ITER TF コイルジョイントの健全性検証試験 仕様書 平成 28 年 9 月 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 核融合エネルギー研究開発部門 ITERプロジェクト部 超伝導コイル開発グループ 目次 1. 一般仕様 ...................................................................................................................................... 1 2 1.1 件名 .................................................................................................................................... 1 1.2 目的 .................................................................................................................................... 1 1.3 契約範囲 ............................................................................................................................. 1 1.4 納期 .................................................................................................................................... 1 1.5 納入場所及び納入条件 ....................................................................................................... 1 1.6 検収条件 ............................................................................................................................. 2 1.7 提出書類 ............................................................................................................................. 2 1.8 支給品、貸与品 .................................................................................................................. 2 1.9 適用法規及び適用規格 ....................................................................................................... 3 1.10 知的財産権等 ..................................................................................................................... 3 1.11 技術情報の開示制限 .......................................................................................................... 3 1.12 品質管理............................................................................................................................. 3 1.13 打合せ及び立会い .............................................................................................................. 4 1.14 グリーン購入法の推進....................................................................................................... 4 1.15 協議 .................................................................................................................................... 4 技術仕様 .................................................................................................................................... 6 2.1 ジョイント部熱処理検証試験 ............................................................................................ 6 2.2 熱処理ガス分析試験 .......................................................................................................... 7 2.3 提出書類 ............................................................................................................................. 7 2.3.1 試験要領書.................................................................................................................... 7 2.3.2 試験報告書.................................................................................................................... 7 付録1 ジョイントについて 付録2 熱処理について 添付資料 別紙-1 産業財産権の取扱いについて 1. 一般仕様 1.1 件名 ITER TF コイルジョイントの健全性検証試験 1.2 目的 量子科学技術研究開発機構(以下「量研機構」という。)は、国際熱核融合実験炉 (以下「ITER」という。)の日本国内実施機関として、トロイダル磁場コイル(以下 「TF コイル」という。)の製作を担当する。図 1.1 に示す TF コイル巻線は、図 1.2 に示す TF コイル用導体を D 型に巻線し、ジョイントの製作を行って熱処理して製作 される。内部拡散法導体を用いたジョイントでは、導体内部の錫の漏れ及び有機物な どの汚れによって、撚線表面が汚染され、ジョイント抵抗が増大する可能性がある。 そこで、ジョイントを試作し、錫の漏れや有機物などの汚れによるジョイント内部の 汚染の有無について調査するとともに、熱処理中の導体内部のガスの汚れを評価する 必要がある。本仕様書は、TF コイルジョイントの熱処理検証試験及び熱処理中に TF コイル用導体から発生するガス中の汚れを分析する試験について定めるものである。 1.3 契約範囲 (1) ジョイント熱処理検証試験 1式 (2) 熱処理ガス分析試験 (3) 試験要領書・報告書の作成 1式 1式 1.4 納期 平成 29 年 2 月 17 日(金) 1.5 納入場所及び納入条件 (1)納入品目 1.7 項に示す提出書類 電子ファイル(報告書で使用した電子データ、写真等) (2)納入場所 茨城県那珂市向山 801-1 量研機構 那珂核融合研究所 ITERプロジェクト部 超伝導コイル開発グループ (3)納入条件 持込み渡し (4)部分使用 なし 1 1.6 検収条件 1.5 項に示す納入場所への納品後、報告書の内容確認により、本仕様書の定めると ころに従って試験が完了されたと量研機構が認めたときをもって検収とする。 1.7 提出書類 (1)表 1.1 に示す提出書類を表 1.5 項に示す納入場所に必要部数提出すること。 表 1.1 図 書 名 提出書類 提出期限 部数 確認 電子ファイル 試験要領書 作業開始前 3部 要 要 試験報告書 納入時 3部 不要 要 - 不要 再委託承諾願 作業開始 2 週間前 1部 (量研機構指定様式) ※下請負等がある場合に提出のこと。 (2)提出書類については、電子版及びハードコピーで提出すること。ただし、電 子版とすることにより情報が失われるおそれのある放射線透過試験用フィル ム等、量研機構が認めたものを除く。 (3)電子版のファイル形式は、PDF 形式とし、CD などのメディアに記録し、1式 提出すること。なお、量研機構から要求のある場合は Word、Excel 等の元ファ イルも提出すること。 (4)提出書類に CAD 図がある場合には、CAD データ・ファイルも提出すること。デ ータのファイル形式は、量研機構と受注者の協議により決定する。 (5)提出書類の承認は、以下の方法で行う。 量研機構は、確認のために提出された図書を受領したときは、期限日を記載し た受領印を押印して返却する。また、当該期限までに審査を完了し、確認しな い場合には修正を指示し、修正等を指示しないときは、確認したものとする。 ただし、再委託承諾願は、量研機構が確認後、書面にて回答する。 1.8 支給品、貸与品 (1)支給品 量研機構は以下に示す、ITER TF コイル用導体を受注者に支給する。 1)品名:ITER TFコイル用導体 一式 2)支給場所:量研機構が指定する場所(国内) 3)支給時期:契約後速やかに 4)支給方法:車上渡し (2)貸与品 なし。 2 1.9 適用法規及び適用規格 (1)適用法規 受注者は、本契約での作業を実施する上で、国内の関連法規を適用し、本 契約を実施すること。 (2)適用規格 本契約での作業では、JSME 規格「核融合設備規格」を基本規格とし、その 他、技術仕様の各項目で引用する JIS 規格、ASTM 規格、ISO 規格及び ASTM 規 格を適用する。また、本契約での作業場、JSME 規格の適用が困難で規格の変 更が必要な場合は、量研機構と協議の上、その決定に従うものとする。 1.10 知的財産権等 産業財産権等の取扱いについては、別紙-1「産業財産権の取扱いについて」に定め られたとおりとする。 1.11 技術情報の開示制限 (1)受注者は、本契約を履行することにより得た技術情報を第三者に対して開示 しようとするときは、あらかじめ書面により量研機構の承認を得なければな らない。 (2)量研機構が本契約に関し、その目的を達成するため受注者の保有する技術情 報を了知する必要が生じた場合は、両者協議の上、受注者は当該情報を量研 機構に無償で提供するものとする。 (3)量研機構は、前項により受注者から提供を受けた技術情報については、受注 者の同意なく第三者に提供しないものとする。 (4)受注者は本契約に基づく業務の内容及び成果について、発表若しくは公開し、 又は特定の第三者に提供しようとする時は、あらかじめ書面により量研機構 の承認を得なければならない。 1.12 品質管理 本契約における設計・製作においては、全ての工程において、以下の事項等につい て十分な品質管理を行うこととする。 (1)管理体制 (2)設計管理 (3)外注管理 (4)材料管理 (5)工程管理 (6)試験・検査管理 (7)記録の保管 3 1.13 打合せ及び立会い (1)本契約に関する打合せは、必要に応じて量研機構又は受注者施設において行 う。 (2)本契約に基づく作業には、量研機構は随時立会いできるものとする。 (3)量研機構が、前項に定める立会いを希望する場合は、受注者へ事前に連絡す るものとする。 (4)量研機構が立会いに当たり現場の写真撮影の必要性を認めた場合は、受注者 の許可の下に、量研機構が撮影できることとする。 1.14 グリーン購入法の推進 (1)本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に 関する法律)に適用する環境物品(事務用品、OA 機器等)が発生する場合は、 これを採用するものとする。 (2)本仕様に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本 方針に定める「紙類」の基準を満たしたものであること。 1.15 協議 本仕様書に記載されている事項及び本仕様書に記載のない事項について疑義が生 じた場合は、量研機構と協議の上、その決定に従うものとする。 4 図 1.1 巻線部の概略構造 撚線 コンジット (ジャケット) 図 1.2 ITER TF コイル用導体の外観図 5 2 技術仕様 2.1 ジョイント熱処理検証試験 ITER TF コイルの製作では、図 2.1 に示す TF コイル用導体を D 型に巻線し、その 端部に、各巻線を電気的に接続するためのジョイント部を取り付ける。ジョイント は、銅とステンレスから構成されるジョイントボックスの中に撚線が格納される構 造となっている。巻線の製作では、撚線の超伝導生成のために、表 2.1 に示すパタ ーンで熱処理が施されるが、この際に、撚線端部から錫が漏れて、撚線表面が汚染 されることが考えられる。また、導体内部の不純物がガス化して、これにより汚染 されることも考えられる。このような汚染により、ジョイント抵抗が増大してしま う可能性があるため、撚線表面の汚染状況を調査する必要がある。 そこで、汚染状況を確かめるために、受注者は、付録1に従い、TF コイル用導体 を用いてジョイントを試作するとともに、試作したジョイントを巻線端部に取り付 けて、付録2に従い、導体と同時に熱処理を実施すること。熱処理後に、ジョイン トの破壊試験を実施し、撚線及び銅表面の汚れを調査すること。汚染が確認された 場合は、原因について調査し、その結果を報告すること。 図 2.1 単層のソレノイド状に巻き取られて固定された導体 6 表 2.1 熱処理温度パターン 項目 分類 昇温速度[℃/h] 保持時間[h] 室温→210℃ 昇温 5 - 210℃ 温度保持 - 50 210℃→340℃ 昇温 5 - 340℃ 温度保持 - 25 340℃→450℃ 昇温 5 - 450℃ 温度保持 - 25 450℃→575℃ 昇温 5 - 575℃ 温度保持 - 100 575℃→650℃ 昇温 5 - 650℃ 温度保持 - 120 2.2 熱処理ガス分析試験 ジョイントを汚染する可能性のある導体内部の不純物を調査するために、受注者 は、ITER TF コイル用導体を用いて、付録2に従い、表 2.1 に示す熱処理を実施し、 導体内部から揮発した汚れをフィルタで捕集し、EDS 成分分析を実施し、フィルタ で捕集された成分を特定すること。なお、ジョイント熱処理検証試験と同時に本試 験を実施しても良いこととする。 2.3 提出書類 受注者は、表 1.1 に記す提出書類を提出すること。各書類の記述内容には、少なく とも以下を含むこと。 2.3.1 試験要領書 試験要領として、少なくとも以下について記述すること。 ・ 試験図 ・ 試験条件、手順 2.3.2 試験報告書 製作報告として、少なくとも以下について記述すること。 ・ 試験した条件、要領 ・ 試験結果 ・ 写真 7 付録1 ジョイントについて 1. はじめに 本付録ではジョイントについて記載する。 2. ジョイント構造 ジョイントは、ステンレス・ブロック(SUS316LN)を銅スリーブに爆着し、これとス テンレス・スリーブ(SUS316LN)によって撚線を圧縮し、その状態でステンレス・ブロ ックとステンレス・スリーブ間を溶接することでジョイントを形成する。また、ジャ ケット、配管はステンレス・ブロックに溶接される。 ジョイントの長さは、少なくても 6 個のサブ・ケーブル全てが銅スリーブ表面に直 接接触するように、サブ・ケーブルの撚りピッチと同程度の長さで設計すること。撚 線は、銅スリーブと接触する撚線表面の絶縁要素を全て取り除いた後で撚線圧縮する こと。ジョイントの末端で、ジョイントとジャケットを溶接すること。さらに、撚線 を圧縮しながら、銅スリーブとステンレス・ブロック間を溶接すること。 3. 材料 A) 超伝導線と接触する銅スリーブは、ASTM B 152 に基づく 99.95%の C10300 銅を適 用すること。ただし、焼きなました状態での銅の RRR 値が不適格であれば、違う クラスのものに変更すること。 B) オーステナイト系ステンレス鋼 ・ ジョイント・ボックスは、銅 C10300 と SUS316LN の 2 種類の金属プレートか ら成り、それらは、爆着によって接続される。 ・ 導体の中心流路に置き換わり、導体に挿入される厚肉管は SUS316LTP とする。 4. ジョイント製作 4.1 導体処理 導体ジャケットはサブ・ケーブルのツイストピッチ(約 420mm)の長さ分だけ取り除 くこと。厚さ約 2mm のジャケットを取り除くために、周方向 2 か所、長手方向 2 か所 でジャケットを切断し、半割れとなった 2 つのジャケットを導体から取り外すこと。 撚線の保護ラップは、銅スリーブと素線が接触している範囲で取り除くこととし、ジ ャケット切断部から少なくても 30mm 以上は、保護ラップを残すこと。各サブ・ケー ブルのラップは、銅スリーブと直接接触する撚線最外層に出てくるものを取り除くこ と。この作業のために、各サブ・ケーブルは強制的に径方向に拡大するので、サブ・ ケーブルの撚りピッチは、仕様値より、最大で 10%伸びる可能性がある。撚線表面の クロム・メッキは機械的に取り除くこととし、クロム・メッキ除去後は、撚線表面を 洗浄して、撚線の外周に銅箔を巻きつけること。 8 4.2 ジョイント・ボックス製作 ジョイント・ボックスは、銅の RRR 増加や応力緩和のため、少なくても 4 時間 400℃ の熱処理を実施すること。ロックウェル硬さは 40 以下とする。ジョイント・ボック スの内側表面となる溝や接合面となる銅スリーブは、十分に洗浄すること。金属表面 は、汚れや埃や塵や油等で汚染されないこと。 4.3 導体圧縮 導体端部はジョイント・ボックスに挿入され、銅(又はステンレス)スリーブを撚線 の上から被せる。圧縮中のジョイント・ボックス内撚線の位置は、ジョイント・ボッ クスと導体ジャケット間のスポット溶接によって保持すること。スポット溶接では、 内部酸化を避けるために、少なくてもアルゴン・ガスの流速度 0.4l/m で実施するこ と。 加圧機で銅(又はステンレス)スリーブを抑える。そのスリーブが所定の位置に下が るまで加圧することで、撚線を圧縮する。この圧力は、溶接中は一定とすること。圧 縮後の導体ボイド率は 25%未満とする。リーク試験を実施すること。 9 付録2 熱処理について 1. はじめに 本付録では、超伝導生成熱処理の手順について記述する。 2. 要求事項 熱処理炉、以下の条件を満足すること。 1) 全ての配管及び附属品は、熱処理条件下において、アウト・ガス又はリーク の発生源とならないこと。配管接続部は、溶接又はメタル・シール(取外し 2) 可能な CAJON VCR 型コネクター)のどちらかとすること。油の逆流や導体内 の汚染を防ぐために、油拡散ポンプを使用しないこと。 酸化防止、及び炉内の温度分布を均一化のために、不活性ガス中又は真空中 での熱処理を実施すること。不活性ガスの場合、大気圧よりわずかに正圧と し、熱処理炉のエアー・リークを防ぐこと。また、高純度アルゴン・ガス (純度 99.99%以上)を使用すること。 熱処理の手順は以下を参考とすること。 1) 熟練した作業員の操作により、適正な装置を用いて、コイル及び装置を熱処 理炉内に設置する。 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 温度計を導体及びジョイントに取り付ける。 導体内をパージするガスの酸素濃度が、大気圧において 200ppm 以下であるこ とを確認する。 導体の入口及び出口に酸素濃度計を接続する。 熱処理炉の蓋を閉める。 全ての配管系統内をパージする。導体内は不活性ガスを用いて少なくとも 1 時間流してパージする。 熱処理炉内をパージし、100 Pa まで真空排気した後に、不活性ガスで 10 kPa まで戻す。これを 2 回繰り返し、熱処理炉内に純アルゴン・ガスを大気圧ま で充填する。同様のプロセスを導体内部についても繰り返し、不活性ガスの 流れを作り、流れを安定させる。 導体内のガスの流量は、通常時で約 50 cm3/s とする。導体内部を流れるガス を暖めるために、導体内に流す前に、熱処理炉内の温度までガスを加熱する ための十分な長さの熱交換器を設置する(推奨)。 酸素濃度が 200ppm 以下、有機成分が 1ppm 以下になるまで、350℃から 450℃ の温度範囲において、熱処理炉及び導体温度を 24 時間以上保持する。素線の クロム・メッキや撚線作業の工程で、Nb3Sn 撚線の油汚染がしばしば生じ、 これらの汚染物は約 400℃以上で分解される。導体温度が 450℃以上になる前 に、これらの汚染物を完全に取り除かなければならない。また、これらの汚 10 染物は、炭素及びタールの析出の原因となるため、析出物の除去中に温度測 定に影響を及ぼさないよう注意が必要である。 10) 導体内にガスを流し続け、出口での露点が 200ppm 以下となるまで、導体内へ のガス供給及び温度を保持する。 11) 熱処理炉内の圧力が一定で、かつ、熱処理炉内の酸素濃度が 200ppm 以下であ ることを確認する。 12) 各素線で要求される熱処理パターンに従って 350℃から 450℃の間で前述のパ ージを実施すること。550℃に達するまで、酸素濃度が大気圧で 200ppm 以下、 有機成分が 1ppm 以下であることを随時確認する。熱処理中に酸素濃度が一時 的に 300ppm を超える場合には、その期間を 10 分以内とすること。 13) 昇温中のモールドと導体の温度差は、20℃以内とする。温度保持中の温度差 は±5℃とする。 14) 熱処理完了後、熱処理炉の開放まで約 50℃/h で冷却する。 3. 緊急時の措置 緊急停電後は、指定された不適合手順に従うこと。受注者は、熱処理を中断した場合 に対する対策を講じること。 11 別紙-1 産業財産権等の取扱いについて (受注者が単独で行った発明等の産業財産権の帰属) 第1条 受注者は、本契約に関して、受注者が単独でなした発明又は考案(以下「発明等」とい う。 )に対する特許権、実用新案権又は意匠権(以下「特許権等」という。 )を取得する場合は、 単独で出願できるものとする。ただし、出願するときはあらかじめ出願に際して提出すべき書 類の写しを添えて量研機構に通知するものとする。 (受注者が単独で行った発明等の特許権等の譲渡等) 第2条 受注者は、受注者が前条の特許権等を量研機構以外の第三者に譲渡又は実施許諾する場 合には、本取扱いの各条項の規定の適用に支障を与えないよう当該第三者と約定しなければな らない。 (受注者が単独で行った発明等の特許権等の実施許諾) 第3条 量研機構は、第 1 条の発明等に対する特許権等を無償で自ら試験又は研究のために実施 することができる。量研機構が量研機構のために受注者以外の第三者に製作させ、又は業務を 代行する第三者に再実施権を許諾する場合は、受注者の承諾を得た上で許諾するものとし、そ の実施条件等は量研機構、受注者協議の上決定する。 (量研機構及び受注者が共同で行った発明等の特許権等の帰属及び管理) 第4条 量研機構及び受注者は、本契約に関して共同でなした発明等に対する特許権等を取得す る場合は、共同出願契約を締結し、共同で出願するものとし、出願のための費用は、量研機構、 受注者の持分に比例して負担するものとする。 (量研機構及び受注者が共同で行った発明等の特許権等の実施) 第5条 量研機構は、共同で行った発明等を試験又は研究以外の目的に実施しないものとする。 ただし、量研機構は量研機構のために受注者以外の第三者に製作させ、又は業務を代行する第 三者に実施許諾する場合は、無償にて当該第三者に実施許諾することができるものとする。 2 受注者が前項の発明等について自ら商業的実施をするときは、量研機構が自ら商業的実施 をしないことにかんがみ、受注者の商業的実施の計画を勘案し、事前に実施料等について量研 機構、受注者協議の上、別途実施契約を締結するものとする。 (秘密の保持) 第6条 量研機構及び受注者は、第1条及び第4条の発明等の内容を出願により内容が公開され る日まで他に漏えいしてはならない。ただし、あらかじめ書面により出願を行った者の了解を 得た場合はこの限りではない。 (委任・下請負) 第7条 受注者は、本契約の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた場合においては、 その第三者に対して、本特約条項の各条項の規定を準用するものとし、受注者はこのために必 要な措置を講じなければならない。 2 受注者は、前項の当該第三者が本取扱いに定める事項に違反した場合には、量研機構に対 し全ての責任を負うものとする。 (協議) 第8条 第1条及び第4条の場合において、単独若しくは共同の区別又は共同の範囲等について 疑義が生じたときは、量研機構、受注者協議して定めるものとする。 (有効期間) 第9条 本取扱いの有効期限は、契約締結の日から当該特許権等の消滅する日までとする。 以上 12
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