コミュニケーションの教室 のご案内

コミュニケーションの教室
のご案内
2016年5月発行
コミュニケーションの教室について
Ⅰ
「コミュニケーションの教室」での指導内容
1
教育目標
心身の発達などの課題に応じた指導を行うことで、よりよい人間関係の形成、学
級集団に自信を持って参加できる基礎的な能力を育成し、安定した学校生活が送れ
るようにします。
2
指導のねらい
一人ひとりの課題に応じた指導目標を立てます。
児童自身が自分の「得意」「苦手」を知り、「得意」を伸ばし「苦手」を改善でき
るよう支援します。
(1)
基本的な生活習慣の育成
①
学習の際に、立つ、座るときの正しい姿勢を知り、実行する態度を育てます。
②
集団の中で、話を聞く態度と話者に注目する態度を育てます。
③
1日の予定に見通しを持ち、落ち着いて生活する態度を育てます。
④
日常生活に必要な身辺整理を、自分で行う態度を育てます。
⑤
日常生活に必要なきまりを守って、行動する態度を育てます。
(2)社会性の育成
①
場面に応じた言葉遣いや声の大きさを知り、適切に使う態度を育てます。
②
友達と協力し合って、目標を達成する態度を育てます。
③
集団の中で自分の役割を知り、進んで行う態度を育てます。
④
危険な行為について知り、安全に生活する態度や衛生観念を育てます。
(3)人間関係の形成やコミュニケーション能力の育成
①
友達との関わりを持ち、きまりを守って仲良く遊ぶ態度を育てます。
②
友達の思いや気持ちを理解し、行動する態度を育てます。
③
周囲の状況をよく観察し、適切に行動する態度を育てます。
④
自分の考えや気持ちを、言葉で表現する力を育てます。
⑤
自分の気持ちの動きに気づき、行動を調整しようとする態度を育てます。
⑥
自分の行動を客観的に振り返り、考え、実行する態度を育てます。
(4)学習能力等の伸長
①
将来にわたり必要な、基礎的内容を身につけます。
②
特に定着が困難な内容について、自分に合った学習方法を身につけます。
③
感覚的機能、知覚的機能を伸ばします。
④
児童の状況に応じ、基礎的な運動能力を養います。
Ⅱ
指導体制
1
巡回指導教員
これまでの通級指導学級の担当教員と同じく、都の正規教員が「巡回指導教員」
として、児童の指導に当たります。
「コミュニケーションの教室」での指導のほかに、在籍学級での行動観察を行い、
必要に応じその場での支援や指導を行います。
在籍学級の担任と児童の状況について十分に話し合い、連携して指導の工夫をし
ます。
2
特別支援教室専門員
巡回指導教員や特別支援教育コーディネーター、在籍学級担任等との連絡調整及
び個別の課題に応じた教材の作成、児童の行動観察や記録を行います。
Ⅲ
指導の形態
1
児童は、決められた曜日・時間(週8時間以内)に、校内のコミュニケーション
の教室に通い学習します。
2
教室での指導日や時間は、児童の状況に応じ、学校、保護者、巡回指導教員の話
し合いで決めます。
3
児童の状況に応じ、個別指導と小集団指導を組み合わせて行います。
4
学校、保護者、巡回指導教員が連携・協力して指導に当たります。
(例:連絡帳のやり取り
お便りの発行
保護者会の実施
三者面談等の実施)
◆個別指導のねらい◆
巡回指導教員が主に1対1で関わります。
○ 「聞く」
「見る」
「書く」
「推論する」
「(指先で)操作する」
「(道具を)扱う」、
「聞きな
がら○○をする」「見ながら○○をする」といった能力を高めます。
○
物語の登場人物の気持ちを読み取ったり、望ましい行動を考えたりする力を高めます。
○
基礎学力の補充を行い、勉強への意欲を高めます。児童の課題やペースに合わせ、ス
モールステップで進めることができます。
○
個々の興味・関心を考慮し、児童にあった教材を用意して、達成感、満足感を感じる
ことができます。
○
児童の話に耳を傾け、今考えていることや困っていることの相談にのり、適切なアド
バイスをして情緒の安定を図ります。
◆小集団指導のねらい◆
T1(メインティーチャー)が全体指導を行い、T2(サブティーチャー)
は児童一人ひとりをこまかくフォローします。
○
ロールプレイングを通じて実践し、対人関係の適切な関わり方を学びます。
○
ゲームや言葉遊びを通じて、注意力、言語表現力、思考力を高めます。
○
順番やルールを守る、勝ち負けを受け入れるなど、自己コントロール能力を身につけ、
集団生活に必要なスキルを高めます。
Ⅳ
○
友達や異学年の児童と関わることで、協力する、助け合う、思いやる心を醸成します。
○
体を動かす、道具を扱うことで運動能力を養い、苦手な動きを克服する。
各専門機関との連携
1
臨床発達心理士等の巡回訪問
児童の行動観察を行い、児童の状態を把握し、巡回指導教員・在籍学級担任等に
指導上の配慮について助言をします。
2
専門研修の実施等
特別支援教育の専門家や臨床心理士等を講師に、年に数回、巡回指導教員・保護
者・在籍学級担任を対象とした研修会を開催します。その他、専門機関からの指導
助言を受けるなど、専門的な知識をもとにして指導の向上に努めます。
Ⅴ
利用の対象となる児童
知的な遅れがなく、通常の学級での学習におおむね参加できるが、社会性・コミュ
ニケーション能力の課題や学習能力のアンバランスから学校生活につまずきが生じ、
一部個別の支援が必要な児童が対象となります。
「コミュニケーションの教室」は、都の特別支援教育に関する方針に基づき導入された制度
です。制度上の名称を「特別支援教室」としていますが、区では「コミュニケーションの教室」
を呼称とします。この呼称を基本に、各小学校で独自に愛称をつけています。
Ⅵ
「コミュニケーションの教室」利用の手続き
保
護 者
①小学校入学児
②小学校在籍児
在籍校 校内委員会
こども支援センターげんき
面接 発達検査等 医学的診断
①②とも 親子面談
①のみ 就学前機関実態把握票 行動観察
①のみ 就学支援委員会
(通常の学級への就学)
特別支援教室利用支援委員会
保
Ⅶ
護 者
《就学相談で行うこと》
就学相談では、次のことを行います。
◎就学相談担当者による親子面接と発達検査、社
会生活能力検査などを行ないます。
◎就学前機関からの実態把握票受理(未就学児)
します。
◎専門医による診断を行ないます。
◎就学相談の資料をもとにして「就学支援委員会」
「特別支援教室利用支援委員会」において慎重
に審議されます。
◎結果をもとに保護者との連携をとりながら、児
童に合った教育現場を選択できるよう支援に努
めます。
※検査、医師の診断は必要に応じて行います。
《申し込み先》
◎初めて小学校に就学する未就学児の相談
足立区こども支援センターげんき
支援管理課特別支援係 TEL (3852) 2875
◎小学校に在籍している児童の相談は在籍校を通
して行います。
《その他の特別支援学級等の利用》
◎「コミュニケーションの教室」以外の特別支援
学級、都立特別支援学校への就学、転学、通級
については、上記申込先にお問合せください。
利用の終了及び継続
状態が改善され、在籍学級での適応が良好になってきたら、利用の終了について、
保護者と相談のうえ校内委員会で検討します。
年次ごとに、児童の改善状況を把握し、校内委員会で「コミュニケーションの教室」
利用の終了又は継続について協議します。
終了又は継続の手続きは、在籍校からこども支援センターげんきへ申請します。
どんな児童も一人ひとり、発達の特性に応じた得意・不得意があります。すぐにで
きるようになるものもあれば、なかなか身につきにくいものもあります。
通常の学級という大きな集団の中で適応しづらい、また限られた時間の中で十分に
理解が進まない場合でも、個に応じた手立てを工夫することで児童の可能性を伸ばす
ことができるようであれば、「コミュニケーションの教室」の利用が効果的です。
学級担任による授業をメインとしつつ、個別または小さい集団で指導を受けること
で、集団適応力を高めていき、児童が楽しく学校生活が送れるよう、きめ細やかな指
導を行っていきます。
「コミュニケーションの教室」の整備
✿ 「コミュニケーションの教室」は、知的な発達に遅れはないが、心身の発達などに課題がある児
童が、在籍する学校で一人ひとりの適応状態に応じた、きめ細かい指導が受けられるよう、東京都
の方針に基づき設置しています。足立区では、平成28年度から順次導入し、平成30年度までに
区立の全小学校に設置します。
✿
導入計画
開設年度
28年度
(モデル地区
実践研究校)
23校
学
校
名
千寿小・千寿本町小・千寿双葉小・千寿常東小・千寿桜小・千寿第八小
辰沼小・中川小・中川北小・中川東小・六木小
保木間小・中島根小・渕江小・渕江第一小・西保木間小・竹の塚小
鹿浜五色桜小・鹿浜第一小・北鹿浜小・鹿浜西小・皿沼小・新田小
西新井小・西新井第一小・興本小・本木小・寺地小
29年度
(先行実践校)
26校
綾瀬小・東綾瀬小・東加平小・東渕江小・北三谷小・大谷田小・長門小
栗島小・加平小・東栗原小・平野小・青井小
花畑小・花畑第一小・花畑西小・桜花小・花保小
舎人小・舎人第一小・足立入谷小・古千谷小
30年度
(全校配置)
20校
江北小・高野小・扇小・宮城小
梅島小・梅島第一小・梅島第二小・島根小・亀田小・栗原小・関原小
足立小・弥生小・弘道小・弘道第一小
西新井第二小・西伊興小・栗原北小・伊興小・東伊興小
全校配置となるまで、特別支援教室未設置校の在籍児童については、辰沼小・保木間小・
鹿浜五色桜小での通級による指導を継続して行います。
特別支援教室の制度に関すること
こども支援センターげんき
支援管理課
特別支援教室担当
支援管理課
特別支援係
就学相談に関すること
こども支援センターげんき
(3852)2875
(3880)5111
学籍に関すること
足立区教育委員会
(3852)2868
学校教育部
学務課
就学係
⾜⽴区教育委員会
内線
3421∼3