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世田谷区生活保護システム構築・保守作業委託
提案要求仕様書
平成28年9月30日
世田谷区保健福祉部生活福祉担当課
1
1 概要
1.1 件名
世田谷区生活保護システム構築・保守作業委託
1.2 概要
1.2.1 目的・目標
(1)目的
現行生活保護システムが老朽化しているため、安定的な運用及び管理並びに個人情報
の保護のため、システムを更新する。
(2)目標
近年の生活保護法の改正や債権管理業務の強化等、福祉事務所業務及び現在の生活保
護制度の運用に適した新たなシステムを導入することにより、生活保護業務の円滑な運
用と一層の効率化を目指していく。更に、安定したシステム運用及び管理並びに個人情
報の保護を図るとともに、生活保護制度を準用している中国残留邦人等支援給付(以下
「支援給付」という。)の業務を取り扱う支援給付システムを統合し、運用経費の削減
を図る。
1.2.2 対象業務の概要
(1)対象業務分野とシステム化範囲
本システムの対象となる業務は、生活保護及び支援給付の相談管理、ケースワーク、
経理管理、統計管理、医療管理、介護管理、システム管理の各業務である。
業務の概要とシステム化の範囲は以下のとおりである。
業務
概要
システム化範囲
相談管理
相談者情報の管理。面接相談業務。
対象世帯、関係機関の情報
ケースワーク
保護の決定管理。ケースワーク。
等の登録、登録情報の検索、
経理管理
保護費の支出管理。債権管理。
集計、データ加工、各種帳
統計管理
統計情報の抽出。国等への報告データ作成。 票、他システムとの連携デ
医療管理
各種券類の発行・管理。請求管理。被保険者
ータの出力の他、機能要件
介護管理
管理。業者管理。
定義書に記載の業務。
システム管理
マスタ管理。日程管理。
(2)利用者特性
本業務の関係者は以下のとおりである。
利用課
利用者数
生活支援課(5福祉事務所)
備考
222人
生活福祉担当課
7人
臨時利用(必要な期間開放)
10人程度
2
他部署の区職員
備考
委託先オペレーター
4人
夜間バッチ処理等を委託
(3)業務量
本システムの対象となる業務の業務量は以下のとおりである。
区分
数量
保護世帯数(支援給付を含む。)
8,577世帯
保護人員数(支援給付を含む。)
10,199人
生活扶助受給人員
9,056人
住宅扶助受給人員
9,306人
医療扶助受給人員
7,630人
介護扶助受給人員
1,613人
備考
平成28年3月時点
ピーク月月間総処理件数
約50,000 件
年度末の基準改定時
1.2.3 業務内容・成果物
(1)業務内容
生活保護及び支援給付の面接相談業務、ケースワーク業務、経理管理業務、統計管
理業務、医療管理業務、介護管理業務、システム管理業務を取り扱うことができ、他の
業務システムとのデータ連携を行えるシステムを構築し、保守管理する。
システム構築業務の内容は以下のとおりである。
① プロジェクト管理作業
・進捗、工程管理作業
・課題管理作業
・その他関連作業
② 設計作業
・本システムの設計作業
・その他関連作業
③ 構築作業
・基本ソフトウェア製品の設定作業
・ハードウェア製品の設定作業
・ソフトウェアのインストール、設定作業
・本区ネットワークへの接続作業
④ その他関連作業
・データ移行作業
・テスト作業
・教育、研修
・マニュアル作成
(2)成果物
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システム構築業務の成果物は以下のとおりである。
①本システム
本システムの環境構築を行い、利用可能な状態で提供を行うものとする。
・本システム 一式
②本システムデータ
本システムの環境構築に伴い、稼動で必要となったデータの提供を行うものとする。
・本システムに搭載する業務データ 一式
・本システムを構成するハードウェアの設定データ 一式
・本システムを構成するソフトウェアの設定データ 一式
・上記データを格納した電子媒体 一式
③各種ドキュメント類
本システムの環境構築に伴い、稼動までに作成した各種ドキュメントの提供を行う
ものとする。
・プロジェクト管理関連 一式(プロジェクト管理資料等)
・設計関連 一式(基本設計書等)
・構築関連 一式(構築作業手順書、設定シート等)
・テスト関連 一式(試験成績表等)
・その他 一式(ソフトウェアの操作マニュアル、システム管理手順書、本区との
打ち合わせ議事録等)
・上記ドキュメントを格納した電子媒体 一式
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2 システム機能要件
2.1 機能要件
2.1.1 機能構成
本システムは、大きく以下の機能から構成される。
機能分類
概要
申請情報等の管理機能
申請情報、業務記録等の登録、更新、照会、帳票出力を行う。
電子決裁機能
文書記録の電子決裁、供覧を行う。
外部システムに提供する項目
以下の項目を外部システムに受け渡すデータを作成する。
・区個人番号
・氏名
・住所
・生年月日
・生活保護開始決定日
ほか総数30項目程度
外部システムとの連携
財務システムから受け渡される収納情報、介護保険システムから受け渡さ
れる介護認定情報等を、生活保護システムに取り込み反映させる。
各福祉事務所の保護関係情報・支援給付関係情報が混在しないようデータ
福祉事務所切り替え機能
ベースを分け、選択して使用する。
マスタテーブルの編集を行う。スケジュール管理を行う。
システム管理機能
各データベースに対して一括して行う。
2.1.2 機能一覧
本システムでは、別紙1「生活保護システム機能要件定義書」に示す機能を備えること。
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3 システム非機能要件
3.1 規模要件・性能要件
3.1.1 機器
本システムでは以下の機器の利用を想定すること。
No
機器の区分
機器名
設置場所・拠点数
台数
備考
稼動後5年
1
端末
職員端末
生活福祉担当課及び世田谷総合支
約 280 台
を見込む
所生活支援課、他4総合支所生活支
レーザープリン
2
間の人員増
援課。 計拠点数5
プリンタ
18 台
タ
3.1.2 データ量
本システムでは以下のデータの管理を想定すること。
No
情報・データ名
1
相談管理
2
3
件数
見込み増加量
備考
280,000 件
20,000 件/年
ケースワーク
1,120,000 件
80,000 件/年
医療・介護管理
5,306,000 件
379,000 件/年
3.1.3 利用者数
本システムでは以下の利用者による利用を想定すること。
No
区分
1
庁内職員
2
委託先オペレーター
全体利用者数
同時利用者数
見込み増加数
239 人
最大で約 210 人
6人
4人
1人
0人
備考
3.2 信頼性等要件
3.2.1 信頼性要件
障害の発生を未然に防止又は速やかに発見できる機能を有すること。
3.2.2 拡張性要件
本システムの対象業務に関連して、契約締結日時点で生活保護法等制度改正が成立して
いるものについてはシステムの機能変更に対応すること。
ただし大規模な影響があると本区が合理的に判断する場合、抜本的な大規模法制度改正
等、当初想定困難であった利用者人数・環境等の変更に対する対応については、本区との
協議の上、本業務の対象外とする。
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3.3 情報セキュリティ要件
3.3.1 権限設定
本システムは、権限のない者による機密情報へのアクセスやデータの改ざんが行なわれ
ないよう必要なアクセス権限設定ができること。
3.3.2 情報セキュリティ対策
本システムの設計、開発、運用、保守について「情報セキュリティ対策基準」(別紙2)
を確実に遵守すること。
特に以下の対策は確実に実施すること。
・なりすましや管理者権限の不正取得などができないような措置を施すこと。
・各種ログを収集し、万一事故が発生した場合に追跡の基礎情報を取得可能な措置を施
すこと。
・アクセス傾向分析、システムが本来使われるはずのない時間や、システム機器が置か
れていない場所からのアクセスの有無について、定期的に調査し報告すること。
なお、本システムの導入先となる仮想サーバーに対してのウィルス対策ソフトウェア
の適用については本区にて実施する。
3.4 情報システム稼動環境
3.4.1 全体構成
システムの全体構成は、下図のように想定している。
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※上記の他に、臨時利用の生活保護システムクライアント(VDI)が数台程度見込まれる。また、人員増により、稼動後5年間で合
計280台程度までの増加が見込まれる。
3.4.2 ハードウェア構成
(1)端末
端末は、既設の端末から仮想デスクトップ(VMware Horizon View Client)を使用する。
端末の要件を示す。
項目
要件
OS
Windows 7 Professional
Windows 10
CPU
Intel(R)Xeon(R) CPU E5-2697 v2 @ 2.70GHz(事務用 VDI)
メインメモリー
3.00GB(事務用 VDI)
ウェブブラウザ
Internet Explorer 11
(2)サーバー
サーバーは区が用意する仮想サーバーを使用するものとする。具体的な仕様は以下のと
おり。
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内容1
内容2
要件
備考
仮想環境
マイクロソフト Azure サ
仮想環境
ービスを利用(Hyper-V)
ネットワー
専用回線
ク
庁外との接続不可
仮想マシン
リソース
メモリ
ディスク
基本ソフト
ウェア
稼働後にリソースサイズ変
CPU
OS
ヒアリング(アセスメント)に
更可
よりサイズを決定し、Azure サ
ドライブレター「D:」は、
ービスタイプを選択する。
Azure で予約済みのため利
用不可
2016年7月現在の対応
OS
2012R2/2012/2008R2
<Linux>
・Red Hat Enterprise Linux
6.7
Microsoft
・Centos 6.5/6.6/6.7
WindowsServer2012R2
・Red Hat 互換カーネル又は
を標準とする。
Unbreakable Enterprise
Kernel リリース 3 (UEK3)
を実行する Oracle
Enterprise Linux 6.4/6.5
・SUSE Linux Enterprise
Server 11 SP3
ウィルス Kaspersky Security for
対策
File Server
調達範囲外
稼働監視 OPmanager
調達範囲外
起動停止
管理
ミドルウェ
サーバー側で設定
Azure 上で必要なライセ
ア、業務ア
ンス数を算出すること。
プリ
ハードウェ
サーバーに周辺機器の接
ア
続不可
通信制限しているため、事
ネットワー
前に必要なポート等の調
ク
整が必要
負荷分散
ロードバランサーにより
負荷分散可能
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例:USB キー等
バックアッ
Azure 側で一括バックア
プ
ップ。
検証環境
利用頻度が高い場合
検証環境 検証環境を構築可
本番移行
時障害対
応
は常設も可
本番移行の障害発生時に
おける切戻し可
サーバー操
機器設置場所内でのリモ
サーバーの RDS を有効
作環境
ート操作
化
3.4.3 ソフトウェア構成
・端末にソフトウェア(ActiveX コントロールなどのプラグインを含む。)のインストール
をすることなく利用できる構成とすること。
・クライアント数の増加によるソフトウェアライセンス経費増が発生しないソフトウェアを
用いた構成とすること。
・その他ソフトウェアの具体的な実装については特に定めないが、極力、標準的なものを利
用すること。
3.4.4 ネットワーク構成
本システムが接続されるネットワークの概要は以下のとおりである。
項目
条件
プロトコル
TCP/IP
WAN
100Mbps 以上
LAN
100Mbps
接続ネットワーク機器
レイヤー2スイッチ2台冗長構成
DNS
区で運用している DNS サーバ(Active Directory 統合 DNS)を利用
3.4.5 アクセシビリティ要件
・システムの画面はできる限り統一感を持たせること。
・システムで利用するキーはできる限り統一感を持たせること。
3.5 テスト要件
・本システムの本格運用までにテストを段階的に行い、都度、本区の承認を受けること。
・本区が指定する期日までにテスト結果が記された試験成績表を作成し、提出すること。
・テストの実施方法、内容、実施時期などについて提案すること。
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3.6 移行要件
3.6.1 データ移行
・現行システムを調査し、データ移行計画を立てること(現行システム仕様に関しては、可
能な限り提供する。)。
・現行システムより全データをCSV形式で抽出し、本調達システム受託者と事前に協議し
たメディアに記録する(この作業は、区が現行システム事業者と別途契約する。)。
・移行計画に基づき、抽出データを新システムに移行すること。
・移行後は、データ数、データ属性及び項目間の論理的チェックを行うこと。
3.6.2 教育
・システム管理者(2名程度)に対する本システムの運用及び操作研修を本区が用意する施設
にて実施すること。なお、研修で利用するシステムは、本システムを想定する。
・システム利用者(240名程度) に対する本システムの操作研修を本区が用意する施設に
て実施すること。なお、研修で利用するシステムは、本システムを想定する。
・上記研修で利用する研修マニュアルを作成し、必要となる対象者分の部数の印刷を行うこ
と。
3.7 運用要件
3.7.1 システム操作・監視等要件
・本システムの運用時間は、土曜、日曜、祝日及び年末年始(12 月 29 日から 1 月 3 日)を
除く、平日の 8 時 30 分から 19 時 30 分とする。ただし、オペレーター作業がある日(月
に3日程度)は 19 時 30 分以降に操作を行うことがある。
3.7.2 データ管理要件
・本システムで扱うすべてのデータの保全が実施できる環境であること。
・データの消失を防ぐため、定期的にバックアップを行う機能を有すること。
・バックアップしたデータを速やかにリストアできる機能を有すること。
3.7.3 運用施設・設備要件
・本システムで使用する電源量は省電力構成を図ること。なお、電源の確保は本区にて行う。
3.8 保守要件
・保守手引書及び連絡体制図を本区に提出するとともに、常時運用を円滑に行うための保守(点
検及び障害復旧等を含む。)体制を確保すること。
・保守対応時間は、土曜、日曜、祝日及び年末年始(12 月 29 日から 1 月 3 日)を除く、平日
の 8 時 30 分から 19 時 30 分とすること。ただし、緊急を要する場合の対応については、本
区と協議の上対応すること。
・本区からの情報伝達方法は、電話及びメールとし、それらを受ける環境を整備すること。
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・本システムの故障もしくは障害が発生したときには、いかなる事象においても一次切り分け
を速やかに実施し、関係各所(本区やハードウェア、ソフトウェアの保守業者等を指す。)
へのエスカレーション対応を実施すること。
・発生した故障について、報告書(故障箇所、内容、対処策など)を作成し、本区に提出する
こと。
・ヘルプデスクサービスの利用を選択できること。対応時間は、土曜、日曜、祝日及び年末年
始(12 月 29 日から 1 月 3 日)を除く、平日の 8 時 30 分から 19 時 30 分とし、一般利用者
からの、システムの仕様、利用方法に関する質問、システムが正常に動作しない場合におけ
る原因調査、回避措置に関する質問、相談に電話及びメールにて対応すること。また、対応
結果を本区へ報告すること。
3.8.1 ソフトウェア保守
・システムの機能的な不具合の修正を保守の対象とする。
・不具合が発生して2日以内に修正対象の特定と修正計画を立てること。
・修正が完了するまでの暫定対応の方法を確立し、不具合発生の翌日までに提示すること。
・本システムを構成するソフトウェアに対して、セキュリティホール及びバージョンアップ情
報等が公開された場合、速やかに本区へ報告し対応すること。
3.9 作業の体制及び方法
3.9.1 開発体制・役割
(1)体制
受託者は、本業務を統括し、本区との窓口となる統括窓口責任者を設置すること。
①平常時連絡体制
特に定めない限り、統括窓口責任者等との連絡は本区の通常業務時間内(平日の 8:30
~17:15)は電話にて対応し、本区との協議により受託者が必要と判断した場合は本区
への派遣を行うものとする。
②緊急時連絡体制
本区の通常業務時間外において、本区が緊急に統括窓口責任者等と連絡調整を必要と
する場合、受託者は本区と窓口責任者等との間で所要時間内に電話連絡等を取れる体制
を整備しなければならない。
(2)担当者
業務の実施体制には、以下の経験者、有資格者を含むこと。
・生活保護システムの開発の経験を有する者。
・生活保護システムの保守の経験を3年以上有する者。
・作業管理者においては、ITIL v3 Foundation の資格を有し、システム運用管理業
務を3年以上経験している者
3.9.2 管理方法
本区が指定する期日までにプロジェクト管理基準を記したプロジェクト計画書及び関連
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資料を作成し、提出すること。なお、作業実施体制図と作業スケジュールは、本提案内にて
提示すること。
3.9.3 導入・引き渡しに関する要件
本システムについて、ソフトウェアのインストール、データのセッティング等の関係する
環境構築を行い、利用可能な状態で提供を行うものとする。
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