三大都市圏の政策区域における特定の事業用資産の買換え等の特例

平成 29 年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)
(国土交通省都市局まちづくり推進課)
制
税
度
名
三大都市圏の政策区域における特定の事業用資産の買換え等の特例措
置の延長
目
所得税・法人税
要
個人または事業者が、既成市街地等*1 内にある事業用資産を譲渡し、特定の
地域内にそれに代わる資産を取得して事業の用に供した場合、その譲渡益の
80%の課税を繰り延べることができる現行措置について、適用期限を3年間延
長する。
望
譲渡対象:既成市街地等*1 の区域内で店舗を除く事務所若しくは事業所として
使用されている建物又は土地等*2 で所有期間が 10 年を超えるもの
買換対象:土地等*2、建物、構築物又は機械及び装置のうち、近郊整備地帯等*3
及び政令指定都市の市街化区域又は都市開発区域の市街化調整区域
以外の区域にあるもの(農林業は市街化区域以外)
の
内
*1…首都圏の既成市街地、近畿圏の既成都市区域及び名古屋市の一部
*2…土地又は土地の上に存する権利
*3…首都圏の近郊整備地帯、近畿圏の近郊整備区域及び中部圏の都市整備区域
(名古屋市の一部を除く)
容
根拠法令:(所得税)租税特別措置法第 37 条第1項の表の第1号
(法人税)租税特別措置法第 65 条の7第1項の表の第1号
租税特別措置法第 68 条の 78 第1項の表の第1号
平年度の減収見込額
(制度自体の減収額)
(改 正 増 減 収 額)
-
百万円
( ▲102,500 百万円
の内数)
(
-
百万円)
新設・拡充又は延長を必要とする理由
⑴ 政策目的
三大都市圏の既成市街地等への産業及び人口の過度な集中を抑制するた
め、これまで政策区域において産業及び人口の適正配置を推進することで
成果をあげてきた。引き続き、過度な集中による外部不経済の解消と活力
ある持続可能な都市の実現に向け、大都市圏の秩序ある発展を目指す。
⑵
施策の必要性
人口・産業の過度な集中による外部不経済(交通混雑・環境の悪化等)が
発生している既成市街地等において、その弊害を排除するために措置してき
たところであり、着実に成果を上げているところ。引き続き過度な集中によ
る外部不経済の解消を目指し、三大都市圏の秩序ある発展を図る上で必要不
可欠である。
政策体系
における
政策目的の
位置付け
政 策 の
達成目標
今
合
回
理
の
性
租税特別措
置の適用又
は延長期間
同上の期間
中の達成
目
標
政策目標:7 都市再生・地域再生の推進
施策目標:25 都市再生・地域再生を推進する
三大都市圏の近郊整備地帯等及び都市開発区域に、業務・商
業等の都市機能が集積された効率的かつ持続可能な都市圏構造
への再編を図ることを目標とする。
具体的には、経済センサス等のデータにより算出された事業
所数と従業者数について、近郊整備地帯等及び都市開発区域が
存する市町村域の増減率が当該区域を除く市町村域を上回るこ
とを目標とする。
3年間
(所得税)平成 29 年 12 月 31 日⇒平成 32 年 12 月 31 日
(法人税)平成 29 年 3 月 31 日 ⇒平成 32 年 3 月 31 日
全国の事業所数及び従業員数の増減率の平均を、近郊整備地
帯等及び都市開発区域の事業所数及び従業員数の増減率が上回
ることとする。
要
製造業の従業者数については、近郊整備地帯等及び都市開発
区域の増加率の方が、全国の増加率よりも高く、前回要望時の
目標を達成しており、既成市街地等における人口・産業の過度
の集中を防止し、効率的かつ持続可能な都市圏構造への再編が
一定程度進捗している。事業所数については、近郊整備地帯等
及び都市開発区域の増加率の方が、全国よりも低い値となって
いるが、規模の大きい事業所に限れば目標を達成している。
望
に
関
政策目標の
達成状況
平成 26 年内の増減
連
す
近郊整備地帯等及
び都市開発区域
全国(上記区域を
除く)
内従業者
30 人~299
人
内従業者
300 人以上
▲2.47%
▲0.07%
+1.48%
+8.06%
+0.23%
▲4.64%
従業者数
事業所数
+0.47%
▲0.60%
る
資料:工業統計表「市区町村編」データ(経済産業省大臣
官房調査統計グループ)
事
有
効
項
要 望 の
措 置 の
適用見込み
所得税 75 件
法人税 63 件
計
138 件
※平成 26・27 年の適用件数(推計値)を平均して算出
性
相
当
性
要望の措置
本特例措置は民間事業者に対し、既成市街地等における過度
の効果見込 な集中により外部不経済をもたらす工場等を移転する際の税制
み(手段とし 上のインセンティブを提供することで、効率的かつ持続可能な
ての有効性) 都市圏構造への円滑な再編へ寄与すると考えられる。
当該要望項
目以外の税
-
制上の支援
措
置
予算上の
措置等の
-
要求内容
及び金額
上記の予算
上の措置等
-
と要望項目
との関係
要望の措置
の妥当性
事業用資産の買換え等については、その税負担が重要な判断
要素のひとつとなっており、要件に該当する資産の買換え等に
よる工場移転等を確実に支援するためには、税制上の特例措置
により対応することが相当である。
また、本特例措置の適用要件は、譲渡資産の用途を既成市街
地等における、店舗を除く事務所及び事業所(工場、作業場、
倉庫等)に限定し、買換資産の対象区域を三大都市圏の近郊整
備地帯の市街化区域等に限定しており、過度な集中による外部
不経済の解消と活力ある持続可能な都市の実現という政策目的
に照らして適正かつ必要最低限の措置である。
(所得税)
平成 26 年度 74 件 1,009 百万円
(平成 26 年度要望時見込数 167 件、3,805 百万円)
平成 27 年度 76 件 1,045 百万円
(平成 26 年度要望時見込数 167 件、3,805 百万円)
これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項
租税特別
措 置 の
適用実績
(法人税)
平成 26 年度 62 件 1,436 百万円
(平成 26 年度要望時見込数 213 件、11,503 百万円)
平成 27 年度 64 件 1,402 百万円
(平成 26 年度要望時見込数 213 件、11,503 百万円)
※平成 26 年度に制度を大きく見直したため、平成 26 年度以
降の数値を記載している。
※「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」及
び「対象自治体へのアンケート調査結果」をもとに推計。
租特透明化
法に基づく ① 根拠条文:65 の7~65 の9、68 の 78~68 の 80
② 適用件数:62 件
適 用 実 態 ③ 適用総額:5,633,261 千円
調査結果
租税特別措
置の適用に
よる効果
(手段として
の有効性)
課税の繰延べ措置を講ずることにより、資産の買換え等に伴
う税負担が軽減され、効果的に資産の買換え等による工場移転
等が行われることが期待されるため、本特例措置の目的達成に
向けて有効な手段である。
前回要望時
の達成目標
三大都市圏の近郊整備地帯等及び都市開発区域に、業務・商
業等の都市機能が集積された効率的かつ持続可能な都市圏構造
への再編を図ることを目標とする。
具体的には、経済センサス等のデータにより算出された事業
所数と従業者数について、近郊整備地帯等及び都市開発区域が
存する市町村域の増減率が当該区域を除く市町村域を上回るこ
とを目標とする。
前回要望時
からの達成
度及び目標
に達してい
ない場合の
理
由
これまでの
要 望 経 緯
製造業の従業者数については、近郊整備地帯等及び都市開発
区域の増加率の方が、全国の増加率よりも高く、前回要望時の
目標を達成しており、既成市街地等における人口・産業の過度
の集中を防止し、効率的かつ持続可能な都市圏構造への再編が
一定程度進捗している。事業所数については、近郊整備地帯等
及び都市開発区域の増加率の方が、全国よりも低い値となって
いるが、規模の大きい事業所に限れば目標を達成している。
(主な改廃履歴)
昭和 44 年度 創設
昭和 50 年度 5年延長
昭和 55 年度 5年延長
昭和 60 年度 5年延長
平成2年度
1年延長
平成3年度
5年延長(条件変更)
平成6年度
条件変更
平成7年度
条件変更
平成8年度
5年延長
平成 10 年度 条件変更
平成 13 年度 5年延長(条件変更)
平成 18 年度 5年延長
平成 23 年度 3年延長(条件変更)
平成 26 年度 3年延長(条件変更:4号廃止、5号を縮減し
1号に統合)