塩谷南那須授業力アップリーフレット③ 「ねらいの提示」「指導」「まとめ・振り返り」を意識した社会科の実践事例 教科・学年 本時の 概 要 社会科・中学校3年 単元名 世界恐慌と日本の中国侵略(5/5) ねらい 日本が戦争に突き進んだ理由を様々な角度から考え、表現 することができる。(社会的な思考・判断・表現) 単元の構成を工夫します。 単元の導入時(1/5)に、 学習問題(単元を貫いた問い)を設定し 、 学習問題を生徒と 教師が共有し 、見通しをもちます。生徒は、この単元を通して、 何ができるようになればよい のか、何が分かればよいのか を理解して授業に臨むことができます。 第1時 学習問題(単元を貫く問い)を設定し、学習の見通しを共有します。 <つかむ> 「日本は、なぜ日中戦争に突き進んだのでしょう。」 第2~4時 学習の見通しをもとに、1時間1時間の授業において、「どのように <調べる> ~だろう」「なぜ~なのだろう」というめあてを設定し授業を展開し 問 題 解 決 学 習 ます。 第5校時(本時) 学習問題に対するまとめを行います。 <まとめる> 導入 (学習問題の解決) ねらいの提示 これまでの学習を振り返ってみましょう。 大正時代の人々は、どのような生活を送っていましたか。 ・ ・ 立場の弱い人でも自由に発言できる世の中でした。 洋風な生活をしていました。 戦時体制下での人々は、どのような生活を送っていましたか。 ・ ・ 自由に発言できない世の中です。 欲しい物が自由に買えません 。 日本は、日中戦争に突き進んでいきました。人々の生活は、十数年あま りで大きく変化しましたね。 -1- 今日の授業は、単元のはじめに設定した学習問題について、日中戦争に 突き進んだ理由をまとめて、分かりやすく説明をしましょう。 めあて 日本は、なぜ日中戦争に突き進んだのか理由を説明しよう。 学習問題を意識し、前時までの学習内容を生かしたねらいの提示をします。 「ねらいの提示」では、「大正時代の生活の様子」や「戦時体制下での生活の様子」の 写真 を提示 し、違いを視覚的に捉えさせると効果的です。興味・関心を高めることもできます。 また、その間の出来事について 年表を提示 したり、第1時~第4時までの 学習内容を掲示 した りすることで、本時の学習について見通しをもつこともできます。 展開 指導 【1】ワークシートの工夫 自分の考えを書くことを意図的に位置 付けます。書く活動と「説明」 「話合い」 などの活動を関連付けることで、自分の 考えを整理することができます。 ピラミットの 形を利用したこ とで、生徒は興 理由 味・関心をもち、 出来事の順位付 け を し た り 、 理 理由 由を書き入れた りすることがで きました。 理由 理由 理由 理由 【2】学習の形態の工夫 一人で考える → グループで深め合う → 全体で確認する 日本が戦争に突入した理由は何? ②WW1前から探す 【3】個に応じた工夫 ④そもそも人間ってさ… 理由が記入できない生徒には、年表を提示し、日中戦 争に至るまでの出来事を一緒に確認します。 ①WW1後から探す 終末 まとめ・振り返り ③共通点から考える 今日の授業では、どんなことが分かり ましたか。振り返ってみましょう。 <生徒の振り返りから> 振り返りを充実させます。 振り返りを充実させるため 私は、日中戦争に突き進んだ理由について、世界恐慌の 影響で日本経済が行き詰まり不満が高まったことが理由では ないかと考えました。友達の考えや先生の話を聞いて、満州へ の侵略や国際連盟の脱退、二・二六事件など軍部が力をも ったことも関係していることを再確認することができました。今後、 日本は太平洋戦争に突入していきますが、どうして突き進まな ければいけなかったのかについて調べてみたいと思いました。 -2- には、「めあて」を意識さ せること、時間を十分に 確保することが大切です。 また、教師は、 一人一人 の 達成 状 況 を 把握 し 、 次 の授業に生かすことが大切で す。
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