はじめに - 東京大学|大学院教育学研究科・教育学部

はじめに
パネルディスカッション参加者
パネリスト :
Karen Nakamura
星加 良司
(アメリカ・エール大学大学院
社会人類学・映像人類学助教授 )
(東京大学大学院教育学研究科講師 )
モデレータ
今井 康雄 (東京大学大学院教育学研究科教授
教育学部附属中等教育学校長 )
モデレータより
今井と申します。このシンポジウムを共催している「教育における「力」の概念に関する学際的研究」
という研究グループの代表をしております。また、附属学校の校長をしている関係で、バリアフリー教
育開発研究センターの運営委員を務めております。今日年若い女の子たちが受付をしていますが、彼女
らは附属中等教育学校の生徒でして、中 3 と高 1 の段階でやっている「ボランティア入門」(勝亦教諭担
当)という課題別学習のコースに参加している生徒達がボランティアで関わってくれています。
このセッションは「障害とアイデンティティ」というテーマで討論をしたいと思います。石川先生のお
話は、どうやってバリアを解消していくかという、外的、制度的な話でしたが、このセッションは障害
を持つ人が内的に障害をどのようにとらえ、自分自身をどのように描いていくのかというテーマになり
ます。アイデンティティの問題はすべての人に関わる問題ですが、それがいわゆる障害者において非常
に集約的に現れてくるのではないかと思います。
お 2 人のシンポジストを紹介します。まず、カレン中村さんですが、アメリカのエール大学で社会人類
学、映像人類学を教えておられます。映像を使って異文化、異なる社会を研究するという斬新な方法で
人類学の研究を進めておられます。出発点は日本のろう者についての研究で、この研究で博士号を取ら
れました。その後もマイノリティの社会運動を中心に研究され、最近は北海道の「べてるの家」につい
てドキュメンタリー映画を完成されたとのことです。
2 番目の登壇者は星加良司さんです。社会学がご専門で、社会学的な立場から障害の問題を研究されて
います。バリアフリー教育開発研究センターは白石先生や下山先生を中心に活発な活動をしていますが、
専任のスタッフは星加さんと事務の月村さんだけです。ということで、星加さんはこのセンターを実質
的に背負って立っている人ということになります。
まずこの二人からご報告をいただいて、その後討論をしたいと思います。それでは、カレン中村さん、
宜しくお願いします。