IoT時代の 低消費電力Linux プログラミング入門

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ゲートウェイや高性能端末で差がつく
低消費電力 Linux
プログラミング入門
IoT 時代の
新連載
第
1 回 実験に使う IoT 向け小型 Linux モジュールの準備
平 一平
表 1 実 験に使う IoT 向け小 型 Linux モジュ ー ル「Halley IoT モ
表面
ジュール」の主な特徴
項 目
大きさの比較のための
SDカード
裏面
写真 1 実験に使う IoT 向け小型 Linux モジュール「Halley IoT モ
ジュール」…Wi-Fi や Bluetooh も使える
http://www.ingenic.com/en/?newton/id/7.html
本連載では,IoT 向けに小型化・低価格化・ワイ
ヤレス化が進む Linux ボードの低消費電力 C プログラ
ミング・テクニックについて紹介します.IoT 端末や
IoT ゲートウェイを,ネットワークにつなぎたいので
Linux は使いたいのだけれども,消費電力を抑えたい,
というような場合に参考になります. (編集部)
実験に使う
IoT 向け小型 Linux モジュール
●特徴
今 回 の 実 験 に は,IoT 向 け に Wi-Fi や Bluetooth 通
信機能を備え,動作時の消費電力が定番ラズベリー・
パイの 1/3 ていどで済む小型 Linux モジュール Halley
IoT モジュール(Ingenic Semiconductor 社)を使いま
した.外観を写真 1 に,主な特徴を表 1 に示します.
このモジュールは,128M バイトの DRAM を内蔵
した 1GHz 動作の MIPS コア・プロセッサと,SPI 接
続 フ ラ ッ シ ュ・ メ モ リ,Wi-Fi/Bluetooth 機 能 が モ
ジュール化されていますので,高速バスや無線部分
の複雑なパターン設計をしなくても,電源を接続す
るだけで Linux を動作させることができます.動作
時の消費電力は約 600mW と小さく,組み込み用途に
使えます.
2016 年 11 月号
SoC
内 容
M150(Ingenic Semiconductor 社)1.0GHz
XBurst コア(MIPS アーキテクチャ)
RAM 128M バイト(オンチップ LPDDR)
MMC/SD/SDIO インターフェース
UART × 3
I 2C × 2
GPIO × 19
フラッシュ・
8M バイト SPI 接続 NOR 型フラッシュ・メモリ
メモリ
Wi-Fi
IEEE 802.11 b/g/n
Bluetooth
Bluetooth 4.1(Bluetooth Low BCM43438
Energy),Bluetooth 3.0,(ブロードコム)
Bluetooth 2.1+EDR
サイズ
24 × 40 × 2.4 mm
電源電圧
3.3V
消費電力
594mW(動作時)
2mW(スタンバイ,無線通信未使用時)
工事設計認証
005-101067
番号
また,モジュールとして電波法第 38 条の 24 に基づ
く工事設計認証(いわゆる技適)を取得済みです.
● 入手方法&開発キット
Halley IoT モジュールは,執筆時点(2016 年 8 月時
点)では,残念ながらまだ国内で単体販売はされてい
ません.実際に実験を行う場合には,開発キットを購
入する必要があります.
今 回 使 用 し た 開 発 キ ッ ト T-Kernel2/MIPS-M150
ボード(パーソナルメディア)の外観を写真 2 に,特
徴を表 2 に示します.
準備 1:Linux を動かす
● ステップ 1:Linux のダウンロード
こ こ で は,MIPS-M150 ボ ー ド 向 け に カ ス タ マ
イズされたソース類をシマフジ電機の「MilkCake
で Linux」
( MilkCake は MIPS-150 の 愛 称 )の ペ ー
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