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ノバルティス ファーマ株式会社
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虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIAS • MEDIENMITTEILUNG
2016 年 10 月 4 日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス、主要な第 III 相臨床試験で BAF312 により二次性進行型多発性
硬化症患者さんの身体的障害の進行リスクが低下
•
EXPAND 試験において、BAF312 を二次性進行型多発性硬化症(SPMS)の
患者さんに投与したところ、3 カ月以上継続する身体的障害の進行リスクが、
プラセボと比較して 21%低下したことを示すデータを ECTRIMS で発表
•
SPMS は、多発性硬化症(MS)の中でも進行性で高度な身体的障害をもたら
す病型で、重要なアンメットメディカルニーズが残る疾患領域である
•
ノバルティスは、MS での経験と専門知識を活かし、MS 患者さんに対するケ
アの向上に努める
2016年9月17日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、第III相臨床試験
(EXPAND試験)の良好な結果を発表しました。すなわち、二次性進行型多発性硬
化症(secondary progressive multiple sclerosis、以下SPMS)の患者を対象に、
BAF312(siponimod)を1日1回経口投与したところ、身体的障害の進行リスクがプ
ラセボと比較して有意に低下したことを発表しました1。SPMSとは、再発とは無関
係に神経機能が継続的に悪化することを特徴とした多発性硬化症(multiple sclerosis、
以下MS)の病型です2。EXPAND試験の主要な結果は、英国のロンドンで開催され
た第32回欧州多発性硬化症会議(ECTRIMS:European Committee for Treatment
and Research in Multiple Sclerosis)で発表されました。
BAF312は、科学的にデザインされた選択的スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体
調節剤です3。EXPAND試験からの初期のデータは以下の通りです。
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BAF312 の投与により、3 カ月以上継続する身体的障害の進行リスクは、プラ
セボと比較して 21%低下した(p=0.013)。6 カ月以上継続する身体的障害
の進行リスクは、さらに大きく低下し、データの妥当性が支持された 1。
再発を伴わない患者さんを含む、事前に設定したいずれの部分集団において
も、身体的障害の進行リスクは一貫して低下した 1。
年間再発率、脳容積の変化率、T2 病変容積のベースラインからの変化(T2強調 MRI によって確認された脳病変)においても、BAF312 にとって望まし
い方向でプラセボとの間に有意差が認められた。Timed 25-Foot Walk テスト
(T25FW)でのベースラインからの変化に有意差は認められなかった 1。
BAF312 は概して安全で忍容性良好であり、同一薬効群の他剤と類似したプ
ロファイルを示した 1。
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ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者兼チーフメディカルオフィサー
であるヴァサント・ナラシンハン(Vasant Narasimhan)は次のように述べています。
「SPMSでは、疾患の進行を遅延させるために使用可能な治療選択肢がほとんどなく、
SPMSの患者さんに使用できる安全性プロファイルを有する有効な治療には、高いア
ンメットメディカルニーズがあります。MSの治療におけるS1P受容体調節剤の研究
では、ノバルティスは世界的なリーダーであり、EXPAND試験の良好な結果は、こ
れまでの患者さんのニーズを満たすために取り組んできた努力の結果と考えていま
す。これらのデータは、まだ治療ニーズの残る疾患領域における進歩を促進するも
のであり、規制当局と次のステップについて検討することを楽しみにしています」
EXPAND試験は、これまでのSPMS対象試験のうち最大規模の無作為化、比較対照試
験です4。EXPAND試験には、一般的なSPMSの代表的な集団が登録されており1、
SPMSと診断され、かつ、過去2年間に身体的障害の進行を呈する集団でした1。大多
数の患者さんは、再発を伴わないSPMSでした。試験登録時の平均年齢は48歳、総合
障害度評価尺度(Expanded Disability Status Scale、以下EDSS)スコアの中央値は歩
行に補助具を要する程度に相当する6.0でした1,5,6。
ノバルティスは、今後、EXPAND試験のデータの詳細な解析を行い、規制当局と相
談しながら次のステップについて検討します。主要評価項目と副次評価項目を含む
詳細な試験結果は、今後投稿される予定です。
EXPAND 試験について
EXPAND試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第III相臨床試験であり、SPMS
患者さんを対象に、BAF312の有効性と安全性をプラセボと比較しました1,5。本試験
は、これまでのSPMS対象試験のうち、最大規模の無作為化、比較対照試験であり、
31カ国から1,651名のSPMS患者さんが参加しました4。EXPAND試験に登録された患
者さんは、試験開始時点の平均年齢は48歳で、MSの罹病歴は約17年間でした1。
SPMSと診断され、かつ、過去2年間に身体的障害の進行を呈していた患者さんを対
象としました1。また、EDSSスコアは3.0~6.5までとし、登録された患者さんの
EDSSスコアの中央値は歩行に補助具を要する程度に相当する6.0でした1,5,6。登録さ
れた患者さんは、BAF312 2mgまたはプラセボのいずれかに2:1の割合で無作為化さ
れました1,5。
本試験の主要評価項目は、EDSSを指標に、3カ月以上継続する身体的な障害進行が
認められるまでの期間であり、プラセボと比較検討されました1,5。副次評価項目は、
6カ月以上継続する身体的な障害進行が認められるまでの期間およびT25FWがベー
スラインから20%以上悪化するまでの期間に対する遅延効果に加え、T2病変容積、
年間再発率(annualized relapse rate、以下ARR)、およびBAF312の安全性と忍容性
でした1,5。
BAF312(siponimod)について
BAF312(siponimod)は、科学的にデザインされた、スフィンゴシン-1-リン酸
(S1P)受容体の特定サブタイプの選択的調節剤です3。BAF312はリンパ球上のS1P1
サブ受容体に結合することで、リンパ球がMS患者さんの中枢神経系(CNS)に移行
することを防ぎます7,8。これによって、BAF312の抗炎症作用が生じます7,8。
BAF312が標的とするS1P受容体サブタイプは、CNSの細胞表面上にも認められ、
SPMSの原因として重要な役割を果たします。BAF312は、CNS内に移行し、これら
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特定の受容体に結合することによって、損傷をもたらす細胞の活性を調節し、SPMS
に関連した神経機能の喪失の抑制に寄与する可能性があります3, 9-11。BAF312の受容
体特異性と薬物動態学的特性(第1世代のS1P調節剤に比べ、より早く消失)により、
SPMSのような疾患に対して影響を及ぼす作用(有効性)が促進される一方で、安全
性と利便性のプロファイルは改善されると考えられます3。
多発性硬化症について
MSは、炎症や組織の変性により、脳、視神経、および脊髄の機能に障害を起こす中
枢神経系(CNS)の慢性疾患です12。MSが進行すると、身体的機能(歩行障害など)
および認知機能(記憶障害など)の双方が悪化します13。MSには、再発寛解型MS
(relapsing remitting multiple sclerosis、以下RRMS)、二次性進行型MS(secondary
progressive multiple sclerosis、以下SPMS)、および一次性進行型MS(primary
progressive multiple sclerosis、以下PPMS)の3種類の病型があります14。
SPMSは神経機能が徐々に悪化することを特徴としています2。このため、再発とは
無関係に、身体的障害が進行性に蓄積され、患者さんの日常生活に大きな影響をお
よぼす可能性があります2。通常、最初は、MSと診断された全症例の約85%を占め
る再発寛解型(RRMS)の経過を辿った後、その約25%が10年以内にSPMSに移行し、
30年後には75%以上がSPMSに移行すると言われています15,16。SPMSでの身体的障
害の進行の遅延に役立つ、有効で安全な治療には、高いアンメットメディカルニー
ズがあります17。
MSの患者数は全世界で約230万人に上ります15。
多発性硬化症に対するノバルティスの取り組み
ノバルティスのMSのポートフォリオには、Relapsing MSに対して適応を有する「ジ
レニア」*があり、現在、海外では小児への適応拡大を目指した開発を行っています。
また、ノバルティスでは、Extavia®(皮下注射用インターフェロンベータ-1b,日本
のノバルティスでは未承認)についても、米国では、Relapsing MSに対する治療薬
として、欧州では、RRMS、疾患活動性を有するSPMS、およびMSを示唆する単相
性のエピソードを有する患者さん(CIS)に対する治療薬として承認を取得していま
す。
開発中の薬剤には、SPMSを対象としたBAF312(siponimod)に加えて、Relapsing
MSを対象とした完全ヒトモノクローナル抗体であるオファツムマブ(OMB157)が
あります。オファツムマブはCD20を標的としており、現在、海外では2つの第III相
臨床試験を実施中です。
ノバルティスのサンド事業部門は米国において、テバ社のグラチラマー酢酸塩注射
剤20mgに対するジェネリック医薬品を市販しています。
*日本における「ジレニア」の効能又は効果、及び〈効能又は効果に関連する使用上
の注意〉は次の通りです。
効能又は効果:
多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉
進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない
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免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、
その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリ
スクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳
細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けております Form20-F
をご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケ
ア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医
薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の 2015
年の売上高は 494 億米ドル、研究開発費は 89 億米ドル(減損・償却費用を除くと
87 億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約 118,000
人の社員を擁しており、世界 180 カ国以上で製品が使われています。詳細はホーム
ページをご覧ください。http://www.novartis.com
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以上