書写に取り組む際は、著作権をテーマにしたメ を書けるよう繰り返し練習することで、課題の ッセージを、4 日間のシリーズものとして掲示 メッセージが子どもたちの心に浸透していく しました。子どもたちは、掲示版のメッセージ ことが期待されます。情報モラル教育は、熱心 から「著作権とは何か」という知識を得、その に勉強をして知識を高めていくものではなく、 知識を定着させる方法として、書写を活用しま 自然に身に付け、意識することなく普段の行動 した。 に表れるようなものだと考えていますが、書写 書写は、児童全員が参加可能なものであり、 隙間の時間で実施できます。そして、美しい字 は、この自然に身に付けるという点でも、取り 組む価値があると感じました。 コンクールに参加してどのような効果がありましたか? 情報モラルに関する授業は、どのように展開 すれば良いのかをイメージしにくいのは事実 です。このため、取り組みに二の足を踏んでし まう先生もいるでしょう。しかし、本校では、 今回 IPA コンクールの書写部門に参加したこ とで、こういうところから教育をスタートさせ れば難しくない、という空気が先生方の間に流 れるようになったと思います。 5 年 1 組では、 「情報を生かすわたしたち」 というテーマで 4 時間のカリキュラムに取り 組みました。この授業の目標は、情報の活用方 法について調べたり考えたりすることで、情報 化の利点と問題点を知ることや、情報を発信す る際には、その情報に関して責任を持つ必要が ある、ということを理解することにあります。 この授業の進め方は次の通りです。 1)情報化した世の中の良いところや問 題点を考え,学習問題をつくり,予想や 計画を立てる。 2)情報を学習に生かすためには,メデ ィアリテラシーを身につけることが大 切であることを整理してまとめる。 3)情報を有効に活用するためには,情 報モラルを守ることが大切であること を理解する。 4)学習を返り,わかったことや考えた こと活用方法や活かし方を考える。 最終の 4 回目では、どのようにまとめるの かを模索していましたが、IPA コンクールのな かにある行動宣言という取り組みのように、5 年 1 組の「情報活用宣言」を作成しました。 これを、常に児童の目に入るよう教室に掲示し ています。 情報モラル教育の入り口に立つ、ということ は、立派な体系化された教育本を手にすること ではなく、この書写のワークシートのように手 軽なものをつかって、「まずやってみようか」 と思うことなのではないでしょうか。
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