より責任と継続性のある固定チームナーシングへ ~C チームを 2 チームに分割して~ ○藤代文江 髙石雅子 阿曽久範 齋藤千歳 飛田和俊治 本谷達史 佐久間美根子 中島薫 佐々木裕子 水流正人 石川紀子 田中美奈子 池畑久美子 施設名:千葉リハビリテーションセンター 1BC 棟 住所:千葉市緑区誉田町 1-45-2 TEL:043-291-1831 FAX:043-291-1857 Ⅰ.施設概要 ・施設病床数 242 床 医療型障害児者入所施設 1.利用者の生活を豊かにするために多職種で 132 床 リハビリテーション医療施設 110 床 連携し支援いたします。 2.ご家族とのコミュニケーションを深め、利用 ・平均病床利用率:88.5% 者・ご家族が安心して入園生活を送れるよう支 ・平均在院日数:277 日 援します。 ・看護職員数:160 人、助手:17 人、 【Cチーム目標】 生活援助員 16 人 利用者が安全に、そして、利用者と家族が安心し Ⅱ.病棟概要 て入園生活を送れることができる ・病床数:60 床(契約・措置:50 床、 【病棟平面図】 短期入所:10 床(ローリングベッド含) )医療 型障害児者入所施設・療養介護施設 ・平均病床稼働率:99% ・短期入所:平均利用者数 9 人/日 ・特徴 医療ケアを常時必要とする重症心身障 害児者(呼吸器常時 17 名、気管切開 21 名)が 入所し、医療・福祉・教育、日常生活の援助を 行っている。保育士や指導員と協働し援助し ている。 1.はじめに 固定チームナーシング開始時より、Cチーム は 24 床を 1 チームとしていた。固定チーム研修 ・職員構成:看護師 34 名、看護助手 4 名 会で、講師よりスタッフ配置を見直し、チームを 療養介護科 生活支援科との協働業務 分けるようアドバイスをうけた。当初は新採用 ・勤務体制 変則 5 交代勤務 夜勤者数:看護師 4 名+福祉職 1 名 者・異動者の教育支援や、夜勤人数の確保などの 懸念があり、チームを分けられずにいたが、1つ ・病棟組織:師長1名 副師長2名 ずつ課題を検討し、2 チームに分けることができ ・チームは 3 チーム た。2 チーム分けを行うまでの検討内容と実施後 短期チーム:重症児者の短期入所(6 床) の効果について報告する。 リーダー1名 サブ1名 メンバー5名 2.取り組みの経過 B チーム:比較的医療依存度の低い重症児者 1)2 チームに分ける前の状況 (31 床) リーダー1名 サブ1名 メンバー4名 C チーム:呼吸器 15、気切 21 を含む(23 床) リーダー1名 サブ2名 メンバー15 名 【平成 27 年度 病棟目標】 看護師は各部屋 1 名以上ずつ配置し、病室は 2・3 号と 5・6 号をペアで受け持っていた。 メンバーの受け持つ部屋は、2~6 号室を日に よって変えていた。 チーム会は行なっていたが、勤務上 C チーム から準夜深夜で 4 名が夜勤に入り、半数ほどは ②少人数で集まりやすくなり、患者のケアや業 自己都合で参加できなかったため、チーム会で 務改善について、ショートカンファレンス、また 決定した内容がなかなか全体に周知できなかっ はちょっときてカンファレンスが、平日はほぼ た。また、看護計画の変更や修正が全員に周知さ 毎日行なえるようになった。そのため看護計画 れにくく、ケアの継続性が担保できない状況が の立案・修正がタイムリーに行なえるようにな あった。 った。 小集団活動は 1 グループが 4~5 人と多かった ため、全員が活動に参加できていなかった。 ③家族からの要望や、関わる際の注意点などの 情報共有がしやすくなり、対応の統一が図れる C チームでは新採用者・異動者の育成は 5~6 ことで、ご家族から「いつも様子を詳しく教えて 号から開始するようにしていたが、 「チームを分 もらえて安心」等の発言が聞かれることが増え けることで育成するスタッフが減り、支援がう た。 まくできないのではないか」という意見や「夜勤 ④チームの応援の際にケアの内容や不明瞭な部 リーダーの調整や人員配置ができるのか」など 分を発見し、応援機能に関する手順について話 の意見があった。そのため、C チームのリーダー、 し合い整理する等、ケアや業務の改善を行なっ サブリーダーがコアとなってチーム分けの案を た。 作成し、チーム会で全員に説明し、意見交換をし ⑤スタッフ育成においても、チームを分ける前 ながら合意形成した。 にあった意見はなくなり、 「育成する側の連携が 2)2 チーム分けの実際 取れやすくなった」など前向きな意見が多くな 2・3 号室と 5・6 号室で分けられるよう、受け 持ち看護師の変更を行なった。 全員がチーム会に参加できるように勤務表を 作成した。 った。人員配置についても問題はなかった。 4.考察 以前はチームの構成が大きく、チーム会やカン ファレンスの参加率が悪かった。そのためチーム クリニカルラダーに基づき、チームメンバー 会での情報や患者ケアの計画等が周知されず、継 を振り分け、両チームに教育的役割が担えるス 続性やケアの統一がされにくい状況だった。また タッフを配置した。 人数が多いことで参加しなくてもいい状況となり、 新採用や異動間もないスタッフは 5~6 号室の ままとした。 役割を発揮できず、やりがいを感じられないこと が多かった。 夜勤のペアリングの調整やリーダー役割をと 今回、チームを 2 つに分けたことで、チーム会の れるスタッフが各チームに配置できるよう調整 参加率やカンファレンス回数が増え、ケアの統一 した。小集団活動のメンバーを再編成し、少人数 がされやすくなった。そのため継続性が高まり、チ で目標や活動内容を修正した。 ームメンバーの達成感ややりがいにつながり、よ 2 つに分ける前のサブリーダー2 名を各チーム り固定チームとしての機能が高まったと考えられ のリーダーとした。 る。 3.結果 おわりに 2つのチームに分けチームの構成人数が減っ スタッフが不安に感じていたチーム分けだった たことで、以下のような効果がみられた。 が、固定チームナーシングの目的に沿って受け持 ①チーム会に全員が参加できるようになり、チ ち看護師や小集団活動、教育機能などを見直した ームの一員として皆が意見を出すようになった。 ことでより継続した看護が実践できるようになっ そのため、チーム会で決定した事項の周知や、情 た。今後もチームで前向きにいろいろなことに取 報の共有もしやすくなった。 り組んでいきたい。
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