放射線医学総合研究所 平成27年度 資料集

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3-2. 重粒子医科学センター
3-2-1. 診療業務
表1
入
入院患者数
院
外
退院患者数
総数
総数
1,273
1,278
死亡
入院患
その他
者延数
(再掲) (再掲)
1
1,277
16,278
1 日平
病床
平均
均患
利用
在院
者数
率
日数
44.5
44.5
12.8
来
1 日平
新患者 外来患
数
者延数
1,343
15,793
均患者
数
65
平均通
院日数
11.76
表2
疾病別患者数(合計)
平成 27 年 4 月~
12 月
平成 28 年 1 月~
3月
集計
口腔・
咽頭
直腸お
その他
よびS
胃
の消化
字状結
器
腸
1
0 1,132
男
57
女
99
3
0
計
156
4
男
20
女
計
男
女
計
166
皮膚
乳房
60
118
0
652
25
319
75
204
200
0
1,784
55
823
135
322
200
1
0
360
13
182
16
42
0
33
0
0
230
5
95
14
71
61
53
1
0
590
18
277
30
113
61
77
2
0
1,492
43
686
76
160
0
132
3
0
882
30
414
89
275
261
209
5
0
2,374
73
1100
165
435
261
その他
の
その他
卵巣
女性器
子宮
集計
骨
504
子宮頸
平成 28 年 1 月~
3月
気管・
気管
支・肺
30
疾病別患者数(合計)
平成 27 年 4 月~
12 月
咽頭
その他
睾丸
膀胱
脳
その他
白血病
リンパ
男
0
0
0
0
0
4
0
3,732
0
444
女
779
131
21
0
0
0
0
315
0
253
計
779
131
21
0
0
4
0
4047
0
697
男
0
0
0
0
0
3
0
1,190
0
136
女
254
35
8
0
0
0
0
91
0
71
計
254
35
8
0
0
3
0
1,281
0
207
男
0
0
0
0
0
7
0
4,922
0
580
女
1,033
166
29
0
0
0
0
406
0
324
計
1,033
166
29
0
0
7
0
5,328
0
904
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表3 照射方法別、線源種類別、悪性新生物の放射線治療件数
方法別
外 部 照 射
内部照射(小線源)
192Ir
リニアック
種類別
総数
X線(MV)
4
40
実数
0
6
11
10
370GBq
電子線(MeV)
4
27
6
0
9
1
12
1
1
(マイクロセレクトロン)
16
0
20
40
0
160
910
延数
0
253
616
0
3
21
17
0
12
※X線との併用あり
表4
X線診断件数
件数
透視
82
撮影
3,844
表5
X線 CT 診断件数
患者実数
4,714
表6
MRI 診断件数
患者実数
3,625
表7
RI 診断患者数
性別
実数
男
女
29
総数
表8
PET 検査
件数
メチオニン PET
275
FDG PET
568
FLT PET
その他
0
314
総 数
1,157
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167
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27 年度 臨床検査件数
表9 検体検査件数
尿一般検査
1,793
生化学検査
134,405
免疫血清検査
20,883
血液 抹消血液
8,5288
交差試験
21
外注検査
5,954
171,344
検体検査・合計
表 10 生理機能検査件数
心電図検査
474
肺機能検査
2,660
生理検査・合計
3,134
表 11 細菌検査件数
表 12 病理学的検査件数
156
細菌検査(院内環境)
63
細菌検査(外注)
57
病理(細胞診)
219
細菌検査・合計
454
病理(組織検査)
511
病理学的検査・合計
表 13 臨床研究支援システム件数
121
病理標本作成支援
表 14 病理解剖件数
病理解剖
死亡数 男
女
剖検数
男
女
剖検率
0
0
0
0
0
0%
オートプシー・
イメージング
男
女
0
0
表 15 採血件数
5,119
外来・入院採血
表 16 入院患者給食統計
総給食数
39,357 食
1日平均
107.8 人
給食数
栄養給与
エネルギ
タンパク
量
ー
質
1 人1日
1,947Kca
76.9g
平均
l
穀物エネルギ
ー比
168
平均
62.8 歳
栄養指導
37 件
Fe
ビタミン
ビタミン
ビタミン
ビタミン
A
B1
B2
C
1,159μ
0.98mg
1.28mg
142mg
年齢
脂肪
52.8g
Ca
638mg
8.9mg
g
44%
動物
蛋白質比
60%
PFC/E%
P16%・F
24%・C 60%
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平成 27 年度 薬剤室業務実績
表 17 薬剤業務
処方箋枚数
調剤件数
調剤延日数
外
来
1,433
3,740
50,515
入
院
5,724
10,131
55,244
表 18 注射業務
注射箋枚数
注射件数
注射延薬剤数
外
来
3,869
3,869
4,569
入
院
9,849
9,849
17,383
製剤回数
製剤件数
製剤延薬剤数
一般製剤
41
45
45
滅菌製剤
34
45
45
依頼伝票数
取扱件数
血液製剤単位数
血液成分製剤
18
22
40
血漿分画製剤
3
3
3
取扱件数
麻薬延薬剤数
表 19 製剤業務
表 20 血液業務(特定生物由来製品管理簿対象)
表 21 麻薬業務(麻薬管理簿対象)
麻薬箋枚数
麻薬内服剤
755
755
16,527
麻薬外用剤
40
40
180
麻薬注射剤
0
0
0
表 22 医薬品情報業務
件 数
ページ数
医薬品鑑別
6
8
薬剤ニュース
5
5
医薬品情報誌
12
539
表 23 医薬品等供給業務(処置薬剤等払出)
請求伝票数
払出件数
払出延薬剤数
421
2,105
17,256
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169
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3-2-2. 物理工学部
(1) 大型サイクロトロン運転関連業務
今年度の運転時間は計 1707 時間であり、利用内容による運転時間の内訳とその百分率を表1に示す。
また、表 2 には利用に供された粒子の種類とエネルギーを運転時間と共に示す。
表 1 大型サイクロトロン利用目的別運転実績
1.放射性薬剤の製造研究
791 h ( 46.3 %)
2.物理研究
278 h ( 16.3 %)
3.粒子線検出器の開発
65 h ( 3.8 %)
4.生物研究
68 h ( 4.0 %)
5.有料ビーム提供
157 h ( 9.2 %)
6.新ビーム調整及び調整運転
放射線安全測定
343 h ( 20.1 %)
5 h ( 0.3 %)
1707 h (100.0 %)
合 計
表 2. 大型サイクロトロン加速粒子エネルギー別運転実績
陽子 (p)
170
重陽子(d)
水素分子( H2+)
エネルギー
運転時間
エネルギー
運転時間
エネルギー
運転時間
[MeV]
[h]
[MeV]
[h]
[MeV]
[h]
80
39
50
9
27
46
70
406
25
11
24
131
60
74
20
76
50
17
40
59
30
24
エネルギー
運転時間
25
18
[MeV]
[h]
18
110
炭素(C)
ヘリウム(He)
エネルギー
運転時間
[MeV]
[h]
144
100
9
75
45
40
89
エネルギー
34
465
[MeV]
27
20
16
ネオン(Ne)
120
運転時間
[h]
43
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今年度も小型サイクロトロンとの並行運転を行い、マシンタイムの有効的な運用がなされている。特に
放射性薬剤の製造研究においては PET 用核種に加え TRT に向けた核種製造もおこなわれており、各照
射室において、多くのマシンタイムが利用されている。直線照射室の C-4 コースにおいては、40 MeV ヘ
リウムの 15 A での 67Cu 生産供給や、75 MeV ヘリウムの 10 A での 28Mg 生産供給、24 MeV H2+の
10 A での 64Cu 生産供給など所外への提供も行われた。垂直照射室の C-9 コースにおいては、34 MeV
He による 211At、 27 MeV H2+による 124I、60 MeV 陽子による 67Cu、の所内提供が行われており、さら
に多種多様な放射性核種の製造方法の研究開発が行われている。同室の C-3 コースにおいては、新たに
放射性同位元素生成用コースへと改修が行われ、制御システムを含む照射ポートの整備が実施され、今
年度は 64Cu の生産が行われた。
放射性薬剤の製造研究以外の利用は、汎用照射室の C-6、C-10、C-8 コースにおいて、様々な目的で
利用されている。C-6 コースでは、70 MeV や 40 MeV の陽子を中心に 50 MeV 重陽子や 144 MeV 炭素
などを使用して検出器の開発や、物理実験が行われた。C-10 コースでは昨年度から引き継き、12 MeV
ネオンを用いて水分子における二次電子エネルギー測定が行われた。C-8 コースでは、25~70 MeV の陽
子が用いられ、細胞照射による生物研究や検出器の開発等に利用された。また、C-6,C-8 コースでは、所
内の利用とともに、所外ユーザーへの有料によるビーム提供も引き続き行なわれている。今年度も引き
続きユーザーから要望されるマシンタイムをできるかぎり実現するため、月 1 回程度の土曜日のマシン
タイム運用を実施した。
今年度の故障による供給停止は、高周波電力アンプの不具合により 1 件が発生した。これにより、1 日
間のマシンタイムキャンセルを余儀なくされた。また、一時的なビーム停止や供給開始の遅延などは、計
16 時間が発生した。これらの原因としては、高周波系、デフレクタ、ビーム輸送系、イオン源マイクロ
波源等のトラブルによるものである。このような大型サイクロトロンの動向を考慮し老朽化対策を行い
ながら装置の改良も行っている。老朽化対策として今年度は、デフレクタシステムの更新、マグネティッ
クチャンネル電源の更新、イオン源用マイクロ波源の更新などを行った。また、放射性核種製造用の新た
な照射ポートとして C-3 コースの整備を行った。
(2) 小型サイクロトロン運転業務
今 年 度 も 小型サイクロトロンは、研究用の放射性薬剤の製造や、放射性薬剤の製造方法の研究に利用
された。また、診断用の放射性薬剤の製造を行っている画像診断棟の小型サイクロトロンのバックアッ
プにも用いられた。今年度の小型サイクロトロンの総運転時間は 1554 時間であった。放射性薬剤の製造
のための運転は 1527 時間で、そのうち 1470 時間が 18 MeV 陽子の利用で、9 MeV 重陽子の利用は 57
時間であった。その他、利用以外の運転時間である 27 時間は、ビーム調整や、定期点検の際のビーム確
認、放射線安全測定等に当てられた。今年度は、小型サイクロトロンの故障による供給停止は発生してい
ない。運転開始より 20 年が過ぎた小型サイクロトロンでも、老朽化対策が必要となってきている。昨年
度、電源供給ラインである動力配電盤内の NFB の不具合により故障停止が発生したため、動力配電盤の
更新を実施した。
(3)重粒子線がん治療装置運転関連業務
今年度も重粒子線がん治療装置を用いた重粒子線治療・共同利用研究のためのビーム供給、治療照射の
サポート、治療計画および患者コリメータ・ボーラスの作成を行った。
今年度新治療研究棟において回転ガントリー・治療室 G へのビームコースが整備され、放射線施設の
変更申請を行い調整運転が開始された。
以下に、今年度の実績に関するデータを示す。
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171
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加速器系
今年度のビーム供給は、重粒子線がん治療に 3195 時間、共同利用研究に 5455 時間のビーム供給を行
った。加速器系の運転時間実績を図 1 に示す。また、装置の稼働状況の推移を図 2 に示す。
今年度の入射器及びシンクロトロンで加速した粒子の時間割合を図 3 に示す。治療照射において炭素
(C)、共同利用研究において水素(H)からキセノン(Xe)までの様々な核種を加速し供給した。
今年度の主な障害を表 3 に示す。障害によって供給が止まった時間は、運転時間の 0.4%程度であっ
た。治療照射に大きな支障の出たトラブルは無く、概ね順調な運転であった。
今年度、上リングでは 202 段可変エネルギー運転による治療ビーム供給のため制御系改造を行い、ML ラ
インにビームチョッパーを導入した。また、下リングでは老朽化対策として加速 RF ローレベル制御系の
更新を行った
照射系
今年度は、年間 745 人の新規登録患者の治療照射と、生物系で 69 件、物理系で 57 件の共同利用研究
課題についてビーム供給を行った。また、照射実験の実施のための、機器の保守・運用改善、照射・開発
サポート等を行った。
治療照射は、年間で 10449 回の治療照射を行った。 図 4 に 年度毎の照射ポート数、治療計画数、
患者数、ポートあたりの照射回数の推移を示す。
老朽化対策として重粒子線棟治療室の治療制御系の更新を行った。新治療研究棟では 202 段可変エ
ネルギーによる治療照射が開始された。また、治療室 G へのビーム導入が可能となり、回転ガントリー
のコミッショニング作業が開始された。
治療計画系
今年度は、年間 1457 件の治療計画を行い、1637 個のボーラスと 1360 個の患者コリメータを製作し
た。 この内、放医研内の工作室で製作した内作分は、ボーラスが 280 個(19%)、コリメータが 115 個(8%)
であった。また、積層ボーラスは 126 個を製作した。
建屋設備系
建設以来23年経過して、各設備の保守・維持がより多く、大きくなりつつあるので、作業内容を吟味し
つつ、計画的な更新等にも取組んだ。
2015年度運転実績 [hr]
0
1200
2400
INJ
4800
6000
139
5631
USY
4337
LSY
UBT
3600
996
3981
344
1598
1347
404
448
454
供給
実験
調整
待機
3418
故障
LBT
NT
1393
1457
2369
632
1041
964
停止
436
図 1. 2015 年度加速器系運転実績(入射系(INJ)、上リングシンクロトロン(USY)、下リングシンクロ
トロン(LSY)、上リングビーム輸送系(UBT)、下リングビーム輸送系(LBT)、新治療研究棟系(NT))
172
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HIMAC稼働時間、供給時間、稼働率の推移
10000
100%
9000
8000
6000
5000
90%
4000
稼働率 [%]
稼働時間・供給時間 [h]
95%
7000
稼働時間
3000
供給時間※
稼働率
2000
85%
1000
0
80%
1994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015
年度
図 2. 重粒子がん治療装置の稼働時間の推移
※供給時間は治療、実験の供給時間の合計としています。HIMAC は入射器及びシンクロトロンで計
3 か所同時にビームを供給できるため、この集計では稼働時間より供給時間が長くなっています。
Si 58Fe 2015年度 核種別加速実績 (INJ)
2% 3%
82Kr Kr Xe
He
0% 2% 3%
4%
Al
Ar Fe
0% 5% 3%
B
H
0%
10%
10B
Ne
0%
2%
18O
0%
O
3%
N
1%
C
60%
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173
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2015年度 核種別加速実績 (USY)
Ne
2%
Si
2%
Xe H
Ar FeKr
0%
1%
2%
1% 3%
He
2%
2015年度 核種別加速実績 (LSY)
Si
1%
O
0%
Ar
5%
Al
0%
Ne
0%
N
1%
Kr Xe
3% 3%
H
6%
Fe
8%
He B
2% 0%
O
7%
C
64%
C
87%
図 3. 入射器及びシンクロトロンでの加速粒子別実績
表 3 HIMAC加速器系の主な障害
第 Ⅰ
日付
時間数
6月15日
0:30
7月16日
0:20
入射器
期
障害内容
RFQプレート電源異
常
FCN/PRN 操 作 不
具合
第
日付
時間数
Ⅱ
期
10月14日
0:53
障害内容
FCN5 故障
11月25日
0:37
Q1BT ステアリング電源故障
2月 9日
1:42
DTL3-HPA 漏水
CCG609 真空計異常
VE 通信異常
主加速器
(上)
4月10日
7月24日
0:00
1:06
RFKO4不具合
シンクロ制御不具合
12月 2日
2月18日
1:00
主加速器
(下)
4月10日
7月24日
1:30
0:49
PRN501真空漏れ
上位計算機不具合
11月 5日
12月28日
0:44
0:31
入射セプタム電磁石漏水
リング QF 電源故障
9月 9日
2月20日
2月20日
2:00
0:50
0:50
PRN044 故障
真空制御不具合
真空制御不具合
新棟HEBT計算機
不具合
11月10日
1月 5日
1月12日
2月25日
2月25日
1:30
0:30
3:00
5:00
2:00
C系冷却塔不具合
1月15日
0:30
FHC位置モニタ異常
GRCステアリング電磁石流量
GRC-BM2(2P)クエンチ
GRC-BM3(2P,4P)クエンチ
GRC-BM3(4P)異常
D系2次側ポンプ不具合
HEBT
(上)
HEBT
(下)
HEBT
冷却系
174
4 月 23 1:00
日
7月 3日
16:24
1:01
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3500
3000
16
照射ポート数
治療計画数
患者数
ポートあたりの照射回数
14
12
2500
10
2000
8
1500
6
1000
4
500
2
0
ポートあたりの照射回数
患者数、治療計画数、治療ポート数
4000
0
H6 H7 H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27
年度
図 4. 年度毎の照射ポート数、治療計画数、患者数、ポートあたりの照射回数の推移
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