これまでの主な研究成果

これまでの主な研究成果
末元徹
1. はじめに
筆者がこれまでに手がけた主な研究テーマは、
・固体希ガスにおける自己束縛励起子(大学院)
・超イオン伝導体における準弾性光散乱(東北大)
・半導体量子井戸構造における共鳴ラマン散乱(マックスプランク固体研)
・希土類イオンをドープした固体における永続的ホールバーニング
・時間分解電子ラマン散乱による半導体中のキャリーアーダイナミクス
・ポーラスシリコンなど半導体ナノ構造における共鳴励起発光
◎フェムト秒発光分光による核波束ダイナミクスとキャリアーダイナミクスの研究
◎光誘起相転移のダイナミクス
◎時間分解軟 X 線干渉計によるレーザーアブレーション過程の観測
◎テラヘルツ分光によるスピン系のダイナミクスの研究
などである。以下では、これらのうち現在まで継続しているテーマ(◎印)について、そ
の研究成果の概要を紹介する。
2. フェムト秒発光分光
励起電子状態を調べるための最も古典的な方法である発光現象は、適用範囲が広く、解釈
も明快なので利用価値が高い。発光を時間分解観測する方法として、高速フォトダイオード、
ストリークカメラ、光カーシャッターなどがあるが、発光の時間分解測定で最も高い分解能
を達成できるのは上方変換(up-conversion)法である。この状況は1990年代から現在まで変
わっていない[1]。
<波束のダイナミクス>
上方変換法は、図1(a)に示すように試料から放射された発光と参照用のゲートパルス光を
非線形結晶中で混合して和周波を発生(上方変換)させ、それを分光器に導いて分光するこ
とで時間分解分光測定を可能にするものである。発光の光とゲート光が結晶内に同時に存在
する場合だけ和周波が発生するので、両者の相対的な時間遅延を調整することによって発光
を時間的に切り出すことができるのである。我々はこの手法を局在励起状態における核波束
の観測に用いた。図1(b)のような断熱ポテンシャル上で波束が運動すると、そこから基底状
態に落ちるときに放射される発光の光子エネルギーが時々刻々変化する[2]。これを利用する
と、ある瞬間に波束がどこに居るかが分かるだけでなく、その形状も観測することができる。
図1(c)に臭素架橋白金錯体における自己束縛励起子の発光で見られた発光スペクトルの時
間発展を示す[3]。発光スペクトルのピーク位置が時間と共に振動していることが見て取れる。
この図から各時刻でのスペクトルを切り出したものは、そのまま波束の形状を反映しており、
これらを時間順に並べたものを我々は「波束ムービー」と呼んでいる。その後の研究で、波
束がポテンシャル障壁を越えて別の状態に移っていく様子や、波束を構成している波動関数
の節と腹まで時間を追って可視化することができた[4]。
1
78 0n m
Ga tin g
p u ls e
10 0f s ec
SumSu
frequency
m freq u en cy
UV
Energy
(b)
(a)
No n -lin ear
Nonlinear
crystal
Vi s
IR -
.
m
Lu
in
es
ce
nc
e
Luminescence
pump
crystal
Ground state
Q
Configuration coordinate
(c)
Photon energy (eV)
1.2
16000
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0
0.6
-300
0
300
600
900
1200
Time (fs)
図1 (a)アップコンバージョン法による時間分解発光測定の原理。(b)光励起による断熱ポ
テンシャル上への波束の生成と発光過程。(c)Br 架橋 Pt 錯体中の自己束縛励起子からの発
光スペクトルの時間発展。
<トポロジカル絶縁体>
トポロジカル絶縁体とは、内部は基本的に絶縁体であるが、表面に連続的な状態密度をも
った金属的なバンド構造が現れるという物質で、最近その表面電子状態に注目が集まってい
る。表面状態がトポロジカルな要請によって生じているため頑強であること、2次元のDirac
電子系であることが特徴であり、キャリアーの散乱が抑制されているところから高速電子デ
バイスの材料としても注目されている。そのキャリアーダイナミクスは時間分解光電子分光
による研究が進められているが、これまで発光の報告はなかった。我々は図2に示すようにバ
ルクのバンドギャップエネルギー以下の赤外領域で発光を時間分解することによっ
(a)
(b)
Band structure
1.0 eV
0.8 eV
0.7 eV
EF
0.35eV
Bulk
Luminescence intensity (normalized)
0.9 eV
0.6 eV
0.5 eV
(c)
0.4 eV
Rise
Surface
0.3 eV
0.25 eV
-2
0
2
4
6
time (ps)
8
Decay
10
図 2 (a)トポロジカル絶縁体 TlBiSe2 における発光の時間波形。励起は 1.55eV、観測光子エ
ネルギーは各曲線の左端に示されている。(b) TlBiSe2 のバンド構造。(c)発光の立ち上がり
時間と減衰時間の発光エネルギー依存性。
て、表面状態のホットキャリアーからの発光を観測することに成功した[5]。図2(b)に測定対
2
象としたトポロジカル絶縁体物質(TlBiSe2)のバンド構造を示す。青色ハッチで示したのは
バルクの電子状態であり、0.35eVのエネルギーバンドギャップを持っている。表面状態は斜
めの直線で示されているが、赤線上と青線上ではスピンが逆向きになっており、運動量kと
スピンsが相関しているところにこの系の特徴がある。図2(a)は上方変換法により観測され
た発光の時間波形であるが、バルクのバンドギャップ(0.35eV)を境に、立ち上がりと減衰
の時定数が大きく変化していることがわかる。図2(c)にその入れ替わりの様子を示す。バン
ドギャップ以下のエネルギーでの発光は表面状態(Dirac電子)からのものと同定された。発
光は光電子分光とは異なり大気中でも測定可能なので、デバイスの動作環境での動的特性を
研究するのに有用な手段を提供することになると期待される。この他グラファイト[6]、グラ
フェン[7]におけるDirac電子の超高速緩和についても同様の手法で研究を行った。
3. 光誘起相転移のダイナミクス
物質における原子の配列や分極、磁化などの秩序は温度や圧力など環境によって変化する
ことが知られており、相転移と呼ばれているが、光照射によってもそのような相転移を誘起
できる場合がある。これを光誘起相転移という。構造相転移、絶縁体金属転移[8]、磁気転移
などがあるが、ここでは、光誘起によって磁性が変化するシアノ架橋錯体(プルシアンブル
ー類似体)RbxMn[Fe(CN)6]y.nH2O を取り上げる[9]。図 3(a)に示すように、室温での金属イオ
ンの原子価状態は Fe3+-Mn2+(HT-phase)であるが、温度を下げていくと電荷移動転移を示し、
Fe2+-Mn3+(LT-phase)となり、同時に磁化率が変化する。
(a)
(b)
Sum
HT phase
Fe2+ - Mn3+
CN
3+
Fe3+
Fe3+
2+ 2+
-
3+
3+
3+
2+
2+
0.8
Mn2+
3+
2+
1.0
Mn2+
Fraction
LT phase
Fe2+ - Mn3+
HT phase
LT phase
0.6
Boundary
(Fe3+-Mn3+)x2
0.4
2+
0.2
3+
0.0
20
40
15 %
60
80
100
Time (min.)
図 3 (a) RbxMn[Fe(CN)6]y.nH2O の構造。(b)光照射中の高温相、低温相、境界成分の時間発
展。
Fe と Mn を架橋している CN-分子の伸縮振動の振動数は両端の金属イオンの原子価を反映し
て変化するので、これをプローブとして Fe と Mn の価数を決めることができる[10]。図に示
したように、2つの相の境界には、Fe2+-Mn2+ または Fe3+-Mn3+という本来存在しないペアが現
れるので、このような価数ペアを定量することにより、境界の量も推定することができる。
図 3(b)はラマン散乱強度から求めた高温相、低温相、境界それぞれの量の光照射中の時間変
3
化である。高温相が低温相に転移すると同時に、境界成分も増えていくことがわかる。温度
誘起による相転移の場合に比較すると境界成分が遥かに多いことから、光誘起によって生成
された低温相はドメインサイズが非常に小さいことが分かった[11]。この物質については時
間分解赤外吸収から過渡的に多量の境界成分が生成されていることなどが示された[12]。こ
れは光誘起相転移におけるナノメーター領域でのドメインサイズを議論できた希な例である。
4. テラヘルツ磁気共鳴
<スピン歳差運動のコヒーレント制御>
光物性分野でテラヘルツ(THz)電磁波を利用してよく研究されているのは、電気双極子遷
移を通して起こる現象である。磁気双極子遷移も存在するが、一般に非常に弱い(原子スペ
クトルの場合、電気双極子遷移の10-6程度と言われている)からである。しかし、磁気共鳴に
対しては、磁場成分が重要である。中でも強磁性体や反強磁性体の共鳴周波数は高く、サブ
テラヘルツ領域に現れるので、THz時間領域分光の手法が有効である。ここに目が向けられる
ようになったのは比較的最近で、2010年頃から急速に研究が進展している。
図4(a)パルス磁場によるスピンの励起、(b)円偏光放射、(c)YFeO3 における A と AF モード
の選択励起。
我々は強磁性体(ε酸化鉄)のTHz透過特性の評価を行っている中で、磁化させた試料からス
ピンの歳差運動に伴って円偏光Free Induction Decayが放射される現象を見出した[13]。図
4(a)のMは強磁性体の磁化を表している。Mは初期状態ではz方向を向いているが、x方向のパ
ルス磁場を与えると、磁化はy方向へ傾き、z軸の周りに歳差運動を始める。図4(b)は、磁化
されたε酸化鉄に直線偏光のTHz波を照射したときに放射された円偏光である。磁化を反転す
ると円偏光の回転方向も反転することから、歳差運動に対応していることが確かめられた。
また、試料が2つの共鳴モード(FモードとAFモード)を持つ場合、図4(c)のように2つのTHz
パルスを、一方のモードに対して、正位相、他方に対して逆位相になるように時間間隔Δt
を調整して照射すると、図4(d)のように一方のモードを選択的に励起すること(コヒーレン
ト制御)が可能である [14]。
4
<スピン励起とメタマテリアル構造との結合>
(a)
(b)
(c)
図 5 (a)分割リングつき試料の模式図。(b)(c)波形とスペクトル(上段は実験、下段は計
算)。
図5(a)に示すような数十μmの金属製のC字型の分割リング共振器(SRR)は、サブTHzに共
鳴を持つ。THz波の電場成分を使ってリングに電流を誘起すると、それを貫く磁束は同じTHz
波に含まれるものより1桁近く増強される。これを利用して基板中のスピンを駆動すること
図5 (a)SRRの模式図.(b)(c)波形とスペクトル(上段は実験、下段は計算)。
ができる。ファラデー回転でモニターした歳差運動の様子は図5(b)の上段に示すとおりであ
る。温度を変化させてスピンの共鳴周波数をチューニングすると、リングの固有振動数に一
致したときに、振幅が著しく増大することが分かる。図5(c)にはこれらの振動波形のフーリ
エスペクトルを示す。(b)(c)の下段はスピン系とLC共振回路の結合を仮定したモデルによる
計算結果であるが、実験結果を非常に良く再現している[15]。
<THz波によるマクロ磁化の生成>
ErFeO3は87~96Kでスピン再配列相転移を起こす。すなわち磁化方向は低温ではa軸に平行
であるが、87Kから徐々に回転を始め、96K以上ではc軸に平行になる。この際、+cと-c方向の
ドメインが同じ確率で生成するため、マクロな磁化はゼロになる。ところが、THz磁場により
スピン歳差運動を誘起したのち、適当なタイミングで加熱用レーザーパルスを与えると、磁
化の方向をほぼ完全に+c方向または-c方向にそろえることができる[16]。図6にその結果を
示す。破線は、t=0にTHz波が入射したときに誘起された磁化の振動である。57ps遅れて加熱
用のパルス(800nm)を入れると磁化は2桁程度成長し、約80%のスピンが上方を向く(赤線)
が、加熱パルスのタイミングを65psまで遅らせると逆に80%が下方を向くという結果(青線)
が得られた。これにより、THz磁場による超高速なマクロ磁化制御が可能であることが示され
5
0.04
ETHz
dt = 57 ps
80% up
100 times
0.02
-0.02
-0.04
た。
Heating
pulse
THz
pump
Faraday rotation (rad)
84K
80% down
dt = 65 ps
図6 THz 波と加熱パルスによるマクロ磁化の生成。
5. シングルショット軟 X 線イメージング
表面の微小な変形を伴う不可逆現象のダイナミクスを超高速で調べることを目的として、
時間分解軟 X 線干渉計を構築した。超高速現象の研究は、多くの場合繰り返し可能な現象を
対象にして、信号を積算することで微小な変化を検出している。一定時間後に系全体が元に
戻ると信じられる励起電子の緩和などの研究にはそれで十分であるが、たとえば光誘起相転
移などは、本質的に不可逆な変化を含むので、どうしても一回きりの不可逆過程を観
(a)
Ag plasma laser
13.9 nm
Sample
Au
Probe
pulse
q=
sample
D
20°Probe
Object
1.0
0.8
0.6
0.4
Reference
0.2
Double Loyd's
mirror
0.0
Beam profile
(b)20131025_101, t = 59 ps, F=1.07 W/cm
2
Ablation pulse 800 nm,80 fs
(c)
t =∞, F=0.98 W/cm2
resolution:
depth ~ 1.5 nm
100 um
100 um
2013.10.18_65
Interferogram
Reflectance image
lateral ~ 700 nm
time ~ 7 ps
図7(a)時間分解軟 X 線干渉計の概念図。(b)レーザーアブレーションにともなう時間分解干
渉像。 (c)軟 X 線反射イメージ。
測しなければならない。また、レーザーアブレーションなどの破壊的な現象の研究にも同様
の手法が必須である。このような計測を行うために、波長 13.9nm パルス幅 7ps の軟 X 線レー
ザー(原研関西研所有)を光源としてシングルショット軟 X 線干渉計を構築した。装置の概
要を図 7(a)に示す。試料表面と参照面で反射された光を Double Loyd's Mirror を用いて、
わずかな角度をもって遠方で重ね合わせることで、干渉縞が得られる。反射面の一部が隆起
6
すれば、縞が移動するので、そこから変位の大きさが求められる[17]。
図 7(b)は近赤外(800nm、70fs)レーザーのガウシアンビームを Au 膜に照射しアブレーシ
ョンを起こした後の干渉像である。1フリンジが 20nm に相当し、約 1nm の精度で変位を読み
取ることができる。これまでに可視光を使ってμm オーダーの膨張を見た例はあるが、nm ス
ケールで膨張の初期過程の観測は軟 X 線の利用によって初めて可能になったものである。図
7(c)は、アブレーション中の反射率イメージである。ガウシアンビームでアブレーションを
起こしているので、中心からの距離によって励起密度が異なっている。明瞭なリング状の境
界線が見えていることから、アブレーションのスキームが励起密度によって不連続に変化し
ていることが読み取れる。
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8