平成28年9月 海事局船員政策課 雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国土交通省関係省令 の整備等に関する省令案(概要) 1.背景 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成28年法律第17号。以下「改正法」という。) により、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平 成3年法律第76号)では育児休業及び介護休業の取得要件の緩和等、雇用の分野におけ る男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)では妊娠 ・出産・育児期を通じた事業主への雇用管理上の措置の義務付け等が規定される。 今般、上記改正法が平成29年1月1日から施行されることに伴い、船員に関する雇用 の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則(昭和61年運 輸省令第1号。以下「船員均等法施行規則」という。)及び船員に関する育児休業、介 護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(平成3年運輸省 令第36号。以下「船員育児・介護休業法施行規則」という。)について所要の規定の整 備等を行うこととする。 2.概要 (1)船員均等法施行規則の改正 事業主が、職場における言動により、船員の就業環境が害されることを防ぐために、 必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととなる のは、以下の妊娠、出産等に関する言動とする。 イ 妊娠したこと。 ロ 出産したこと。 ハ 保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間の確保等妊娠中及び出産後の 健康管理に関する措置を受けたこと。 ニ 妊産婦の就業制限により、船内での作業に従事できず、若しくは作業に従事し なかったこと。 ホ 妊娠中の女子が軽易な作業への従事の申出をしようとし、若しくは申出をし、 又は従事したこと。 ヘ 母性保護上有害な作業に従事できなかったこと。 ト 妊産婦の労働時間の制限により、労働時間を超えて作業に従事することができ ず、又は作業に従事しなかったこと。 チ 妊産婦への休日の付与義務により、休日に作業に従事できず、又は作業に従事 しなかったこと。 リ 妊産婦の夜間労働の制限により、午後8時から翌日の午前5時までの間におい て作業に従事できず、又は作業に従事しなかったこと。 ヌ 妊娠又は出産に起因する症状により、労務の提供ができないこと若しくはでき なかったこと又は労働能率が低下したこと。 (2)船員育児・介護休業法施行規則の改正 ①育児休業の対象となる子の範囲の拡大 1)養子縁組が予定されている者に準ずる者として育児休業の対象となる者は、 養子縁組によって養親となることを希望したが実親から同意が得られなかった ため養子縁組ができなかった船員に養育されている者とする。 2)改正法により、育児休業の対象となる子の範囲が家族関係にある者以外に も拡大されることに伴い、以下のことを定める。 イ)家族関係にある者以外の者の育児のために育児休業を取得する場合に船員 が事業主に申し出る事項。 ロ)家族関係にある者以外の者のための育児休業の終了事由。 ②介護休業の対象となる家族の要件の緩和 祖父母、兄弟姉妹又は孫について、船員が同居し、かつ扶養している場合以外で あっても介護休業の対象とする。 ③子の看護休暇及び介護休暇に関する事項 改正法により、子の看護休暇及び介護休暇が1日未満の単位で取得できるように なることに伴い、次のことを定める。 1)1日未満の取得単位を半日(労使協定で別に定める場合には、その時間数) とすること。 2)所定労働時間が短いため、1日未満の単位での子の看護休暇及び介護休暇の 取得の対象とならない船員は、1日の所定労働時間が4時間以下の船員とする。 ④介護のための所定労働時間の短縮等の措置に関する事項 介護休業をせずに家族の介護を行う船員への所定労働時間短縮等の措置につい て、2回以上取得することができる制度を設けることを事業主に義務づける。 ⑤雇用管理上の措置の対象となる事項 事業者が、職場における言動により、船員の就業環境が害されることを防ぐため に必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないことと なるのは、以下の制度又は措置の利用に関する言動とする。 イ 育児休業制度 ロ 介護休業制度 ハ 子の看護休暇制度 ニ 介護休暇制度 ホ 育児又は介護のための深夜業の制限の制度 ヘ 育児のための所定労働時間の短縮措置 ト 育児休業に関する制度に準ずる措置又は短期間航海船舶に乗り組ませること 等の措置 チ 介護のための所定労働時間の短縮措置 (3)その他所要の規定の整備を行う。 3.スケジュール(予定) 公布:平成28年12月下旬 施行:平成29年1月1日
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