地視察を行った。高架化の事例として西武池袋
線の中村橋駅・石神井公園駅の 2 駅、地下化の事例として、京王線の調布駅・
布田駅・国領駅の3駅の視察を行った。
西武池袋線 石神井公園駅
練馬自転車歩行者専用道第 1 号線
西武池袋線 石神井公園駅の駅前広場
年度
連立事業等の経緯(参考)
(西武池袋線 中村橋駅)
S45
連立事業の都市計画決定
H5
連立事業の事業認可取得
H14
高架化完了(複々線化)
H18
駅前広場の工事着手・完成
西武池袋線 中村橋駅の駅前広場
京王線 国領駅付近
年度
京王線 布田駅の駅前広場
連立事業等の経緯(参考)
(京王線 布田駅)
S44
連立事業の都市計画決定
H13
連立事業の都市計画決定(変更)
H14
連立事業の事業認可取得
H24
地下化完了
H25
駅前広場の工事着手
H26
連立事業の事業完了
駅前広場の完成
調布市職員による説明
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③ 今後の予定
本会においては、引き続き、駅前広場のあり方や交通ネットワークについて
意見交換を行い、意見の集約化を図る。
区は、駅前広場について、本会での意見を参考にしつつ、今年度末に、概略
規模や入れる施設の優先順位など整備する上で基本的な考え方をまとめた基本
構想を定める予定である。
駅前広場整備事業の一般的な流れ
都
市
計
画
素
案
説
明
会
位
置
・
規
模
等
の
検
討
都
市
計
画
案
説
明
会
都
市
計
画
事
業
認
可
都
市
計
画
決
定
事
業
完
了
駅前広場の基本構想提示(今年度末予定)
(3)鉄道立体化の促進
平成 26 年 9 月、東京都は東武東上線大山駅付近を連続立体交差事業の事業候
補区間に位置付け、現在事業範囲や構造形式などの調査・検討を行っている。
区としては、駅前広場等のまちづくりを進めるとともに、鉄道立体化の早期
実現に向け社会資本総合整備計画への位置付けを目ざし、連続立体交差事業に
対する理解が深まる様、事業の目的と効果等について地元に説明を行っていく。
大山駅付近の現況について
●大山駅と重点踏切5箇所(開かずの踏切)が存在する
●大山駅と重点踏切5箇所(開かずの踏切)が存在する
●第15
号、第16号踏切は歩行者・自転車交通量が多い
●第15
号、第16号踏切は歩行者・自転車交通量が多い
●補助第26号線(優先的に整備すべき路線※)と交差する
●補助第26号線(優先的に整備すべき路線※)と交差する
●「防災都市づくり推進計画(都)」の重点整備地域に指定
●「防災都市づくり推進計画(都)」の重点整備地域に指定
※「東京における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)」
※「東京における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)」
大山駅付近
18号
大山駅付近
17号
18号
16号
■開かずの踏切(国)
・ピーク時の遮断時間が40分/時以上
■開かずの踏切(国)
の踏切
・ピーク時の遮断時間が40分/時以上
の踏切
■重点踏切(東京都)
・重点的に対策を実施・検討すべき踏切
■重点踏切(東京都)
(都内394箇所)
・重点的に対策を実施・検討すべき踏切
17号
■鉄道立体化の検討対象区間
(都内394箇所)
・鉄道立体化の可能性を検討すべき区間
16号15号
13号
15号
13号
■鉄道立体化の検討対象区間
・鉄道立体化の可能性を検討すべき区間
踏切対策基本方針(平成 16 年 6 月/東京都)より抜粋
8
鉄道立体化の検討対象区間から工事着手に至るまで
事業中区間
事業認可を取得し工事着手した区間
事業候補区間(準備中区間)
東京都が事業主体となって新規に着
工を準備する区間
事業候補区間
東京都が事業主体となって連続立体
交差事業の事業化の可能性を検討
する区間
検討対象区間
鉄道立体化の可能性を検討すべき
区間
京王京王線(笹塚~仙川駅付近)
西武新宿線(中井~野方駅付近)
西武新宿線(東村山駅付近)
東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)
※1
抜粋>
JR埼京線(十条駅付近)
京急本線(品川~北品川駅付近)
西武新宿線(野方~井荻駅付近)
西武新宿線(井荻~東伏見駅付近)
東武東上線(大山駅付近)
JR南武線(矢川~立川駅付近)
京成本線(京成高砂~江戸川駅付近)
※2
抜粋>
東武東上線(ときわ台~上板橋駅付近)
西武池袋線(大泉学園~保谷駅付近)
西武池袋線
(ひばりヶ丘~東久留米駅付近)
他6区間
※1 東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)は区施行。
※2 このほか、東急大井町線(戸越公園駅付近)を事業候補区間に位置付けている。
連続立体交差事業の一般的な流れ
事業候補
区間
検
討
対
象
区
間
(
事
業
範
囲調
や査
構・
造検
形討
式
な
ど
)
事業候補区間(準備中区間)
計社
画会
へ 資
の本
位総
置合
付整
け備
ま技
ち術
づ的
く
りな
の課
進題
捗の
状整
況理
都
市
計
画
素
案
説
明
会
都
市
計
画
案
説
明
会
環境影響評価
調査計画書
→評価書案→評価書
9
事業中区間
都
市
計
画
決
定
都
市
計
画
事
業
認
可
事
業
完
了
2
上板橋駅周辺地区
(1) 進める会からの提案書
上板橋駅南口駅前地区では、平成 28 年 6 月 23 日、「かみいた南口東
災害に
強いまちづくりを進める会」(平成 25 年 3 月、東・中街区を中心として設立。以
下、
「進める会」という。)が、板橋区長あて「早期のまちづくり実現に向けた提案
書」(以下、「提案書」という。)を提出した。進める会はこれまで、出来るところ
から災害に強いまちづくりを実現することを目的として、「上板橋駅南口駅前地区
市街地再開発準備組合」
(平成 7 年に設立。以下、
「準備組合」という。)と連携を
図りつつ、準備組合、町会及び商店街など地域の方々が参加できる「合同意見交換
会」の場を設けてまちづくりの検討を進めてきたが、この提案書でこれまでの成果
をまとめ、区へ提案している。
この提案書では、平成 16 年に都市計画決定した再開発事業の基盤計画(道路・
駅前広場)の変更を要さず、一部西街区を残して組合設立認可(事業認可)をめざ
す約 1.7ha を再開発先行区域とし、早期の事業化が難しい西街区約 0.5ha は検討
継続区域として勉強会を設立し、引き続きまちづくりを検討する、としている。
<参考>進める会の提案するまちづくり案
10
(提案書抜粋)
(2)
新たな施設建築物計画案
8 月 4 日の合同意見交換会において、新たな施設建築物(再開発ビル)の計画案
が提示された。平成 16 年の都市計画決定では、東街区の施設建築物は、高さの限
度が 130m、地上 37 階建てを計画していたが、近年の建築費の高騰等を踏まえよ
り効率的な施設建築物を検討した結果、高さにも配慮した地上 32 階建てに見直し
ている。今後、進める会及び準備組合が連携して施設建築物等に係る具体的な検討
を進めるとともに、関係各機関等との協議・調整を進め、3 月に事業計画案として
確定する予定である。
<参考>新たな施設建築物計画案
配置図
外観イメージ
駅前広場
東街区
東街区
中街区
中街区
南街区
平成 16 年
基
盤
施
設
駅前広場
都市計画道路
東街区
低層部
施
設
建
築
物
高層部
中街区
南街区
都市計画決定案
検討案
約 3,900 ㎡(地下駐輪場含む)
幅員 16m
37 階建て(約 130m) 容積率:約 600%
32 階建て(約 110m)
店舗・公益施設等(1~3 階)
延床面積:約 4,000 ㎡
店舗・公益施設等(1 階)
延床面積:約 1,000 ㎡
住宅
住宅
延床面積:約 26,000 ㎡
住戸数:約 300 戸
容積率:約 600%
延床面積:約 33,000 ㎡
住戸数:約 350 戸
18 階建て(約 60m) 容積率:約 600%
18 階建て(約 60m)
店舗(1~2階) 延床面積:約 1,000 ㎡
住宅 延床面積:約 8,000 ㎡
住戸数:約 100 戸
店舗(1 階) 延床面積:約 150 ㎡
住宅 延床面積:約 9,000 ㎡
住戸数:約 100 戸
5 階建て(約 20m) 容積率:約 300%
5 階建て(約 20m)
店舗・事務所
店舗・事務所
延床面積:約 1,700 ㎡
容積率:約 600%
容積率:約 300%
延床面積:約 1,700 ㎡
注)上記は進める会で検討中の施設建築物の一案で、まだ確定したものではありません。
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(3)今後の進め方
① 準備組合の再設定
進める会と準備組合では、2つの組織の融合に向け、従来の準備組合から再開
発先行区域約 1.7ha の新たな準備組合とする、準備組合の再設定を予定している。
そこで、9 月に従来の準備組合が総会を開き、新たな準備組合とするための規約の
変更、新たなコンサルタントを選定するなどの決議を行った後、新たな準備組合
として改めて総会を開き新役員の選出を行う予定である。さらに、年内の総会で
新たな準備組合の予算及び活動内容を決定し実施体制を整える予定である。
② 検討継続区域
西側約 0.5ha の検討継続区域では、勉強会として(仮称)上板橋駅南口駅前西
地区協議会(以下、西地区協議会という。)の発足に向け、その発起人会が 8 月に
催され、9 月末の設立をめざしている。
③ 上板南口銀座商店街
上板南口銀座商店街では、6 月に外部のまちづくり支援制度を活用し、上板橋
駅前から旧川越街道までの区間において、まちづくりガイドライン及び商店街活
性化プランの策定をめざしている。この間に研究会が開催され、アンケートを実
施するなどの取り組みを進めている。また、商店街の取り組みに対して、区とし
ても、まちづくりガイドラインをより実効性のあるものとするため、9 月より地
区計画策定等支援業務委託を予定している。
(4)準備組合再設定の動き
(8/4 開催合同意見交換会資料より)
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