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2016年10月
わが国短期金融市場の動向
東京短期金融市場サーベイ(16/8月)の結果
日本銀行金融市場局
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融市場局ま
でご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
(はじめに)
日 本 銀 行 金 融 市 場 局 は 2008 年 以 降 、わ が 国 短 期 金 融 市 場 の 取 引 動 向
な ど を 把 握 す る た め 、「 東 京 短 期 金 融 市 場 サ ー ベ イ 」 を 実 施 し て い る 。
このサーベイは当初は隔年で実施していたが、市場動向をより的確に
フ ォ ロ ー す る 観 点 か ら 、2013 年 よ り 毎 年 実 施 す る こ と と し て お り 、本
年 8月 、第 7回 目 となる調 査 を実 施 した( 調 査 基 準 時 点 は本 年 7月 末 )。
今回のサーベイは、従来同様、日本銀行のオペレーション対象先お
よび短期金融市場の主要な参加者を対象として実施している。今回の
サ ー ベ イ の 調 査 対 象 先 は 300 先 と 、 オ ペ レ ー シ ョ ン 対 象 先 の 増 加 を 背
景 に 昨 年 の 298 先 か ら 増 加 し て い る ( 回 答 率 100% )。
日本銀行金融市場局は、今回のサーベイ結果を短期金融市場の動向
把握のために有効に活用していくとともに、
「 債 券 市 場 サ ー ベ イ 」な ど
も併せ用いながら、金融市場の状況や構造変化の包括的かつ多面的な
把 握 に 努 め て い く 考 え で あ る 。 ま た 、「 市 場 調 節 に 関 す る 懇 談 会 」 や 、
「債券市場参加者会合」などの機会も活用しつつ、市場参加者の方々
と対話を重ねながら、短期金融市場も含めたわが国金融市場の活性化
に向けた関係者の取り組みを積極的に支援するとともに、自らも中央
銀行の立場から、可能な限りの貢献を果たしてまいりたいと考えてい
る。
(「 東 京 短 期 金 融 市 場 サ ー ベ イ 」 の 対 象 先 )
前 回( 2015 年 8 月 ) 今 回 ( 2016 年 8 月 )
対象先数
オペレーション対象先
298
300
268
273
(注)日本銀行のオペレーション対象先のほか、主要生命保険会社、主要損害
保 険 会 社 、 大 手 投 資 信 託 委 託 会 社 等 に 協 力 を 得 た ( 回 答 率 100% )。
1
【概
要】
短期金融市場の取引残高は、資金調達残高・資金運用残高とも、前
年 と 比 べ て 減 少 し た ( 注 )。 も っ と も 、 資 金 調 達 残 高 は 、 引 き 続 き 09 年
~ 13 年 を 上 回 る 高 め の 水 準 と な っ た 。
取引残高が減少した背景として、資金調達サイドをみると、短期金
融市場における金利のマイナス化を受けて、有担保コール取引を中心
にコール市場の取引が減少したほか、プラス金利での資金運用が難し
い 中 で 、 発 行 金 利 が 0 % 近 傍 で 推 移 し て い る CD/CP で の 資 金 調 達 が 減
少したことが要因として挙げられる。資金運用サイドをみると、コー
ル取引の減少に加え、国庫短期証券での運用が減少した。
一 方 で 、 レ ポ 取 引 に つ い て は 、 GC レ ポ 取 引 が 、 コ ー ル 取 引 の 代 替 と
して機能したほか、日銀当座預金のマクロ加算残高や基礎残高の余裕
枠との間の裁定取引において選好されたことなどから、市場規模を拡
大した。
短期金融市場の機能度については、市場金利のマイナス化や、希望
する取 引 額 での取 引 が難 しくなっていることなどを背 景 に、
「 低 下 した」
との回答が6割程度に増加した。一方で、日銀当座預金のマクロ加算
残高や基礎残高の余裕枠を用いた新たな裁定取引が増加していること
を 受 け て 、「 改 善 し た 」 と の 回 答 も 増 加 し て 1 割 程 度 と な っ た 。
日本銀行としては、今後とも短期金融市場の動向を、日々のモニタ
リング活動や本サーベイ、市場参加者との対話などを通じて、適切に
フォローしていく考えである。
▽短期金融市場の取引残高
【資金調達サイド】
300
対日銀取引
CD/CP、CD/CP現先
円転等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
(兆円)
250
200
33
34
37
33
38
0
35
33
43
37
34
34
26
08年
250
82
38
88
国庫短期証券
CD/CP、CD/CP現先
円投等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
58
35
42
200
33
26
82
80
55
70
53
27
32
77
79
66
150
34
109
50
300
28
150
100
【資金運用サイド】
(兆円)
110
107
69
61
61
28
28
26
28
27
29
33
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
100
116
37
106
68
50
17
16年
0
30
29
62
61
28
24
9
32
36
98
97
36
26
26
25
27
25
27
30
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
31
102
15
16年
( 注 )運 用・調 達 で 計 数 が 一 致 し な い の は 、本 サ ー ベ イ の 調 査 対 象 の 制 約( 非
居 住 者 等 は 調 査 対 象 外 )、調 達・運 用 の 片 側 の み に 計 上 さ れ る 取 引 種 類( 対
日銀取引は資金調達サイド、国庫短期証券は資金運用サイドのみに計上)
が存在することによる。
2
1.無担保コール取引は小幅に減少
無担保コール市場の取引残高は、前年と比べて小幅に減少した。
背景としては、都銀等が日銀当座預金における政策金利残高を発
生させないよう資金調達を抑制したことや、金融機関によってはマ
イナス金利での無担保コール取引にシステム上の制約が存在するこ
とが指摘された。また、生損保等が、金利のマイナス化を受けて無
担保コールでの運用を取り止めたとの指摘も聞かれた。
一方で、資金調達サイドでは、マクロ加算残高や基礎残高に余裕
のある地銀・地銀Ⅱ等がマイナス金利で調達した資金を日銀当座預
金に積む裁定取引を開始したこと、資金運用サイドでは、信託のう
ち投資信託が4月中旬にマイナス金利での資金放出を増加させたこ
と か ら 、取 引 残 高 の 減 少 幅 は 小 幅 な も の に と ど ま っ た と の 指 摘 も あ っ
た。
▽無担保コール市場の取引残高
【資金調達サイド】
(兆円)
【資金運用サイド】
(兆円)
その他
25
その他
25
系統・信金
証券等
2
外銀
20
20
地銀・地銀Ⅱ
地銀・地銀Ⅱ
8
信託
都銀等
都銀等
15
8
3
2
10
5
2
4
4
5
2
10
08年
09年
5
4
10年
11年
6
6
10
7
7
5
4
2
12年
13年
14年
15年
5
5
2
6
0
2
15
0
16年
3
3
3
3
3
3
3
5
08年
3
2
3
2
3
3
5
09年
10年
11年
12年
13年
14年
7
8
15年
16年
2.有担保コール取引は大幅に減少
有担保コール市場の取引残高は、前年と比べて大幅に減少した。
取引主体別にみると、これまで有担保コール取引の大半を占めてい
た、信託銀行・投資信託を出し手、短資会社を取り手とする取引が大
幅 に 減 少 し た 。 す な わ ち 、 こ れ ま で は 、 短 資 会 社 が GC レ ポ で 調 達 し
た債券を担保に、信託銀行・投資信託から有担保コールで資金調達す
ることで、信託銀行・投資信託の資金運用ニーズの受け皿となってき
た 。 し か し 、 マ イ ナ ス 金 利 政 策 の も と で 、 GC レ ポ の レ ー ト が マ イ ナ
ス圏に低下したことで、短資会社は、信託銀行・投資信託が求めるプ
ラスの利回り水準では、有担保コール取引での資金運用に応じること
が難しくなった。
以上に加えて、無担保コール取引と同様の理由により、都銀等の調
達がほぼ皆減となった。
▽有担保コール市場の取引残高
【資金調達サイド】
【資金運用サイド】
その他
短資
証券等
外銀
地銀・地銀Ⅱ
都銀等
(兆円)
25
20
その他
(兆円)
25
短資
地銀・地銀Ⅱ
信託
20
都銀等
15
15
5
10
7
9
10
12
12
11
11
5
3
9
5
0
10
5
4
3
3
3
3
3
3
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
3
3
4
5
4
0
16年
7
6
7
7
8
8
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
有担保コール
(兆円)
30
(%)
無担保コール
80
14
25
17
17
20
16
17
17
5
0
60
16
14
2
15
10
100
有担保コール比率(右軸)
35
40
24
12
12
10
11
12
15
16
14
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
4
3
7
▽コール市場の取引残高と有担保コール比率
40
3
12
5
2
3
3
20
0
2
15年
16年
3 . CD/CP、 国 庫 短 期 証 券 取 引 の 減 少
CD/CP 取 引 の 残 高 お よ び 国 庫 短 期 証 券 に よ る 資 金 運 用 残 高 は 、 前
年と比べて減少した。
CD/CP に つ い て は 、 プ ラ ス 金 利 で の 資 金 運 用 が 難 し い 中 で 、 日 銀
当座預金の積み上がりによるマイナス金利の適用を回避するために、
発 行 金 利 が 0 % 近 傍 で 推 移 し て い る CD/CP で の 資 金 調 達 を 減 少 さ せ
たことが背景として聞かれた。
国庫短期証券については、海外投資家からの需要や、日本銀行に
よる買入れに伴い、利回りが日銀当座預金の政策金利残高部分に適
用 さ れ て い る ▲0.1% を 下 回 っ て 推 移 す る 中 、 国 内 投 資 家 か ら の 需 要
が減少したとの声が聞かれた。
▽ CD/CP、 国 庫 短 期 証 券 取 引 の 残 高
【資金調達サイド】
50
【資金運用サイド】
(兆円)
120
CD/CP、CD/CP現先
(兆円)
国庫短期証券
CD/CP、CD/CP現先
100
40
80
30
82
60
20
34
33
37
34
34
34
38
58
80
66
42
70
53
40
28
24
26
10
0
20
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
5
0
9
31
25
21
20
20
19
24
28
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
20
16年
4 . SC レ ポ 取 引 は 減 少
レ ポ 市 場 1 の 取 引 の う ち 、 SC レ ポ 2 取 引 の 残 高 は 、 前 年 と 比 べ て 減
少した。
背景としては、日本銀行による国債買入れの進捗などにより国債
の 需 給 が タ イ ト 化 す る 中 、主 要 な 債 券 調 達 主 体 で あ る 証 券 会 社 等 が 、
現物のショート・ポジション形成を抑制したことから、ショート・
カ バ ー を 行 う た め に SC レ ポ で 債 券 を 調 達 す る 取 引 の ニ ー ズ が 減 少 し
たことが指摘された。
▽ SC レ ポ 市 場 の 取 引 残 高
【債券調達サイド】
60
【債券運用サイド】
その他
(兆円)
60
短資・証金
証券(外証)
50
証券(邦証)
14
必要
11
23
30
8
7
12
10
12
11
12
12
14
09年
10年
11年
12年
13年
14年
12
15年
11
14
09年
10年
15
15
19
11年
12年
13年
22
25
22
8
0
08年
7
9
20
10
14
7
7
20
16
13
0
8
30
19
13
10
10
必要
15
21
10
11
都銀等
17
10
17
信託
40
7
13
証券(邦証)
10
都銀等
40
20
短資・証金
証券(外証)
10
50
その他
(兆円)
16年
08年
14年
1
15年
本稿では、現金担保付債券貸借(以下、現担レポ)および買戻・売戻条件付
売買(以下、現先)の取引市場を「レポ市場」と呼ぶ。
2
Special Collateral レ ポ 。 担 保 と な る 債 券 の 銘 柄 を 指 定 し て 行 う レ ポ 取 引 。
6
16年
5 . GC レ ポ 取 引 は 大 幅 に 増 加
一 方 、 GC レ ポ 3 取 引 の 残 高 は 、 前 年 と 比 べ て 大 幅 に 増 加 し た 。
マイナス金利での無担保コール取引にシステム上の制約がある先
が 、 代 替 手 段 と し て GC レ ポ で の 取 引 を 増 加 さ せ た 4 こ と 、 日 銀 当 座
預金のマクロ加算残高や基礎残高の余裕枠との間で裁定取引を行う
に 当 た っ て 、コ ー ル 市 場 よ り も レ ー ト の マ イ ナ ス 幅 が 大 き い GC レ ポ
での資金調達が好まれたこと、政策金利残高を有する主体の運用手
段としても、コール市場に比べて大きなロットでの資金運用が可能
な GC レ ポ が 選 好 さ れ た こ と が 要 因 と し て 指 摘 さ れ た 。
加えて、ドル調達プレミアムの拡大を受けて、非居住者による円
転 ‐ GC レ ポ 間 の ス プ レ ッ ド 取 引 5 が 増 加 し て お り 、 こ の 受 け 皿 と な
る外証等の取引が増加しているとの声も聞かれた。
▽ GC レ ポ 市 場 の 取 引 残 高
【資金調達サイド】
80
その他
(兆円)
証券(外証)
証券(外証)
証券(邦証)
60
29
都銀等
11
17
必要
40
8
12
14
8
08年
3
09年
21
16
8
16
6
16
14
10
10年
8
11年
12年
16
7
15
8
15年
0
16年
10
10
10
14年
17
20
8
9
13年
21
12
30
17
9
都銀等
必要
18
12
12
24
信託
50
12
20
0
短資・証金
70
信託
40
10
その他
(兆円)
証券(邦証)
60
30
80
短資・証金
70
50
【資金運用サイド】
08年
15
10
7
8
10
8
8
09年
17
10
10
10年
11年
14
17
21
22
21
12年
13年
14年
15年
16年
General Collateral レ ポ 。 担 保 と な る 債 券 の 銘 柄 を 指 定 せ ず に 行 う レ ポ 取 引 。
4
レ ポ 取 引 に つ い て は 、追 加 的 な シ ス テ ム 対 応 を 必 要 と し な い 金 融 機 関 が 多 か っ
た。
5
非 居 住 者 が 保 有 し て い る ド ル 建 て 資 産 を 円 転 し た 上 で 、 調 達 し た 円 貨 を GC
レ ポ で 運 用 す る 取 引 。 GC レ ポ の 運 用 金 利 が マ イ ナ ス の も と で も 、 円 転 に よ る
調達金利のマイナス幅がそれより大きければ、両者の鞘を稼ぐことができる。
7
6.短期金融市場の機能度に関する市場参加者の見方
短 期 金 融 市 場 全 体 の 機 能 度 に つ い て は 、「 低 下 し た 」と の 回 答 が 6
割程度に増加した。背景としては、市場金利のマイナス化や、コー
ル市場を中心に希望する取引額での取引が難しくなっていることな
どが指摘された。
取 引 種 類 別 に み る と 、コ ー ル 市 場 に つ い て 、機 能 度 が「 低 下 し た 」
との回答が大幅に増加した。もっとも、国債レポ取引については、
取引残高が増加していることもあり、機能度が「低下した」との回
答の増加は小幅にとどまった。
一方で、短期金融市場全体の機能度が「改善した」との回答も増
加して1割程度となっている。背景としては、日銀当座預金のマク
ロ加算残高や基礎残高の余裕枠を用いた新たな裁定取引が増加して
いることを指摘する声が聞かれた。
▽短期金融市場取引に係る市場参加者の機能度の評価
(%)
100
改善した
4
11
概ね変わらない
3
1
12
低下した
5
9
18
80
60
40
76
61
59
20
23
0
15年
18
16年
15年
24
22
16年
15年
16年
短期金融市場全体 無担保コール市場 有担保コール市場
8
15年
35
16年
国債レポ取引
【 BOX】 マ イ ナ ス 金 利 政 策 の も と で の 短 期 金 融 市 場
マイナス金利政策の導入により、短期金融市場には様々な変化がみ
ら れ て い る 。そ う し た 変 化 の う ち 、以 下 で は 、① シ ス テ ム 面 で の 制 約 、
②日銀当座預金の3層構造、が短期金融市場に与えた影響について述
べる。
(システム面での制約)
既 述 の と お り ( 本 文 1 . お よ び 2 .)、 コ ー ル 取 引 に つ い て は 、 マ イ
ナス金利での取引を行うことに関するシステム面での制約が、残高減
少 の 背 景 の 一 つ と し て 指 摘 さ れ た 6。
この点について、無担保コール市場におけるマイナス金利へのシス
テム対応状況に関するアンケート結果をみると、マイナス金利政策導
入 当 初 か ら シ ス テ ム 対 応 が で き て い た 先 は 、約 3 割 の み で あ っ た 。も っ
とも、その後、約3割の先がシステム対応を行った結果、当サーベイ
の 回 答 時 点( 2016 年 7 月 末 )で は 、約 6 割 の 先 が 対 応 済 と な っ て い る 。
また、残りの先についても、1割弱の先が対応中としている。
今後のコール市場の動向については、こうしたシステム対応の進捗
状況も含めて見ていく必要がある。
▽無担保コール市場におけるマイナス金利へのシステム対応状況7
マイナス金利政策導入前からシ
ステム対応できている
10%
マイナス金利政策導入後にシス
テム対応を行った
31%
14%
目下システム対応を行っている
7%
システム対応の要否を検討中
現時点で取引ニーズがないた
め、対応不要と判断
8%
30%
他の方法で解決
6
なお、レポ取引については、追加的なシステム対応を必要としない金融機関
が多かった。
7
過去1年間で無担保コール取引を行ったことがある先のみが回答。
9
(日銀当座預金の3層構造)
マイナス金利政策のもとで、日銀当座預金が3層構造となったこと
は、短期金融市場で新たな裁定取引の機会を生じさせた。
すなわち、3層構造のもとでは、政策金利残高を有する先と、マク
ロ 加 算 残 高 や 基 礎 残 高 の 余 裕 枠 の あ る 先 と の 間 で 、マ イ ナ ス 金 利 で あ っ
ても取引を行う動機が生じる。政策金利残高を有する先にとっては、
運 用 金 利 の マ イ ナ ス 幅 が 政 策 金 利 残 高 の 適 用 金 利 ▲0.1% よ り も 小 さ け
れば、運用するインセンティブがある。一方、マクロ加算残高や基礎
残高の余裕枠のある先にとっては、それぞれの適用金利である0%ま
た は + 0.1% よ り も 低 い 金 利 で 調 達 で き れ ば 、調 達 し た 資 金 を 日 銀 当 座
預金に積むことで利鞘が得られる。
下記のアンケート結果は、実際に、こうした動機から取引が行われ
ていることを示している。
▽無担保コール市場におけるマイナス金利取引の目的 8
日銀当預におけるプラスまたはゼ
ロの付利金利との間で利鞘を確
保するため(付利先のみ)
17%
3%
日銀当預におけるマイナス金利
の適用部分を抑制するため(付利
先のみ)
54%
26%
取引実務の事務体制を維持する
ため
その他
ま た 、 既 述 の と お り ( 本 文 6 .)、 短 期 金 融 市 場 の 機 能 度 に つ い て 、
「改善した」との回答が小幅に増加したのも、上述の裁定取引により
新たな収益機会が生じたことが背景にあるとみられる。
8
過去 1 年間で無担保コール取引を行ったことがある先のみが回答。
10
【図表編・目次】
図表 1
短 期 金 融 市 場 の 取 引 残 高 .....................................12
図表 2
短 期 金 融 市 場 の 業 態 別 取 引 残 高 ...............................12
図表 3
付 利 先 ・ 非 付 利 先 の 資 金 運 用 残 高 .............................13
図表 4
コ ー ル 市 場 の 取 引 残 高 と 有 担 保 コ ー ル 比 率 .....................13
図表 5
無 担 保 コ ー ル 市 場 の 取 引 残 高 .................................14
図表 6
無 担 保 コ ー ル 市 場 の 取 引 残 高 と D D 取 引 比 率 ...................14
図表 7
無 担 保 コ ー ル 取 引 の タ ー ム 別 残 高 .............................15
図表 8
ク レ ジ ッ ト ラ イ ン 設 定 数 の 推 移 ...............................15
図表 9
有 担 保 コ ー ル 市 場 の 取 引 残 高 .................................16
図 表 10 有 担 保 コ ー ル 取 引 の タ ー ム 別 残 高 .............................16
図 表 11 コ ー ル 取 引 の 約 定 頻 度 .......................................17
図 表 12 コ ー ル 取 引 の 新 規 成 約 高 ( 取 引 高 ) の 業 態 別 シ ェ ア .............17
図 表 13 レ ポ 市 場 の 取 引 残 高 .........................................18
図 表 14 G C レ ポ 市 場 の 取 引 残 高 .....................................19
図 表 15 G C レ ポ 取 引 の タ ー ム 別 残 高 .................................19
図 表 16 G C レ ポ 取 引 の 約 定 日 別 残 高 .................................20
図 表 17 S C レ ポ 市 場 の 取 引 残 高 .....................................21
図 表 18 S C レ ポ 取 引 の タ ー ム 別 残 高 .................................21
図 表 19 レ ポ 取 引 の 約 定 頻 度 .........................................22
図 表 20 レ ポ 取 引 の 新 規 成 約 高 ( 取 引 高 ) の 業 態 別 シ ェ ア ...............22
図 表 21 レ ポ 取 引 の 担 保 債 券 別 残 高 シ ェ ア ............................. 23
図 表 22 運 用 有 価 証 券 信 託 で の レ ポ 取 引 の タ ー ム 別 残 高 .................23
図 表 23 レ ポ 取 引 の 担 保 債 券 の 残 存 期 間 別 残 高 .........................24
図 表 24 レ ポ 取 引 の 契 約 形 態 別 残 高 シ ェ ア .............................24
図 表 25 業 態 別 C P 保 有 残 高 ......................................... 25
図 表 26 海 外 と の 円 資 金 取 引 残 高 .....................................25
図 表 27 円 O I S 取 引 の 状 況 ......................................... 26
図 表 28 現 金 担 保 付 株 券 等 貸 借 取 引 の 残 高 ............................. 27
図 表 29 裁 定 取 引 の ス タ ン ス ......................................... 28
図 表 30 日 銀 当 座 預 金 の 運 用 ス タ ン ス .................................28
図 表 31 無 担 保 コ ー ル 市 場 に お け る 金 融 機 関 の 対 応 状 況 .................29
図 表 32 無 担 保 コ ー ル 市 場 に お け る マ イ ナ ス 金 利 取 引 の 目 的 .............30
図 表 33 諸 課 題 へ の 取 り 組 み 状 況 .....................................31
図 表 34 事 務 体 制 の 変 化 .............................................32
図 表 35 短 期 金 融 市 場 取 引 に 係 る 市 場 参 加 者 の 見 方 .....................33
図 表 36 各 市 場 の 取 引 集 中 度 .........................................35
11
図表1
短期金融市場の取引残高
▽資金調達サイド
300
対日銀取引
CD/CP、CD/CP現先
円転等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
(兆円)
250
200
33
34
37
33
33
38
0
37
35
26
34
34
43
38
08年
250
58
35
42
200
33
26
82
80
55
34
82
国庫短期証券
CD/CP、CD/CP現先
円投等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
(兆円)
70
66
53
150
109
50
300
28
150
100
▽資金運用サイド
110
88
107
69
61
61
28
28
26
28
27
29
33
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
100
116
37
106
68
50
17
16年
0
30
29
62
61
27
32
77
79
24
28
9
32
36
98
97
36
26
26
25
27
25
27
30
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
31
102
15
16年
( 注 ) コ ー ル 取 引 の う ち 、 無 担 保 コ ー ル は 、 短 資 会 社 経 由 の 取 引 お よ び グ ル ー プ 外 DD
取 引 の 合 計 。な お 、短 資 会 社 経 由 の 取 引 デ ー タ は 、日 本 銀 行「 コ ー ル 市 場 残 高 」ベ ー
ス( 以 下 同 じ )。対 日 銀 取 引 と は 、共 通 担 保 オ ペ 、国 債 買 現 先 オ ペ 、CP 買 現 先 オ ペ 、
被 災 地 金 融 機 関 を 支 援 す る た め の 資 金 供 給 オ ペ 、平 成 二 十 八 年 熊 本 地 震 に か か る 被
災 地 金 融 機 関 を 支 援 す る た め の 資 金 供 給 オ ペ 、成 長 基 盤 強 化 支 援 資 金 供 給 、貸 出 増
加支援資金供給および補完貸付を指す。
運 用 ・ 調 達 で 計 数 が 一 致 し な い の は 、本 サ ー ベ イ の 調 査 対 象 の 制 約( 非 居 住 者 等
は 調 査 対 象 外 )、 調 達 ・ 運 用 の 片 側 の み に 計 上 さ れ る 取 引 種 類 ( 対 日 銀 取 引 は 資 金
調達サイド、国庫短期証券は資金運用サイドのみに計上)が存在することによる。
図表2
短期金融市場の業態別取引残高
▽資金調達サイド
(兆円)
300
その他
短資
証券等
系統・信金
外銀
250
200
150
(兆円)
都銀等
41
32
39
34
45
30
50
33
43
38
51
35
28
50
0
27
28
30
41
250
33
200
69
45
51
31
46
150
43
その他
短資
証券等
系統・信金
外銀
地銀・地銀Ⅱ
信託
都銀等
28
30
45
40
35
47
34
46
45
100
33
300
地銀・地銀Ⅱ
信託
78
▽資金運用サイド
42
50
46
48
47
50
50
52
52
49
52
56
48
58
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
47
45
0
16年
12
39
43
41
66
52
39
100
48
34
38
56
60
72
48
60
54
42
41
40
34
22
21
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
18
16年
図表3
付利先・非付利先の資金運用残高
▽付利先
250
(兆円)
国庫短期証券
CD/CP、CD/CP現先
円投等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
200
150
100
▽非付利先
80
0
国庫短期証券
CD/CP、CD/CP現先
円投等
レポ取引
コール(無担・有担)取引
60
68
65
37
30
56
52
29
26
16
18
37
30
29
15
8
40
60
09年
52
10年
50
11年
63
12年
図表4
76
61
13年
14年
14
14
11
10
15年
14
0
16年
10
22
14
18
30
11
10
10
10
11
12
15
09年
10年
11年
12年
13年
14年
(%)
80
14
25
17
17
16
17
17
5
0
60
16
14
2
15
10
100
有担保コール比率(右軸)
20
40
24
12
12
10
11
12
15
16
14
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
(注)資金調達サイド。
13
20
10
無担保コール
35
12
22
8
有担保コール
(兆円)
20
15
9
コール市場の取引残高と有担保コール比率
40
10
9
82
75
10
14
28
33
20
50
(兆円)
20
0
22
10
15年
16年
図表5
無担保コール市場の取引残高
▽資金調達サイド
▽資金運用サイド
(兆円)
(兆円)
その他
25
その他
25
系統・信金
証券等
2
外銀
20
地銀・地銀Ⅱ
20
8
地銀・地銀Ⅱ
信託
都銀等
都銀等
15
8
3
2
10
5
4
2
2
4
5
10
08年
09年
5
10年
4
11年
7
6
7
12年
図表6
13年
14年
15年
0
16年
3
3
3
5
14年
08年
2
3
2
3
3
09年
10年
11年
12年
13年
無 担 保 コ ー ル 市 場 の 取 引 残 高 と DD 取 引 比 率
25
グループ外DD取引
(兆円)
(%)
短資経由取引
100
グループ外DD取引比率(右軸)
20
80
10.1
15
60
10
5.8
6.7
5.8
13.5
6.7
7.9
9.7
6.9
6.3
8.7
0
40
6.4
5
20
6.1
5.1
4.0
4.5
5.1
5.4
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
(注)資金調達サイド。
14
3
3
5
4
2
3
3
5
10
6
5
5
2
6
0
2
15
0
7
8
15年
16年
図表7
無担保コール取引のターム別残高
▽資金調達サイド
(兆円)
25
20
▽資金運用サイド
(%)
100
オープンエンド物
3ヵ月超
1ヵ月超3ヵ月以内
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
(兆円)
25
90
80
翌日物比率(右軸)
20
オープンエンド物
1ヵ月超3ヵ月以内
1週間以内
翌日物比率(右軸)
(%)
100
3ヵ月超
1週間超1ヵ月以内
翌日物
80
70
15
70
60
15
60
50
10
50
10
40
40
30
30
5
10.0
9.6
7.0
0
14年
5
20
16年
図表8
100
9.1
9.0
6.6
10
15年
90
0
0
14年
10
15年
クレジットライン設定数の推移
(08/7月末=100)
90
80
70
60
0
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
(注)短期金融市場の無担保取引(無担保コー
ル、ユーロ円など)での、円資金運用のた
めのクレジットライン設定先数。対象は、
08~ 16 年 の 全 て で ク レ ジ ッ ト ラ イ ン 設 定 数
が確認できる先。合併等の影響は調整済。
15
20
16年
0
図表9
有担保コール市場の取引残高
▽資金調達サイド
▽資金運用サイド
その他
短資
証券等
外銀
地銀・地銀Ⅱ
都銀等
(兆円)
25
20
その他
(兆円)
25
短資
地銀・地銀Ⅱ
信託
20
都銀等
15
15
5
5
10
7
10
9
12
12
3
3
4
3
3
3
3
3
3
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
25
3
4
5
4
0
16年
3
3
12
7
7
6
7
7
8
8
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
オープンエンド物
3ヵ月超
オープンエンド物
3ヵ月超
1ヵ月超3ヵ月以内
1週間超1ヵ月以内
1ヵ月超3ヵ月以内
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
1週間以内
翌日物
(兆円)
(%)
25
100
翌日物比率(右軸)
80
70
70
15
15
60
60
50
10
50
40
10
40
30
14.3
30
20
5
9.3
11.4
20
10
2.2
14年
15年
16年
(%)
90
20
80
11.9
16年
100
翌日物比率(右軸)
90
0
15年
▽資金運用サイド
20
5
2
有担保コール取引のターム別残高
▽資金調達サイド
(兆円)
3
5
2
図 表 10
5
9
5
0
10
11
11
3
10
0
0
16
2.1
14年
15年
16年
0
図 表 11
コール取引の約定頻度
(%)
100
全く取引なし
35
80
63
70
60
それ以下の頻度で約定
63
66
77
90
92
月に数日約定
週に数日約定
40
ほぼ毎営業日約定
20
必要
0
15年
16年
無担保コール
(資金調達)
15年
16年
無担保コール
(資金運用)
15年
16年
有担保コール
(資金調達)
15年
16年
有担保コール
(資金運用)
( 注 ) 対 象 は 、 15 年 お よ び 16 年 の 両 方 の 調 査 で コ ー ル 取 引 の
約定頻度が確認できる先。合併等の影響は調整済。
図 表 12
コール取引の新規成約高(取引高)の業態別シェア
(%)
100
21
21
11
24
13
15
80
短資
65
60
32
41
系統・信金
19
40
0
証券等
70
85
20
20
その他
54
64
83
71
69
外銀
76
地銀・地銀Ⅱ
信託
41
都銀等
14年 15年 16年 14年 15年 16年 14年 15年 16年 14年 15年 16年
無担保コール
(資金調達)
無担保コール
(資金運用)
有担保コール
(資金調達)
有担保コール
(資金運用)
(注)対象は、調査年7月中に約定された取引。
17
図 表 13
レポ市場の取引残高
<取引の種類別>
▽資金調達サイド
120
▽資金運用サイド
(兆円)
SCレポ
120
GCレポ
100
80
52
51
80
44
35
60
SCレポ
36
55
60
35
30
31
30
40
34
20
0
39
57
47
30
30
40
76
55
GCレポ
100
40
53
(兆円)
46
46
52
51
40
34
66
56
44
20
51
37
28
0
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
32
42
39
27
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
< CCP 経 由 ( 注 )・ 非 CCP 経 由 別 >
▽資金調達サイド
120
(兆円)
非CCP経由
▽資金運用サイド
CCP経由
120
100
80
60
65
CCP経由
80
63
60
40
40
0
非CCP経由
100
60
20
(兆円)
56
45
44
14年
15年
20
0
16年
47
54
52
44
44
14年
15年
(注)日本証券クリアリング機構を経由した取引。
18
56
16年
図 表 14
GC レ ポ 市 場 の 取 引 残 高
▽資金調達サイド
80
▽資金運用サイド
その他
(兆円)
80
短資・証金
証券(外証)
70
その他
(兆円)
短資・証金
証券(外証)
70
証券(邦証)
証券(邦証)
60
信託
29
都銀等
50
11
17
必要
24
30
12
14
10
0
08年
8
16
6
21
10
09年
10年
17
16
9
14
8
8
11年
12年
16
8
12
17
30
15
図 表 15
15年
16年
0
09年
オープンエンド物
1ヵ月超
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
翌日物比率(右軸)
70
60
50
40
30
10
0
(%)
100
25
09年
27
18
15
10年
11年
12年
70
80
60
70
32
11年
21
22
21
12年
13年
14年
15年
16年
15年
16年
(%)
100
90
80
70
60
60
50
40
50
40
30
40
30
30
20
10
10
14年
10年
17
50
20
26
13年
10
14
オープンエンド物
1ヵ月超
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
翌日物比率(右軸)
(兆円)
80
90
33
10
▽資金運用サイド
42
20
10
GC レ ポ 取 引 の タ ー ム 別 残 高
▽資金調達サイド
(兆円)
80
15
8
8
8
08年
17
10
7
7
20
10
14年
10
10
8
9
13年
21
必要
40
16
8
20
都銀等
18
12
12
信託
50
12
40
60
0
0
19
32
24
09年
20
16
10年
11年
25
25
12年
13年
31
37
20
10
14年
15年
16年
0
図 表 16
GC レ ポ 取 引 の 約 定 日 別 残 高
<翌日物>
▽資金調達サイド
45
(兆円)
▽資金運用サイド
(%)
T+3~
T+2(S/N)
40
T+1(T/N)
7
T+0(O/N)
35
T+0(O/N)比率(右軸)
30
100
45
90
40
80
T+1(T/N)
5
T+0(O/N)
31
33
15
28
18
13
10
27
60
25
11
5
0
50
20
40
15
30
23
24
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
20
10
10
5
0
0
26
28
14
12
32
27
20
11
10
08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
▽資金調達サイド
35
▽資金運用サイド
(兆円)
T+3~
40
T+2
T+1
30
T+0
35
25
20
8.1
4.4
20
T+2
T+1
13.8
T+0
7.4
3.1
1.6
15
22.7
18.0
10
5
0
T+3~
25
15
10
(兆円)
30
8.9
14.3
17.7
18.9
15年
16年
5
14年
15年
0
16年
20
40
30
22
22
<ターム物>
40
80
70
T+0(O/N)比率(右軸)
50
20
100
90
T+2(S/N)
30
60
25
(%)
T+3~
35
70
5
(兆円)
14年
0
図 表 17
SC レ ポ 市 場 の 取 引 残 高
▽債券調達サイド
60
▽債券運用サイド
その他
(兆円)
60
短資・証金
50
証券(邦証)
8
20
7
7
12
10
15
8
30
16
11
14
08年
13
14
12
12
14
09年
10年
11年
12年
13年
14年
09年
10年
12
図 表 18
15年
0
16年
1週間超1ヵ月以内
08年
70
翌日物比率(右軸)
17
21
14
12
10
22
0
4
09年
10年
8
8
11
11年
12年
13年
13
14年
13年
14年
15年
16年
(%)
100
1ヵ月超
1ヵ月以内
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
翌日物比率(右軸)
90
80
13
15年
10
16年
70
19
60
19
30
50
30
13
40
23
20
30
7
10
6
40
50
26
24
12年
22
60
17
22
50
80
翌日物
20
(兆円)
60
90
1週間以内
30
11年
25
▽債券運用サイド
(%)
100
1ヵ月以内
40
19
SC レ ポ 取 引 の タ ー ム 別 残 高
1ヵ月超
50
15
8
▽債券調達サイド
(兆円)
60
15
22
10
11
9
20
13
0
7
7
20
21
10
7
19
17
12
10
10
必要
10
13
11
都銀等
17
11
23
信託
40
14
必要
30
証券(邦証)
10
都銀等
40
短資・証金
証券(外証)
証券(外証)
10
50
その他
(兆円)
21
20
23
20
17
10
0
40
30
24
10
0
14
11
5
4
09年
10年
7
8
10
11年
12年
13年
14年
14
15年
11
16年
10
0
( 注 ) 14 年 よ り 、 調 査 項 目 「 1 ヵ 月 以 内 」 を 「 1 週 間 以 内 」 と 「 1 週 間 超 1 ヵ 月 以 内 」
に細分化。
21
図 表 19
レポ取引の約定頻度
(%)
100
全く取引なし
80
それ以下の頻度で約定
75
76
60
66
80
85
86
72
月に数日約定
90
週に数日約定
40
ほぼ毎営業日約定
20
必要
0
15年
16年
GCレポ
(資金調達)
15年
16年
GCレポ
(資金運用)
15年
16年
SCレポ
(債券調達)
15年
16年
SCレポ
(債券運用)
( 注 ) 対 象 は 、 15 年 お よ び 16 年 の 両 方 の 調 査 で レ ポ 取 引 の 約
定頻度が確認できる先。合併等の影響は調整済。
図 表 20
レポ取引の新規成約高(取引高)の業態別シェア
(%)
100
80
32
34
37
23
24
26
13
12
12
22
26
34
29
62
54
77
57
0
32
その他
短資
23
17
系統・信金
外銀
42
74
62
65
47
20
29
証券等
60
40
26
地銀・地銀Ⅱ
27
36
43
信託
都銀等
14年 15年 16年 14年 15年 16年 14年 15年 16年 14年 15年 16年
GCレポ
(資金調達)
GCレポ
(資金運用)
SCレポ
(債券調達)
SCレポ
(債券運用)
(注)対象は、調査年7月中に約定された取引。
22
図 表 21
レポ取引の担保債券別残高シェア
▽債券調達サイド
一般債・その他
物価連動国債
(%)
▽債券運用サイド
変動利付国債
一般債・その他
変動利付国債
利付国債・短期国債
物価連動国債
利付国債・短期国債
必要
100
(%)
100
90
90
80
80
0
必要
0
12年 13年 14年 15年 16年 12年 13年 14年 15年 16年
GCレポ取引
12年 13年 14年 15年 16年 12年 13年 14年 15年 16年
SCレポ取引
図 表 22
GCレポ取引
運用有価証券信託でのレポ取引のターム別残高
▽債券調達サイド
30
(兆円)
▽債券運用サイド
30
1ヵ月超
(兆円)
1週間超1ヵ月以内
25
1週間以内
25
翌日物
必要
20
SCレポ取引
20
1ヵ月超
1週間超1ヵ月以内
1週間以内
翌日物
必要
5.3
2.6
15
15
10
10
7.4
13.0
15.7
5
14年
15年
9.4
7.4
15.2
5
0
6.5
0
16年
23
5.6
3.6
2.6
3.7
2.5
14年
15年
16年
3.1
図 表 23
レポ取引の担保債券の残存期間別残高
(兆円)
80
10年超
5年超10年以下
1年超5年以下
1年以下
必要
70
13
60
12
50
40
30
20
12
11
10
12
21
13
10
8
11
17
24
29
21
22
15年
16年
14年
GCレポ
(資金調達)
26
24
15年
16年
GCレポ
(資金運用)
19
10
13
14年
15年
16年
14年
SCレポ
(債券調達)
(%)
レポ取引の契約形態別残高シェア
新現先(サブスティテューションあり)
新現先(サブスティテューションなし)
旧現先
現担レポ
100
80
60
40
88
86
85
90
91
12年
13年
14年
15年
16年
20
0
(注)資金調達・運用合計ベース。
24
11
11
15年
16年
SCレポ
(債券運用)
(注)普通利付国債を担保とした取引が対象。
図 表 24
29
17
10
13
14年
9
22
10
0
10
11
9
32
24
13
11
図 表 25
業 態 別 CP 保 有 残 高
(兆円)
20
15
その他
短資
証券等
地銀・地銀Ⅱ
信託
都銀等
2.1
2.3
10
1.5
1.9
6.0
2.2
2.3
3.5
3.8
0
1.8
2.1
6.5
3.7
3.2
3.0
4.4
4.4
4.3
4.4
4.2
3.4
3.1
3.2
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
5
6.7
1.8
4.3
6.5
08年
09年
図 表 26
海外との円資金取引残高
▽円資金調達サイド
▽円資金運用サイド
その他
証券(邦証)
外銀
信託
(兆円)
(兆円)
55
40
55
40
55
その他
証券(外証)
35
35
証券(邦証)
外銀
30
証券(外証)
系統・信金
地銀・地銀Ⅱ
都銀等
30
都銀等
25
25
20
20
12
8
9
10
8
15
9
15
12
10
14
11
8
10
7
5
0
9
8
3
4
08年
09年
5
10年
2
11年
5
12年
8
2
13年
14
11
10
18
11
5
3
14年
4
15年
4
0
16年
08年
09年
8
8
8
7
5
5
5
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
( 注 ) 円 転 ・ 円 投 ( 期 間 1 年 以 内 の み )、 ユ ー ロ 円 取 引 、 自 行 ( 庫 、 社 ) 海 外 店 と の
円資金貸借の合計。
25
図 表 27
円 OIS 取 引 の 状 況
▽ブローカー経由の取引高、取引件数
(兆円)
(件)
300
800
金額
700
250
件数(右軸)
600
200
500
150
400
300
100
200
50
100
0
06/1月
08/1月
10/1月
12/1月
14/1月
16/1月
0
(資料)マネー・ブローカーズ・アソシエーション
▽取引残高
(兆円)
600
対顧客
500
対銀行・証券
(ブローカー経由)
400
300
対銀行・証券
(DD)
392
245
200
100
0
148
133
07年 08年
11年 12年 13年 14年 15年 16年
(注)海外拠点分の取引を含む。想定元本ベース。
26
現金担保付株券等貸借取引(注1)の残高
図 表 28
<業態別>
▽資金調達サイド
14
(兆円)
▽資金運用サイド
信託
14
(兆円)
信託
短資・証金
12
短資・証金
12
証券(外証)
10
証券(外証)
証券(邦証)
10
4.6
都銀等
8
証券(邦証)
都銀等
8
0.5
1.8
6
4
1.5
1.1
6
0.8
6.0
4.1
4.0
4
2
2
2.0
1.5
1.3
0
14年
15年
4.8
2.8
2.0
2.1
2.4
2.3
14年
15年
16年
0
16年
( 注 1 ) 制 度 信 用 取 引 、 一 般 信 用 取 引 、 無 担 保 の 株 券 貸 借 取 引 は 含 ま れ な い 。( 以 下 、
同様)
< CCP 経 由 ( 注 2 )・ 非 CCP 経 由 別 >
▽資金調達サイド
14
▽資金運用サイド
(兆円)
14
非CCP経由
(兆円)
CCP経由
非CCP経由
12
CCP経由
12
10
10
6.9
8
8
6
3.6
6
5.9
4
4
5.2
2
4.5
4.2
2
2.3
2.1
0
0
15年
16年
15年
(注2)ほふりクリアリングを経由した取引。
27
16年
図 表 29
裁定取引のスタンス
▽付利先
(%)
全く行っていない
基本的に行っている
▽非付利先
あまり行っていない
(%)
100
100
80
80
60
79
65
68
あまり行っていない
61
60
40
90
81
76
81
40
20
13
0
全く行っていない
基本的に行っている
13年
25
21
14年
15年
20
32
0
16年
5
13年
10
14年
19
15年
( 注 ) 13 年 か ら 継 続 し て 調 査 対 象 と し て い る 先 。 合 併 等 の 影 響 は 調 整 済 。
図 表 30
日銀当座預金の運用スタンス
プラス金利のみが適用される
よう当預残高を調節している
8%
6%
27%
プラス金利またはゼロ金利の
みが適用されるよう当預残高
を調節している
上記以外の目安を設けている
59%
目安を設けていない
(注)日銀当座預金保有先のみ。
28
10
16年
図 表 31
無担保コール市場における金融機関の対応状況
▽マイナス金利へのシステム対応状況
マイナス金利政策導入前からシ
ステム対応できている
10%
マイナス金利政策導入後にシス
テム対応を行った
31%
14%
目下システム対応を行っている
7%
システム対応の要否を検討中
現時点で取引ニーズがないた
め、対応不要と判断
8%
30%
他の方法で解決
(注)過去1年間で無担保コール取引を行ったことがある先のみが回答。
▽マイナス金利での取引が可能かどうか
1.事務上取引可能である
し、市場で意図した頻度・
ボリュームで取引できる
15%
39%
46%
2.事務上取引は可能で
あるが、市場で意図した
頻度・ボリュームで十分に
は取引できない
3.取引不可能
(注)過去1年間で無担保コール取引を行ったことがある先のみが回答。
29
▽上記質問で2.または3.と回答した理由(複数回答可)
システム上の制約により取引ができない
(%)
40
手作業をかければマイナス金利取引
は可能であるが、事務負担が大きい
38
マイナス金利での資金運用を行わな
い経営判断をとっている
35
31
市場における取引量や相手先数が少ない
30
ほかの取引で代替(例えばレポ)している
24
25
その他
20
17
14
15
10
5
5
0
図 表 32
無担保コール市場におけるマイナス金利取引の目的
日銀当預におけるプラスまたはゼ
ロの付利金利との間で利鞘を確
保するため(付利先のみ)
17%
3%
日銀当預におけるマイナス金利
の適用部分を抑制するため(付利
先のみ)
54%
26%
取引実務の事務体制を維持する
ため
その他
(注)過去1年間で無担保コール取引を行ったことがある先のみが回答。
30
図 表 33
諸課題への取り組み状況
▽国債決済期間短縮化(注
(%)
100%
1
80%
60%
16
40%
システム開発・調達に着手している
7
40
15
システム開発に必要な予算を確保した
21
業務フローや体制、システム、予算等に
ついて、具体的検討を開始している
既存のシステム・体制等で対応可能
18
11
6
1)
共同センターや系統中央機関にて対応
28
20%
引き続き情報収集段階
25
9
0%
15年
その他
16年
( 注 1 )国 債 決 済 期 間 短 縮 化 に つ い て 、18 年 5 月 の 実 施 を 仮 定 し て 市 場 イ ン フ ラ 及 び 市
場参加者による対応が進められている中、調査先において、どの程度短縮化への
取り組みが進められているかを調査。
▽新現先への移行(注
6%
2)
既に新現先取引のための体制
(事務・システム)を構築済み
12%
現在、新現先取引のための体制
(事務・システム)を構築中
18%
現在、新現先取引のための体制
(事務・システム)の構築を検討中
41%
引き続き情報収集段階
22%
その他
(注2)市場参加者間の検討では、レポ取引の契約形態を新現先へ移行する方針が打ち
出されている中、調査先において、どの程度新現先への対応が進められているか
を調査。
な お 、 対 象 は 今 回 の 調 査 で レ ポ 取 引 の 約 定 を 行 っ て い る こ と が 確 認 さ れ た 114 先 。
31
▽ バ ッ ク ア ッ プ 拠 点 体 制 と 市 場 レ ベ ル BCP
▽ 2015 年
▽ 2016 年
5%
4%
17%
20%
38%
37%
23%
21%
6%
10%
6%
13%
バックアップオフィスがあり、かつバックアップオフィスで定期的な訓練を実施している
バックアップオフィスがあるが、通常業務拠点でのみ定期的な訓練を実施している
バックアップオフィスはあるが、通常業務拠点・バックアップオフィスのいずれにおいても定期的な訓練は
実施していない
バックアップオフィスはないが、通常業務拠点で定期的な訓練を実施している
バックアップオフィスはなく、定期的な訓練も実施していない
その他
図 表 34
(%)
事務体制の変化
拡充した
変化なし
縮小した
100
80
60
40
20
0
15年
16年
無担保コール取引
15年
16年
有担保コール取引
15年
国債レポ取引
(注)前年と比べた変化を回答。
32
16年
図 表 35
短期金融市場取引に係る市場参加者の見方
▽短期金融市場全体(注
【機能度(注
(%)
100
改善した
2)
【収益性(注
】
概ね変わらない
4
1)
低下した
(%)
100
改善した
3)
】
概ね変わらない
8
11
20
80
80
60
60
40
40
63
61
20
20
26
23
0
低下した
15年
0
16年
15年
16年
( 注 1 )コ ー ル 取 引 ま た は 国 債 レ ポ 取 引 の 少 な く と も 何 れ か に つ い て 約 定 を 行 っ て い る
先のみが回答。
( 注 2 )意 図 す る レ ー ト や 金 額 、タ ー ム 、カ ウ ン タ ー パ ー テ ィ と 取 引 を 行 い や す い か な
ど を 勘 案 し 、前 年 同 時 期 に 比 べ 、当 該 市 場 の 機 能 度 が ど の よ う に 変 化 し た と 感 じ
て い る か 調 査 。( 以 下 、 同 様 )
(注3)運用利回りや調達コスト、取引量、固定費などを勘案し、前年同時期に比べ、
取 引 の 収 益 性 が ど の よ う に 変 化 し た と 感 じ て い る か 調 査 。な お 、短 期 金 融 市 場 で
の取引全体の収支がマイナスの先からの回答も含まれているが、そうした先は、
収 支 の マ イ ナ ス 幅 の 縮 小( 拡 大 )を 収 益 性 の 改 善( 低 下 )と 評 価 し て 回 答 し て い
る と 考 え ら れ る 。( 以 下 、 同 様 )
▽国債レポ取引(注
4)
【機能度】
(%)
100
改善した
9
【収益性】
概ね変わらない
低下した
(%)
100
18
80
60
60
40
40
15年
低下した
45
20
35
24
0
概ね変わらない
21
80
20
改善した
32
20
0
16年
15年
(注4)国債レポ取引の約定を行っている先のみが回答。
33
16年
▽無担保コール取引(注
5)
【機能度】
(%)
100
改善した
【収益性】
概ね変わらない
低下した
3
(%)
100
改善した
概ね変わらない
低下した
7
12
22
80
80
60
60
40
40
63
59
20
20
26
18
0
15年
0
16年
15年
16年
(注5)無担保コール取引の約定を行っている先のみが回答。
▽有担保コール取引(注
6)
【機能度】
(%)
100
改善した
1
【収益性】
概ね変わらない
低下した
5
(%)
100
80
80
60
60
40
76
20
概ね変わらない
低下した
2
10
40
74
20
28
22
0
改善した
15年
0
16年
15年
16年
(注6)有担保コール取引の約定を行っている先のみが回答。
34
図 表 36
各市場の取引集中度
▽コール市場・資金調達サイド
▽コール市場・資金運用サイド
100%
100%
80%
80%
累
積
残
高
シ
ェ
ア
累
積
残
高
シ
ェ
ア
60%
40%
16年 無担保コール
60%
40%
16年 無担保コール
15年 無担保コール
20%
15年 無担保コール
20%
16年 有担保コール
16年 有担保コール
15年 有担保コール
15年 有担保コール
0%
0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
0%
10%
先数シェア
100%
80%
80%
累
積
残
高
シ
ェ
ア
60%
16年 GCレポ
50%
60%
40%
16年 GCレポ
15年 GCレポ
15年 GCレポ
16年 SCレポ
20%
40%
▽レポ市場・債券運用サイド
100%
40%
30%
先数シェア
▽レポ市場・債券調達サイド
累
積
残
高
シ
ェ
ア
20%
16年 SCレポ
20%
15年 SCレポ
15年 SCレポ
0%
0%
0%
10%
20%
30%
40%
0%
50%
10%
20%
30%
40%
50%
先数シェア
先数シェア
以
35
上