平成28年度政府大規模地震時医療活動訓練の参加について 8月6日、山梨県、静岡県、愛知県、三重県を被災地とする南海トラフ地震を想定し、岩手県、東京都、岐阜県、 愛媛県の支援を受けながら、DMATの活動が円滑に行われるための大規模地震時医療活動訓練が実施され、卸連合 会及び被災地と想定された上記4県卸組合(協会)が参加した。支援を行うことを想定した上記4都県卸組合(協会) においても、事前に当該都県から、同訓練のスキームの説明と要請を受ける任務について説明があった。 今回の訓練は、各県と被災想定県卸組合(協会)または傘下会員会社との間での伝達訓練や医薬品空箱での配送訓 練を中心に進められた。各被災想定県卸組合(協会)から、当日の訓練の状況について、以下のとおり報告があった。 平成28年7月29日 内閣府(防災担当) 平成28年度 大規模地震時医療活動訓練の開催について 1 訓練の趣旨 南海トラフの地震を想定し、南海トラフ地震にお ける具体的な応急対策活動に関する計画(平成27年3 月策定)等に基づく大規模地震時医療活動に関する総 合的な実動訓練を実施して、当該活動に係る組織体 制の機能と実効性に関する検証を行うとともに、防 災関係機関相互の協力の円滑化を図る。 2 訓練の概要(別紙参照) 実 施 日 平成28年8月6日(土)8:00~18:00 訓練想定 南海トラフ地震により、山梨県、静岡県、 愛知県、三重県に甚大な被害発生を想定 震 源 地:和歌山県南方沖 地震規模:マグニチュード9.1 最大震度:山梨県:6強 静岡県:7 愛知県:7 三重県:7 参加機関 内閣官房、内閣府、警察庁、消防庁、厚生 労働省(DMAT事務局含む)、国土交通省、 海上保安庁、防衛省、国立研究開発法人宇 宙航空研究開発機構、中日本高速道路株式 会社、岩手県、東京都、山梨県、岐阜県、 静岡県、愛知県、三重県、愛媛県 訓練場所 <航空搬送拠点臨時医療施設(SCU)等> 小瀬スポーツ公園、静岡空港、浜松基地、 名古屋飛行場、いなべ総合病院 <域外搬送拠点> 花巻空港、東京国際空港、岐阜基地、松山 空港 別紙 1/2 平成28年度大規模地震時医療活動(広域医療搬送計画) 岩手県 凡例 患者搬送の流れ 域内拠点 域外拠点 山梨県 岐阜県 岐阜基地 花巻空港 小瀬スポーツ 公園SCU CH-47 空自C-130 空自C-1 海自C-130 いなべ 総合病院 静岡県 名古屋飛行場 SCU 静岡空港 SCU 愛知県 浜松基地 SCU 海保AW139 58-1020 三重県 020 東京国際空港 松山空港 愛媛県 東京都 Vol.40 NO.9 (2016) 55 (595) 連合会の動き 別紙 2/2 平成28年度大規模地震時医療活動(DMAT参集計画) 凡例 花巻空港 被災県 DMATの流れ 山梨県 小瀬スポーツ 公園SCU 山形空港、出雲空港、高知空港、 北九州空港、福岡空港、熊本空港 等 DMAT 足柄SA DMAT 土山SA いなべ 総合病院 名古屋飛行場 SCU 静岡県 DMAT 静岡空港 SCU 愛知県 浜松基地 SCU 三重県 新千歳空港、福岡空港、 鹿児島空港、那覇空港 等 ■山梨県訓練報告 南海トラフ地震を想定した大規模地震時医療活動 に関する総合的な実動訓練を実施し当該活動に係る 組織体制の機能と実効性に関する検証を行うととも に、 防災関係機関相互の協力の円滑化を図る。(政府 主催の訓練に被災県として参加) 訓練内容: 前日の8月5日(金)に防災行政無線電話・行政防 災無線FAXの動きの確認実施。 山梨県衛生薬務課⇔卸協同組合 ・医薬品等供給施設状況報告 ・災害用備蓄医薬品在庫状況確認→報告 ・同医薬品供給要請を受け配送 ・供給要請リストに卸側持参者名と病院側受取人名 を記入 ・5つの病院(飯富・身延山・富士川・石和共立・県 立中央)から3つの保健所(峡南・峡東・中北)を 通じて県へ配送要請→卸協同組合へ要請→各卸 へ要請 ※身延山病院からは追加要請あり。 ※災害用備蓄医薬品以外にも供給要請を受けた 品目があったが、在庫があったため対応でき た。 問題点: 県衛生薬務課の防災用FAXが混み合っている時、 未送信で切断される。 FAX送信中は防災無線電話が使えない。(連動して いるため) Vol.40 NO.9 (2016) 56 (596) ■静岡県訓練報告 訓練内容: 日本DMATから地域DMATへ災害医薬品 供給 SCU拠点活動(広域搬送拠点臨時医療施設) 8 月 5 日 6社 医薬品在庫状況表、災害被害状況調 査票を県薬事課(医薬品確保チーム)に提出 8 月 6 日 午前中、県薬事課に医薬品在庫状況表、災 害被害状況の提出 6社 対象医薬品は主に輸液になる模様 災害発時の医薬品納入伝票の使用 双方の 様式確認 東 部 10:00~11:00 情報訓練 アルフレッサ、東邦、中北(衛 星電話有る所) 愛鷹公園搬送訓練 県東部方面本部依頼→ アルフレッサ沼津対応 中 部 9:50~11:30 情報訓練→シーエス、スズケン(衛星電話 有る所) 静岡空港搬送訓練→スズケン藤枝支店対応 西 部 9:00~10:00 情報訓練 6社 各社に医薬品在庫、被災 状況確認のTEL 10:20~12:00 自衛隊浜松基地訓練→ 東邦浜松営業所対応 13:00~14:30 西部医薬品確保チーム より医薬品供給依頼及び医薬品在庫確認 ■愛知県訓練報告 愛知県医薬品卸協同組合は、愛知県健康福祉部保 12:40 健医療局医薬安全課と協力し、内閣府主催の「平成28 年度大規模地震時医療活動訓練」に併せて、災害時医 薬品等供給情報伝達訓練を実施した。 この訓練は緊急時の円滑な対応を担保するととも に、非常連絡網の確認を通して、災害時における医 薬品等の供給体制の確保に万全を期す事を目的に、 各備蓄拠点から災害拠点病院並びに愛知県からの指 定場所へ医薬品等の供給を、愛知県との協定に基づ いて搬送した。 参加者:卸 組合会員6社とその備蓄拠点10ヶ所、愛 知県医薬品卸協同組合 訓練内容: 4月~ DMATイ ン ス ト ラ ク タ ー、 医 薬 安 全 課、 卸組合で訓練要領の協議。 内容を役員会、各部会にて連絡し、最終的 に医薬品卸6社に参加依頼。 総務委員会にて詳細を詰める。 8月2日 医薬安全課と最終打合せ。 8月6日 8/ 5未明 巨大地震発生を想定。 10:00 今回は災害発生時の対応マニュアルの中 の、緊急時の場合を想定し医薬安全課と備 蓄拠点が電話、メール、FAXにて直接連絡 をとる形で実施。 11:00 被災状況確認から、マニュアルにある様式 1、2を使用して要請、対応搬送結果報告 までを行った。 13:20 事務局にも不測の事態発生に対して、対応 してほしいとの連絡があり、各卸と連絡 をとり道路状況、各社の在庫状況を確認の 上、対応。 訓練終了。 ■三重県訓練報告 南海トラフ地震発生時の三重県の被災状況を想定 した訓練で、医薬品、血液製剤等の供給にかかる実 動訓練並びに情報伝達訓練に参加。 中北薬品の四日市支店において2名待機。 訓練内容: 10:45 三重県健康福祉部薬務感染症対策課から医薬 品の緊急配送の依頼。 三重県立総合医療センター(四日市市大字日 永5450-132)へ 破傷風トキソイド10本、生理食塩液500ml× 20 10箱、リンゲル液500ml×20 10箱 11:10 中北薬品の車両にて商品配送へ出発(現物ぐ らいの大きさの空箱で対応)。 三重県健康福祉部薬務感染症対策課へ在庫確 認と納品場所の確認と出発する旨を連絡。 11:25 三重県立総合医療センター DMAT活動拠点 本部へ納品完了。三重県健康福祉部薬務感染 症対策課へ納品完了の報告。 8月8日(月)に医薬品等納品(搬送完了報告)書に より三重県健康福祉部薬務感染症対策課へFAXにて 詳細を報告。 Vol.40 NO.9 (2016) 57 (597)
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