(資料2) 研究計画書 研究題目:口唇裂・口蓋裂児出生に関する実態調査 研究代表者 高木律男(日本口蓋裂学会・学術調査委員会) 分担研究者 ①研究の目的 近年の口唇裂・口蓋裂児出生に関連した臨床的観察研究は、各医療施設が独自のプロ トコールを制作して調査したものが多いため調査項目にばらつきが存在し、また、手術 時期や手術方法の違いから、地域間や施設間の横断的な比較検討が困難となっている。 そこで、現在、一般社団法人日本口蓋裂学会(以下、口蓋裂学会)の学術調査委員会が 主導し、全国規模で「口唇裂・口蓋裂の実態調査」の準備が進められている。今回は口 唇裂・口蓋裂児の出生に関する実態調査を行うこととなり、先進的に口蓋裂治療に取り 組んできた貴施設名(以下、当科)も調査機関として協力することになった。少子高齢 化の加速、妊婦に対する出生前診断の導入といった社会的な背景の変化が、口唇裂・口 蓋裂の病態に影響を与えている可能性もあり、得られるデータは本邦における最新の口 唇裂・口蓋裂の実態を反映することが期待される。したがって、今後の口唇裂・口蓋裂 治療をより良いものに改善すべく検討するための基礎データを収集することが本研究 の目的である。 ②研究デザイン 口蓋裂学会学術調査委員会で制作した調査票(提出資料②患者登録用紙)を用いて調 査検討を行う。2013 年 1 月から 2014 年 12 月の 2 年間に、口唇裂・口蓋裂で当科を初 診した患児およびそのご家族を対象者に選定し、研究内容については説明文書(資料②) を用いて説明をし、同意文書(資料③)で了解が得られた場合のみ資料を利用する。主 任研究者および分担研究者は、得られたデータを当科の患者情報に関して対応表を提供 しない連結可能匿名化データとして口蓋裂学会に提出する。 口蓋裂学会では学術調査委員会が主導して解析検討を行う。なお、当施設と同様に口 蓋裂学会の全学会員に調査協力を依頼し、得られたデータは近日中に口蓋裂学会総会で 発表し、将来的に日本口蓋裂学会雑誌に論文とすることを予定している。 ③研究期間 研究期間は倫理委員会の承認後から 2017 年 3 月 31 日までとする。 ④対象基準 調査対象は、2013 年 1 月から 2014 年 12 月の 2 年間に、口唇裂・口蓋裂で当科を初 診した患児およびそのご家族とする。 ⑤除外基準 資料③に示す説明文書を用いて予め説明し、了解が得られなかった場合は対象から除 外する。 ⑥調査項目 資料①に示す口蓋裂学会学術調査委員会で制作した調査票を利用する。 ⑦研究の手順(概要) 当該期間における当科の一次症例全例について資料使用の同意を得る。同意が得られ た症例のリストを制作し、対象症例の診療録から調査項目の内容を口蓋裂学会で制作し た調査票に入力する。
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