はやぶさ2 - JAXA はやぶさ2プロジェクト

「はやぶさ2」トークライブ VOL.4
小惑星到着後の接近・降下・タッチダウンを実現する
画像航法誘導制御
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
はやぶさ2プロジェクトチーム AOCS
(姿勢軌道制御システム)担当
照井 冬人
吉川 健人
トークライブ 話題
1. はやぶさ2
 開発  製造、試験  打ち上げ(2014年12月3日) 巡航フェーズ:地球スイン
グバイ(2015年12月3日) 巡航フェーズ :Ryuguへ向かって飛行中(今はここ)
2. はやぶさ2 姿勢軌道制御サブシステム (AOCS:Attitude and Orbit
Control Subsystem )
3. はやぶさ2 Ryugu到達後、小惑星近傍フェーズでのミッションと画像航法
誘導制御系
 何が問題?
 解決方法?
3.
4.
5.
6.
7.
8.
パネルディスカッション
小惑星への接近降下
小惑星へのタッチダウン
SCI(Small Carry on Impactor)投下、退避
クレータへのピンポイントタッチダウン
Q&A
(1)
はやぶさ2 フライトモデル完成
2014年8月31日:JAXA相模原キャンパス
(2)
ロケット搭載時のはやぶさ2
ロケットファリング結合
はやぶさ2と小型副ペイロード
• しんえん2(九州工業大学)
• ARTSAT2-DESPATCH(多摩美術大学)
• PROCYON(東京大学・JAXAとの共同研究)
2014年11月:種子島
(3)
打ち上げ
• ロケット:H-IIAロケット26号機(H-IIA・F26)
• 打上げ予定日時:平成26年(2014年)11月30日(日)13時24分48秒←天候判断
により延期
• 変更された打ち上げ予定日時:平成26年12月3日(水)13時22分04秒
• 打上げ予定(可能)期間:平成26年11月30日〜12月9日
• 打上げ場所:種子島宇宙センター
JAXA相模原キャンパス 管制室
(4)
はやぶさ2 機器名称(1/2)
分離カメラ(DCAM3)
Deployable Camera
X帯低利得アンテナ
X帯高利得アンテナ
X Band Low Gain Antenna X Band High Gain Antenna X帯中利得アンテナ
太陽電池パドル
X Band Middle Gain Antenna Solar Array Paddle
Ka帯高利得アンテナ
Ka Band High Gain Antenna
スタートラッカStar Trackers
近赤外分光計(NIRS3)
Near Infrared Spectrometer
+Z
再突入カプセル
Reentry Capsule
サンプラホーン
(サンプリング装置)
Sampler Horn
レーザ高度計(LIDAR)
Laser Altimeter
‐Y
光学航法カメラ‐広角(ONC‐W2)
Optical Navigation Camera‐Wide
‐X
(5)
はやぶさ2 機器名称(2/2)
イオンエンジン
Ion Engine
化学推進系スラスタ(12基)
RCS Thrusters (12)
光学航法カメラ‐ 望遠、広角
(ONC‐T, ONC‐W1)
Optical Navigation Camera‐Telephoto & Wide)
DLR/CNES開発の小型着陸機
(MASCOT)
Small Lander by DLR/CNES
中間赤外カメラ(TIR)
Thermal Infrared Imager
+Z
小型ローバ
(MINERVA‐II) Small Rovers
衝突装置 (SCI)
Small Carry‐on Impactor
ターゲットマーカ(5基)
Target Markers (5)
(6)
はやぶさ2 軌道概要
打ち上げ後、地球軌道に近い軌道を描いて飛行し、約1年後に地球戻り、スイングバイを行う
。スイングバイ後は、小惑星1999 JU3の軌道に近い軌道に入り、太陽を約2周したあと、1999
JU3に到着する。1999 JU3が1周余り太陽の周りを公転するあいだ滞在し、その後、1999 JU3
を離れて、太陽の周りを1周弱回った後、地球に帰還する。
イベント
(2014 年12月3日)
(2018 年6-7月)
末
(2015 年12月3日)
期日
打ち上げ
2014年12月3日
地球スイングバイ
2015年12月3日
小惑星到着
2018年6-7月
小惑星出発
2019年11-12月
地球帰還
2020年11-12月
図は、地球出発から
小惑星到着まで
(© JAXA)
(7)
はやぶさ2 ミッション
2014年12月3日
打ち上げ
▲
地球スイングバイ
2015年12月3日
2018年6-7月
小惑星到着
リモートセンシング観測によって,
小惑星を調べる.その後,小型ロー
バや小型着陸機を切り離す.さらに
表面からサンプルを取得する.
地球帰還
2020年11-12月
サンプル分析
小惑星出発
2019年11-12月
安全を確認後,クレー
ターにタッチダウンを行
い,地下物質を採取する .
衝突装置によって,小
惑星表面に人工的なク
レーターを作る.
(8)
はやぶさ2 小惑星近傍フェーズでのミッション
(9)
AOCSとは?
 AOCS : 姿勢軌道制御系(Attitude and Orbit Control Subsystem)
 姿勢(Attitude)とは?
 探査機や人工衛星の向きのこと
 姿勢は色々と定義されている「座標系」に対する角度・回転運動として表現されている
 軌道(Orbit)とは?
 探査機や人工衛星の何かの周りを運動している道すじのこと
 制御(Control)とは?
 目的の状態(AOCSの場合,姿勢や軌道)にすること
 制御のためには⇒航法・誘導が必要

航法(Navigation)とは?:自分がどこにいるのか,どの向きを向いているのかを知ること

誘導(Guidance)とは?:自分がどこに行きたいのか,どっちを向きたいのかを考える/決めること
 サブシステムとは?
 大きく複雑なもの(システム)はいくつかの「機能など別の塊(サブシステム)」の集まりである
 サブシステムは各コンポーネント(センサ・アクチュエータなど)で構成されている
つまり,はやぶさ2を行きたい所に動かしたり,向きたい方向に動かす装置の集まり
(10)
はやぶさ2 姿勢軌道制御サブシステム関連機器
搭載計算機:
STT×2
 2 オンボードコンピュータ(AOCP-A,B)
 2 画像保存・処理用コンピュータ (ONC-E/DE)
アクチュエータ:
 12 スラスタ (RCS-A(odd),B(even) )
 4 リアクションホイール (RW-X,Y,Z1,Z2)
センサ :
 2 スターセンサ (STT-A,B)
 2 ジャイロセンサ (IRU-A,B)
(3-axis 角速度センサ)
 航法カメラ (ONC-W1)
 Laser Range Finder (LRF-S1)
(近距離用 4 ビームレーザーセンサ)
 Light Detection and Ranging (LIDAR)
(遠距離用 1ビームレーザーセンサ)
 4 加速度計 (ACM-X,Y,Z,S)
Inside of
spacecraft:
・AOCP-A,B
・IRU-A,B
・ACM-X,Y,Z,S
・RW-X,Y,Z1,Z2
その他 :
 5 ターゲットマーカ (TM)
 フラッシュランプ(FLA)
(11)
はやぶさ2 RW(Reaction Wheel) 構成
A) 小惑星近傍フェーズ&巡行フェーズでイオンエンジン点火時、サイエンス観測時
 W3AXモード
 RW3台(X,Y,Z軸)による精密3軸姿勢制御
B) 巡行フェーズの大半
 OWCモード
 RW1台(Z軸)だけによる(Z軸が太陽指向すれば良い程度の)姿勢制御
 「小惑星近傍フェーズ期間はRWは絶対に壊れない状態で臨む」という目標のためのRW延
命策
 はやぶさ初号機はZ軸RWだけが故障せず、小惑星からの復路はそれで姿勢制御できた
 Z軸RW が一定回転している(バイアスモーメンタム)状態で、太陽輻射圧トルクを利用して太
陽指向姿勢制御を行い、残りのX, Y, Z軸RWは可能な限り延命を図る(回さない!)
Zsc
RW-X
Xsc
RW-Z1
RW-Y
RW-Z2
Ysc
(12)
はやぶさ2 RCS(Reaction Control System)構成
12 のスラスタが並進力とトルクを発生することによ
り位置姿勢の6自由度(位置3自由度,姿勢3自由
度)の制御を実現
A系とB系の二つの系統があり,どちらかが故障した場合でも6自
由度制御が何とか可能な配置になっている
[例]
A系(奇数)故障の場合
+X軸回り姿勢変更: #2 & #8 (no problem)
-X軸回り姿勢変更 :#4 & #6 (no problem)
+Y軸回り姿勢変更 : #2 & #6 (no problem)
-Y軸回り姿勢変更 : #4 & #8 (no problem)
+Z軸回り姿勢変更: #12 ( #11 & #12)
-Z軸回り姿勢変更 :#10 ( #9 & #10)
+X軸方向並進 :#10 &#12
-X軸方向並進 :#2 & #8 ( #9 & #11)
+Y軸方向並進 :#10
-Y軸方向並進 :#12
⇒ +X方向並進とcouple
⇒ +X方向並進とcouple
⇒ +X軸回り姿勢変動とcouple
( #10 & #11) ⇒ -Z軸回り姿勢変動とcouple
( #9 & #12) ⇒ +Z軸回り姿勢変動とcouple
+Z軸方向並進 :#6 & #8 (no problem)
-Z軸方向並進 :#2 & #4 (no problem)
(13)
AOCSの巡航フェーズにおける定常運用作業
 運用モード
 RWのみで3軸姿勢制御するW3AXモードかRW1台と太陽光圧を使って制御するOWCモ
ードの2つが基本
 実運用におけるAOCSの役割
 運用準備
手順書やコマンドの作成・確認
 運用当日(運用状況に応じて行わないものもあります)
 パス開始直後:探査機の状態確認
 RWのアンローディング
 RWやRCSによる姿勢変更マヌーバの実施・確認
 パス終了直前:探査機の状態確認
 パス終了後:日報の作成・OWCモード時は姿勢の予測

 どういうところに注目して運用しているか?
 機器の状態が正常か,変な値を示していないか
 RWの回転数は大丈夫か?
RWの回転数は3000rpmを目標に1800rpm~5000rpmの範囲で維持,これを逸脱す
ると自動でアンローディングを実施,それでもだめならセーフホールドに入る.
(14)
 マヌーバ時に目標の姿勢になっているか?マヌーバ後は機器が安定しているか?

スイングバイ時に観測されたRW回転数の変化
 再接近時刻付近でRWの回転数(=回転速度)が大きく・対称に変化する現象が観測
 対称軸時刻 2015.12.03 10:09:06 UT
 再接近時刻 2015.12.03 10:08:07 UT
3200
RW rotational speed [rpm]
3000
2800
RW‐A
2600
RW‐B
2400
RW‐C
2200
2000
2015/12/03‐08:24:00 2015/12/03‐09:36:00 2015/12/03‐10:48:00 2015/12/03‐12:00:00
time
各軸RW回転数の変化(青:X軸 橙:Y軸 黄:Z軸)[rpm]
RW回転数変化の原因は何か?
(15)
回転数が変化した考えられる原因 -姿勢の外乱-
 前提条件・解析方針
 姿勢は常に一定となるよう制御されている(姿勢運動無し)
 「RWの角運動量 (慣性モーメント×回転速度) の変化」は「外乱トルク×時間」と一致
 地球近傍軌道での姿勢が乱れる原因
外乱の原因
はやぶさ2への影響具合
重力傾斜トルク
地球との距離に依存
地球磁場・残留磁気
地球との距離に依存
太陽輻射圧
太陽との距離が変化のオーダーに対して十分離れている,かつ,
地球の裏側に入るのでアルベド(反射)による影響も小さい
大気抵抗
高度3000km以上では影響が小さい
再接近時刻の前後で対称なことから,原因は地球⇔探査機距離に依存するものである
頑張って動かないぞ!
(16)
残留磁気トルク
 残留磁気トルク
はやぶさ2が
ここにいた場合
 地磁場ベクトル(地球の持ってる磁石の影響)と探査
機の磁気モーメント(はやぶさ2の持ってる磁石の影響
)の外積で計算
磁気トルク
磁気モーメント
 探査機の磁気モーメント

(17)
イオンエンジンの持つ永久磁石によるものが支配的
地磁場ベクトル
Fig.1再接近時の地磁場ベクトル(高度3000km
以上で計算)と残留磁気トルクのイメージ
重力傾斜トルク
 重力傾斜トルク
 探査機の各点に作用する重力の僅かな差によって発生するトルク(距離×力)
 地球との距離・探査機の形で変化する
ρ:質量中心からの距離
dfG:微小要素に働く重力
質量中心
Fig.1微小質量にかかる重力傾斜トルクのイメージ
 はやぶさ2の慣性モーメントと慣性乗積
 スイングバイ時 (単位はkgm^2)
Ix = 381.1 Iy = 315.3 Iz = 468.7
Ixy = -3.2 Iyz = 0.8 Izx = 8.7
(18)
「RWの角運動量の変化」と「外乱トルク×時間」の比較
 スイングバイ時のRW角運動量(慣性モーメント×回転速度)
変化
 地球最接近時間を挟んで各軸のRWの角運動量が対称に
変化
 角運動量変化の原因は残留磁気トルク・重力傾斜トルクと
推定
 RW-Xの角運動量変化は重力傾斜トルクの影響が支配的
 RW-Y・RW-Zの角運動量変化は残留磁気トルクの影響が
支配的
対称軸
10:05付近
再接近時刻
10:08:07
対称軸
10:07付近
制御
値 [Nms]
X最大,最小
2.8214, 2.7296
Y最大,最小
2.8664, 2.2391
Z最大,最小
2.7590, 2.3438
外乱
値 [Nms]
X最大,最小
2.7879, 2.7243
Y最大,最小
2.7949, 2.1195
Z最大,最小
2.7667, 2.3147
再接近時刻
10:08:07
Fig.1 各軸RW角運動量の変化(青:X軸 橙:Y軸 黄:Z軸) Fig.2 各軸の外乱による角運動量の変化(青:X軸 橙:Y軸 黄:Z軸)
(19)
探査対象小惑星Ryuguの特徴
名称
確定番号
仮符号
: Ryugu
: 162173
: 1999 JU3
小惑星1999 JU3の軌道
1999年5月に発見された小惑星
大きさ
形
自転周期
自転軸の向き
反射率
タイプ
軌道半径
公転周期
密度・質量
: 約900 m
: ほぼ球形
: 約7時間38分
: 正確な推定が困難
: 0.05 (反射率が1に比べて小
さい=黒っぽい)
: C型(水・有機物を含む物質が
あると推定される)
: 約1億8千万km
: 約1.3年
: 現時点では不明であるが、0.5-4.0g/cm3の
密度を仮定している。
質量は1.7×1011kg〜1.4×1012kg程度。
(© JAXA)
推定された形状
(T. Mueller氏による推定形状を
会津大が可視化したもの)
(20)
Ryuguにタッチダウンする際の課題
 何が問題か?
 「誰もRyuguを見たことは無い」  現時点で不確定なことが多い
• 形状  どうやら丸いらしい
• サイズ  直径 約900[m]らしい・・・
• 表面の凸凹  全くわからない。岩が無くてすべてが砂地だったらどうしよう。表面に特徴
が無いと画像を見ても相対位置・姿勢がわからないかも・・・
• 表面反射率  イトカワ(約20%)に比べてかなり低く、反射率5%くらいの黒い物体らしい。
反射率が低すぎるとレーザセンサの計測距離が短くなってこまるかも・・・
• 重力  密度はイトカワと同じと仮定して計算するしかない。イトカワより大きいので重力も
大きいかも。上昇・下降の際のスラスタ燃料が多く必要になるかも・・・
• 自転軸  軌道面から傾いているみたい。太陽の光が当たっている場所しか見えないの
で、軸の方向によっては到着時に形状の全貌がわからないかも・・・
• 自転周期  地上からの望遠鏡による観測から、7時間38分らしい・・・
 「Ryuguは遠い」
 通信遅れ(片道約20分)
• 現地での情報は20分遅れで地上に届く
• 地上からの指令も20分遅れで届く
 対応が後手後手になって、収拾がつかなくなったらどうしよう
(21)
Ryuguにタッチダウンする際の課題
 解決方法
 「誰もRyuguを見たことは無い」
• 自然地形の画像から自動的(探査機搭載計算機内のソフトウエアによって)に小惑星と
の相対位置を確実に計測できる技術は確立されていない(GPSやセンターライン、信号
機などが無い点で、車の自動運転より難しい)
• ソフトウエアは事前に想定されたことしかできない (予想が外れたらお手上げ)
不確定な状況の対処には人間の認識能力、判断力が一番
まず、小惑星の3次元地図を作る、そして、
「人間(地上オペレータ)でできることは人間がやる」
• タッチダウンの途中で高度が低くなった時、地上からの通信では間に合わない
人工的な光る玉(ターゲットマーカ)を表面に落として、それだけを見てタッチダウン
(この時だけ搭載計算機による自動制御が活躍する)
 「Ryuguは遠い」
• 探査機に加わる力は、小惑星重力、太陽輻射圧とスラスタ推力
• 運動方程式を解けば、未来の運動は予測できるはず
(22)
パネルディスカッション
 姿勢軌道制御系担当 照井 冬人
 姿勢軌道制御系担当 吉川 健人
 ミッションマネージャ
吉川 真
 司会・システム担当
武井 悠人
 会場の皆さま
(23)
小惑星の3次元形状モデル作成:概要
 Construction of a global shape model of Ryugu
 The first important task prior to touchdown site selection
 We adopt an image-based method ever used for the asteroid Itokawa in Hayabusa
mission in 2005
Shape Estimation
= Limb Profiling + Stereo Matching
Limb Profiling
Asteroid
Camera
Stereo
(24)
模型画像を使った
小惑星の3次元形状モデル作成方法の検証
Asteroid
Miniature
Axis direction can
be changed
Parallel Light
 Ryugu’s axis may be inclined or lying
 An asteroid miniature model (40-cm diameter) is used for validation of global mapping.
 Tried various cases of the angle between rotational axis and LOS of camera
(25)
模型画像を使った
小惑星の3次元形状モデル作成方法の検証:結果
Limb Profiling
Stereo
Rotation Axis
Raw Image 1
(1 rotational
period)
Raw Image 2
(1 rotational
period)
Reconstructed
polygon model
(rendered image)
1 pair
Area with no stereo
matching data
Rotation
Axis
Reconstructed DEM
Estimation Result (rendered polygon)
original image of a miniature
(for comparison)
(26)
タッチダウン地点の選定基準
Visible Area from HP
Asteroid Rotation Axis
Touch Down(TD) Target Site
Sun
Sun Angle at TD Site Mean Horizon
SPE Angle
=Sun angle in Descent Phase
ZHP axis
Home Position (HP)
Earth
TD radius
TD Candidate Area
Latitude of TD Site
Equatorial Plane of Asteroid
HP Latitude
(27)
接近降下・タッチダウン
Altitude
ΔV
ΔV
Release TM
Final correction ΔV
by GCP-NAV
Altitude limit of GCP-NAV
Synchronize with
asteroid’s surface
TM
Target point
Final descent phase
: 6DOF Control
40 [m]
Set-point trajectory
Approach phase
: GCP-NAV
Actual trajectory
Asteroid’s attitude
motion
TM / FLA(flash lamp)
Predicted
position
Sensors in Use
LRF(4 beam laser sensor)
Initial Position for GCP-NAV
LIDAR(1 beam laser sensor)
20 [km]
Estimation
error sphere
ONC(onboard navigation camera)-W1
Actual
position
TM (Target
Marker)s
(28)
地上オペレータによる実時間・遠隔画像航法誘導
GCP-NAV (Global Control Point - NAVigation)
manual / ground-based / real – time process : GCP-NAV(Global Control Point - NAVigation)
real-time
images
telemetry
data
real-time
estimated
attitude
epoch
model of the Asteroid
3D Shape/GCP DB
spin Axis Direction
attitude Angle
ephemeris
estimated/predicted
relative position
to the asteroid
composite
image
simulated
2D image
and GCPs
ground
operator
1
relative position
to the asteroid
Kalman Filter
ground
operator
2
ΔV command
for position
controller
(29)
GCP-NAVツール:全体像
探査機位置
(HP系 XYZ座標値)
設定スライドバー
(探査機の姿勢データは
別の情報で既知)
航法ダンプ画像(10分間隔) &
算出GCP位置表示(緑点)
スライドバーを手動で動かすと、その探査機位置から見える
GCP位置が産出されて航法画像ダンプ画像上に表示される。
表示GCP点(小惑星上画像上の緑点)と、そのGCP(赤点)
に対する地形が一致した探査機位置が正しい位置。
航法結果
(小惑星との
相対位置)
(30)
GCP-NAVツール:スライダ Zを動かす
(31)
GCP-NAVツール:スライダ Yを動かす
(32)
GCP-NAVツール:スライダ Xを動かす
(マッチング完了)
(33)
GCP-NAV : 撮像  画像計測  コマンド送信
 コマンド実施のタイミング
①
②
③
One-way Data Transfer
Hayabusa2  Earth
: 20min
GCP matching, Prediction, and ΔV Calculation
: 25min
One-way Data Transfer
Earth  Hayabusa2 : 20min
②
①
Onboard
Measurement Time
Ground
Measurement Time
Ground
Estimation Time
Ground Predicting
Time
Onboard ΔV
Time
③
Photo Data
tSC
Downlink
tGS
Initial
GCP Matching
Estimate
Propagate
Observable
Update
Prediction for Tcmd/i
Present
Uplink
Update ΔV
Tobs/i 65min
Tcmd/i
tGS
tGS
tSC
(34)
GCP-NAV : 撮像  画像計測  コマンド送信
 コマンド実施のタイミング
①
②
③
④
One-way Data Transfer
Hayabusa2  Earth
GCP matching, Prediction, and ΔV Calculation
One-way Data Transfer
Earth  Hayabusa2
Image Capture Interval
①
②
:
:
:
:
20min
25min
20min
10min
③
④
Onboard
Measurement Time
Ground
Measurement Time
Ground
Estimation Time
Ground Predicting
Time
Onboard ΔV
Time
Photo Data
・・・
Initial
GCP Matching
Estimate
・・・
Propagate
Observable
Update
Prediction for Tcmd/i
Uplink
・・・
Update ΔV Table
Tobs/i
tSC
・・・ ・・・
Downlink
65min
Tcmd/i
・・・
・・・
・・・
tGS
tGS
tGS
tSC
(35)
GCP-NAVで降下中に航法カメラで見える小惑星
画像のサイズ (30分毎)
h=3600[m]
h=3420[m]
h=3240[m]
h=3060[m]
h=2880[m]
h=2700[m]
h=2520[m]
h=2340[m]
h=2160[m]
h=1980[m]
h=1800[m]
h=1620[m]
h=1440[m]
h=1260[m]
h=1080[m]
h=720[m]
h=540[m]
h=360[m]
h=180[m]
h=2400[m]
h=900[m]
h=420[m]
(36)
搭載計算機による自律最終降下フェーズ
(高度 : 約. 40m  タッチダウン)
Target Marker
4 beams LRF
(37)
ターゲットマーカ
• タッチダウン(着陸)の前に人工的な目印として
小惑星表面に降ろしておく。探査機がフラッシュ
をたき、カメラでターゲットマーカを認識しながら
降下する。
• 上空から落としても、小惑星表面で弾まないよう
に、“お手玉”の構造になっている。つまり堅い
の容器の中に小さい粒が多数はいっている構
造となっている。
10cm
• 表面の素材は、光をよく反射する素材になって
いる。
• 「はやぶさ2」では5個搭載。(「はやぶさ」では3
個だった)
光が当たると
白く輝く
• 内部に名前を刻んだ薄いシートが入っている。
(38)
ターゲットマーカとフラッシュランプ(ストロボ)を使った
小惑星表面相対航法
ストロボ OFF の時にTMの輝度が飽和していない時
ストロボ OFF
ストロボ ON
-
暗い背景にターゲットマーカだけ
が明るく残る
=
ストロボ OFF の時にTMの輝度が飽和している時(完全に太陽を背にした時)
差分画像ではなく、
ストロボOFFの画像をそのまま用いる
(39)
Q&A
(40)