第6章 仮置場における一時保管 (PDF形式, 218.88KB)

第6章
仮置場における一時保管
この章に示す一時保管は、本市が災害時において、地域防災計画等に基づき
実施する災害廃棄物の一時保管である。
解体現場等において行われる搬出までの保管については、『第4章
解体現
場における石綿の飛散防止』参照のこと。
1 一時保管における原則
1.1 原則事項
【実施事項】
廃石綿等は仮置場で原則として受入れを行わない。
【解説】
廃石綿等は、仮置場に長期保管すると、他の廃棄物等との接触等により、
梱包の破れ等のリスクが大きいため、原則として仮置場への受入れを行わな
いこと。
1.2 搬入・保管基準
【実施事項】
やむを得ず、廃石綿等を受け入れる場合は、適切な梱包・コンクリー
ト固化等を行ったものについて、仮置場で受入れる。また、仮置場にお
いて、廃石綿等の分別は原則として行わない。
【解説】
仮置場で、やむを得ず受入れる廃石綿等は、道路上の廃石綿等で早急な撤
去が求められた場合などである。仮置場で廃石綿等を受入れる際には、適切
な梱包等を行い飛散防止に努める。梱包は、可能であれば剛性のある容器で
あることが望ましい。また、仮置場においても解体場所における保管と同様
に『第4章
4 解体後の石綿含有廃棄物等の現場保管及び搬出』に示され
る事項を実施すること。
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2 受入基準の設定
【実施事項】
① 受入れる廃棄物の区分(石綿に関して区分する)
廃石綿等、見なし廃石綿等、石綿含有廃棄物、見なし石綿含有廃棄
物、石綿を含まない廃棄物の5区分とする。
② 受入荷姿
廃石綿等及び見なし廃石綿等は、二重梱包等(梱包は、可能であれ
ば剛性のある容器であることが望ましい。)により、飛散のおそれがな
く、長期間の保管に向く荷姿で受入れる。
③ 必要な書類等
受入時には、マニフェストあるいは解体等事前調査の結果が確認で
きる書面で、石綿の含有状況を確認する。
【解説】
① 受入れる廃棄物の区分(石綿に関して区分する)
廃石綿等は原則受入れないが、やむを得ず受入れる場合が生ずるおそ
れがあるため、受入れる廃棄物の区分(石綿に関しての区分)を収集・運
搬の区分と同様に 5 区分とする。
見なし廃石綿等は廃石綿等として、また、見なし石綿含有廃棄物につ
いては、石綿含有廃棄物として受け入れる。
廃石綿等の疑いのある見なし廃石綿等の受入れは、交通の確保のため
支障となる道路上の災害廃棄物について行う。
見なし石綿含有廃棄物の区分を設けたのは、例えば、一種類の建材が
見なし石綿含有廃棄物として大量に搬入される場合には、石綿の含有分
析を実施して石綿含有廃棄物か石綿を含まない廃棄物かを明らかにして
受け入れるなど、減容化の余地を残したものである。
② 受入荷姿
被災建築物等を解体した廃棄物は、仮置場で一時保管を実施し処分ま
での時間を確保することにより、平常時と同様の適切な処理が可能とな
る部分が増える。従って、仮置場への受入れに際しては、長期間の保管
に向く荷姿で受け入れることが望ましい。
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特に廃石綿等は梱包され、飛散のおそれがないことに留意すること。
可能であればプラスチック袋ではなく、剛性のある容器とすることが望
ましい。
また、仮置場においては、石綿を含有しないコンクリートガラ等につ
いては、減容化のため破砕処理を行うが、石綿を含有するものを破砕す
ると石綿が飛散する。
従って、石綿を含有する廃棄物に関しては、状況のわかっている現地
において適切な処理を実施しておく必要がある。
③ 必要な書類等
受入時には、当該廃棄物の区分を明らかにしておく必要があり、マニ
フェスト等により、石綿含有状況の確認をするとともに、石綿を含まな
い廃棄物と混在していないことを確認する。
3 廃石綿等、石綿含有廃棄物等の一時保管
【実施事項】
廃石綿等、石綿含有廃棄物等は、受入れる廃棄物の区分に応じて区分
し、適切に保管する。
受入れの際に検査を実施し、廃石綿等、石綿含有廃棄物等が他の区分
のものと混在していないことを確認する。
【解説】
廃石綿等、石綿含有廃棄物等は、他の廃棄物と仕切りを設ける等の措置に
より区分する。
また、一時保管場所への受入れに際して検査を実施し、廃石綿等、石綿含
有廃棄物等が分別されていることを確認する。
廃石綿等の保管については、特別管理産業廃棄物の保管基準に従う。また、
見なし廃石綿等についても、石綿の測定結果が明らかになるまでは廃石綿等
と同様に保管する。
受入れの際の検査は、コンクリートガラ等の石綿を含まないとされている
ものに、石綿を含むものが混在しないことについて特に注意をする。
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その他の事項については、『第4章
4 解体後の石綿含有廃棄物等の現場
保管及び搬出』に従う。
4 仮置場における廃石綿等の分別・保管
廃石綿等の分別は、解体等の現場において実施することが原則であるが、
道路上にあったコンクリートガラ等に付着したままの廃石綿等が緊急避難
的に搬入される場合や、仮置場において混合廃棄物の分別作業時に確認さ
れる場合も想定される。このため、仮置場においても廃石綿等が発生する
可能性があることから、適切な分別と保管を図る必要がある。
【実施事項】
① 分別場所周辺の養生
コンクリートガラ等に付着した廃石綿等の除去は、原則として他の
場所から隔離し飛散防止幕等を設けて行う。
② 大気汚染防止法に基づく作業基準の準用
大気汚染防止法に基づく作業基準を準用して除去作業を行う。
③ 分別後の保管
分別後の廃石綿等は、保管基準に従い適切に区分して保管する。
【解説】
① 分別場所周辺の養生について
仮置場では原則として廃石綿等の分別を行わないが、やむを得ず行う
場合は、飛散防止幕を設ける等の飛散防止措置を行う。
必要な飛散防止措置については、『第4章
2.2 立入り不可の解体にお
ける飛散防止措置(注意解体の飛散防止措置)』を参照。
② 大気汚染防止法に基づく作業基準の準用について
除去作業を実施する場合の飛散防止措置については、『第4章
入り可の解体における飛散防止措置』を参照。
③ 分別後の保管について
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2.1 立
分別後の廃石綿等は石綿の飛散のないようにすること。その取扱いに
ついては、『第4章
4.1 廃石綿等の取扱い』を参照。
5 仮置場における石綿含有廃棄物の分別・保管
【実施事項】
石綿含有廃棄物の分別は、解体等の現場において実施することが原則
であるが、やむを得ない場合には、石綿の飛散のないように、次の手順
で実施する。
① 分別場所周辺の養生
分別場所の周辺には粉じん等の飛散防止幕を設置し、散水装置等
を設置する。
② 石綿含有廃棄物の分別
原則手作業とし、石綿含有廃棄物を原形のまま分別する。
処分又は再生のための破砕又は切断は原則行わない。
③ 破砕及び切断
収集・運搬のためやむを得ず破砕又は切断する場合には、散水等
により十分に湿潤化した後、必要最小限の破砕又は切断を行う。
④ 石綿含有廃棄物の分別後の措置
分別した石綿含有廃棄物は、保管基準に従い適切に区分して保管
する。
【解説】
① 分別場所周辺の養生について
石綿含有廃棄物の取扱作業については、石綿障害予防規則の管理規定
に従い、作業に当たっては、石綿障害予防規則第 13 条及び第 14 条の規
定により湿潤化、保護具の着用等の措置を行う。また、分別場所周辺に
粉じん等の飛散を防止するために飛散防止幕を設置し撤去物を十分湿潤
化できる散水装置を設置する。
② 石綿含有廃棄物の分別について
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石綿含有廃棄物を分別する際には手作業を原則とする。やむを得ない
場合は散水によって湿潤化した後に行う。
また、石綿含有廃棄物の処分又は再生のための破砕又は切断は、原則
禁止されているので実施しない。
③ 破砕及び切断について
収集及び運搬のため、やむを得ず破砕又は切断を行う場合には、運搬
車への積み込みに必要な最小限度とし、散水等によって十分に湿潤化し
飛散防止に努める。
混合廃棄物の分別時に石綿含有廃棄物が確認された場合は、処分又は
再生のための破砕又は切断は原則として行わず、石綿が飛散しないよう
に散水等により湿潤化させ、原則手作業で分別を行う。
④ 石綿含有廃棄物の分別後の措置について
分別後の石綿含有廃棄物は、『3 廃石綿等、石綿含有廃棄物の一時保
管』に従い適切に保管する。
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