沖縄の国際物流拠点産業集積地域における課税の特例の延長

整理番号:経済産業省-10
平成 29 年度関税率・関税制度改正要望事項調査票(延長)
要望元:経済産業省
品名(関税率関係)又は
地域経済産業グループ
地域産業基盤整備課
沖縄の国際物流拠点産業集積地域における課税の特例の延長
制度名(関税制度関係)
改正要望の内容
保税蔵置場等の許可手数料の軽減(税関関係手数料令第 2 条、沖縄振興特別措置法
第 46 条)及び関税の課税物件の確定に関する特例(関税暫定措置法第 13 条、沖縄
振興特別措置法第 47 条)の延長
税
番
統計
細分
改正要望内容の
品
目
改正前税率
改正後税率
WTO
基本 暫定 特恵 基本 暫定 特恵 譲許税率
備
考
平成 34 年 3 月 31 日までの 5 年間
適用期間
改正を要望する理由
①
政策目的
及び必要性
急成長するアジアの中心に位置する沖縄にとって、地理的優位性を活かすことが可能な国
際物流拠点産業は、新たなリーディング産業として大きなポテンシャルを有している。
このため、高付加価値型のものづくり企業やリペアセンター等の国際物流拠点産業の集積を
図ることで、沖縄における産業及び貿易を振興し、もって沖縄における民間主導の自立型経
済の構築を目指す。
②
政策目的達成時期
沖縄振興特別措置法の期限である平成 34 年 3 月 31 日
③
改正の必要性
ア.あるべき姿と現状のギャップ
成長するアジア地域の活力を取り込み、国際物流拠点産業等を新しいリーディング
産業として確立していくことにより沖縄の自立を図るとともに、我が国やアジア・太平洋
地域の発展にも寄与していくこととしており、国際物流拠点産業の集積が進み、所期の
目標は達成しているものの、沖縄 21 世紀ビジョン実施計画における臨空・臨港型産業
における雇用数の目標(平成 33 年度で 5,400 人)に達しておらず、更なる集積
を進める必要がある。
イ.現状があるべき姿となっていないことの原因分析
関連産業の集積が少ないことや、島嶼性に起因する割高な物流コスト等のリ
スク要因が沖縄へ国際物流拠点産業が進出しない原因となっており、それらの
リスクを補完するため、本措置を始め、複数の手段で手当てしているものの、
完全に補完できている状況にない。
1
ウ.課題の特定
国際物流拠点産業の更なる集積を進めるためにも、本措置を継続する必要がある。
④
改正の適正性
ア.社会的費用
保税蔵置場等の許可手数料の軽減及び課税物件の確定に関する特例であり、
社会的費用は発生しない。
イ.効果
国際物流拠点産業集積地域に立地している 73 社の内 15 社が本措置を活用し
ており、国際物流拠点産業の集積に寄与している。
ウ.効率性
国際物流拠点産業の中でも特に重要である、貿易能力を持つ企業をピンポイントで
の集積に資するため、効率的である。
⑤
本年度改正において要望する理由
措置継続要望。
⑥
政策評価の結果
国際物流特区については、那覇空港や那覇港の物流機能向上及び国際貨物便の充実に
加え、本措置が後押しをすることで、アジア市場を視野に入れた県外企業の進出が着実に進
み、雇用も増加している。具体的には、半導体製造や流量計製造等の高付加価値の製造
業、精密機器等のパーツセンターなど、沖縄の貨物ハブ機能を活かした企業の進出が続い
ており、那覇空港の平成 27 年現在の国際貨物取扱量は、成田、関空、羽田に次ぐ国内第4
位となっているところ。
今後は、平成 29 年度に航空機整備基地、平成 31 年度末に那覇空港第2滑走路の供用開
始が予定されており、更にアジア市場への近接性が高まることから、アジア展開を目的に沖
縄への投資を検討している企業を本措置により後押しすることで、効果的に企業誘致を推進
することができる。
改正による効果
①
効果を判断するための指標
国際物流拠点産業集積地域に立地し、本措置を活用している企業数。
②
見込まれる具体的効果
国際物流拠点産業の集積を図ることで、沖縄における産業及び貿易を振興し、もって沖
縄における民間主導の自立型経済の構築に寄与する。
なお、本措置は 18 件の適用を見込んでいる。
関連措置
①
関連措置の内容
国際物流拠点産業集積地域における課税の特例(法人税、所得税、法人住民税、事業
税、不動産取得税、固定資産税、事業所税)
②
改正要望事項との関連性
本措置は国際物流拠点産業の中でも特に重要である、貿易能力を持つ企業をピンポイ
ントで集積することを目的としているが、関連措置は、それらの企業を含めた国際物流拠
2
点産業全体の集積を目的としている。
③
予算上の要求額
なし
④
政策評価の結果
国際物流拠点産業集積地域のうち、旧那覇地区及び旧うるま地区において
は、平成 27 年度中に 16 社が新規立地するなどにより、74 社が立地し、雇用者
数も 1,313 名となるなど、臨空・臨港型産業等の着実な集積が図られている。
○
措置の延長を要望する場合
前回要望及び改正時期
前回改正の目標達成度
要望時期:平成 23 年 9 月 改正時期:平成 24 年 4 月
臨空・臨港型産業の総生産額は平成 23 年度 7,664 億円から平成 25 年度 7,880 億
円と 2 年間で 216 億円増加しており、所期の目標である 50 億円の増加を達成してい
る。
また、臨空・臨港型産業における雇用数についても平成 23 年度 663 人から平成
27 年度 1,313 人と 650 人増加しており、所期の目標である 500 人の増加を達成して
いる。
延長の必要性
及び恒久化の是非
国際物流拠点産業の集積が進み、所期の目標は達成しているものの、沖縄 21 世紀ビジョ
ン実施計画における臨空・臨港型産業における雇用数の目標(平成 33 年度で 5,400
人)に達しておらず、更なる集積を進める必要があるため、本措置については延長が必要。
なお、沖縄振興特別措置法の期限が平成 34 年 3 月 31 日であるため、恒久措置では
なく、その期限までの暫定措置とする必要がある。
これまでの改正状況
平成 24 年度創設
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