高齢者の権利擁護

資料3
高齢者の権利擁護
~虐待通報から通報後の対応まで~
保健福祉課 権利擁護・成年後見センター
平成28年9月30日
本日の流れ
1 虐待とは?
2 虐待通報について
3 通報後の対応について
「虐待」とは 1
~言葉の意味から~
虐待
Abuse
・むごく取扱うこと
・残酷な待遇
・<地位・特権・才能を>
悪用(乱用、御用)する
・乱暴に扱う、侮辱する等
上田 晴男氏作成
虐待とは 2
~「虐待」の考え方~
一般的にイ
メージする虐
待(事件性の
ある虐待)
○虐待の小さな芽から
対応が必要
高齢者虐待防止法が規程
した高齢者虐待
(自覚を問わない)
○早期発見・早期対応
悪化すればするほど…
対応が困難、長期化します…
高齢者虐待防止法
○ 平成18年4月1日施行
○ 「高齢者」とは65歳以上の者として定義
○ 高齢者虐待
ア 養護者による虐待
イ 養介護施設従事者等による虐待
○ 類型
ア 身体的虐待
イ 心理的虐待
ウ 経済的虐待
エ 性的虐待
オ 介護・世話の放棄・放任
身体的虐待の具体例
○平手打ちをする。つねる。殴る。蹴る。やけど、打撲をさ
せる。
○本人に向けて物を壊したり、投げつけたりする。
○医学的判断に基づかない痛みを伴うようなリハビリを強
要する。
○無理やり食事を口に入れる。
○身体を拘束し、自分で動くことを制限する。
など
介護の世話の放棄・放任の具体例
○入浴しておらず異臭がする、髪や爪が伸び放題だった
り、皮膚や衣類、寝具が汚れている。
○水分や食事を十分に与えられていないことで、空腹の
状態が長時間にわたって続いたり、脱水症状や栄養失調
の状態にある。
○室内にごみを放置する、冷暖房を使わせないなど、劣
悪な住環境の中で生活させる。
など
経済的虐待の具体例
○日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない。
○本人の自宅等を本人に無断で売却する。
○年金や預貯金を無断で使用する。
○入院や受診、介護保険サービスなどに必要な費用を支
払わない。
など0
高齢者虐待を防止するための
相談・通報のポイント 1
● 保健医療福祉関係者は、早期発見義務が課されています。
□ 虐待はあると思わないと見えてこない。
● 虐待を受けたと「思われる」状態で通報できます。
□ 証拠や根拠がなくとも通報できるようになっている。
□ 「あれっ…」の段階で通報を!
□ 通報先は、地域包括支援センター 又は
地区保健福祉センターへ
通報(連絡)・相談のポイント
日ごろの関わり
「変化」を感じる
気付きを
活かす
迷わない!
「~かも知れない」
が大事
評価・確認
をしない
「気づいた」事を
そのままに
早い相談
端的な内容
上田 晴男氏作成
事例 : 虐待かなぁ…
~認知症のカネさんから考える~
○事例概要
カネさんは84歳の女性です。56歳の長男との二人暮ら
しです。介護保険は要介護3の認定を受けており、通所
介護を週2回、訪問介護を週2回利用しています。
カネさんは3年前より認知症を患っており、最近、徘徊も
見られています。
身の回りの世話は、長男が行っていますが、認知症の
進行により介助量が増えており、長男は疲弊しています。
どう対応しますか?
○経過
本日、カネさんが通所介護を利用したところ、職員が顔
面と右下腹部に痣を確認しました。
職員がカネさん本人に痣ができた経緯を確認したところ、
「長男にはたかれた」との話でした。
なお、事業所側では、3カ月前より不適切な痣を確認し
ており、担当CMに報告しています。
→皆さんならどのように対応しますか?
具体的な通報の仕方
~事例を通して~
○通報する際の必要な情報(主なものを記載)
・カネさんの状況
基本情報
医療関連情報(病名、認知症の有無、通院状況等)
福祉関連情報(介護度、サービス利用状況等)
生活状況(ADL、IADL、判断能力等)
・長男の状況
基本情報、生活状況、就労状況、障害や病気の有無等
・世帯の状況
世帯構成、経済状況、役割等
・虐待が疑われる状況(現状(程度等)、過去の状況、確認状況等)
→わかる範囲で情報提供してください!!
高齢者虐待を防止するための
相談・通報のポイント 2
○通報義務と守秘義務(第7条3項)
通報者を保護するために、秘密漏示罪などの守秘義務
に関する法律の規定が通報が妨げるものと解釈してはな
らないと定めている。
○市町村職員の秘密保持義務(第8条)
通報者が誰であるかを公にしてしまうと、通報者が養護
者から避難される事態になりかねない。
→通報を受けた市町村職員に、通報者を特定させる事
項の漏洩禁止義務を課し、通報者を保護している。
→安心して通報してください!!
通報後の対応
通報受理
事実確認
コアメン
バーによる
虐待ケア
会議(虐
待判断)
虐待ケア
会議(必
要に応じ
て)
介入
評価(モ
ニタリン
グ)
終結(虐
待解消)
→虐待と判断した場合、関係機関が虐待状況の解
消・改善に向け支援方針等共有し、支援する必要が
あります!!
事業所の対応
● 事業所の協力が不可欠です。
□ 第5条
2 前項に規定する者(保健医療福祉関係者)は、
国及び地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止の
ための啓発活動及び高齢者虐待を受けた高齢者の
保護のための施策に協力するよう努めなければ
ならない。
● 情報収集への協力
□ 情報収集への協力は、個人情報保護法の例外規定
に該当します。
まとめ
●
虐待に気付いたら、すぐに包括支援センター等に
通報を!
●
「あれっ」、「虐待かも…」の疑いの段階で
通報を!
●
通報者は特定されません。安心して通報して
ください。
→それが利用者さんの権利擁護に繋がります。
最後に
お疲れ様でした!
ご清聴ありがとうございます!
何かあればいつでも権利擁護・成年後見センター
にお尋ねください。
権利擁護・成年後見センター
電話 22-7007