農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報 タイ

農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報
国/地域名
タイ
【更新】2016年8月
人口・経済発展状況等
・ 人口
〔参考:日本〕
・ 実質GDP成長率
●人口:1億2,702万9千人(2016年2月確定値、内閣
・ 1人あたりのGDP(名目)
府)
・ 在留邦人
6,884 万人 2015年、IMF推計
2.8 %
2015年、タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)
5,742 ドル 2015年、IMF推計
6万 人
外務省「海外在留邦人数調査統計」平成28年要約版
●実質GDP成長率:0.8%(2015年、内閣府)
●1人あたりGDP(名目):32,480ドル(2015年、
・ 日本食レストラン数
2,364 店
2015年6月、ジェトロバンコク・JROタイ国支部共同調査
IMF)
日本からの農林水産物輸出状況
(2015年/財務省貿易統計(確報値)より
6位 358億円 うち農産物168億円(47.0%)、林産物4億円(1.0%)、水産物186億円(52.0%)
輸出額の多い品目: かつお・まぐろ類(鮮・蔵・凍)、さば(鮮・蔵・凍)、豚の皮(原皮)、 ソース混合調味料、 さけ・ます・ いわし(鮮・蔵・凍)
ジェトロ算出)
・ 甘み、辛味、酸味のはっきりした味が好まれ、薄い味、塩辛いものは好まれない。健康志向の高まりから健康イメージのある日本食も受け入れられている。
・ 麺文化があることからラーメンは人気がある。最近はうどんやそばのお店も日本から進出している。とんかつも人気がある。
味覚、嗜好上の特徴
・ 新し物好きで、新規のレストランに行列ができることがある。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等で口コミ情報が伝わりやすい。
・ 富裕層を中心に本物の日本の味を求める傾向がある。訪日旅行客の増加に連れてその傾向は強まる。また、中間所得層においても日本への旅行客が増えており、
日本産食品に対して好印象を持っているが、日本産の輸入商品は値段が高く、なかなか手が出せないのが現状。
<動物検疫>
・ 牛肉は輸出可。豚肉は、口蹄疫の発生を受けて現在も輸入禁止。鳥肉についても、鳥インフルエンザの発生を受けて現在も輸入禁止。
<植物検疫>
・ 精米、野菜および果実のほとんどの品目で植物検疫証明書の添付で輸出可。
検疫・安全規制等
・ 米、茶など一部品目に関税割当が設定されている。
・ 輸入許可証取得の一連の手続きはタイ法人が行う。
制度的制約
<その他>
・ 日本酒:日本酒含む酒類全般(ワイン、焼酎、ビールなども)に広告規制、酒税、販売時間制限あり(なお日本酒の輸入関税は経済連携協定の適用により2012年
4月以降ゼロ)。また、輸入に際しては、1銘柄につき1輸入業者のみが輸入登録を行うことが可能。
原発関連規制
2015年5月以降、食品及び農産物に対する規制は撤廃。
ただし、野生動物肉(イノシシ、ヤマドリ、シカ)のみ放射性物質検査報告書や産地証明(原産地証明書)が必要。
① 日本食品が販売される小売店は、高級デパート、日系スーパーが中心。
② 旧正月、クリスマスに中華系を中心に、バスケット等により詰め合わせのギフトを贈る習慣がある。
商流・物流・商習慣
③ 輸入に当たっては輸入業務ライセンスが必要で、輸入許可手続きはタイに法人格がある企業のみ可能。タイ系大手小売企業は、確実に売れゆきが見込める商品以外
は棚代を徴収し、売れ残りリスクをサプライヤーが負担する。棚代に20~30%を要し、輸入業者の利益を失ってしまうケースがある。
④ 輸入業者が卸を兼ねている場合が多い。小売、レストランへの配送のための保冷車等も保有している。
その他マーケット情報
水産物
戦略品目
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加工食品
毎月のように開催される日本産食品フェア、多く存在する日本食レストラン等により日本産食品への人々の認識は高く、市場として熟度は高い。
日本食レストラン(寿司店など)の増加で、水産物に可能性あり。レストラン向けにマグロ、かに、ハマチが人気である一方、タイには缶・びん詰めの主要輸出国とし
て各国から原料用水産物(日本産ではマグロ、カツオ、サバなど)が集まる。
醤油など調味料はタイ産、海外産の日本ブランド食品があるため競合が激しい。コールドチェーンの整備に伴い日本産アイスクリームを扱う店舗が増加。
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農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報
戦略品目
2011年に日本産牛肉の輸入が解禁となった。また輸入関税は経済連携協定の適用により2014年4月以降ゼロ。ブランド和牛のほか、交雑種も流通。輸入牛肉では豪州
牛肉
産や米国産と競合。また、タイ国内において、欧州とタイの牛とを掛け合わせた、従来より品質が向上した国産牛(タイフレンチビーフ)も出回っている。
日本からの輸入牛肉に対する月齢制限の撤廃が近く行われる見通しであり、告示が2016年7月15日付けで官報に掲載され、同月21日付けで施行された。現在、撤廃に
関して日本とタイの二国間条件改正に向けて事務手続中。
りんご、柿のほか、いちご、ももなども高級果実として富裕層に人気がある。最近では、いちご、もも、ぶどうが増加傾向。野菜については多くの野菜が国内で生産さ
青果物
れているのに加え、鮮度保持の観点から難易度は高い(ながいもなどの根菜類を除く)。
なお、鮮度維持技術としてCAコンテナを活用するなど、新たな取り組みも行われている。
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