8月9日(火)の登校日は長崎原爆の日であり、今年も平和学習が行われました。 本年度はまず、「私が一番きれいだったとき」(茨木のり子)、「生きる」(谷川俊太郎)という2つ の詩を取り上げて、福田校長が講話を行いました。 ここ数年の平和学習は、戦争や原爆を体験された方を講師に招いて、貴 重なお話を聞かせていただくことが多かったのですが、本年度は、 2005年に放送された「赤い背中 ~ 原爆を背負い続けた60年」 という番組を全校生徒で視聴しました。 長崎市の原爆資料館に展示されている、原爆の熱線で背中を真っ赤に 焼かれて横たわる少年の写真。生徒の殆どが一度は目にしたことがあるこの写真は谷口稜曄(すみてる) さんの71年前の姿です。現代医療でも完治しない背中に、妻の栄子さんは毎日薬を塗ります。背中の痛 みに耐えながら、年間200回の講演やニューヨークでの核兵器廃絶を求める集会にも参加して原爆の脅 威と平和の大切さを谷口さんは訴え続けます。 暑い体育館の中でしたが、全ての生徒が引き込まれるように熱心に番組を視聴していました。そして、 これからの自分達にできること、しなければならないことについて、改めて考えることができたと思いま す。 生徒の感想文より 「背中に薬を塗ってもらうシーンは、少年時代の写真以上に伝わるものが大きかったです。目の前の傷 痕から目を逸らしても、戦争があったこと、原爆がとっても恐ろしいもので、70年以上経った今でも 苦しんでいる人がたくさん存在することからは決して目を逸らしてはいけないと思いました。」 (1年女子) 「二度と人類は核兵器を使ってはいけません。しかし、未だに核兵器は存在し、現実的には平和な世界 とはかけ離れています。戦争は多くの尊い命を平気で奪う残酷なものです。戦争体験者の高齢化が進ん でいるという状況を踏まえ、私たちがその悲惨さなどを語り継いでいくことが大切だと考えます。」 (2年男子) 「『殺してくれ!』、生き残れた方の気持ちを初めて知りました。谷口さんの奥さんの『アメリカに言 ってこい。写真じゃ分からん。見せて来い。』という言葉がとても印象に残りました。その奥さんが4 月に亡くなられたと聞き、谷口さんは今どのように過ごされているんだろうと心配になりました。」 (3年女子)
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