東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)の設置について

東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)の設置について
平成 28 年 9 月 20 日
資 源 エネルギー庁
経済産業省は、「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委員会)を設置し、東電改革の具体について
の提言の取りまとめを依頼します。
設置の趣旨
東京電力福島第一原子力発電所(以下、「1F」という。)の事故から 5 年半が経過した今もなお、避難
指示は続き、1Fの事故収束も道半ばにあります。1Fの事故収束に全力を挙げ、福島の復興を成し
遂げる。原発事故は二度と起こさない。このために、原子力事業者とエネルギー政策は、その有り様
を徹底して見直す。これが今後のエネルギー政策に臨むに当たっての出発点です。
これまで東京電力は、「新・総合特別事業計画」に基づき、ホールディングカンパニー制に移行し、中
部電力とのJERA設立により世界最大の火力会社に向けた事業統合に着手したほか、10 年間で 5
兆円のコスト削減にも取り組んでいます。他方、賠償や除染、廃炉など事故に伴う費用は増大して
いるほか、全面自由化の中で需要は構造的に減少しています。東京電力の構造的な競争力確保は
未だ途上にあり、これを放置すれば福島復興や事故収束への歩みが滞りかねません。
本年 7 月、東京電力は「激変する環境下における経営方針」を明らかにしましたが、これは、こうした
危機感から出された抜本的自己改革宣言でもあります。メルトダウン隠ぺい問題に対して謝罪し、過
去と決別した新たな企業文化を築くとともに、あらゆる分野で他社との提携や機能別アライアンスを
実行し、世界標準の生産性を達成する。すなわち、非連続の経営改革を具体化し、その果実をもっ
て、福島への責任を果たし、国民に還元するということにほかなりません。
原発事故に伴う費用が増大する中、福島復興と事故収束への責任を果たすため、東京電力はいか
なる経営改革をすべきか。原子力の社会的信頼を取り戻すため、事故を起こした東京電力はいかな
る経営改革をすべきか。自由化の下で需要の構造的縮小が続く中、世界レベルの生産性水準を達
成し、福島復興と国民への還元につなげるため、東京電力はいかなる経営改革をすべきか。
これらの課題への回答について、福島県の方々が安心し、国民が納得し、昼夜問わず第一線を支
え続ける「現場」が気概を持って働ける解を見つけなければなりません。東電改革の姿は、電力産業
の将来を示し、この改革とパッケージで整備する国の制度改革は、被災者救済と事故炉廃炉促進の
ための制度となります。東電改革は、福島復興、原子力事業、原子力政策の根幹的課題です。
そこで、経済産業省は、「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委員会)を設置し、東電改革の具体
についての提言の取りまとめを依頼します。この提言内容は、政府が認定する東京電力の「新・総
合特別事業計画」を改定する中で反映します。
来月検討を開始し、年内目途に提言原案をまとめ、年度内目途に最終提言の取りまとめを依頼しま
す。
委員名簿については、別紙をご覧ください。
(本発表資料のお問い合わせ先)
資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課
企画官 長谷川
担当者:筑紫、福澤、上田
電話:03-3501-1511(代表)