サステイナビリティ データブック 2016|ビジネスパートナー

so05
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
ビジネスパートナーとともに
so05_01
ビジネスパートナーに対する基本的な考え方
「クルマづくり、モノづくりを通じた社会への貢献」
「お客
はオープンでフェアな企業活動を推進し、CSR に対する取り組
様第一」を達成するためには、ビジネスパートナー ( サプライ
みを着実に推進すると同時に、安全 ・ 安心に関する品質向上の
ヤーや販売店などの取引先 ) と理念を共有し、手を携え、一体
ために、ビジネスパートナーとさらなる一体化を図り、高いレ
となって、さまざまな活動に取り組むことが必要です。トヨタ
ベルのお客様満足度の実現に取り組みます。
安全・安心
豊かな生活
お客 様
サプライヤー
販売店
代理店
トヨタ
相互信頼
・
共存共栄
相互信頼
・
共存共栄
より良いも の をより安くタイムリー に
CSR 方針『社会・地球の持続可能な発展への貢献』抜粋
●私たちは、サプライヤー・販売店などの取引先を尊重し、
長期的な視野に立って相互信頼に基づく共存共栄の実現に取り組みます。
●私たちは、取引先の決定にあたっては、全ての候補に対しその国籍または規模に関わらず門戸を開き、
その総合的な強みに基づき判断します。
●私たちは、各国の競争法の規定と精神を遵守し、公正かつ自由な取引を維持します。
[ 過年度実績および本年度の主な取り組み ]
2015 年度の主な取り組み(実績)
サプライヤー
●サプライチェーンに対する CSR 推進活動の
2016 年度の主な取り組み
●サプライチェーンに対する左記活動の継続と強化
継続的な働きかけ
●紛争鉱物 ( コンフリクト・ミネラル ) 問題など、
サプライチェーンにおける人権問題への取り組み
販売店
● CSR ウェブサイトによる販売店への情報提供
● CSR チェックリストの改訂
●販売店と一体となった左記 CSR 活動の継続と、
「J-ReBORN 計画」の推進
●地域視点での貢献活動の提案・推進
●「J-ReBORN 計画」の策定
037 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
サプライヤーとともに
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調達に対する基本的な考え方
トヨタは創業以来、サプライヤーと一体となってモノづくり
を追求してきました。好調な時も苦境の時も、ともに手を携え、
取り引きを行い、固い信頼を築き、ともに成長・発展する関係
づくりこそ、調達の最重要課題と認識しています。
励まし合いながら乗り越えてきたという歴史があります。
「相
また、あらゆる国 ・ 地域のサプライヤーとともにコンプライ
互信頼に基づく相互繁栄」の精神のもと、サプライヤーと強固
アンスの遵守、人権尊重、地域・グローバル社会への貢献に取
で緊密な関係を築いてきました。事業活動がグローバル化する
り組み、社会・地球の持続可能な発展に貢献していくことが重
今日において、新たなパートナーとの関係も含め、こうした緊
要です。
密な関係を大切にし、ともにお客様第一を推進します。
トヨタは、サプライヤーと互いに尊重し合い、対等な立場で
トヨタでは次の 3 点を「調達の基本方針」とし、緊密な連携
に基づく調達活動をグローバルに展開しています。
トヨタの調達基本方針
2. 相互信頼に基づく相互繁栄
1. オープンドアポリシーに基づく公正な競争
トヨタとの取引を希望される国内外のサプライヤーに対して、
国籍、企業規模、取引実績の有無を問わず、オープンで公正かつ
公平な参入機会を提供しています。
サプライヤーの選定にあたっては、品質、原価、技術、納期など
の能力に加え、継続的な改善に取り組む経営姿勢・体制、および
環境問題などの社会的責任に対する取り組み、などを総合的に
勘案しています。
トヨタは、長期的なビジョンの中で、相互繁栄を図ることができ
る取引関係の確立を目指しています。
その基礎となる相互の信頼関係を築くため、サプライヤーとの
双方向かつ密接なコミュニケーションの促進を図っています。
3. 良き企業市民を目指した現地化の推進
トヨタは、世界各地での車の需要に応えて現地生産を積極的に
進めています。現地生産にあたっては、車の生産に必要な部品・
資材・型・設備等を、現地のサプライヤーから積極的に調達する
ことにより、地域社会に貢献し、良き企業市民となることを目指
しています。
「仕入先 CSR ガイドライン」の展開
トヨタでは、サプライヤーとともに連携して取り組むことが
さらに、2012 年 12 月にサプライ
重要と考え、2009 年 2 月に「仕入先 CSR ガイドライン」を策
チェーンに対する人権対応(モニタ
定しました。サプライヤーに対して、本ガイドラインに基づい
リング・是正対応の強化/コンフリ
て自ら CSR を実践していただくことに加え、各社のサプライ
クト・ミネラル問題への対応)をより
ヤーへも同様に、各社の CSR 方針 ・ ガイドラインを展開するよ
明確にするため改定版を策定し、一
うにお願いしています。
層の CSR 取り組みの充実・強化をお
願いしています。
仕入先 CSR ガイドライン
仕入先 CSR ガイドライン Web http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/society/partners/supplier_csr_jp.pdf
038 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
[ 主な取り組み ]
サプライチェーンにおける人権尊重
サプライチェーンにおける環境活動の推進
トヨタは「仕入先 CSR ガイドライン」を策定し、その中に人
トヨタは環境取り組みをサプライヤーとともに連携して行
権尊重のトヨタの方針とサプライヤーに対する期待を明記し、
うことが重要と考え、
「TOYOTA グリーン調達ガイドライン」
サプライヤーへ展開しています。さらに人権・労働に関しては、
を作成しています。2016 年 1 月にはトヨタ環境チャレンジ
取り組み強化の一環として「質問表」を新たに設け、状況を確
2050 を踏まえ、改定版を発行。主な改定ポイントとして、温
認するとともに、必要に応じて改善依頼や改善活動の確認を
室効果ガス、生物多様性などの取り組み内容の拡充と、ライフ
行っています。
サイクル視点の強化、サプライチェーン・マネジメント強化を
織り込みました。
『環境報告書 2016』
(P8)も併せてご覧ください。
紛争鉱物(コンフリクト・ミネラル)
サプライチェーンにおける贈収賄防止
トヨタは、
「紛争鉱物対応方針」に基づき、人権侵害などにか
事業活動のグローバル化や社会的要請の高まりを受け、贈収
かわる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリー
賄防止の徹底のため、トヨタは、2012 年に「贈収賄防止に関
を目指し、グローバルにサプライチェーンを遡って調査を実施
するガイドライン」を策定しました。ビジネスパートナーにも
しています。武装勢力の資金源になっているなどの懸念があっ
周知を図ることで、贈収賄に対する一層の防止体制強化、未然
た場合は、使用回避に向けた取り組みを進めます。
防止に取り組んでいます。
「人権の尊重」
(P34)も併せてご覧ください。
Web
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サプライヤーの
CSR 推進活動の支援
サプライヤー自らに CSR 実践をお願いするとともに、CSR 推
進活動を支援するため、トヨタ主催で毎年「CSR 勉強会」を実
施しています。CSR 全般の知識はもちろん、
「なぜ CSR を推進
するのか」
「なぜサプライチェーン全体まで展開するのか」な
ど、問題意識を高める理解活動にも努めています。
2015 年度の主な取り組み
[ 国内 ]
サプライヤー 300 社(500 人)を対象に、コンプライアンス
贈収賄防止に関するガイドライン(ビジネスパートナー用)
http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/csr/compliance/
CSR 勉強会
(機密管理)、環境問題をテーマに CSR 勉強会を実施しました。
「機密管理」のテーマには、
「情報セキュリティの最新動向」を
取り上げ、この問題に対する理解促進を図っています。
[ 海外 ]
海外では、AIAG * のサプライヤー CSR 教育プログラムに
トヨタも参加し、海外サプライヤーの CSR 推進活動を後押し
しています。過年度において、新しい教育ツールとして AIAG
ウェブサイトからサプライヤーが研修できる e ラーニング
「Supplier Responsibility Training Project」の 整 備 に も 参
画、今後のサプライチェーンでの CSR 意識向上への貢献を目指
しています。
* AIAG(Automotive Industry Action Group)
:
米国の自動車業界の行動規範を定める団体(https://www.aiag.org/)
039 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
サプライヤーの CSR 推進活動
サプライヤーも自主的に CSR 推進のためのさまざまな活動に取り組んでいます。
CSR 講演会
CSR 研鑽会
ボランティア活動
トヨタの協力会である協豊会・栄豊会で
栄 豊 会 で は、CSR 講 演 会、勉 強 会 の 後 に、
協豊会 ・ 栄豊会は、CSR 活動推進の一環と
は、共催で毎年「CSR 講演会」を開催して
小グループに分かれて各テーマの意見交換
して、合同で東日本大震災被災地支援活動
います。各会員会社が CSR の理解、意識向
を行う「CSR 研鑽会」を実施しています。
のための物品収集ボランティア活動(不要
上を図り、CSR 推進に取り組むことを目的
これらの活動を通じて各社の取り組みを研
携帯電話、書き損じはがき、未使用切手な
に行っており、2015 年は7月に、
「持続可
究し、サプライヤー全体での CSR 取り組み
どの収集)を展開し、収集物品による収益
能な社会づくりに向けて高まる企業への期
のレベルアップを図っています。
を支援先である被災地自治体(岩手県)に
待」と題し、具体的な事例を交えた講演を
寄贈しました。
していただきました。
講演会風景
研鑽会風景
040 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
ボランティア 福祉協議会
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
販売ネットワークとともに
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販売ネットワークに対する基本的な考え方
販売店は、トヨタの「お客様第一」の理念が問われる最前線です。トヨタと販売店は、製品 ・ サービスの価値を共有し、固い信頼
関係で結ばれた一心同体のパートナーとして、常にお客様満足の向上を目指して双方向の緊密なコミュニケーションのもと、取り
組みを展開しています。
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国内販売店に対する基本的な考え方
トヨタの国内販売ネットワークは、約 280 社、約 5,500 店舗(U-car 含む)からなります。トヨタは、
「お客様第一」の理念を掲
げ、
「1 にユーザー、2 にディーラー、3 にメーカー」の考えのもと、販売店をサポートし、一体となってお客様の期待に応え、お客
様満足度を高めていくことにより、
「販売店の発展=トヨタの発展」が実現すると考えています。
so05_06
推進体制・仕組み
国内トヨタ販売店が加入するトヨタ自動車販売店協会(ト
在」を目指す CSR 活動に主体的に取り組んでいます。
販協)は、2005 年、CSR 特別研究会を設置し、
「トヨタ販売店
各販売店では、第一線でお客様と接する立場から、CSR 基本
CSR ガイドライン」を策定・発行しました。2006 年には「トヨ
方針を定めて取り組みを推進。400 項目近い自主管理ツール
タ販売店 CSR 宣言」を公表し、トヨタ全販売店が一丸となった
「CSR チェックリスト」を活用しながら PDCA を回し、毎年度
CSR 活動を推進しています。
の結果をト販協に報告しています。
「トヨタ販売店 CSR ガイドライン」は、
「コンプライアンス」
「環境対応」
「社会貢献」が三本柱です。販売店がお客様および
ステークホルダーの満足度を高める活動を推進するとともに、
トヨタはチェックリストシステムをはじめ、監査方法、テキ
スト作成などのノウハウ提供を通じて、販売店の CSR 活動をサ
ポートしています。
オールトヨタが一体となって「地球・地域社会から愛される存
[ 2015 年度の主な取り組み ]
トヨタの販売店活動へのトヨタのサポート概要
ト販協の「トヨタ販売店 CSR 宣言」を受け、トヨタは販売店
が自主的に行う CSR 活動をサポートしています。
2006 年には情報共有に役立つ「CSR 支援 Web サイト」を
り組み事例集の作成・配布、ト販協が開催する研究会・講演会
への情報提供なども行っています。2015 年度は「CSR チェッ
クリスト」
(2006 年策定)の改訂を実施しました。
開設。CSR やコンプライアンスに関する教育・啓発ツールや取
ト販協の主な CSR に関する取り組み
「CSRチェックリスト」および
トヨタ販売店「ヘルプライン」運営
「評価結果フィードバックシート」
「ヘルプライン報告ダイジェスト」や
の展開
各種ツール、配付物の展開
CSR研究会の
CSR講演会の
開催
開催
041 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
so05_07
販売店とともに日本を元気にすることを目指す「J-ReBORN 計画」
人口減、高齢化、市場の縮小など、日本の自動車市場が変化
していきたい」という思いのもと、お客様を含むすべての生活
する中で、トヨタは 2016 年度より開始する国内販売事業の新
者の方々に愛されるための活動を通じて、トヨタと販売店が一
たな施策「J-ReBORN 計画」を 2015 年度に策定しました。
体となり、
「もっといいお店づくり」を推進。より多くの方にク
「販売店ネットワークを生かし、日本および各地域を元気に
ルマファンになっていただくことにチャレンジしていきます。
「J-ReBORN 計画」の概要
〈トヨタ〉
もっといいクルマづくり
〈販売店〉
もっといいお店づくり
2020 年代の自動車ビジネス活性化にチャレンジ
クルマファン・トヨタファン・販売店ファンづくり
大切にする観点
〈販売店の改善〉
夢・情熱
現場の
接客・
オペレーション
〈トヨタの改善〉
TOYOTA
GAZOO
Racing
TNGA
コネク
ティッド
戦略
① CS *・生産性を圧倒的なレベルまで高める ② 新しいお客様を含むすべての生活者に愛され続ける
* CS:Customer Satisfaction(顧客満足)
「J-ReBORN 計画」で取り組む 4 項目
(1)
「クルマ・事業軸」から「お客様軸」への
働き方の ReBORN
①若者(心・行動の若さ)を獲得するマーケティング活動
②圧倒的な生産性の向上によりお客様との絆を深める
(2)地域における町いちばん企業への ReBORN
③地域での存在感を高めるオールトヨタ∼オールジャパン
の活動へ
④将来課題を先取りした販売店モデルケースづくり
042 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
モータースポーツ活動を通じてクルマファンの笑顔を広げる
「TOYOTA GAZOO Racing」
「TOYOTA GAZOO Racing」は、
「FIA 世 界 耐 久 選 手 権
お客様自身が参加できる「参加型モータースポーツ」や、自分の
「ニュルブルク
(WEC)」や「FIA 世界ラリー選手権(WRC *)」
クルマでサーキットを走る「ワクドキドライビング!サーキッ
リンク 24 時間レース」などのモータースポーツ活動を通じて
トを 走ろう!」などを
クルマづくりの技術や技能を鍛え、従業員の人材育成を行って
全 国 で 開 催・ 協 賛 し、
います。
「ニュルブルクリンク 24 時間レース」の経験は GRMN
クルマで走る楽しさを
や G’s などのスポーツ車両開発に生かされ、WEC でのハイブ
体験したり、ファン同
リッド技術はプリウスをはじめとするハイブリッドカーに生か
士が交流する場として
されています。これらの世界最高峰のレースに加えて、
「全日本
人気を博しています。
ラリー選手権」や「SUPER GT」
「SUPER FORMULA」などの
ニュルブルクリンク 24 時間レース 2016 参戦車
両。TOYOTA C-HR Racing(326 号車)
国内レースの盛り上げを通じて、モータースポーツファン、ク
ルマファンの拡大を目指しています。
* WRC は 2017 年からの参戦を予定しています
また、
「86/BRZ レース」や「TGR ラリーチャレンジ」など、
モータースポーツを通じたクルマ体感イベント
「TOYOTA GAZOO Racing PARK」
「TOYOTA GAZOO Racing PARK」は、
「子どもから大人ま
で楽しめる」クルマ体感イベントです。
また、子どもや女性に向けた新規体感コンテンツも順次展開し
ていく予定です。
昨年はレースとの併催でサーキット会場を中心に全 12 会場
にて約 20 万人のお客様にモータースポーツ要素を取り入れた
各種コンテンツを通じて、クルマの魅力・楽しさに触れていた
だきました。
本年は、レース会場に加え、各地の商業施設でイベントを開
催することで、実施回数も昨年の 12 回から約 2 倍の 25 回に
増加、さらなるクルマファンの裾野拡大につなげていきます。
子どもから大人まで楽しめるコンテンツが
盛りだくさん
日本全都道府県に広がる
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小学校への出張授業「トヨタ原体験プログラム」
「トヨタ原体験プログラム」は、
「バーチャル時代」の子ども
たちへ、クルマを題材に「五感で感じるリアルな体験の機会」
児童からは、
「こんなに重いクルマを動かすことができるエ
ンジンってすごい」
(4 年生)、
「CO2 を少ししか出さないクルマ
「世界の環境や経済を身近に感じる機会」を提供することで、未
や全く出さないクルマがあってすごい。将来、どんなエコカー
来のクルマファンを育成していく取り組みです。地域に根差
ができるのか楽しみ」
(5 年生)などの感想があり、クルマに興
して活動する販売店と協働し、地元の小学校に「出張授業」を
味を持つきっかけづくりになっています。
行っています。
授業は「体感しながら楽しく学ぶ」をテーマとし、4 年生向
けには理科の授業に結びつけた「クルマの仕組み」、5 年生向け
には社会科授業の一環として「環境や経済との関わり」を本物
のクルマや模型、ゲームを使い実施しています。2015 年度に
は全国 426 校・2 万 803 人の児童が参加。2008 年のスタート
以来、2,376 校・約 12 万人の子どもたちへ授業を実施しまし
クルマの重さを体験
た。
トヨタ原体験プログラム Web http://www.toyota.co.jp/gentaiken/
043 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
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地球環境と故郷の自然を守ろう。
「AQUA
SOCIAL FES!!」を開催
「AQUA SOCIAL FES!!(ASF)
」は、ハイブリッドカー「ア
スタートから 4 年間の実績は、開催回数 445 回・参加者数 4
クア」のブランディングの一環として 2012 年に始まった「水」
万 5,608 人で、販売店からは延べ 5,343 人が参加しました。ア
がテーマの地域環境保護・保全活動。北海道から沖縄まで 47 都
ンケートからは、
「アクア」ブランドへの共感・興味も高いこと
道府県で、多様なアクションプログラムが展開されています。
がうかがえます。
ASF の全体の企画・告知・実施はトヨタが担当し、具体的な
なお、2016 年、ASF は従来の CSR ではなく、広告費を用い
アクションプログラムの開発・運営は地域 NPO や地方新聞社
たプロモーション活動として地域の活動団体を支援するという
が担います。最近は、ASF をきっかけに地元自治体が環境回復
新しい活動支援プログラムを考案し、水源保全につながる活動
費を予算化したり、地元企業が社員研修の一環として ASF を活
を全国で展開していることが評価され、日本における水環境問
用したりと、社会的な波及効果も生まれるようになりました。
題を研究活動するすべての個人、団体を対象とした唯一の賞で
また、販売店が運営スタッフとして参加し、受付業務や駐車場
ある、日本水大賞(名誉総裁 秋篠宮殿下、委員長 毛利衛氏)の
の誘導などを行うことで、地域の人々との交流も深まっていま
経済産業大臣賞を受賞しました。
す。ASF の理念に共感した販売店が単独で ASF を開催している
アクションプログラムの一例
事例も見られます。
2015 年度は ASF に協力してくださっている NPO 団体をは
●鮭の遡上する中津川をいつまでもキレイに残そう(岩手県)
じめとした全国の活動団体の「人」に焦点を当て、WEB メディ
●ウナギやしじみなど淀川の生き物を守ろう!(大阪府)
アで普段の活動や、活動を始めたきっかけを紹介したり、全国
●里山と棚田の風景を守ろう(長崎県)
の活動団体の代表者を招いてこれからの ASF を一緒に考える
「明日のいいね!を作る会」を開催しました。
活動後の集合写真
AQUA SOCIAL FES!! Web http://aquafes.jp/
エコランを競う「プリウスカップ」で深まる販売店とトヨタの絆
「プリウスカップ」はエコランを競うサーキットレース。
チームの燃費が 1L 当たり 49.1km に達するなど、参加を重ね
2007 年、販売店とトヨタの交流を深める目的で開催したのを
るにつれて参加チームのエコラン技術にも磨きがかかっていま
きっかけに各支部でも行われるようになり、2011 年からは各
す。また、
「プリウスカップ」への参加者は 3 巡目の終了時点で
地区の優秀販売店チームによる全国大会を開催するようになり
延べ 1 万 5,000 人以上となりました。同じ選手の再参加はでき
ました。
ず、新規メンバーのみで競技を行うことや、女性メンバーの参
レースでは各販売店チームとトヨタチームが、燃費とサービ
加を必須にするといったこだわりも功を奏し、イベントの裾野
ススタッフのテクニックを競い合います。また、来場者に「エコ
はますます広がってい
ラン」への理解を深めていただくとともに、クルマ体験型のイ
ます。
ベントで「ワクドキ」を感じていただくなど、販売店とメーカー
が一体となって作り上げるイベントとなっています。
2015 年度は近畿、中部、関東で各支部大会を開催し、これ
で「プリウスカップ」の各地方大会は3巡したことになります。
ツインリンクもてぎで開催された関東支部大会では、トップ
044 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み
グリッドから一斉にスタートを切る競技車両
社会への取り組み|ビジネスパートナーとともに
海外代理店とともに
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海外代理店に対する基本的な考え方
世界各地のお客様に「もっといいクルマ」を提供し続けるた
めに重要な鍵となるのが、トヨタの大切なパートナーである海
り、地域に根差した活動をしながら、トヨタファンづくりを推
進しています。
外代理店です。海外には約 170 の代理店と約 1 万の販売店があ
so05_11
推進体制・仕組み
トヨタは、世界を北米、欧州、アフリカ、中国、アジア・中
こうした体制の下、各地域・国単位で代理店と連携し、各地
東・北アフリカ、東アジア・オセアニア、中南米の7つの地域に
のお客様のニーズに合った「もっといいクルマ」を提供してい
分け(除く日本)、各地域の市場特性に応じて、最適なクルマ・
ます。1984 年からは 4 年ごとに海外代理店とトヨタ全経営陣
サービスを提供する販売体制を敷いています。
が一堂に集う「世界大会」を開催。トヨタの方針・戦略を共有す
また、クルマの使用環境、求められる機能やサービスは、地
域/国によって大きく異なるためお客様の声やご要望を、海外
るとともに、お客様満足度の向上に向けた海外代理店による日
頃の尽力に感謝を伝えています。
代理店を通してお聞きし、
「もっといいクルマ」の実現を目指し
ています。
トヨタでは、そうした現地の声に、より一層適切に対応する
ため、2013 年には各地域本部を、主に先進国を担当する「第 1
トヨタ」
(北米、欧州、アフリカ、日本)、新興国を担当する「第
2トヨタ」
(中国、アジア・中東・北アフリカ、東アジア・オセア
ニア、中南米)のビジネスユニットとしました。クルマ市場が
成熟した先進国では、代替需要の促進と、先進的技術を織り込
んだ商品開発が求められます。一方新興国では急拡大する市場
ニーズにマッチした商品の迅速な投入と新規のお客様の獲得が
課題となります。2つのビジネスユニット体制で、こうした市
場特性によりきめ細かく対応した商品企画や販売戦略、現地販
促活動のサポートなどの実行に努めています。
欧州
中国
アジア・中東・北アフリカ
アフリカ
北米
日本
東アジア・オセアニア
中南米
第1トヨタ
北米本部、欧州本部、アフリカ本部、国内販売事業本部
第2トヨタ
中国本部、アジア・中東・北アフリカ本部、
東アジア・オセアニア本部、中南米本部
国内外の販売店・代理店とともに環境への取り組みを実践
トヨタは国内外の販売店・代理店と連携し、環境に優しい店づくり・人づくり、販売活動における環境リスクの低減などに取り組
んでいます。
環境マネジメント「ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進」
(P101)も併せてご覧ください。
045 Sustainability Data Book 2016 社会への取り組み