電磁気学 II

平成28年度後期
内容:
1. 序論
電磁気学 II
電磁気学IIの学び方
概要,目的,授業予定,他科目との関係,注意点,など
様々な磁場発生源
第1回
電磁誘導に関する現象・応用
現象,応用(変圧器,誘導加熱<炊飯器,電磁調理器,
結晶成長,金属焼き入れ・焼鈍>,誘導モータ,発電機,
非接触ICカード・RFIDタグ)
井上 真澄
電磁波に関する現象・応用
現象,電磁波スペクトル,応用(各種応用,誘電加熱)
この授業について
●授業予定:
●科目名: 電磁気学 II 1. 序論 (磁界の発生・電磁誘導・電磁波に関する諸現象)
2. 磁界(磁場)の発生 (電流による磁界,磁気モーメント(スピン)による磁
●開講対象: メカトロニクス工学科 2年生
3. 直線電流による磁界発生 (ビオ・サバールの法則,アンペールの法則,直線
●授業の概要と目的: メカトロニクスでは,機械・電気・
情報の複合系を取り扱うため,電気工学の技術が必要
となる。この授業では電磁誘導の基礎とその応用を中
心に,デモ実験あるいはDVD画像も用いながら,実
感的に確実に理解することを目的とする。
4. ソレノイドコイルの磁界 (ソレノイドコイル内の磁界,磁束)
5. 変位電流 (真空中を流れる電流(真空中コンデンサーを流れる変位電流),一
界,永久磁石による磁界)
電流による磁界)
●到達目標: 電磁誘導がもつ種々の効果を理解できる。自
己インダクタンスに関してその起源を理解できる。メ
カトロニクスで用いられる電気電子機器の電磁気的現
象について,その基礎を理解できる。
●教科書: Raymond A. Serway(松村博之訳):科学者と
技術者のための 物理学 Ⅲ 電磁気学(学術図書出
版社) [電気回路基礎,電磁気学Iと共通]
般化したアンペールの法則)
6. ファラデーの法則 (ファラデーの電磁誘導の法則,運動起電力,誘導起電力
,レンツの法則)
7. 磁界中で運動するコイルに発生する起電力 (磁界中で運動するコイルに発
生する誘導起電力)
8. 発電機とモーター (発電機の原理,モーターの原理)
9. 渦電流 (金属導体への電磁誘導(渦電流),非接触ブレーキ,高周波インダク
ション発熱)
10. 回転磁界 (アラゴの円板,回転磁界,回転磁界による渦電流とトルク,回転
磁界により回転する磁石)
11.
12.
13.
14.
15.
自己インダクタンス (自己インダクタンス,磁場のエネルギー)
相互インダクタンス (相互インダクタンス,変圧器(トランス))
電磁波の発生 (ヘルツの実験,電気ノイズ,アンテナによる電磁波の発生)
電磁波の伝搬 (平面電磁波,電磁波が運ぶエネルギー)
まとめ (電磁気学Ⅱで学んだ基礎知識のまとめ)
【教科書中での電気回路基礎,電磁気学I,電磁気学II の関係】
◎ 試験・・・中間試験,期末試験
◎ 演習・・・毎時間
【他科目との関係】
電磁気学 I・・・静電場,静磁場
電磁気学II・・・変動する電場,変動する磁場
[ :電気回路基礎, :電磁気学I, :電磁気学II]
注意点
・(物理的)イメージを持って理解
イメージを持って理解するように心がける。
イメージを持って理解
・式だけでなく,電気・磁気現象が起こる仕組みを理解する。
<参考動画(YouTube)>
MIT(アメリカ)の電磁気学授業
以下のサイトからのリンクで見ることができる。
http://ocw.mit.edu/courses/physics/8-02-electricity-and-magnetism-spring-2002/
このMITのwebページは事情により現在閉鎖されているが,検索
サイトでキーワードに「Walter Lewin electricity and magnetism」と
入力して調べるとこの授業のYouTubeの動画が検索される。
・教科書は予め読んで授業に参加する。
・授業資料は授業後にウェブサイトからダウンロードできるよ
うにするので,復習や課題提出に利用する。
http://mechatronics.meijo-u.ac.jp/labs/rrr004/inoue/lec_em2_16.html
・演習の時間には,わからないところは教員や他の人に聞いて,
演習の時間には,わからないところは教員や他の人に聞いて,
授業時間内に理解するように努める。(理解できていないの
授業時間内に理解するように努める
に授業に関係ない雑談をするのは時間の無駄!)
・課題を出す場合があるので,レポートの書き方は身につけて
おく。
実演を取り入れた
授業の様子が見ら
れる。
様々な磁場発生源
いろいろな磁場の強さ
・電流 [ビオ・サヴァールの法則,アンペールの法則]
・磁石
→ 原子の磁気モーメントによる(原子磁石の集まり)
→ 原子の持つ電子の軌道運動と自転(スピン)による
(原子内の極微小電流)
・地磁気(原因は完全に解明されていないが,地球内部の導電性流
体が運動することにより生ずる電流によって発生するとい
う説(流体ダイナモ説)がある)
磁場は電流が生み出すものと考えてほぼ良い。
脳磁図
心磁図
MRI装置
電磁誘導に関する現象・応用
【変圧器】
現象
導体に加わる磁場が変動
→ 導体に誘導電流・電圧の発生
力の発生
応用
・変圧器
・誘導加熱 (IH: Induction Heating)
・誘導モータ
・発電機
・非接触ICカード,RFID (Radio frequency Identifier)タグ
・
・
・
など
磁気的に結合した複数のコイルで入力側コイルに交流電圧
→ 入力側コイルに交流電流
→ 交流磁場が発生
→ 出力側コイルに交流電圧が発生
【誘導加熱 (IH: Induction Heating)】
】
<炊飯器>
渦電流による発熱。
電磁誘導で内釜に発生した渦電流により発熱。
炊飯器,電磁調理器,結晶成長,
金属焼き入れ・焼鈍,等
【特徴】:
・加熱効率(投入した電力や熱量に対する加熱対象物に加えられた熱
量の割合)が高い。
・電力制御によるパワーコントロールが容易。
・非接触加熱のため真空中,ガス雰囲気中での加熱が容易。
・装置自体に電熱線のような高温部がなく安全。
・局部集中加熱が容易。
・ガス,石油などのように燃焼時の排ガス,塵埃等の発生が少ない
・急速加熱が可能。
・カーボンるつぼ等を用いることにより無機物も間接加熱が可能。
・小型・軽量で省スペースが可能。
・・・など
・コイルを内釜の底面のみでなく側面や上面(ふた)にも設置でき,
電熱ヒータよりもはるかに大きな火力を得られ,また加熱ムラも
少ない。
・発熱量の調整が容易なため温度管理がしやすい。
<電磁調理器(IHクッキングヒータ)>
<電磁調理器( クッキングヒータ)>
<結晶成長>
電磁誘導で鍋等の調理器具に発生した渦電流により発熱。
フローティングゾーン法による結晶成長
鉛直に保持した試料棒の一部を加熱して溶融部をつくる。
・室内の空気を汚さず,換気が最小限で済む。
・容易に出力(火力)調整ができ,温度管理がしやすい。
・熱効率も高い。
・天板が平らなため掃除がしやすい。
・火を使わないため,IH調理器自体に触れても熱くないので,周囲の
紙・布等への引火・加熱の心配や消し忘れの心配がない(ただし調
理後は熱くなっているので要注意)。
→ その液相部を表面張力によって支えながら上あるいは下方に移動。
→ ・溶融状態から固まる際に原子が規則的に配列しようとする性質によ
り結晶成長。
・融かした原料を冷やして一部を固まらせると不純物が融けた部分に
多く残る性質により,結晶のなかの不純物が原材料より少なくなる。
○ 誘導加熱で行うことにより容器に入れずに結晶成長できるので,
他の材料が不純物としてはいることを避けられる。
<金属焼き入れ・焼鈍>
焼き入れ・・金属を高温状態から急冷する熱処理。
鋼の場合,材料が硬くなり,耐摩耗性,引張強度などが向上。
【誘導モータ】
回転原理
アルミニウム板の上で図のように磁石を移動
焼鈍 (焼きなまし)・・金属を高温から徐冷する熱処理。
加工による歪み・残留応力を除去し,軟らかくする。
・熱効率がよく,作業時間が短い。
・局所加熱が可能。
・作業の自動化・標準化がしやすい。
・変寸・変形が最小限に抑えられる。
・周波数が高いほど誘起された電流は表面
に集中して流れる(表皮効果)ことを利
用して焼入れ硬化層深さを任意に調整で
きる。
【発電機】
→ 誘導電流としてうず電流が発生。
→ 磁石の直下ではうず電流の向きが同じ(図の手前方向)。
うず電流の方向:
移動方向の前方では磁束密度が高くなるのでそれを打ち消す
(磁束を減らす)方向。
移動方向の後方では磁束密度が低くくなるのでそれを打ち消
す(磁束を増やす)方向。
→ 磁束と電流の関係から,アルミニウム板は右方向に電磁力を受ける。
【非接触ICカード,
(Radio Frequency Identifier)タグ】
タグ】
【非接触 カード,RFID
カード,
モータは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換。
同じ構造で,機械的に回転軸を回すと,電磁誘導により機械的
エネルギーを電気的エネルギーに変換できる。
非接触ICカード
RFIDタグ
リーダライタとの情報交換のほか,電磁誘導による電源供給
電磁波に関する現象・応用
電磁波スペクトル
現象
電荷が加速 → 電磁波が発生
時間的に変化する電場 → 磁場の発生
( アンペール-マクスウェルの法則)
時間的に変化する磁場 → 電場の発生
( ファラデーの法則)
周期的に変化する電場(電場の時間変化率も周期的に変化)
応用
周期的に変化する磁場(磁場の時間変化率も周期的に変化)
発生源・・電極間の火花放電
振動する電流
他
【誘電加熱】
交流電界が誘電体に加えられたとき,電界の向きの変
化に従って誘電体の分極も向きを変えるが,周波数が
高くなると周囲の分子との間の摩擦により発熱する。
電界の変化の速度に追随できなくなるあたりの周波数
で大きい発熱。
木材の乾燥・接着,食品の乾燥・加熱などに利用される。
電波・・・・・・・放送,通信,レーダ,誘電加熱(電子レンジ)
光 赤外線・・・・加熱・暖房,通信
可視光線・・・照明,植物の育成(光合成)
紫外線・・・・殺菌,微細加工(フォトリソグラフィ),光重合
X線・ガンマ線・・医療機器,X線撮影,放射線治療