堺市報道提供資料 平成28年9月30日提供 担当課 直 通 内 線 FAX 問い合わせ先 人事委員会事務局 072-228-7449 6906、6921~6923 072-228-7141 職員の給与等に関する報告及び勧告について 堺市人事委員会は、議会及び市長に対し、下記のとおり「職員の給与等に関する報告及 び勧告」を行いました。 記 1 本年の報告及び勧告 別添【平成28年職員の給与等に関する報告及び勧告の概要】参照 平成28年 職員の給与等に関する報告及び勧告の概要 別添 平 成 28 年 9 月 30 日 堺 市 人 事 委 員 会 ≪本年の報告・勧告のポイント≫ 月例給は改定なし、特別給は引上げ ① 月例給については、職員給与が民間給与を 215 円(0.05%)下回っているが、較差が小さいこと から、改定を行わない。 ② 特別給については、職員の年間支給月数(4.20 月分)が、民間の支給割合(4.28 月分)を下回 っているため、0.10 月分引上げ改定(勤勉手当に配分) ③ 初任給調整手当の改定 扶養手当の見直し 均衡の原則に基づき、人事院勧告に準じた扶養手当の見直しを実施 1 給与勧告制度の基本的考え方 ・本年の人事院の「職員の給与に関する報告」では、1)公務と民間企業の給与比較は、給与決定要素(役 職段階、学歴、年齢等)を合わせて比較することが適当、2)企業規模 50 人以上の多くの民間企業におい ては、公務と同種・同等の者同士による給与比較が可能、といった基本的考え方が示された。 ・本委員会も、この基本的考え方に従って調査・比較を行い、市職員に関する給与勧告を行っている。 2 市職員と民間従業員との給与比較等 (1) 給与等の調査 本年4月現在の市職員及び本市内に所在する民間事業所の従業員の給与等について実態調査を行っ た。民間従業員については、企業規模 50 人以上で、かつ、事業所規模 50 人以上の民間事業所のうち 240 事業所を母集団として、その中から人事院により無作為抽出された 86 事業所を対象に調査を行った。 (調査完了事業所 74 事業所、調査完了率(注)87.1%) (注)抽出した 86 事業所から、企業規模又は事業所規模が調査対象外の1事業所を除く 85 事業所に占める調査完了事業所の割合 (2) 比較の結果 ①月例給(市職員と民間従業員の給与をラスパイレス方式により、役職段階、学歴、年齢の条件が同等 と認められるもの同士で比較) 公民較差 民間従業員給与 (A) 市職員給与 (B) (A-B = C) (C/B×100) 401,327 円 401,112 円 215 円 (0.05%) (注)民間・市職員ともに本年度の新規学卒の採用者は含まれていない。市職員は、行政職給料表の適用を受ける者 ②特別給 (本市における期末手当・勤勉手当の年間支給月数と、民間事業所の特別給の支給割合を比較) 民間支給割合 (A) 本市支給月数 (B) 月数差 (A-B) 4.28 月分 4.20 月分 0.08 月 3 給与の改定等 (1) 本年の給与改定 ア 特別給 民間の支給割合に見合うよう年間支給月数を引き上げる (4.20 月分 → 4.30 月分。 勤勉手当に配分) 。 [実施時期]平成 28 年 12 月 (注)勧告月数は、人事院と同様に、小数第2 位を 2 捨3 入・7 捨8 入し、0.05 月単位で決定 イ 初任給調整手当 人事院勧告を考慮して、 医師及び歯科医師に対する初任給調整手当の改定を行うことが必要である。 [実施時期]平成 28 年4月 (2) 扶養手当の見直し 本年の人事院勧告では、配偶者に係る手当額を他の扶養親族に係る手当額と同額まで減額し、子に 係る手当額を引き上げることとされた。本市においても、均衡の原則に基づき、人事院勧告に準じた 扶養手当の見直しを行うことが適当である。 [実施時期]平成 29 年4月 1 4 その他の事項 (1) 高齢層職員の昇給・昇格制度について 国においては、55 歳を超える職員は標準の勤務成績では昇給停止とする昇給抑制措置が講じられると ともに、俸給表の高位の号俸から昇格した場合の俸給月額の増加額が縮減されている。 本市においても、均衡の原則に基づき、国と同様の措置を講ずることが必要である。任命権者におい ては、国や他都市の制度を参考にしつつ、具体的な制度設計を行うとともに、導入時期について検討を 進められたい。 (2) 人材確保・人材育成 ア 多様で有為な人材の確保 採用説明会や座談会の充実、多様な媒体の活用などこれまでの情報発信を更に強化するとともに、 より有為な職員を採用できるよう、試験制度についても必要な改善を行っていく必要がある。 イ 公務員倫理の確保 公務員倫理の確保に向けた取組を更に進め、職員一人ひとりにあっては、たとえ一部の不祥事であ っても、それが市職員ひいては公務員全体に対する信用を損ねることを肝に銘じる必要がある。任命 権者にあっては、不祥事に対して、公正、厳格に対処されたい。 ウ 人材育成 実効性の高い研修の機会を提供するとともに、職員自身の自発的・主体的な受講を促進するなど、 より効果的な人材育成に取り組む必要がある。 エ 人事評価制度 職員のやる気と能力の向上が図られるよう、人事評価制度に対する職員の理解を深めるための取組 が重要。これまで実施してきた人事評価の成果や課題等を検証することで、より客観的で公正性、透 明性が高く、実効性のある制度となるよう、必要に応じた見直しを行っていくことが求められる。 オ 女性職員の登用 役職者における女性職員の割合の向上に向けて、昇任意欲の高揚、キャリア形成のための能力開発 等の取組を進め、意欲と能力のある女性職員を積極的に登用していくことが求められる。 (3) 働き方改革と勤務環境の整備 ア 時間外勤務の縮減 各部局のトップの強いリーダーシップの下、業務プロセスの改善、不要不急な事務の削減や見直し など、業務を効率的に運営するための有効な対策について引き続き検討を進めるとともに、必要に応 じ、 業務量に応じた適切な人員配置や業務分担を見直すなど、 組織的かつ継続的な取組が必要である。 イ 仕事と生活の両立支援 公務運営への影響等も精査しつつ、働きながら子育てや介護がしやすい職場環境の整備を進めるこ とが重要であり、職員の柔軟な働き方についての研究も進める必要がある。各職場においては、職員 一丸となって職場環境・組織風土づくりに取り組まれたい。 ウ ハラスメントの防止 ハラスメントの未然防止に向け、研修等による意識啓発や管理職職員による指導等を始めとする取 組を、全庁一丸となってより一層進めていく必要がある。 エ メンタルヘルス対策 管理職職員による部下からの相談への対応、職場復帰への支援など、メンタルヘルスケアを推進す るため、管理職職員に対する研修等に取り組まれたい。 (4) 高齢期における職員の雇用問題 再任用職員がやりがいを持って職務に従事できる環境を整備するよう努める必要がある。また、安定 して市民サービスを提供できるよう、再任用職員についても、必要な人材を確保することができるよう な取組が求められる。 (5) 府費負担教職員の本市への権限移譲への対応 新たな勤務条件の決定は、基本的には本市の制度を適用し、学校園の運営上、特有の事情があるもの については、現行の制度を継続して取り入れることも必要である。 (6) その他 多様な任用形態の職員について、職務内容、職責等も考慮した上で、引き続き適正な勤務条件が整え られるよう要望する。 2 5 その他公共的団体が行う賃金等に関する調査 より幅広い民間事業所における給与水準の実態を把握するため、賃金構造基本統計調査規則に規定する 直近の調査に基づく民間給与調査及び民間事業所の給与等に関する特別アンケート調査等を実施した。 (1) 賃金構造基本統計調査に基づく民間給与調査 ・ 本委員会では、本市内の民間の給与実態をより広く把握するため、厚生労働省の賃金構造基本統計 調査の調査票情報を利用し、給与等に関する研究を行った。 ・ 正社員・正職員 30 人以上の事業所における、平成 25 年から平成 27 年の所定内給与は、平成 25 年 408,327 円、平成 26 年 367,390 円、平成 27 年 403,937 円となっている。堺市域の標本数が少ないこ ともあり、経年の変化等の特徴を捉えることは困難であった。 ・ 民間事業所においては、同じ役職名であっても、その給与水準は広範囲に分布している。 (2) 民間事業所の給与等に関する特別アンケート調査 正社員 30 人以上 50 人未満の市内民間事業所の給与制度等の状況を把握するため、職種別民間給与実 態調査の対象企業となっていない 264 事業所に調査を実施した。 ・ 役職ごとの構成割合が公務とは異なり、同程度の役職・年齢の従業員であっても、給与水準にかな りの開きがあった。 ・ 本調査に基づき、精緻に分析したり、同種・同等の者同士の給与を比較するという観点から公民比 較を行うには支障があり、これを直ちに活用することは困難である。 ・ しかしながら、対象規模事業所の給与制度等の状況を広く把握することができた。 6 参考資料 <人事委員会勧告の状況> 平成 26 年 民間給与 月 例 給 平成 27 年 平成 28 年 404,180 円 401,327 円 402,719 円 401,112 円 1,461 円(0.36%) 215 円(0.05%) 403,112 円 (減額前)398,547 円 市職員給与 (減額後)387,536 円 (減額前) 4,565 円(1.15%) 較 差 (減額後)15,576 円(4.02%) 特 別 給 民 間 4.12 月分 4.22 月分 4.28 月分 市職員 3.95 月分 4.10 月分 4.20 月分 月例給の引上げ 月例給の引上げ 勧告内容 期末手当・勤勉手当の引上げ 期末手当・勤勉手当の引上げ 期末手当・勤勉手当の引上げ 初任給調整手当の改定 初任給調整手当の改定 その他手当の改定 扶養手当の見直し 給与制度の総合的見直しの 実施 (注)平成 26 年の職員給与及び較差欄の上段は減額前の額、下段は減額後の額である。 <勧告どおり給与改定が実施された場合の平均年間給与> ※千円未満四捨五入 改定前の平均年間給与 改定後の平均年間給与 差 6,279,000 円 6,317,000 円 38,000 円 (注)行政職給料表適用者(平均年齢41.3 歳) 3 4
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