ダブルウィッシュボーン・マルチリンクの 場合のスプリング交換

ダブルウィッシュボーン・マルチリンクの
場合のスプリング交換
ブラケットが長めの車種で
標準スプリングからショートスプリングに変更
プリロード 0( ワンタッチ ) の場合
標準スプリングの場合の車高調整幅
プリロード 0( ワンタッチ ) の場合
標準スプリング
標準スプリング
ブラケット伸ばし
ブラケット縮め
標準スプリング
ダウン量が増す
車高調整幅は赤いラインの間になる
この場合はブラケットの底まで余裕があった為短いスプリングを使用した場合
更に車高が下がる事になる
車種によっては標準スプリングでブラケットが底まで着く為
全ての車種で短いバネが車高ダウンに繋がる訳ではありません。
ブラケットが短めの車種で
標準スプリングからショートスプリングに変更
プリロード 0( ワンタッチ ) の場合
長いスプリング
長いスプリング
短いスプリング
ブラケット縮め
短いスプリング
この場合はブラケットの底まで余裕が無い為
短いスプリングを使用しても、車高に変化無し
ストラットと同じく、短いスプリングを装着し
スプリングが遊んだ状態になると、リバンプの際
スプリングが遊び危険な上、整備不良となります。
ヘルパースプリング等を入れて対応して下さい。
調整幅
ダウン量変わらず
スプリング変更時の注意
マルチリンク・ダブルウィッシュボーンはサスペンションの形状こそ同じですが、レバー比が異なる事が多く自車のレバー比を把握した上でスプリング変更を行う必要があります。
レバー比が高い車 ( 例:JZS161 アリスト フロント ダブルウィッシュボーン レバー比約 1.7) の場合
10mm 全長を縮めると車高は 17mm 程下がり、バネレートを 2 キロ上げると、ストラット車換算で約 1.2 キロのレートアップとなります。
レバー比が低い車(例:S15 シルビア リア マルチリンク レバー比 1.0)の場合
10mm 全長を縮めると車高は 10mm 下がり、バネレートを 2 キロ上げるとそのまま体感で 2 キロアップとなります。
スプリングレートを変更すると、1G での沈み込みの量が変わる為、同じ自由長の硬いスプリングを入れた場合沈み込みが少なくなり車高が基準値より落ちなくなります。
例:RX-8 車重 1340kg 前後重量配分 50:50 レバー比 フロント 1.4 標準バネレート 10k
1340kg÷2( 前後 )=670kg 670kg÷2( 左右 )=335kg( 一輪にかかる重量 ) 335kg×1.4( レバー比 )=469kg 469kg÷10k=47mm(1G、着地時の沈み込み量 ) バネレートを 16k に変更した場合
1340kg÷2( 前後 )=670kg 670kg÷2( 左右 )=335kg( 一輪にかかる重量 ) 335kg×1.4( レバー比 )=469kg 469kg÷16k=29mm(1G、着地時の沈み込み量 )
この例の場合バネレートを 6k 変えた事で車高が 18mm 上がってしまいます
硬いスプリングに変更した場合、想定のダンパー能力以上のちからで動作させ続けるためダンパーに対す負荷が大きくなり
オイル漏れ等の原因となります。
実例では、通常 3 年以上通常使用では問題なくダンパーが効く所、倍以上のレートを使用した場合
2 年以下でダンパー抜けを起こした事例あり