er03 環境への取り組み| Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ 工場 CO₂ ゼロチャレンジ er03_01 基本的な考え方 クルマは走行時に CO₂ を排出するだけでなく、製造時にも ギーの利用効率を向上させることでも、排出 CO₂ を削減でき CO₂ が排出されます。そのため、気候変動を抑えるための CO₂ ます。 さらに、エネルギーを使わない「からくり」を導入する 抑制は、クルマを製造する工場のチャレンジ目標にもなりま など、ありとあらゆる手段で CO₂ を減らします。 す。工場の CO₂ 排出ゼロは、製造技術の改善と利用エネルギー 変更の 2 本柱で取り組みます。 使用エネルギー側の取り組みとしては、太陽光や風力発電な ど再生エネルギーの利用、水素エネルギーの活用で、CO₂ を削 まず、製造技術としては、製造工程のシンプル化、スリム化 減していきます。 により工程や時間を短縮し CO₂ を削減します。また、エネル er03_02 生産活動における CO₂ 排出量の低減 生産活動における CO₂ 排出量の低減活動を継続 トヨタ自動車(TMC)の CO₂ 排出量の低減は、生産拠点と、 新工場・ラインの立ち上げ時には革新技術を導入し、CO₂ 排出 オフィスなどの非生産拠点を合わせた目標を設定して取り組ん 量の低減を推進しています。STM(タイ)および GTE(中国) でいます。 の新ラインにおいて、ラインのシンプルスリム化を図り、また 2015 年度は、蒸気レスの推進や省エネ活動を実施したこ 既存工場においても、蒸気レス化やエアーレス化に継続的に とにより、CO₂ 年間排出量は 115 万トン(1990 年度比 45% 取り組んでいます。結果、2015 年度の CO₂ 年間排出量は 757 減) 、生産台数当たりの CO₂ 排出量は 0.408 トン / 台(2001 年 万トン(前年度比 2.8%減)、生産台数当たりの CO₂ 排出量は、 度比 44% 減)となりました。 0.744 トン / 台(前年度比 1.2%減)となりました。 グローバルについては、5カ年プランの目標達成に向けて、 TMC 使用エネルギー別熱量構成比率 A重油 2.3% 灯油 0.2% LPG 0.02% 電力 68.5% 都市ガス 29.0% 軽油 0.02% 077 Sustainability Data Book 2016 環境への取り組み er03_03 環境への取り組み| Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ TMCCO₂ 排出量(エネルギー起源)と 生産台数当たりの CO₂ 排出量の推移 CO₂総量(万トン) 220 200 211 194 グローバルCO₂排出量(エネルギー起源)と生産台数当たりの CO₂排出量の推移(工場・オフィスなど固定発生源) 生産台数当たりのCO₂排出量(トン/台) CO₂総量(万トン) 非生産部門のCO₂排出量 900 1.5 生産部門のCO₂排出量 800 180 700 160 140 0.731 120 116 120 118 1 115 400 80 0.5 60 ’90 ’01 ’12 ’13 ’14 779 757 アジア、豪州、 中近東、 南アフリカ、 中南米 2 1.174 300 北米 1 0.770 0.757 0.753 0.744 欧州 中国 日本 (除くTMC) TMC 0.5 100 20 0 784 1.5 200 0.415 0.414 0.413 0.408 40 759 600 500 100 701 生産台数当たりのCO₂排出量(トン/台) 0 ’15 (年度) 0 ’01 ’12 ’13 0 ’15 (年度) ’14 注1:非生産拠点で1990年度の排出量を把握できない場合は、それ以降で把握できた 最も古いデータを使用しました。 注2:CO₂排出量は、2011年度までは、生産部門、非生産部門(バイオ・緑化研究所、 福利厚生施設を除く) を対象としていました。2012年度からは、非生産部門に バイオ緑化研究所を追加しました。 注3:CO₂換算係数は、1990年度の経団連係数を使用しています。 注1:TMCおよび国内外連結会社など 121社 国内 : P97 1~5グループ対象会社〔孫会社を含む(豊田通商を除く)〕 海外 : P97 生産および生販一体会社 注2:2001年度の排出量を把握できない拠点は、それ以降で把握できた最も古いデータを使用しました。 注3:CO₂換算係数は、GHGプロトコルを使用して算定しました。 注4:過去の数値に誤りがあったため訂正しました。 換算係数についてはウェブサイトをご覧ください。 換算係数についてはウェブサイトをご覧ください。 Web Web http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/ data/conversionfactor.pdf http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/ data/conversionfactor.pdf 再生可能エネルギーの利用促進 2008 年 3 月、堤工場に定格出力 2,000kW(戸建住宅 500 軒分相当)の太陽光発電システムを導入しています。2015 年度は 1,737MWh の電力を発電しました。 コラム 上郷工場 国内外車両エンジン製造過程における CO₂ 排出量低減活動 従来、生産で使用するエアーと蒸気は、工場中央で集 を洗浄するため、水切りエアーのノズル形状や配置を最 中管理し、各生産ラインに送られていました。そのため、 適化し、個別ブロワ化することによりエアーの使用量を 休憩時間や休日のような非生産時には、送気ロスなどが 削減しました。 発生していました。 蒸気については、各建屋出入口の熱風カーテン方式を そこでエアーについては中央の集中大型コンプレッ 止め、遮風シートの設置やシャッターの開閉タイミング サーを廃止し、小型のコンプレッサーを必要な設備の横に を調整することにより、屋内の温度低下が防止でき、蒸 設置することで(インライン化) 、生産と連動した送気ロス 気の使用量を大幅に減らすことができました。 の少ない圧縮エアーを使用することが可能となりました。 また、機械加工したエンジン部品に付着している切粉 これらの改善活動により CO₂ 排出量を、年間約 4,500 トン低減することができました。 エアーコンプレッサーのインライン化 ブロワ化 従来 従来 大型集中コンプレッサー (連続運転、送気ロス発生) 大型集中コンプレッサー 今回の改善 小型インラインコンプレッサー (生産連動、送気ロスミニマム) CO₂ 低減効果 〈エアー低減効果〉 〈蒸気低減効果〉 (%) 100 コンプレッサー 廃止 高圧流量小 生産ライン (加工) 生産ライン (加工) 生産ライン (組付) 生産ライン (組付) 今回の改善 75 50 50 25 25 改善後 078 Sustainability Data Book 2016 環境への取り組み 0 -71% 改善前 低圧高流量 改善後 個別小型コンプレッサー 改善前 他の建屋へ送気 (%) 100 75 0 ブロワ -38% 環境への取り組み| Challenge 3 工場 CO₂ ゼロチャレンジ エコ・ファクトリー活動を 5 工場で実施 新工場建設・生産能力の増強などのプロジェクトを対象に、 エコ・ファクトリー活動 その地域で No.1 の工場を目指す、環境対策を確実に織り込む インド ネシア GTE TMCAP 企画 設備仕様監査 [ 2015 年度の進捗 ] タイ、中国の 5 工場でエコ・ファクトリー活動を行いました。 現物監査 コンプライアンス、 2016 リスク評価 2016 パフォーマンス評価 (CO₂、VOC等) 2017 2017 :能増P/J( 2013年度~) :~2014年度実施済み コラム GTMC 第3工場 確実に織り込む活動です。 TFTM 新工場 物」でチェックし、不具合がある場合には是正し、環境対策を 中国 ブラジル TDB 新エンジン 計画、トライ、操業の各段階で、環境配慮の織り込みを「現地現 タイ STM 第2工場 TMMIN 新エンジン エコ ・ ファクトリー活動を継続しています。これは、企画・設備 2016 :2015年度実施済み工場 数字のみ:今後の実施予定年度 地元埋立処分場から得られたグリーン電力を利用した生産 有機物が微生物によって分解されるとガスが発生し ランドフィルガスを利用した発電システム ます。なかでも、ゴミの埋立処分場から発生するもの を、ランドフィルガスと呼び、セルロース由来のバイ オ燃料として認められています。 「アバロン」 「カムリ」などを生産する TMMK(米国・ ケンタッキー州ジョージタウン市)では、地元の埋立 処分場から発生するランドフィルガスを利用して発電 埋立処分場 した電力を利用しています。このプロジェクトは、ケ ンタッキー州で廃棄物の運搬および処分サービスを 行っている Waste Services of the Bluegrass との 協働によるもので、ランドフィルガスをエネルギー に変える、この地域では初のビジネスモデルです。 TMMK から 6.5 マイル離れた埋立処分場から地下送 地下送電線 電線を引き、2015 年 11 月に稼働を始めました。試算 では、米国平均消費量に換算すると約 800 世帯分に 相当する毎時 1MW の電力を生成し、クルマ 1 万台の 生産量に相当する電力を発電します。ゆくゆくは毎時 工場 10MW の電力を生成するものと見込んでいます。さ らに、埋立処分時の温室効果ガス排出量は、90% 削減 することができます。 環境戦略部長のケビン・バットの声 このランドフィルガスの生成方法は、当社のカーボ ンフットプリントを減らすための今後 35 年間の取り 組み姿勢を示すものです。小さな一歩ですが、偉大な 一歩だと思っています。 079 Sustainability Data Book 2016 環境への取り組み
© Copyright 2025 ExpyDoc