口頭発表 - 第24回日本バイオメカニクス学会大会

第24回
日本バイオメカニクス学会大会
プログラム
『未来のバイオメカニクスを解く』
2016年 9 月12日(月)~14日(水)
立命館大学 びわこ・くさつキャンパス
主催:日本バイオメカニクス学会
目 次
学会長挨拶�������������������������� 2
組織委員長挨拶������������������������ 3
大会組織��������������������������� 4
アクセスガイド������������������������ 5
会場案内図�������������������������� 6
参加者へのご案内����������������������� 8
発表者へのご案内����������������������� 9
大会スケジュール����������������������� 11
特別講演��������������������������� 13
アウォード報告������������������������ 17
一般研究発表(奨励賞国際セッション)�������������� 29
一般研究発表(奨励賞セッション)���������������� 35
一般研究発表(国際セッション)����������������� 45
一般研究発表(口頭発表)�������������������� 55
一般研究発表(ポスター発表)������������������ 83
演者・座長・司会索引�������������������� 113
機器展示・広告・協賛企業������������������ 123
学会長挨拶
日本バイオメカニクス学会 会長
深代 千之(東京大学)
立命館大学において、2016年 9 月12~14日、「未来のバイオメカニクスを解く」をテーマに、
第24回学会大会が開催されます。最初に、学会大会を快く引き受けてくれた伊坂忠夫組織委員
長、長野明紀実行委員長、栗原俊之事務局長をはじめとするスタッフの方々に、日本バイオメカニクス学会を代表して、
厚く御礼もうしあげます。近年、立命館大学は、研究やスポーツ競技など様々な分野で、国内外において大きく躍進し
ており、その中核を担うスタッフによって、この大会が企画・運営されることに、大きな期待を寄せています。
本大会のテーマ「未来の…」を聞いたときに、次のようなことを思い浮かべました。近年の日本の様々な分野の発展
を俯瞰してみると、日本史上、最大の変革であった明治維新においては、近代化された社会および欧米型の科学技術を
満載した合理的生活を目指すという、つまり欧米に追い付き・追い越せという具体的な目標がありました。その発展の
途中において、不幸な大戦も経験しましたが、現在、日本は欧米に追いつき、次の未来の目標を欧米とともに自ら考え
出さなければならない立場にたったといえます。これをバイオメカニクス研究に置き換えると、日本バイオメカニクス
学会:JSBの研究も欧米を目標にしていた時期を経て、今や国際スポーツバイオメカニクス学会:ISBSはもとより、国
際バイオメカニクス学会:ISBをも凌ぐ勢いで発展してきているといえます。すなわち、これからのJSBバイオメカニ
クス研究は、欧米をもリードするような未来志向のアイデアそして立場が期待されているのです。この意味において、
本大会のテーマは、まさに時勢に適合するものと考えられます。
バイオメカニクス研究の発展を、大きな流れとしてみると、純粋科学としてはキネマティクスからキネティクスへ、
つまり現象論から機序解明へと進んできました。また、これらの基礎研究を土台とした応用科学としての試みも、国立
スポーツ科学センター:JISSで結実しつつあります。ただ、ここで注意したいのは、IT機器に支えられた測定や演算
機器の発達と、バイオメカニクス研究自体の発展とを明確に分けて理解しなければならないということです。例えば、
逆ダイナミクスの動作解析では、フィルムからビデオカメラ、そしてモーションキャプチャへと進化し、デジタイジン
グのような作業をしなくとも済むようになりました。一方の順ダイナミクスは特にIT機器の進化に支えられていて、
1999年カルガリーISBで米・テキサス大学の歩行シミュレーションで使用したコンピュータは数億円だったものが、現
在ではパソコンでできるようになりました。すなわち、我々は測定技術や解析手法の発展ではなく、バイオメカニクス
研究自体が発展しているかどうかを、もう一度よく考えなければならないということです。逆にいえば、現在では作業
やハードウェアといった制限を超えて、基礎学力を土台としたアイデアで勝負できる時代になったともいえるのです。
だからこそ、独自性をもつJSBの発展が期待されていると考えています。
ところで、JSBには1,000名以上の会員が在籍しており、JSBはもちろんISBやISBSの学会大会において、多くの優秀
な研究が発表されています。これらの研究活動を考慮すると、「バイオメカニクス研究:JJBSE」への投稿がまだ十分
ではないといえます。JSBは、若手研究者が主軸を担う学会であり、若手への研究助成も実施し 、大会では若手奨励賞
も準備しています。JSBとして、さらなる若手研究者の発展と学会誌への投稿を期待しているからです。そのために、
本大会での発表と積極的な議論を通じて、自分の研究をブラッシュアップしてもらいたいと念じています。
最後になりますが、実行委員の先生方はもとより、協賛企業の方々、そして立命館大学に対して、感謝の意を表しま
す。そして、参加者自らが学会を盛り上げるような活気ある大会になることを祈念し、会長挨拶とさせていただきます。
―2―
組織委員長挨拶
JSB2016組織委員長
伊坂 忠夫(立命館大学)
第24回日本バイオメカニクス学会大会を、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)
にて、2016年 9 月12日~ 9 月14日の 3 日間、開催する運びとなりました。バイオメカニクスの
分野ならびに関連分野の研究者ならびに学生の皆さんが、一同に介して研究成果を持ち寄り、議論し、新しい知見の共
有とさらなる研究発展のきっかけとなる大会になるように、大会関係者一同心より願っております。
本大会では『未来のバイオメカニクスを解く』を大会テーマに掲げ、一般研究発表、基調講演、シンポジウム、アワー
ド報告などを企画させていただきました。誰もが未来を予想し、イメージすることはできますが、未来は必ずしもその
予想通りにはなりません。ただし、これまでの歴史を眺めてみたとき、「イメージできたこと」を創造し実現してきた
のが人類です。その代表例がテクノロジーの進歩・進化であるといえます。そして、そのテクノロジーの進歩・進化が、
より急速になってきていることは誰もが感じているところです。アポロ11号が月面着陸したのは1969年ですが、そのと
きの制御に使われたコンピュータの性能、容量よりも、いま皆さんが使っているスマートフォンの方が遙かに凌駕して
います。テクノロジーの発展の底流には、より良い生活を手に入れたい、もっと便利に、という人々のニーズがありま
す。さらに、現代はニーズを超えたハイスペックなテクノロジーが溢れる時代です。そのような時代において、人間の
営み、社会行動、法律、制度などは影響をうけ、その影響は今後ますます強くなると予想されます。
我々が研究対象とするスポーツ動作、日常生活動作、トレーニング、健康づくりは、すべて人間が対象であり、この
バイオメカニクス研究においても、関連するテクノロジーはさらに急速に進み、これまでには困難であったデータ取得、
解析が格段に進むようになります。そのような研究環境の発展は「何をリサーチクエスチョンとして設定し、解くのか?」
という研究の本質に今一度立ち返ることを求めます。しかも、身の回りには予想もしない性能をもったテクノロジーが
あり、その潜在力が発揮されるのを待っている状況にあります。このような中で、『未来のバイオメカニクス』の研究
方向はどのようになるのか、どのようなことが可能になるのか、明らかにすべき未来の課題は何かを、この機会に議論
できる大会となることを願っています。
もちろん、未来は不確実です。誰も正確な予想は困難であり、論理的には『未来のバイオメカニクスを解く』ために
は膨大な未知数、予測不能の項を含んだ式を解くことが求められ、正確な未来像を描ききることはできないことになり
ます。ただ、人類ならびに研究の発展は、明確なビジョンとそこへ向けての行動によって積み上げられてきました。こ
のことより未来に解決すべきバイオメカニクス研究をそれぞれが設定し、それぞれの『未来のバイオメカニクスについ
てビジョン』を持ちより、語り、議論し、洗練し、共有する学会大会になることを心から願って、大会テーマとさせて
もらいました。未来のバイオメカニクスを希求する、あるいは貢献する皆様にご参集いただき、未来の担い手である若
手研究者、長年この分野を支えていただいている研究者が、縦横無尽に交流し、大会テーマに導かれるような議論のう
ねりが生じることを心より願っております。
最後になりましたが、本学会大会開催にあたりまして多くの方々にご協力・ご支援をいただいております。この学会
大会の母体であります日本バイオメカニクス学会の会長、理事長をはじめとする各委員の先生方、ならびに 2 年前より
大会準備にご尽力いただいた実行委員会の先生方、ご協賛いただきました企業の方々、本学関係者などを含めまして多
くのご支援とご協力をいただいております。ここに改めて感謝申し上げます。
知的興奮の渦巻く 3 日間になりますよう心より祈念し、挨拶の言葉とさせていただきます。
―3―
大会組織
学 会 長
深代千之(東京大学)
組 織 委 員 会 委 員 長
伊坂忠夫(立命館大学)
組織委員会副委員長
桜井伸二(中京大学)
実行委員長
長野明紀(立命館大学)
事 務 局 長
栗原俊之(立命館大学)
実 行 委 員
石川昌紀(大阪体育大学)
大塚光雄(立命館大学)
小田俊明(兵庫教育大学)
神崎素樹(京都大学)
小林雄志(立命館大学)
佐藤隆彦(立命館大学)
塩澤成弘(立命館大学)
篠原康男(立命館大学)
正田 悠(立命館大学)
谷本道哉(近畿大学)
樋口貴俊(福岡工業大学)
福谷充輝(University of Calgary)
藤林献明(びわこ成蹊スポーツ大学)
藤本雅大(立命館大学)
保原浩明(産業技術総合研究所)
本城豊之(防衛大学校)
吉岡伸輔(東京大学)
○大会事務局
〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1
立命館大学スポーツ健康科学部
第24回日本バイオメカニクス学会大会事務局
電話:077-561-2791(代表)
E-Mail:[email protected]
―4―
アクセスガイド
JSB2016
会場(立命館大学 びわこ・くさつキャンパス)案内図
正門
バス停
エポック立命21
ユニオンスクエア
受付
企業展示 会場
ポスター設置 会場
ラボツアー 集合場所
休憩所
懇親会 会場 (2F)
生協ショップ・食堂(1F)
ラルカディア
特別講演 会場
口頭発表 会場
ポスター口頭発表 会場
総会 会場
エポック立命21・ラルカディアへはバス停から陸上競技場外周の歩道に沿ってお進みください
―5―
会場案内図
会場案内(ラルカディア)
インテグレーションコア
道路
ラルカディア
出入口
A会場
B会場
レンガ敷き
出入口
A会場(R101)
・9/13-14:口頭発表 会場
・9/13-14:ポスター口頭発表 会場
B会場(R102)
・9/12:ポスター口頭発表 会場
・9/13-14:口頭発表 会場
C会場(R103)
・9/12:開会式 会場
特別講演 会場
口頭発表 会場
・9/13:口頭発表(国際セッション)会場
特別講演 会場
総会 会場
・9/14:口頭発表 会場
閉会式 会場
―6―
C会場
エポック立命21 へ
会場案内(エポック立命21)
ロビー
・9/12-14:企業展示 会場
受付
ラボツアー 集合場所
エポックホール
・9/12-14:ポスター設置 会場
休憩所
ラルカディア へ
出入口
道路
エポックホール
ロビー
バス停 へ
エポック立命21
―7―
参加者へのご案内
参加者へのお知らせとお願い
1 .総合受付
受付は「エポック立命21」 1 階ロビーです。受付時間は、下記の通りです。
【第 1 日目】 9 月12日(月) 9 時00分~18時30分
【第 2 日目】 9 月13日(火) 8 時30分~18時30分
【第 3 日目】 9 月14日(水) 8 時30分~15時00分
事前申込をされた方は、受付時にネームカードをお受け取りください。
(※大会参加費をお納めになった方には領収書を発行いたします。)
2 .当日参加受付
当日参加の場合は、受付にて参加申込用紙に必要事項をご記入の上、該当する参加費(会員10,000円、非
会員11,000円、学生5,000円)をお支払い下さい。学生の方は、学生証をご提示下さい。学生証の提示がない
場合は、一般会員及び非会員扱いとなります。
3 .ネームカード
受付時にネームカードをお渡しいたしますので、大会期間中は必ず身につけて下さい。当日参加の方は、
所定欄に所属と名前をご記入下さい。
4 .懇親会
大会第 2 日目( 9 月13日)、19時から「ユニオンスクエア」 2 Fにて懇親会を開催いたします。参加費は
一般3,000円、学生は1,000円です。
懇親会の受付は、大会受付にてお申し込みできます。不参加で事前登録された場合でも、懇親会費を学会
受付に現金でお支払い下されば参加可能です。
5 .総会
大会第 2 日目( 9 月13日)、11時45分からC会場(「ラルカディア」 1 階R103)におきまして、日本バイオ
メカニクス学会総会を開催いたします。
6 .休憩所・交流会場
「エポック立命21」 1 階エポックホール内の休憩・打ち合わせスペースをご利用ください。
7 .機器展示
大会期間中、「エポック立命21」 1 階ロビーにおいて、協賛企業による機器展示を行っております。是非、
お立ち寄り下さい。
8 .交通手段
駐車場はご利用いただけません。公共交通機関をご利用ください。
9 .大会事務局
大会事務局は、「エポック立命21」 1 階ロビーに設置しております(受付と兼務)。お問い合わせ等は事務
局までお願いいたします。また、スタッフは専用ポロシャツを着用しておりますので、お気軽にお声をお掛
けください。
―8―
発表者へのご案内
発表者へのお知らせとお願い
1 .口頭発表者の方へ
1 )発表時間及び発表方法
発表時間10分、質疑応答 4 分の計14分です。演者交代時間 1 分。
第 1 鈴 8 分
第 2 鈴 10分
第 3 鈴 14分
発表および討論は座長の指示に従い、時間厳守でお願いいたします。
学会にて各会場にパソコン、レーザーポインターを準備致します。
発表時は会場に設置されているパソコンを御使用いただきます(資料は事前に転送いただきます)。
2 )発表前の手続き
①大会第 1 日目( 9 月12日)に発表の方は当日10:00までに、大会第 2 日目( 9 月13日)、大会第 3 日目( 9
月14日)に発表の方は発表日の前日までに「エポック立命21」 1 階エポックホール(受付奥のホール)
内の専用ブースにて口頭発表用のプレゼンテーション資料を学会のパソコンへと転送してください。
②ご自身の発表開始60分前までには、大会受付にて受付を完了ください。
③ご自身の発表 5 分前には各会場の「次演者席」にてご待機ください。
3 )注意事項とお願い
・会場にてご用意させていただくPCのOSはWindows7(32bit)です。また、発表にはMicrosoft Officeの
PowerPoint2013を使用いたします。プレゼンテーション資料を作成されるにあたってご留意ください。
・動画を使用される場合はPowerPointに埋め込んでください。
・発表データの転送には光学メディア(CD-R, DVD-R)やUSBメモリを使用ください。その際、USBメ
モリはウィルスチェックを済ませたものをご使用くださいますようお願い申し上げます。
2 .ポスター発表者の方へ
1 )ポスター作成の案内
ポスターのサイズはA0版(縦120cm×横90cm) 1 枚です。
2 )ポスター掲示時間の案内
発表当日の8:30~10:00の間に所定の場所にご掲示ください。
ポスター会場は「エポック立命21」 1 階エポックホール(受付奥のホール)です。
ポスターを固定するための押しピンは学会にてご用意いたします。
3 )ポスター発表時間の案内
担当されるポスター発表時間中は各自のポスター前に立ち、質疑応答をお願いいたします。
第 1 日目( 9 月12日(月)) 17:30〜18:30
第 2 日目( 9 月13日(火)) 17:45〜18:45
第 3 日目( 9 月14日(水)) 14:00〜15:00
発表後は各自でポスターを撤収下さいますようお願い申し上げます。
―9―
4 )ポスター発表のミニプレゼンテーションの案内
ポスター発表に先立ち、口頭による 2 分間のミニプレゼンテーションを行っていただきます。(演者の交
代時間 1 分)
各日のミニプレゼンテーション時間と会場は下記の通りです。セッション開始 5 分前には席にてご待機く
ださい。
第 1 日目( 9 月12日(月)) 11:00〜 B会場(R102)
第 2 日目( 9 月13日(火)) 13:30〜 A会場(R101)
第 3 日目( 9 月14日(水)) 11:10〜 A会場(R101)
口頭説明時間 2 分を過ぎましたら直ちに次の演者の方へ交代していただきます。
3 .アウォード報告者の方へ
平成24・25年度国際助成対象者は、ポスター会場(「エポック立命21」 1 階エポックホール)にてポスター
掲示をお願いします。ポスターのサイズはA0版(縦120cm×横90cm) 1 枚です。ポスターは担当日の8:30
~10:00の間に所定の場所にご掲示ください。担当日のポスター発表時間は、ポスター前にて質疑応答をお
願いいたします。
4 .座長及び司会者の先生方へ
ご担当いただくセッション開始10分前までに会場へお越しください。
大会運営の関係上、定められた時間内での進行をお願い致します。
― 10 ―
大会スケジュール
9月12日(月)
8:00
B(R102)
9月13日(火)
C(R103) エポックホール
A(R101)
B(R102)
9月14日(水)
C(R103) エポックホール
A(R101)
B(R102)
C(R103) エポックホール
受付
受付
9:00
9:00~9:45
口頭発表①
9:00〜10:00
受付
9:00~9:45
口頭発表②
9:00~9:45
国際セッション①
9:00~9:45
口頭発表⑤
9:00~9:45
口頭発表⑥
9:00~9:45
口頭発表⑦
10:00
10:00〜10:50
開会式
10:00~11:00 10:00~11:00
口頭発表⑧ 口頭発表⑨
10:00~11:30
特別講演Ⅱ
(Prof.
Herzog)
11:00
11:00~11:54
ポスター発表①
(口頭セッション)
12:00
11:10~12:01
ポスター発表③
(口頭セッション)
11:45~12:30
総会
昼食(理事会、ラボツアー)
昼食(ラボツアー)
13:00
昼食(ラボツアー)
13:00〜14:00
特別講演Ⅰ
(山崎直子先生)
14:00
15:00
13:00~14:00 13:00~14:00
口頭発表⑩ 口頭発表⑪
13:30~14:21
ポスター発表②
(口頭セッション)
14:00~15:00
ポスター発表③
(ポスターセッション)
14:15~15:45
奨励賞
セッション
①
14:30~16:00
奨励賞
セッション
(国際)
15:00~16:00
閉会式
16:00
17:00
18:00
16:00~17:30
奨励賞
セッション②
16:15~17:15 16:15~17:15
口頭発表③ 口頭発表④ 16:15~17:45
国際
セッション②
17:30~18:30
ポスター発表①
(ポスターセッション)
17:45~18:45
ポスター発表②
(ポスターセッション)
19:00
懇親会(90分、20時30分に終了)
20:00
― 11 ―
特別講演①
山崎 直子(宇宙飛行士/立命館大学客員教授)
9月12日(月)13:00〜14:00(C会場(R103)
)
宇宙から考える未来のバイオメカニクス
9月12日(月)
特別講演Ⅰ
9 月12日(月)13:00〜14:00 R103教室
宇宙から考える未来のバイオメカニクス
講演者:山崎 直子(宇宙飛行士/立命館大学客員教授)
座 長:伊坂 忠夫(立命館大学)
宇宙旅行時代の幕開けが近づき、国際的に月や火星への有人探査も検討されている中、人はどのように宇
宙で過ごすようになるのでしょうか。実際に無重力状態に身をおくと、歩かないで済むため足の筋肉が減り、
骨の密度も減少していくため、それらを防ぐための運動療法が採られています。また、背骨のすき間が広が
り数cmほど身長が高くなり、体液は頭の方により移動します。地上の重力下で形づくられてきた人間も、
重力環境が変化すれば、その形態は変わってくるのです。宇宙におけるバイオメカニクスを考えることで、
より広い視点で未来のバイオメカニクスを捉えることにつながることを期待しています。
【講演者紹介】
千葉県松戸市生まれ。
1999年国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年認定。
2004年ソユーズ宇宙船運航技術者、2006年スペースシャトル搭乗運用技術者の資格を取得。
2010年 4 月、スペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙へ。ISS組立補給ミッションSTS-131に従事した。
2011年 8 月JAXA退職。
内閣府宇宙政策委員会委員、日本宇宙少年団(YAC)アドバイザー、松戸市民会館名誉館長、立命館大学およ
び女子美術大学客員教授、ふたばの教育復興応援団などを務める。
著書に「宇宙飛行士になる勉強法」(中央公論新社)、「夢をつなぐ」(角川書店)、「瑠璃色の星」(世界文化社)
など。
― 14 ―
9月13日(火)
Walter Herzog(Faculty of Kinesiology, University of Calgary)
9月13日(火)10:00〜11:30(C会場(R103)
)
Muscle Mechanics and Muscle Properties for
Optimizing Sport Performance
特別講演②
特別講演Ⅱ
9 月13日(火)10:00〜11:30 R103教室
Muscle Mechanics and Muscle Properties for Optimizing Sport Performance
講演者:Walter Herzog
(Faculty of Kinesiology, University of Calgary, Calgary, Canada)
座 長:長野 明紀(立命館大学)
Muscles produce movements, and performance in many sport disciplines depends on the force, work,
and power output of muscles. Despite the known relationship between muscle mechanics and sport
performance, little is known about the mechanical properties of in vivo human skeletal muscles, and little
effort has been expended to include muscle mechanics into the training of athletes and improvement of
performance.
There are three well-known and acknowledged mechanical properties of skeletal muscles: the force1
2
3
length , the force-velocity , and the history-dependent properties . In order to take full advantage of a
muscles work capacity and power output, muscles should be working on the plateau of the force-length
relationship, shorten at the optimal speed, and take full advantage of the residual force enhancement
4, 5
properties . Furthermore, optimal performance often also depends on the intricate interaction of
tendinous and contractile elements.
Cycling is an ideal sport to study the optimal use of muscles. We found that chronic cycling is
6
associated with distinct changes in the force-length properties of muscles , and that sprint cyclists use
biking positions, crank lengths and gear ratios that maximize the power output of the lower limb muscles.
Cross-country skiing is much more difficult than cycling for identifying optimal muscle use.
Nevertheless, the intricate interaction of arms and legs in the various skiing gates offers interesting
considerations based on muscle mechanics, because the arms (poles) must work at a greatly increased
frequency with increasing skiing speeds while the leg (ski) stepping frequency is virtually independent of
7
the skiing speed . This difference in arm and leg action results that propulsion is primarily provided by the
arms when skiing at intermediate speeds, while propulsion comes primarily from the legs for slow and
7
fast speeds of skiing .
References
1. Gordon, A. M. et al., Journal of Physiology (London) 184 (1966): 170-92.
2. Hill, A. V. “The heat of shortening and the dynamic constants of muscle.” Proceedings of the Royal Society London 126 (1938):
136-95.
3. Abbott, B. C. and X. M. Aubert, Journal of Physiology (London) 117 (1952): 77-86.
4. Lutz, G. J. and L. C. Rome, Science 263 (1993): 370-72.
5. Herzog, W., Journal of Applied Physiology 116.11 (2014): 1407-17.
6. Herzog, W., et al., Medicine and Science in Sports and Exercise 23 (1991): 1289-96.
7. Herzog W, et al. (2015) Energetic considerations in cross-country skiing. Sports Performance. Springer, Tokyo, Japan pg(s) 247260.
【講演者紹介】
Walter's research is focused on the neuro-biomechanics of the musculoskeletal system. Expertise is in the
area of growth, healing, and adaptation of soft (ligament, tendon, muscle, and articular cartilage) and hard
(bone) tissues. Within this area, work is carried out experimentally and theoretically at molecular/cellular,
in vitro, in situ and in vivo levels. It also includes cell manipulation and mechanical testing, and finite
element modeling, continuum mechanics, simulations and theories of growth and adaptation.
― 16 ―
アウォード報告
P1-AW-1 大島 雄治 筑波大学大学院
Dynamics of support hip joint during maximal velocity sprinting
P1-AW-2 木下まどか 筑波大学大学院
Biomechanical analysis of taekwondo roundhouse kick focused on
phase before toe off
P1-AW-3 宮崎 彰吾 筑波大学大学院
Biomechanical analysis of rotation strategy of backward somersault
in artistic gymnastics
P2-AW-4 成田 健造 筑波大学大学院
Comparing whole stroke and arm only in front crawl at the swimming efficiency
P2-AW-5 久野 峻幸 大阪体育大学
Musculotendinous mechanical properties and lower limb morphology
in track and field athletes
P2-AW-6 高橋 和孝 筑波大学大学院
The characteristics of hitting motion using bats having different
length and mass but equal moment of inertia
P2-AW-7 吉田 拓矢 筑波大学大学院
Development of mutistep drop jump test by using different drop
heights
Unique activation of the rectus femoris during knee extension with or without
hip extension: implications for the training specificity of the quadriceps femoris
P3-AW-9 佐渡 夏紀 東京大学大学院
The role of torsional rotation of trunk in sprint running
P3-AW-10 辻本 典央 福井工業大学
Primary factors affect foot eversion dynamics during stance phase of
running
Award Presentations
P3-AW-8 江間 諒一 芝浦工業大学大学院
【発表学会】32nd International Conference of Biomechanics in Sports
P1-AW-1
Dynamics of support hip joint during maximal velocity sprinting
Yuji Ohshima and Norihisa Fujii
1: Doctoral Program in Physical Education, Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba,
Japan
2: Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
1
2
INTRODUCTION: The purpose of this study was to perform a 3D analysis to investigate the influence of
pelvic rotation on sprinting ability, and to clarify the relationship between the pelvic rotation and 3D hip
joint torque of supporting leg.
METHODS: Eight male sprinters ran 60m with the maximal effort from a standing start position. GRFs of
the right support phase was obtained with a force platform was placed at the 50-m mark form the start
position. At the same time, 3D coordinates of 47 reflective markers on a body were recorded with a
motion analysis system. The lower trunk angle in the horizontal plane was defined as shown in Figure 1.
The joint torque of right hip was calculated using an inverse dynamics.
RESULTS and DISCUSSION: Running velocity was 9.24 ± 0.33 m/s. As shown in Fig.2, from 85% to 96%
of the support phase, there was a marginally significant negative correlation between running velocity
and backward angular acceleration of the support-side lower trunk. As shown in Fig.3 and Fig.4, hip
adduction torque of support leg accelerated the forward rotation of pelvis. From those results, it might
be necessary for diminishing deceleration of the lower trunk angular acceleration to exert the large hip
joint adduction torque of support leg during the terminal phase.
― 18 ―
【発表学会】32nd International Conference of Biomechanics in Sports
P1-AW-2
Biomechanical analysis of taekwondo roundhouse kick focused on phase
before toe off
Kinoshita, M. and Fujii, N.
1: Doctoral Program in Physical Education, Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba,
Japan
2 : Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
1
2
INTRODUCTION: Taekwondo is a Korean martial arts characterized by a diverse array of kicking
techniques. Some studies have demonstrated mechanism of roundhouse kick (Figure 1) concerning the
kicking leg in the dynamic phase (LEGUP and STRIKE phases) from the toe-off to target contact.
However, the motion before the toe-off (READY phase) is critical to kick fast, because the initial motion
affects the succeeding motion. The purpose of this research was to analyze the biomechanical
mechanisms of the lower half of the body in READY phase, especially the techniques for producing
faster kicking speed and shortened time of kicking.
METHOD: Thirteen male Japanese Taekwondo athletes exerted the experiment trials consisted of
roundhouse kick to a target with a preferred leg. The 3D coordinates of the reflective markers on body
segments and the target were captured by a motion capture system, and the ground reaction forces
were measured by two force platforms. Kinematics, kinetics, and energetics data were calculated.
RESULTS AND DISCUSSION: GOOD group can generated the largest mechanical energy by hip joint of
support leg and transfer the mechanical energy to pelvis efficiently. Hip joint extension of the support
leg is a key factor to generate larger mechanical energy. At the same time, in order to transfer energy
efficiently through the hip joint extension of support leg, it is critical for the hip joint of support leg to
be adducted and rotated externally before the hip joint is extended because motion of adduction and
external rotation make the suitable posture as it is easy for extension of hip joint to produce the
translational velocity of pelvis (Figure 2).
Figure 1 Roundhouse kick.
Figure 2 Angular velocity of hip joint of support leg.
― 19 ―
【発表学会】32nd International Conference of Biomechanics in Sports
P1-AW-3
Biomechanical analysis of rotation strategy of backward somersault in
artistic gymnastics
Shogo Miyazaki and Norihisa Fujii
1: Doctoral Program in Physical Education, Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba,
Japan
2: Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
1
2
INTRODUCTION: The previous biomechanical studies during the airborne phase are less than those of
takeoff and landing phases. The purpose of this study was to examine the rotation strategy used by
gymnasts to successfully land backward somersault.
METHODS: Three-dimensional data of the gymnasts performing backward-tucked somersault from a box
were collected using Vicon MX+ system operating at 250 Hz. We defined the trial in which the gymnast
moved with forwards step or hop after landing as “Forward”, backwards step or hop as “Backward”, no
step or hop as “OK”. The instant in which the moment of inertia of the whole body reached the
minimum value was used to divide the airborne phase into ‘Close phase’ (CL) and ‘Open phase’ (OP)
(Figure 1).
RESULTS: Table 1 shows the duration time and the body rotation of each phase. The CL time of
“Backward” was longer than that of “OK”, and the OP time of “Backward” was shorter than that of
“OK”. In the same way, the CL rotation of “Backward” was larger than that of “OK” and the OP rotation
of “Backward” was smaller than that of “OK”. There was no difference among duration times of all
phases between “Forward” and “OK”. On the other hand, the rotation of “Forward” was smaller than
that of “OK” in all phase.
DISCUSSION: One of the factors determining the body rotation during the airborne phase is the change
in the moment of inertia during the airborne phase. The parameters at takeoff had a little difference
between “Forward” or “Backward” and “OK” (Table1). It was suggested that the change in the moment
of inertia during the airborne phase had greatly affect the success or failure of landing. Since the results
of phase rotation and phase time showed similar in the case of “Backward”, it was considered that the
difference of the body rotation by moment of inertia was dependent on the timing of switching from CL
to OP (Table 1).
Figure 1
Table 1
― 20 ―
【発表学会】12th International Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming
P2-AW-4
Comparing whole stroke and arm only in front crawl at the swimming
efficiency
Kenzo Narita , Yasuo Sengoku , Hideki Takagi , Shozo Tsubakimoto
1: Graduate School of Comprehensive Human Science, University of Tsukuba, Japan
2: Faculty of Health and Sport Science, University of Tsukuba, Japan
1
2
2
2
Introduction: It has not been yet revealed how using lower limbs during front-crawl influences swimming
efficiency that was calculated by the rate of consumed energy and work moving forward (swimming
speed × drag force). Toussaint et al. (1988) researched mechanical efficiency (≠swimming efficiency)
by using MAD-system that was performed by pushing the pad, which is rigid-body, but not water.
Furthermore, this was performed arm only swimming without lower limb motions. The purpose of this
study was to investigate how lower limb motions affect to the swimming efficiency from the comparison
between whole stroke with lower limb motions and arm only stroke by measuring drag force at submaximal intensity.
Methods: Three elite male swimmers participated in this study. Two trials which the whole stroke and
arms only (fixed ankles and supported thighs by a small buoy) in front crawl swimming were performed
-1
in the circulating water channel at 1.2 ms . Drag forces and oxygen uptake during swimming were
measured to calculate swimming efficiency and energy cost. Drag forces were measured by reference
1)
to Takagi et al. . This method calculated drag forces during swimming from residual thrust (thrust
minus the active drag; Tr) that was measured while each flow velocity (V) with at a certain velocity
1)
maintained. The Tr and V date were least-squares fitted to regression formula Eq. (1) (Takagi et al. ).
n
Tr = T0 {1- (V / V0) }
(1)
Where T 0 means the thrust at a certain velocity maintained when velocity equals zero, V 0 is
the theoretically achievable swimming velocity when the residual thrust equals zero and n is an
experimental constant.
Results: There was not much difference for swimming efficiency between whole stroke (5.0%) and arms
only (4.7%). In the drag force, whole stroke value (56.0 N) was higher than arm only (40.1 N). For the
-1
energy cost that indicates swimming economy, whole stroke value (1109Jm ) was higher than arm only
-1
(847Jm ).
Conclusions: Comparing the present study to previous study , the values of drag forces were almost same
value. Thus it is suggested that a methodology of the present study seems to be appropriate.
According to the results, the front crawl swimming with or without lower limb motions showed
almost similar swimming efficiency, and swimming with lower limbs showed higher energy cost than
swimming with lower limbs.
2)
References: 1) T
akagi H, Shimizu Y, Kodan N, A hydrodynamic study of active drag in swimming, JSME
international journal (42), 171-177, 1999
2) Toussaint HM, Knops W, Groot GD, Hollander AP, The Mechanical efficiency of front crawl
swimming, Medicine and Science in Sports and Exercise (22), 402-408, 1990
― 21 ―
【発表学会】20th Annual Congress of European College of Sport Science
P2-AW-5
Musculotendinous mechanical properties and lower limb morphology in
track and field athletes
Hisano, T. , Kusumoto, K. , Sano, K. , Makino, A. , Maitani, A. , Kunimasa, Y. , Akihara, Y. ,
3
1
Oda, T. , Ishikawa, M.
1: Osaka University of Health and Sport Sciences (Osaka,Japan),
2: Kurashiki University of Science and the Arts (Okayama,Japan),
3: Hyogo University of Teacher Education (Hyogo,Japan)
1
2
1
1
3
1
3
Introduction: Training methods and types of the movements of track and field athletes are different
depending on athletic events. It is expected that mechanical properties of muscles and tendons would be
affected by different track and field events. Therefore, the purpose of this study was to examine
mechanical properties of both muscle and tendon tissues of triceps surae for different competitive track
and field athletes.
Methods: Eleven sprinter (SP : 19 ± 1 years, 1.74 ± 0.05 m, 61.7 ± 5.6 kg), 12 long-distance runners (LD:
20 ± 1 years, 1.70 ± 0.07 m, 55.8 ± 6.6 kg), 12 jumper (JU: 20 ± 1 years, 1.75 ± 0.05 m, 64.7 ± 3.8 kg)
and 8 thrower (TH: 20 ± 1 years, 1.73 ± 0.06 m, 84.6 ± 3.6 kg) participated in this study. Passive ankle
joint torque were measured during passive dorsiflexion of each 10°from the 20°plantar-flexion position
to 10°dorsiflexion position. During passive movements, the fascicle elongation of medial gastrocnemius
(MG) was measured by B-mode ultrasonography and then passive muscle stiffness was calculated. By
using the same method as Kubo et al. (2001), MG tendinous tissues stiffness was measured during the
ramp maximal voluntary isometric planter flexion. The MG fascicle length, pennation angle and crosssectional area (CSAAT) of Achilles tendon and patella tendon length, CSAPT were evaluated by B-mode
ultrasonography.
Results: During passive movements (20 °→10 °), passive stiffness of MG was significantly higher in TH
than in all other groups. There were significant differences of the mechanical properties of MG fascicle
and tendinous tissues between competitive track and field athletes. The MG length tends to be short in
TH than in all other groups. The CSAAT was smaller in LD than in all other groups. The CSAPT was
significantly higher in SP than in all other groups.
Discussion: These differences between groups could be related to specific training program to lower legs
for each group, such as high impact stress with the short contact time in SP and JU, and low impact
stress but high volume in LD, and high impact stress with long contact in TH.
References: Keitaro, Kubo., Hiroaki, Kanehisa., Tetsuo, Fukunaga. (2001) Eur J Appl Physiol 85: 226-232
― 22 ―
【発表学会】25th Congress of the International Society of Biomechanics
P2-AW-6
The characteristics of hitting motion using bats having different length and
mass but equal moment of inertia
Kazutaka Takahashi , Kensuke Yamada , Yasushi Kariyama , Ryohei Hayashi , Takuya Yoshida ,
1
4
Amane Zushi and Koji Zushi
1: Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
2: Jishukan Senior High School
3: Faculty of Sport Sciences, Yamanashi Gakuin University
4: Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba
1
2
3
1
1
PURPOSE: The purpose of this study was to investigate the characteristics of hitting motion when using
training bats with altered length and mass.
METHODS: Eleven male collegiate baseball players performed tee batting with maximal effort. Four
different long bats (1LB; 0.95 m: 0.90 kg, 2LB; 1.10 m: 0.90 kg, 3LB; 1.25 m: 0.90 kg, 4LB; 1.40 m: 0.90 kg,
respectively) and four different weight bats (1WB; 0.84 m: 1.28 kg, 2WB; 0.84 m: 1.70 kg, 3WB; 0.84 m:
2.20 kg, 4WB; 0.84 m: 2.75 kg, respectively) that had the equal moment of inertia (MOI) were
manufactured based on a normal bat (NB; 0.84 m, 0.90 kg). The hitting motion was analyzed using a
VICON (250 Hz) to collect nine reflective markers fixed on the body and bat.
5050
4545
4040
3535
3030
LB
WB
25
25
Angular displacement of
trunk twist in NB – 4LB(deg.)
5555
20
20
Angular displacement of
trunk twist in NB – 4LB(deg.)
Angular displacement of trunk twist (deg.)
RESULTS and DISCUSSION: The angular displacement of the trunk twist tended to be larger in LB
with increasing MOI (Figure 1). And it was remarkable in subjects with smaller angular displacement of
trunk twist in NB (Figure 2). Thus, compared to WB, LB may contribute to a larger angular
displacement of trunk twist, particularly in players with smaller angular displacement of trunk twist in
NB.
15
15
10
10
25
P < 0.05
20
15
10
5
0
-5
-10
larger
smaller
y = -0.70x + 33.13
r = -0.535
n = 11
p < 0.1
55
00
-5-5
-10
-10
Figure 1 Angular displacement of trunk twist in each bat.
― 23 ―
20
20
30
30
40
40
50
50
Angular displacement of trunk twist in NB (deg.)
60
60
Figure 2 Relationships in the angular displacement of
runk twist between NB and 4LB-NB.
【発表学会】33rd International Conference of Biomechanics in Sports
P2-AW-7
Development of mutistep drop jump test by using different drop heights
Takuya Yoshida , Yasushi Kariyama , Ryohei Hayashi , Kazutaka Takahashi , Amane Zushi ,
2
and Koji Zushi
1: Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
2: Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba
3: School of Health and Physical Education, University of Tsukuba
1
2
1
1
3
INTRODUCTION: The drop jump (DJ) test is used to evaluate SSC performance ability in athletes.
Previously, The DJ test at drop heights of 0.3–0.7 m has been used to compare performance. However,
during take-off in jumping events, the ground reaction force can reach more than 10 times the athlete’s
body weight. This degree of ground reaction force may exceed that resulting from a DJ test at drop
heights of 0.3–0.7 m. Although previous studies have examined the drop heights of DJ tests, the unified
optimum height has not yet been clarified. In the present study, to evaluate the performance of elite
jumpers, the DJ test was applied with drop heights changing in multiple-step form. Furthermore, the
test included a drop height of 1.2 m, higher than the conventional 0.3–0.7 m. The purpose of this study
was to evaluate the usefulness of a new evaluation method, by investigating the change in DJ test
performance, ground reaction force, and lower limb joint kinetics with increasing drop height.
METHODS: The study participants were 10 male jumpers (age, 19.5 ± 0.7 years; height, 175.8 ± 6.6 cm;
body mass, 68.0 ± 3.3 kg, mean ± SD). The subjects performed the DJ test from 4 drop jump dropping
heights (0.3 m, 0.6 m, 0.9 m, and 1.2 m). The DJ index was calculated by dividing the jump height by the
contact time. The rate of decrease of the DJ index was the slope/intercept (a/b) of the regression line (y
= ax + b). Kinetics data Calculated from a high speed camera (300 Hz) and a force platform (1000 Hz).
RESULTS AND DISCUSSION: As average change aspect, DJ-index was highest at 0.6 m and lowest at 1.2
m (Figure). Maximum ground reaction force increased as the drop height increased. Joint work and
relative work showed that the ankle has the large work at all drop heights, but the work at hip joint
increase with increased drop heights, and the contribution of the hip joint at 1.2 m was large. As
individual change aspect, Sub. A (Figure●, High jumper who won a bronze medal in the World Junior
Championships with a jump of 2.24 m) showed that The DJ-index for at 0.3 m was close to the mean
value, but at 1.2 m was the highest among all the subjects. The jump height for this athlete increased
with increasing drop height. Moreover, when the stretch load increased, relative work did not change
and the work in the three lower extremity joints increased. In contrast, Sub. B (Figure▲, Long jumper
with a jump distance of 6.96 m) showed that DJ-index at 0.3 was the highest value among all the
subjects, but DJ-index decreased greatly from 0.3 m to 1.2 m. Moreover, at all dropping height, the ankle
Figure: DJ index, contact time, and jumping height for each drop height.
― 24 ―
work and relative work had been large, but that in the hip joint had been extremely small. IAAF score
and DJ-index significant correlation between these variables only for DJ1.2 m. IAAF score and the rate
of decrease of the DJ-index was a significant relationship between these variables. Therefore, to
optimally evaluate lower limb exertion ability in jumpers, it is important to use the DJ test at a higher
stretch load, rather than the DJ test at a lower stretch load. Furthermore, it is important to note that
the DJ-index did not decrease from a lower stretch load to a higher stretch load.
― 25 ―
【発表学会】7th World Congress of Biomechanics
P3-AW-8
Unique activation of the rectus femoris during knee extension with or without
hip extension: implications for the training specificity of the quadriceps femoris
Ema, R. , Sakaguchi, M. , Kawakami, Y.
1: Graduate School of Engineering and Science, Shibaura Institute of Technology
2: Research Fellow of Japan Society for the Promotion of Science
3: Faculty of Sport Sciences, Waseda University
4: Human Performance Lab, Faculty of Kinesiology, University of Calgary
1, 2
3, 4
3
INTRODUCTION: We have showed that the hypertrophic response of the rectus femoris to a knee
extension training is greatest among the four muscles of the quadriceps femoris (Ema et al. 2013).
However, well-trained oarsmen and cyclists who repeat simultaneous extension of knee and hip joints in
their competitive and training activities, have comparable muscle volume of the rectus femoris to those
of untrained men, despite far greater volumes in the three vasti (Ema et al. 2014). It is hypothesized that
the activation of the rectus femoris during knee extension is decreased upon additional hip extension.
We tested this hypothesis through controlled experimental settings.
METHODS: The subject (9 males, 2 females) was secured resupine with the hip at 90˚, and extended the
knee to full extension from 90˚ in 5 seconds, while maintaining constant isometric hip extension torque
at an intensity of 0, 20, 50% of the maximal voluntary contraction (MVCHE) (constant hip extension
torque condition). In addition, while exerting constant isometric knee extension torque, the subject
performed a ramp isometric hip extension by increasing the torque from relaxation to the maximum in
5 seconds (ramp hip extension torque condition). In both conditions, a weight (equivalent to 10% of
maximal voluntary knee extension) was attached to the lower leg. Surface electromyographic (EMG)
signals were obtained from the vastus lateralis, vastus medialis, rectus femoris, and biceps femoris, and
the root mean square values of the EMG signals (RMS-EMG) during each trial were calculated.
RESULTS AND DISCUSSION: In the constant hip extension torque condition, RMS-EMG of the rectus
femoris was significantly higher in 0%MVCHE condition than in 20 and 50%MVCHE conditions. On the
other hand, RMS-EMGs of the vastus lateralis and vastus medialis were highest in 50%MVCHE
condition, and lower in 20%MVCHE and 0%MVCHE conditions in this order. In the ramp hip extension
torque condition, with increasing hip extension torque, RMS-EMG of the rectus femoris significantly
decreased whereas those of the vastus lateralis, vastus medialis, and biceps femoris significantly
increased. The current study demonstrates that the activation of the rectus femoris during knee
extension decreases with additional hip extension, and vice versa for the vastus lateralis and medialis.
The results suggest that in human movements, contribution of each of the quadriceps femoris to knee
joint torque depends on hip joint kinetics. This may be the reason for the muscle-specific adaption of the
quadriceps femoris induced by regular training in sport athletes. This study is a part of Ema et al.
(2016).
REFERENCES: Ema R, Wakahara T, Miyamoto N, Kanehisa H, Kawakami Y. Eur J Appl Physiol. 2013;
113: 2691-2703.
Ema R, Wakahara T, Kanehisa H, Kawakami Y. Int J Sports Med. 2014; 35: 293-297.
Ema R, Sakaguchi M, Akagi R, Kawakami Y. Eur J Appl Physiol. 2016; 116: 1031-1041.
― 26 ―
【発表学会】25th Congress of the International Society of Biomechanics
P3-AW-9
The role of torsional rotation of trunk in sprint running
Natsuki Sado , Senshi Fukashiro
1: the Department of Life Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan.
2: Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science
1, 2
1
Introduction and Objectives: The trunk, which anatomically has large muscles, is believed to play an
important role in the performance of a wide range of dynamic movements. However, the effect of trunk
kinetics on sprint running has not been examined. The purpose of the current study was to investigate
the effect of trunk kinetics on sprint running.
Methods: Twelve healthy, male sprinters performed 50 m sprint running with maximal effort. The motion
capture system with a synchronized force platform was used to collect kinematics and ground reaction
force data at approximately 40 m from sprint commencement. An inverse dynamics approach was used
to calculate forces and torques at the ankle, knee, hip, and lumbosacral joints. The joint torques at hip
and lumbosacral joints were projected onto the superior-inferior axis of the local coordinate system
defined at the pelvis. These projected components were referred to as contributory components to
pelvic rotation. The contributory components to pelvic rotation were integrated with respect to time
over the three phases in order to quantify the contribution of each joint torque.
Results & Discussion: The lumbosacral torsional rotation torque most largely contributed to pelvic
rotation during the late stance and flight phases (Fig. 1). The integrated contributory component from
the lumbosacral torsional rotation torque during the late stance (0.050 ± 0.019 Nms/kg) and flight phases
(0.127 ± 0.026 Nms/kg) was more than four times the integrated contributory component from each of
the other torques. Therefore, the pelvic rotation to the free-leg side from the mid-stance was primarily
attributed to lumbosacral torsional rotation torque.
The forward pulling force exerted by the pelvis on the stance-leg increased prior to toe-off (from -0.29
± 1. 45 N/kg to 4.66 ± 1.52 N/kg), through pelvic rotation to the free-leg side. It was suggested that
pelvic rotation to the free limb side assisted recovery of the stance-leg in sprinting. Also, the current
study found that the pelvic rotation to the free-leg side from the mid-stance was caused by the
lumbosacral torsional rotation torque. Therefore, the lumbosacral torsional rotation torque might
indirectly assist the leg recovery through its contribution to pelvic rotation.
Fig. 1 Ensemble averages of the contributory components to the pelvic rotation
― 27 ―
【発表学会】12th Biennial Footwear Biomechanics Symposium
P3-AW-10
Primary factors affect foot eversion dynamics during stance phase of
running
Tsujimoto, N. , Nunome, H. , Ikegami, Y.
1: Fukui University of Technology, Fukui, Japan
2: Fukuoka University, Fukuoka, Japan
3: Aichi Shukutoku University, Aichi, Japan
1
2
3
INTRODUCTION: Rearfoot eversion motion during running has been considered as a risk factor of
overuse running injuries. It can be considered that the rearfoot eversion motion is mainly induced by
the moment due to ground reaction force (GRF). However, to date, there are no studies focused on how
GRF produce the rearfoot eversion moment. The purpose of this study was to identify the primary
factors responsible for the rearfoot eversion moment due to GRF during stance phase of running
METHODS: Fourteen males who demonstrated a rearfoot contact pattern run through runway with 3.30
± 0.17 m/s in the laboratory. The moment due to GRF (Mtot) was computed, and Mtot was decomposed
into Mxy that is the moment due to medio-lateral component of GRF (Fxy) and Mz that is the moment
due to vertical component of GRF (Fz). Furthermore, the height of ankle joint center (aH) and mediolateral distance between the ankle joint center and the COP (a_cop) were extracted as the moment arm
for the production of these moments. Stance phase of running was divided into three phases (Figure 1).
For each subject, average magnitudes of Mxy, Fxy, aH, Mz, Mxy, a_cop for the three phases were
computed.
RESULTS AND DISCUSSION: During phase 1, large eversion moment of Mxy consistently exhibited
(Figure 1) and the magnitude was highly dependent on that of Fxy (Figure 2). Furthermore, we found a
strong correlation between the rearfoot medial velocity before foot contact and the magnitude of Fxy
during phase 1 (r = -0.84, p<0.01).
From the latter half of phase 1, the eversion moment of Mz initiated, exhibiting a large value till the
end of phase 3 (Figure 1) and the magnitude was highly dependent on that of a_cop (Figure 2).
Therefore, Medio-lateral foot velocity before heel contact and medio-lateral distance between the ankle
joint center and the COP throughout the first half of the stance phase were identified as primary factors
inducing the rearfoot eversion moment.
Max. vertical component
of GRF
Moment (N・m)
15
(+) eversion
5
0
-5
0
25
-10 Phase
-15
1
Phase
2
50
Phase
3
PhaseⅡ
r =0.99
PhaseⅡ
r =0.95
PhaseⅠ
r =0.97
PhaseⅢ
r =0.99
p<0.01
p<0.01
p<0.01
p<0.01
PhaseⅢ
r =-0.91
p<0.01
Toe off
Mtot
Mxy
Mz
10
p<0.01
75
100
( -) inversion
Mxy (N・m)
Heel contact
PhaseⅠ
r =0.99
Max. plantar flexion
moment due to GRF
-100
Time (%total)
Figure 1: Typical curve of rearfoot eversion moment
due to GRF
-50
8
20
6
15
4
10
2
5
0
0
-2
50
100
Mz (N・m)
Zero. plantar flexion
moment due to GRF
-10
-5
0
-4
-10
-6
-15
Fxy (N)
0
5
10
15
-5
a_cop (mm)
Figure 2: Relationships among factors and the rearfoot
eversion moment.
― 28 ―
奨励賞国際セッション
9月13日(火)14:30〜16:00(C会場(R103)
)
一般研究発表(奨励賞国際セッション)
9月13日(火)
一 般 研 究 発 表
奨励賞国際セッション
Young Investigator‘s Award (International Session)
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
14:30~16:00
奨励賞国際セッション
C会場(R103)
Chair: Masahiro Fujimoto (Ritsumeikan University)
14:30
O2C1430
Time-varying trunk dynamics during running
Shoma
Kudo
Ritsumeikan University
14:45
O2C1445
A Paralympic champion in T42 class chose an asymmetric
sprint strategy
Satoru
Hashizume
AIST
15:00
O2C1500
Transferability is a critical factor in attack-and-defend
sports competition in addition to accuracy and speed
Keisuke
Fujii
Nagoya University
15:15
O2C1515
Influence of active state and residual force enhancement
on the increase in joint torque by stretch-shortening cycle
Atsuki
Fukutani
University of Calgary
15:30
O2C1530
Medium latency reflexes control trunk muscles during
sitting balance perturbations
Matija
Milosevic
The University of Tokyo
15:45
O2C1545
Region-specific neuromuscular activation within rectus
Kohei
femoris muscle and lower extremity kinematic characteristics
Watanabe
in elderly during gait
― 30 ―
Chukyo University
一 般 研 究 発 表
奨励賞国際セッション
O2C1430
Young Investigator‘s Award (International Session) 13th Sep. (Tue.) 14:30~16:00 Room C
Time-varying trunk dynamics during running
○Shoma Kudo , Masahiro Fujimoto , Tadao Isaka , Akinori Nagano
1 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1
2
2
2
The trunk is often modeled as a single or a link of small number of rigid segments in the analysis of
whole body movements. This assumption appears to be inadequate, since the trunk actually has multidegrees of freedom. Its multi-segment musculoskeletal structure may act as a dynamic damper with its
viscoelastic properties to stabilize the posture when interacting with the external environment. It is
important to quantify such time-varying dynamics of the trunk. Therefore, the purpose of this study was
to quantify dynamics of the trunk and assess its viscoelastic behavior during running.
Subjects performed running on a treadmill at different speeds with forty reflective markers placed on
their back. Trunk deformation was evaluated based on the changes of the length defined by adjacent
reflective markers. The normal vector of the area was calculated as a measure of the trunk movement.
The instant and magnitude of the peak acceleration of the markers were analyzed to clarify how the
impact of the foot strike was transmitted in the trunk.
The changes of the length and angle of the normal vectors implied that the trunk underwent
significant amount of deformation, and its magnitude was position-specific and dependent on the running
speed. The magnitude of the acceleration peaks was lower in the upper trunk than that in the lower
trunk. The acceleration peaks appeared with a larger time delay in the upper trunk than in the lower
trunk, representing its viscoelastic properties.
O2C1445
A Paralympic champion in T42 class chose an asymmetric sprint strategy
comparison with Japanese top sprinters
○Satoru Hashizume , Yoko Sano , Hiroaki Hobara , Akihiko Murai , Yoshiyuki Kobayashi , Masaaki
1
Mochimaru
1 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
1
1
1
1
1
Despite the fact that able-bodied sprinters perform sprinting symmetrically, little is known about
whether the symmetric strategy is applicable to sprinters with unilateral transfemoral amputation (T42
class). In the present study, we investigated a Paralympic champion-specific parameters influencing on
running speed for intact and prosthetic legs. A Paralympic T42 champion and 6 Japanese top sprinters
with unilateral transfemoral amputation performed maximal running. Running speed was 1.61 m/s greater
for a champion than Japanese sprinters, and the difference was mainly accounted by the difference in
stride time (champion; 432 ms vs. Japanese sprinters; 513 ms) rather than forward displacement. Step time
in Japanese sprinters was similar between legs, whereas that of a champion was apparently shorter for
intact leg (158 ms) than for prosthetic leg (277 ms). The obvious shorter step time of intact leg for a
champion was mainly attributable to the shorter flight time of intact leg for a champion (58 ms) than for
Japanese sprinters (153 ms), and this shorter flight time was induced by the smaller impulse of vertical
component of the ground reaction force (vGRF) for a champion (120 Ns) than Japanese sprinters (142 Ns).
― 31 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞国際セッション
Young Investigator‘s Award (International Session) 13th Sep. (Tue.) 14:30~16:00 Room C
The results of the present study suggest that a Paralympic T42 champion obtained greater running speed
by adopting ‘asymmetric step time strategy’, and key parameter of the strategy is the small impulse of
the vGRF in his intact leg.
O2C1500
Transferability is a critical factor in attack-and-defend sports competition
in addition to accuracy and speed
○Keisuke Fujii , Yuki Yoshihara , Tadao Isaka , Motoki Kouzaki , Yuji Yamamoto
1 Research Center of Health Physical Fitness and Sports, Nagoya University, Nagoya, JAPAN
2 Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science, Tokyo, JAPAN
3 Institute of Innovation for Future Society, Nagoya University, Nagoya, JAPAN
4 Faculty of Sports and Health Science, Ritsumeikan University, Shiga, JAPAN
5 Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University, Kyoto, JAPAN
1, 2
3
4
5
1
Humans interact by perceiving relevant information, deciding on and then executing suitable actions.
Computational neuroscience has revealed the cognition and motor control; however, competitive mutual
anticipation and action have no specific solution (e.g. accuracy and speed) and exhibit a variety of forms.
Previously, we revealed the importance of the transferability (i.e., movement initiation delay) in attack-anddefend competitions, caused by the large ground reaction force and joint torque fluctuation before the
initiation. Here we adopt a hybrid approach to solve the inverse and forward problems using previous
measurement results and modeling the competition. Then we constructed two agents’ cognitive-motor
systems and implemented two non-linear characteristics: one is the attacker’s decision to pass the
defender by observing the opponent and the second is the transferability.
We revealed that the defender’s higher transferability led to higher successful defense and vice versa.
Furthermore, the attacker’s model with the defender’s transferability observer showed higher probability
of successful attack than the non-observer model. Our results suggest the importance of always defending
in high transferability and attacking when the defender’s less transferability. In our further expanded
model, we biomechanically define transferability by implementing a redundant actuator system in this
model.
O2C1515
Influence of active state and residual force enhancement on the increase
in joint torque by stretch-shortening cycle
○Atsuki Fukutani , Jun Misaki , Tadao Isaka
1 Faculty of Kinesiology, University of Calgary
2 Japan Society for the Promotion of Science
3 Research Organization of Science and Technology, Ritsumeikan University
4 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
5 Faculty of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1, 2, 3
― 32 ―
4
5
一 般 研 究 発 表
奨励賞国際セッション
Young Investigator‘s Award (International Session) 13th Sep. (Tue.) 14:30~16:00 Room C
This study examined the influence of active state and residual force enhancement on the stretchshortening cycle (SSC) effect (i.e., increase in joint torque during the concentric phase). Electrically-evoked
submaximal plantar flexions were adopted. Concentric contractions (1s) were evoked by following 3
conditions: A. after isometric (2s) preactivation, B. After isometric (1s) and following eccentric (1s)
preactivation, C. after eccentric (1s) and following isometric (1s) preactivation. Joint torque and fascicle
length were measured during the concentric phase. Joint torques observed at the onset of concentric
contraction, 0.3s and 0.6s after concentric contraction were significantly larger in condition B and C than
in A. In addition, significant difference in joint toque between condition B and C was observed only at the
onset of concentric contraction. No difference in fascicle length was observed among conditions at any
time points. These results show that active state (i.e., larger joint torque at the onset of concentric
contraction observed in condition B than in C due to the eccentric contraction conducted “just before” the
concentric contraction) contributes to the SSC effect. Furthermore, larger joint torque observed in the
middle (0.3s) and last (0.6s) phases of concentric contraction in condition B and C than in A, which cannot
be explained by active state, would be caused by residual force enhancement which is induced by a prior
eccentric contraction.
O2C1530
Medium latency reflexes control trunk muscles during sitting balance
perturbations
○Milosevic Matija , Masahiro Shinya , Kei Masani , Kramay Patel , Milos R. Popovic , Kimitaka Nakazawa
1 Department of Life Sciences, University of Tokyo
2 Toronto Rehabilitation Institute - University Health Network
3 Division of Engineering Science, University of Toronto
4 Institute of Biomaterials and Biomedical Engineering, University of Toronto
1
1
2
3
4
1
This study investigated neuromuscular responses of the trunk to sudden perturbations in order to
understand how the central nervous system (CNS) controls the trunk. Twelve able-body people
participated in the study. Participants were seated on a kneeling chair and support surface translations
were applied in the forward and backward directions with and without direction and time of perturbation
cues. Electromyographic activity of the rectus abdominis and erector spinae muscles and trunk kinematics
were recorded. Response latencies of the abdominal muscles during forward perturbations were 99.1 to
116.6 ms. Erector muscles during backward perturbations responded 90.2 to 117.4 ms after the
perturbation. The trunk center of mass started moving 47 ms and 37 ms after the forward and backward
perturbations respectively, which is approximately 60 ms after the movement of the trunk. When
participants could anticipate the perturbations, trunk muscle latencies were approximately 16.8 ms faster.
These results suggest that trunk muscles respond to sudden support surface perturbation using medium
latency responses, which are reflexive automatic postural reactions. Moreover, anticipation of perturbation
decreased trunk muscles latencies, suggesting that the CNS modulates readiness of the trunk using feedforward mechanisms. Therefore, trunk neuromuscular system primarily involves reflexes and low level
CNS control structures to maintain posture of during sitting balance perturbations.
― 33 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞国際セッション
Young Investigator‘s Award (International Session) 13th Sep. (Tue.) 14:30~16:00 Room C
O2C1545
Region-specific neuromuscular activation within rectus femoris muscle and
lower extremity kinematic characteristics in elderly during gait
○Kohei Watanabe , Motoki Kouzaki , Toshio Moritani
1 School of International Liberal Studies, Chukyo University
2 Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University
3 School of Health and Sport Sciences, Chukyo University
1
2
3
Our recent studies have demonstrated the selective activation of proximal regions in the rectus
femoris (RF) muscle during swing phase of gait (Watanabe et al. J Biomech 2014) and this region-specific
neuromuscular activation pattern is attenuated in the elderly (Watanabe et al. J Biomech 2016). We
suspect that this age-related change in neuromuscular control may induce an impairment of smooth leg
swing movement and then a problem with foot placement at minimum toe clearance (MTC), i.e., the foot
scuffs the floor. The purpose of this study was to investigate the relationship between region-specific EMG
response and lower extremity kinematics at MTC during swing phase of gait for the elderly. Thirteen
elderly men walked on treadmill at preferred speed for 10 min. During gait, surface EMG were recorded
with 24 electrodes from the proximal to distal regions of the RF muscle (OT Bioelettronica) and
coordinates on sagittal plane of reflective markers on lower extremity were measured (VICON). At MTC,
central locus activation of EMG along the RF muscle, which indicates spatial distribution of EMG, was
significantly correlated with incline of shank segment relative to horizontal line (p < 0.05). This means that
regional activation of the RF muscle controls the degree of bending knee joint at MTC in the elderly. We
concluded that regional regulation of the RF muscle plays a key role in safety foot clearance during gait in
the elderly.
― 34 ―
奨励賞セッション①
9月12日(月)14:15〜15:45(C会場(R103)
)
奨励賞セッション②
9月12日(月)16:00〜17:30(C会場(R103)
)
一般研究発表(奨励賞セッション)
9月12日(月)
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション①
Young Investigator’s Award 1
9月12日(月)12th Sep. (Mon.)
14:15~15:45
奨励賞セッション①
C会場(R103)
座長:神崎 素樹(京都大学)
14:15
O1C1415
長距離選手と短距離選手におけるアキレス腱と膝蓋腱の種目
特異的腱肥大
上野 弘聖
立命館大学スポーツ健
康科学部
14:30
O1C1430
ランニング支持期における後足部外反モーメントの発生要因
辻本 典央
福井工業大学スポーツ
健康科学部
14:45
O1C1445
疾走速度の相違が体幹の力発揮に及ぼす影響
佐渡 夏紀
東京大学大学院
15:00
O1C1500
歩行動作の筋シナジーのフラクタル解析
中里 真
京都大学人間・環境学
研究科
15:15
O1C1515
支持脚が歩行におけるつまずき後の角運動量制御に与える影
響
中島 孝寛
東京大学大学院総合文
化研究科
15:30
O1C1530
二足立位の水平面での粘弾性特性の定量
冨田 真吾
京都大学大学院
― 36 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション②
Young Investigator’s Award 2
9月12日(月)12th Sep. (Mon.)
16:00~17:30
奨励賞セッション②
C会場(R103)
座長:栗原 俊之(立命館大学)
16:00
O1C1600
サッカーボールインパクトにおけるボール反力を推定する新
たなモデルの開発
伊賀 崇人
福岡大学スポーツ科学
部
16:15
O1C1615
女子競泳選手における人体形状の相同モデルを用いた形態的
特徴
相馬 満利
日本体育大学大学院ト
レーニング科学系
16:30
O1C1630
野球の投球動作において体幹内部で発揮される捻転トルクの
役割に関する研究
木村 新
東京大学大学院
16:45
O1C1645
フォアハンドストロークにおける鉛直軸周りの全身の角運動
量変化
川本 裕大
東京大学大学院
17:00
O1C1700
国内一流男子レスリング選手における両脚タックル動作の特
徴
山下 大地
国立スポーツ科学セン
ター
17:15
O1C1715
生演奏におけるヴァイオリン演奏者の身体動作
正田 悠
立命館大学
― 37 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション①
Young Investigator’s Award 1
12th Sep. (Mon.) 14:15~15:45 Room C
O1C1415
長距離選手と短距離選手におけるアキレス腱と膝蓋腱の種目特異的腱肥大
○上野 弘聖(立命館大学スポーツ健康科学部)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、三宅 悠斗
(立命館大学スポーツ健康科学研究科)、高尾 憲司(立命館大学スポーツ健康科学研究科)、長野 明紀(立
命館大学スポーツ健康科学部)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
長距離選手は、アキレス腱の肥大を呈することが知られている。しかしながら、同様の適応が膝蓋腱にお
いても認められるかは明らかにされていない。また、短距離選手でも長距離選手と同様の腱肥大を呈すかに
ついても不明である。したがって、本研究は、長距離選手と短距離選手におけるアキレス腱と膝蓋腱の肥大
特性を検討した。
長距離選手37名、短距離選手33名および一般者37名を対象としてアキレス腱と膝蓋腱の磁気共鳴画像を測
定した。アキレス腱断面積は腱停止部から10、20、30mm位置の横断画像から求めた平均値とし、膝蓋腱断
面積は最近位部、中間部、最遠位部の横断画像から求めた平均値として算出した。また、体重の違いの影響
を考慮して、アキレス腱および膝蓋腱の断面積は、体重で補正することによって比較した。
アキレス腱断面積は、短距離選手および一般者に比較して、長距離選手において有意に大きかった。これ
に対して、膝蓋腱断面積は、長距離選手および一般者に比較して、短距離選手において有意に大きかった。
長距離選手ではアキレス腱が肥大し、短距離選手では膝蓋腱が肥大する種目間で異なる腱肥大を呈するこ
とが示唆された。
O1C1430
ランニング支持期における後足部外反モーメントの発生要因
接地パターンによる比較
○辻本 典央(福井工業大学スポーツ健康科学部)、水野 貴正(名古屋大学総合保健体育科学センター)、
井上 功一郎(山形大学地域教育文化学部)、布目 寛幸(福岡大学スポーツ科学部)、池上 康男(愛知
淑徳大学健康医療科学部)
ランニング支持期に後足部の過度な外反動作を導く後足部外反モーメントは、下肢慢性障害に関係すると
考えられてきている。このモーメントの発生要因は、後足部接地パターンを示すランナーにおいては明らか
になっているが、他の接地パターンについては明らかにされていない。本研究の目的は、接地パターンの違
いによる後足部外反モーメントの発生要因の違いを明らかにすることである。健常な成人男性26名(後足部
接地15名、後足部接地以外11名)が、中央部に床反力計を埋設した約30mの走路上でランニングを行い、足
部動態の 3 次元データ(500Hz)と床反力データ(1,000Hz)から床反力由来の後足部外反モーメントを算
出した。後足部接地群では、接地直後は床反力側方成分が、その後は足関節中心に対するCOP側方距離がモー
メントの大きさを決める主な要因となっていた。一方、後足部接地以外の群では、接地直後は足関節中心に
対するCOP側方距離が、その後は床反力側方成分と足関節中心に対するCOP側方距離の両方がモーメント
の大きさを決める主な要因となっており、接地パターンにより後足部外反モーメントの発生要因が異なるこ
とが明らかとなった。
― 38 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション①
Young Investigator’s Award 1
12th Sep. (Mon.) 14:15~15:45 Room C
O1C1445
疾走速度の相違が体幹の力発揮に及ぼす影響
○佐渡 夏紀(東京大学大学院、学術振興会特別研究員)、吉岡 伸輔(東京大学大学院)、深代 千之(東
京大学大学院)
走速度増大に伴い、下肢の矢状面上の力発揮増大が求められることが示されている。しかし、矢状面上の
運動と仮定されることが多い走運動であっても、体幹では横断面上の運動が大きいことが示されており、走
速度の影響は下肢とは異なると予想される。そこで本研究では、走速度増大が体幹の力発揮に及ぼす影響を
検討した。12名の男子短距離競技者に、全力までの 5 段階の速度(平均速度:3.16、4.48、5.70、7.19、9.35
m/s)による走運動を行わせ、40 m地点の運動学データと地面反力データを取得した。その結果、すべての
速度増大に伴い、支持期後半に見られた腰仙関節捻転トルクのピーク値が有意に増大した。一方、側屈トル
クは接地直後と支持期中盤で見られたピーク値はともに、5.70 m/s以降では増大せず、走速度の影響は小さ
かった。伸展トルクでは、接地直後のピーク値は各速度間で有意差が認められたが支持期中盤のピーク値は
4.48 m/s以降で増大はみられず、捻転トルクと比較すると走速度の影響は小さかった。従って、体幹では走
速度増大に対し特に横断面(捻転)の力発揮増大が求められることが明らかになった。
O1C1500
歩行動作の筋シナジーのフラクタル解析
○中里 真(京都大学人間・環境学研究科)、萩生 翔大(東京大学)、木伏 紅緒(京都大学人間・環境学
研究科)、森谷 敏夫(京都産業大学)、神﨑 素樹(京都大学人間・環境学研究科)
【目的】歩行周期の変動がフラクタル性を持つことが知られている。本研究は歩行周期変動のフラクタル
性の起源を筋シナジーの観点から検討することを目的とした。【方法】実験課題は、速度 4 および5km/hの
トレッドミル歩行を約30分間とし、下肢12筋から表面筋電図を取得した。解析は1,200歩行周期を対象とし、
時間で正規化した表面筋電図データから非負値行列因子分解により筋シナジーを抽出した。続いて筋シナ
ジーの活動度のピークのタイミングを 1 歩行周期毎に算出し、DFA(detrended fluctuation analysis)解析
より変動のフラクタル性を評価した。【結果・考察】被験者 5 名で48個の筋シナジーが認められた。DFA解
析の結果α=0.78±0.06(平均±SD)であり、これは変動が長距離相関を持つことを意味し、筋シナジーの
活動度は有意にフラクタル性を示している。筋シナジーの活動度は中枢神経系から筋シナジーへの入力を反
映する。フラクタル構造が持つ安定性の観点からすると、中枢神経系から筋シナジーへの入力のフラクタル
性が歩行周期のフラクタル変動を生み、歩行動作の安定化に関与していると考えられた。
O1C1515
支持脚が歩行におけるつまずき後の角運動量制御に与える影響
○中島 孝寛(東京大学大学院)、吉岡 伸輔(東京大学大学院)、井村 祥子(神奈川大学)、深代 千之(東
京大学大学院)
歩行中につまずくと前回りの全身角運動量が増加する。姿勢回復には、増加した前回りの全身角運動量を
減少させる必要がある。本研究は、つまずいた脚とは反対側の支持脚による全身角運動量減少の成否がなぜ
― 39 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション①
Young Investigator’s Award 1
12th Sep. (Mon.) 14:15~15:45 Room C
生じるのか明らかにすることを目的とした。成人男性10名に通常歩行時のステップ頻度に設定したメトロ
ノーム音に合わせ、約5mの直線歩行路を歩行させた。これを30試行行い、そのうち10試行にて、歩行路上
に固定した障害物で被験者をつまずかせ、その時のキネマティクス・地面反力データを取得した。得られた
データから全身角運動量と支持脚のキネティクスを算出した。その結果、つまずく直前のキネマティクスに
差はないものの、つまずき時に増加した前回りの角運動量を支持脚によって減少できる試行とできない試行
が確認された。減少できた試行はできなかった試行と比較し、地面反力が前方に傾き、股関節伸展トルクが
大きく発揮されていた。一方、両試行間で地面反力の大きさに差はみられなかった。したがって、つまずき
後に支持脚で角運動量を減少させるには、支持脚股関節の伸展トルクを発揮することで、地面反力を前方へ
傾けることが重要であると示唆された。
O1C1530
二足立位の水平面での粘弾性特性の定量
○冨田 真吾(京都大学人間環境科学研究科)、田辺 弘子(東京大学)、萩生 翔大(東京大学)、森谷 敏夫(京都産業大学)、神崎 素樹(京都大学)
二足立位の水平面での粘弾性特性は不明である。本研究の目的は、ヒトの外乱立位時における姿勢制御を
粘弾性の観点から検討することである。
実験課題は、多方向の外乱に対して立位を維持するものとした。被験者を外乱器上に静止立位させた後、
水平面12方向に外乱を与えた。立位の足幅は0cm, 10cm, 20cmの 3 種類とした。課題中、下腿 8 筋の表面筋
電図データ、床反力計から 3 分力のデータを取得した。接地面での外乱に対する抵抗力と足圧中心点の変位、
速度、加速度に関する関係式を解き、剛性を表す行列と粘性を表す行列を導出した。続いて、それぞれを特
異値分解して得られた固有値、固有ベクトルがそれぞれ軸の大きさ、軸の向きを表す楕円を図示することで
粘弾性特性を定量した。また、表面筋電図データから、各筋の外乱方向に応じた筋活動の方位を算出した。
結果、前後・左右の外乱方向に粘弾性は大きくなった。一方で、筋活動は粘弾性が弱い斜め方向を補うよ
うに発揮された。これらの結果から、粘弾性による制御と神経系による制御の二足立位の水平面での関係が
明らかになった。
― 40 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション②
Young Investigator’s Award 2
12th Sep. (Mon.) 16:00~17:30 Room C
O1C1600
サッカーボールインパクトにおけるボール反力を推定する新たなモデルの開発
○伊賀 崇人(福岡大学)、布目 寛幸(福岡大学)、佐野 真也(岐阜市立女子短期大学)、池上 康男(愛
知淑徳大学)
本研究の目的は、ボールインパクト中のボール反力を推定するモデルを開発し、その妥当性を実測データ
との比較から明らかにすることであった。ボール配球マシンから垂直に固定したフォースプレート(10kHz)
にボールを投射することにより、ボールインパクト局面を実験的に再現した。ボール投射速度は、実際のキッ
ク時の足部スイング速度を考慮し、6 段階( 9 ~22m/s)に設定した。ハイスピードカメラ(5,000Hz)によっ
て撮影された衝突中のボールの挙動から、ボール反力を以下の 3 つのモデル: 1 )Shinkaiら(2009)のボー
ル重心を考慮したCGBモデル、 2 )ボールの膨張に伴う表面密度の変化を考慮したS-CGBモデル、 3 )表面
密度の変化と楕円体への変形を考慮したE-CGBモデル、から推定した。ボール最大反力および力波形は、
E-CGBモデルが最も実測値と近く、S-CGBモデルは高い速度域で若干大きく見積もる傾向が、CGBモデルは
全ての速度域で大きく見積もる傾向が明らかとなった。したがって、ボールインパクトにおいて足部に作用
するボール反力の推定するモデルとしてE-CGBモデルが最も適していることが示唆された。
O1C1615
女子競泳選手における人体形状の相同モデルを用いた形態的特徴
○相馬 満利(日本体育大学大学院トレーニング科学系)、柏木 悠(日本体育大学大学院トレーニング科
学系)、袴田 智子(国立スポーツ科学センター)、船渡 和男(日本体育大学)
【背景】女性アスリートを対象とした、形態的特徴に関する研究は少ない。一方、上下肢による推進力や
水抵抗を受ける競泳選手に関しては、一般人の人体形状とかなり異なることが予想される。【目的】女子競
泳選手と一般女子学生の形態形状を比較し、相同モデルの主成分分析を通して、形態的特徴を提示する。【方
法】日本代表を含む大学女子競泳選手および同年代の一般女子学生であった。三次元人体計測法を用いて、
被験者の人体を撮像した。そのポリゴンデータを相同モデル標準テンプレートモデルに同一頂点数でフィッ
ティングし、全被験者人体形状の相同モデル化を行った。また、主成分分析を用いて形態形状の違いの定量
化を試みた。【結果および考察】競泳選手は、一般女子学生と比較し、形態計測値において、頚囲、胸囲、
大腿囲が有意に大きい傾向を示した。更に相同モデル化されたデータの第 4 主成分(20%)は、体幹上胴、背
側筋群に明確な発達が可視化された。一方、相同モデルを使用することで、形態計測値ではみられなかった
臀部が競泳選手は小さいことが可視化された。形態形状の視覚的な違いさらには、競泳に特化した形態計測
部位があることが示唆された。
O1C1630
野球の投球動作において体幹内部で発揮される捻転トルクの役割に関する研究
○木村 新(東京大学大学院)、吉岡 伸輔(東京大学大学院)、深代 千之(東京大学大学院)
本研究では、野球の投球動作における体幹内部で発揮される捻転トルクの役割について力学的エネルギー
フローに着目し、解明することを目的とした。野球経験者10名を対象に5m前方の的への全力投球を行わせ、
― 41 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション②
Young Investigator’s Award 2
12th Sep. (Mon.) 16:00~17:30 Room C
3 次元動作解析システム及びフォースプラットフォームを用い運動学、地面反力データを取得した。体幹を
腰部仮想関節と胸部仮想関節により骨盤、腰部、胸郭部に分割する剛体リンクモデルを採用し、逆動力学演
算により両関節のトルクパワーを算出した。その結果、胸部仮想関節の捻転トルクによるエネルギーの発生・
吸収量と比較して、腰部-胸郭部間でエネルギーを伝達される量の方が大きかった。また同様の事が腰部仮
想関節においても認められ、捻転トルクによるエネルギーの発生・吸収量に比べ、捻転トルクにより骨盤部、
腰部間で伝達されるエネルギー量の方が大きいことが認められた。従って、野球の投球動作において体幹の
捻転の力発揮は、伸張-短縮サイクル運動に伴い力学的エネルギーの発生・吸収させるよりはむしろ、下肢
で生じた力学的エネルギーを上肢へ伝達する役割が大きいことが明らかとなった。
O1C1645
フォアハンドストロークにおける鉛直軸周りの全身の角運動量変化
地面反力のモーメントおよびフリーモーメントによる角力積
○川本 裕大(東京大学大学院)、飯野 要一(東京大学大学院)、吉岡 伸輔(東京大学大学院)、深代 千之(東京大学大学院)
テニスのグラウンドストロークにおいては、身体が地面に与える力の反作用によって全身の角運動量が生
み出され、角運動量がラケットに伝達されることでラケットが加速される。特に、打撃方向のラケット速度
には鉛直軸周りの角運動量が影響する。本研究では、グラウンドストロークにおける鉛直軸周りの全身の角
運動量変化を、左右足部に作用する地面反力のモーメントおよびフリーモーメントの角力積により求め、そ
れらの貢献度を定量することを目的とした。テニス経験者 7 名にオープンスタンス、スクエアスタンスを用
いたグラウンドストロークを行わせ、フォースプレートにより地面反力およびフリーモーメントを取得した。
右利きのオープンスタンスにおいては左足地面反力のモーメントの貢献度(42±13%)が最大であった。一方、
スクエアスタンスでは右足地面反力のモーメントの貢献(41±11%)が最大であった。また、オープンスタ
ンス、スクエアスタンスにおいて右足のフリーモーメントによる成分はそれぞれ28±14%、28±15%であり、
骨盤左回旋が開始する前後においては主に右足のフリーモーメントによって角運動量を増加させていること
が明らかになった。
O1C1700
国内一流男子レスリング選手における両脚タックル動作の特徴
○山下 大地(国立スポーツ科学センター)、荒川 裕志(国際武道大学)、和田 貴広(国士館大学)、湯
元 健一(日本文理大学)、藤山 光太朗(日本スポーツ振興センター)、永見 智行(北里大学)、清水 聖志人(日本レスリング協会)
フリースタイル・レスリングにおいて、タックルは最も多く用いられる技である。最も基本的なタックル
である両脚タックルは、両手で相手の両脚を掴み、倒す技であり、身体重心および上胴部を素早く相手に近
づけることが求められる。本研究では、身体重心と上胴部の挙動及び蹴り脚の地面反力に着目し、男子一流
選手のタックル動作の特徴を明らかにすることを目的とした。五輪メダリスト 3 名を含む全日本 3 位以内の
経験のある選手をエリート群(11名)、インカレベスト16以下の選手を非エリート群( 9 名)とし、静止し
た相手への両脚タックルを行わせた。全身46点の反射マーカーの座標および蹴り脚の地面反力を 3 次元動作
解析システムにより取得した。身体重心の推進速度は、ピーク値には差がないものの動作初期においてエリー
― 42 ―
一 般 研 究 発 表
奨励賞セッション②
Young Investigator’s Award 2
12th Sep. (Mon.) 16:00~17:30 Room C
ト群が高値を示した。地面反力の推進成分も、ピーク値は差がないがピークに達するまでの時間はエリート
群で有意に短かった。上胴部の推進速度および体幹部の前傾角速度も同様に動作初期において高値を示した。
このように、体幹部の前傾によって身体重心速度を高めつつ相手の脚に素早く接近するという一流選手の特
徴が明らかとなった。
O1C1715
生演奏におけるヴァイオリン演奏者の身体動作
“あがり”との関連
○正田 悠(立命館大学)、阪田 真己子(同志社大学)
、Williamon, Aaron(王立音楽大学)
、伊坂 忠夫(立
命館大学)
音楽の演奏者が人前で演奏するとき、不必要な筋緊張等を経験し演奏が阻害されることが知られている。
本研究では、ヴァイオリン生演奏における演奏者の身体動作にいかなる特徴があり、それが心理的不安(“あ
がり”)といかなる関係にあるのかを調べた。 8 人の演奏者に超絶技巧とも呼ばれる非常に高い技巧が要求
される楽曲(パガニーニ作曲カプリース)を聴衆ありと聴衆なしで演奏してもらい、その身体動作を 3 次元
動作解析システムによって測定した。また演奏直前の“あがり”を状態不安質問紙によって調べた。演奏全
体の動作量の主成分分析により、演奏動作の89.12%が「右手首、右肘を除く全身の動作」と「右肘、右手首」
の 2 成分に抽出できることが示された。聴衆あり条件では、聴衆なし条件に比べ「右肘、右手首」の動きが
有意に大きいことが示された(p = .04)。また、演奏直前の不安が高いと、全身(r = -.91, p < .001)
、右肘・
右手首(r = -.72、p = .02)ともに動きが小さくなることが示された。以上の結果は、聴衆の存在によって
演奏動作は大きくなるが、高不安者はこの傾向が抑制されることを示唆している。
― 43 ―
国際セッション①
9月13日(火)9:00〜9:45(C会場(R103)
)
国際セッション②
9月13日(火)16:15〜17:45(C会場(R103)
)
一般研究発表(国際セッション)
9月13日(火)
一 般 研 究 発 表
国際セッション①
International Session 1
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
9:00~9:45
国際セッション①
C会場(R103)
Chair: Masaki Ishikawa (OUHS)
9:00
O2C0900
Acceleration and deceleration profiles in the hurdle race
determined with laser distance meter, high speed camera
and inertia sensors
Misaki
Wakamiya
Ritsumeikan University
9:15
O2C0915
A three-dimensional kinematic analysis of walking speed
on world elite women’s 20-km walking races
Koji HogaMiura
Seikei University
9:30
O2C0930
Differences in sprint performance between the uses of
forward and counter step techniques in a sideways direction
Takahiko
Sato
Ritsumeikan University
― 46 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション②
International Session 2
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
16:15~17:45
国際セッション②
C会場(R103)
Chair: Hiroaki Hobara (AIST)
16:15
O2C1615
Development of a multiple-people motion capture system
with two Kinect sensors
Ryosuke
Akaguma
Ritsumeikan University
16:30
O2C1630
Intra-individual variability and inter-individual differences in
ball behavior and shooting motion in basketball
Yuki Inaba
Japan Institute of Sports
Sciences
16:45
O2C1645
The relationship between the physical characteristics and
the dynamics of running jump take-off in high jumpers
Yusuke Izui Ritsumeikan University
17:00
O2C1700
Association between Corticospinal Inhibition of the Soleus
and Walking Stride-to-Stride Variability in Individuals with
Chronic Ankle Instability
Masafumi
Terada
Ritsumeikan University
17:15
O2C1715
Intermittent muscle activities during quiet standing
Hiroko
Tanabe
The University of Tokyo
17:30
O2C1730
Home-based calf-raise training with the intent to move
rapidly improves rapid force production and balance
performance in elderly men
Ryoichi
Ema
Shibaura Institute of
Technology
― 47 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション①
International Session 1
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room C
O2C0900
Acceleration and deceleration profiles in the hurdle race determined with
laser distance meter, high speed camera and inertia sensors
○Misaki Wakamiya , Masahiro Fujimoto , Mitsuo Otsuka , Akinori Nagano
1 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1
2
2
2
The hurdle race consists of distinct acceleration and deceleration phases in the hurdle intervals. For
competitive success, it is desirable for the hurdlers to have the ability to maximize acceleration while
keeping the amount of deceleration as small as possible to avoid the loss of horizontal velocity of the
center of mass. The purpose of this study was to examine acceleration and deceleration profiles
throughout the whole hurdle race to develop effective strategies to improve hurdle race competitiveness.
The subjects performed 100m hurdle (women) or 110m hurdle (men) race. A laser distance meter
LAVEG (LDM301, JENOPTIK Ltd.), high speed camera (GC-PX1, JVC Ltd.) and wireless wearable inertial
sensors (TSND121, ATR-Promotion Ltd.) were used for the measurement. The instantaneous position of
the hurdler's back was measured using LAVEG, which was then differentiated to obtain the hurdler’s
running speed. The running speed was also calculated from the high speed camera images using an image
processing technique, which enables us to track the position of the hurdler. Three dimensional
accelerations and angular velocities were measured using the inertial sensors attached to the back of the
waist.
Based on these data, athlete-specific acceleration and deceleration profiles were investigated
throughout the whole hurdle race. These profiles provide insights useful in developing effective strategies
to improve hurdle race competitiveness.
O2C0915
A three-dimensional kinematic analysis of walking speed on world elite
women’s 20-km walking races
○Koji Hoga-Miura , Ryotaro Hirokawa , Masaaki Sugita , Yasushi Enomoto , Hirosuke Kadono , Yuta
6
Suzuki
1 Faculty of Economics, Seikei University
2 School of International Cultural Relations, Tokai University
3 Faculty of Education, Mie University
4 Faculty of Health and Sport Sciences, UIniversity of Tsukuba
5 Faculty of Sports Science, Sendai University
6 Research Center for Urban Health and Sports, Osaka City University
1
2
3
4
5
AIM: This study aimed to investigate kinematic factors of walking speed on world elite women’s 20km walking races.
METHODS: Data collection was conducted on early and middle phase during women’s 20-km walking
race of the world championships in athletics held in Helsinki (2005) and Osaka (2007), using threedimensional direct linear transformation method. Thirty-four subjects (age: 27.7 ± 4.4 yrs, height: 1.66 ±
― 48 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション①
International Session 1
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room C
0.05 m, weight: 52.1 ± 4.1 kg), selected for the present study, finished these races without disqualification
and below entry standard records for each competition.
RESULTS: There was a significant correlation (r = 0.50, p < 0.05) between race speed (3.62 ± 0.11 m/
sec) and walking speed (3.72 ± 0.30 m/sec) at analysed points during races for each subject. Although the
step frequency (3.43 ± 0.13 Hz) did not related to the walking speed (r = 0.34, n.s.), the step length (1.08 ±
0.08 m) was strongly correlated to the walking speed (r = 0.88, p < 0.05). The extensional velocity of the
centre of gravity to the centre of pressure on the support foot contributed to enhance walking speed. This
extensional velocity was obtained with the acceleration of the centre of gravity toward the centre of
pressure in the middle of the support phase, which related with the vertical acceleration of the centre of
gravity.
O2C0930
Differences in sprint performance between the uses of forward and counter
step techniques in a sideways direction
○Takahiko Sato , Yusuke Fukuhara , Masahiro Fujimoto , Tadao Isaka
1 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1
2
1
1
Athletes use forward step (FS) or counter step (CS) techniques to initiate sprinting. CS has been
generally considered as an inferior technique because it includes an unnecessary step in a direction
opposite to the movement. 5m sprint time was shorter with the uses of CS than FS in a forward direction
(Frost 2008). However, it is unclear which technique is proper to initiate sprinting in a sideways direction.
The purpose of this study was to investigate the effect of CS and FS on sprint performance in the
sideways direction. Eleven male athletes performed 5 m sprint in a right direction with FS and CS from a
stationary standing position. The subjects initiated a step to the right side with their right leg for FS,
whereas they initiated a step to the left side with their left leg for CS. Kinematic data were recorded by a
motion capture system at 200Hz, and the whole-body center of mass (COM) was calculated. The sprint
time was calculated at the instances when the COM reaches 0.5m, 1m, 1.5m, and 2m. No differences were
found in any of the sprint time between FS and CS. Even with the additional step with the left leg in CS,
the step lift-off timing of the right leg was not different from that in FS. These results suggest that
although CS has a disadvantage of an additional step in the direction opposite to the movement direction,
CS technique allowed them to initiate a first step in their movement direction as quickly as FS, making
the overall sprint performance similar to FS.
― 49 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション②
International Session 2
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:45 Room C
O2C1615
Development of a multiple-people motion capture system with two Kinect
sensors
○Ryosuke Akaguma , Masahiro Fujimoto , Akinori Nagano
1 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1
2
2
Kinect is a handy device with which body motion can be captured easily at a low cost. It also allows us
to obtain data from multiple people. However, there are two problems when capturing multiple people
simultaneously. First, the measurable range of motion in terms of body orientation is limited. Second,
when Kinect recognizes multiple people, body positions of the recognized people can be switched
depending on the position and movement. Therefore, the objectives of this study were to extend the
measurable range of motion by integrating two Kinect sensors, and to develop an algorithm to avoid a
switching of the recognized people’s positions. Kinematic data obtained from an optical motion capture
system (Mac3D) were used as a reference. Two Kinect sensors were positioned approximately 2m apart,
with 90 degrees of angle relative to each other. Three angle ranges for data acquisition were defined
based on the subject’s body orientation, in which either only one sensor or both sensors were used to
minimize recognition errors. The measurable range of motion in terms of the subject’s body orientation
became nearly 180 deg, which is about twice as large as the range when only one Kinect sensor was
utilized. We also developed an algorithm that excludes abrupt, non-smooth changes of the recognized body
landmarks, which allowed us to avoid a sudden switching of the recognized body positions of the multiple
people.
O2C1630
Intra-individual variability and inter-individual differences in ball behavior
and shooting motion in basketball
○Yuki Inaba , Noriko Hakamada , Munenori Murata
Department of Sports Science, Japan Institute of Sports Sciences
1
1
1
1
Shooting is one of the most fundamental and important skill in basketball since higher percentages of
shots made among shots attempted will lead a team to win. The purpose of this study was to investigate
the relationship between shooting motion and the ball behavior that influences the shot success rate
during basketball jump shots. In order to see the relationship clearly, shots from different distances were
analyzed, and intra-individual variability and inter-individual differences in ball behavior and joint motion
parameters were examined. Ten male collegiate basketball players of a team that belongs to Kanto
College Basketball Division 1 League participated in this study. They attempted fifty shots under three
distance conditions, (I) Short (1.71 m), (II) Middle (free throw distance: 4.23 m), and (III) Long (three point
distance: 6.75 m from the center of the ring). Shooting motion and trajectories of a ball were captured with
three-dimensional motion analysis system with 20 cameras (MX-series, VICON). Shot success rate
decreased as the shot distance increased. At the same time, intra-individual variability in ball release
angle, spin rate, and joint angle parameters were increased as the shot distance increased. The demand to
― 50 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション②
International Session 2
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:45 Room C
increase ball release velocity with increased distance caused greater variability in joint motions, which
caused greater intra-variability in ball behaviors.
O2C1645
The relationship between the physical characteristics and the dynamics of
running jump take-off in high jumpers
○Yusuke Izui , Tadashi Suga , Toshiyuki Kurihara , Tadao Isaka , Masahiro Fujimoto , Akinori Nagano
1 Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
1
2
2
2
2
2
In high jump, the victory goes to the jumper who clears the horizontal bar at the greatest height
regardless of their body height. Not only body height gives a direct advantage to clear a higher bar,
longer limbs may help them generate a larger angular momentum, affecting take-off dynamics. In addition,
since both concentric and eccentric contractions of the leg muscles are required during take-off, the size of
these muscles would be associated with take-off dynamics.
The purpose of this study was to investigate the relationship between such physical characteristics
and dynamics of running jump take-off in high jumpers. Fifteen male high jumpers participated in this
study. The magnetic resonance images of the leg extensor and flexor muscles were obtained. The high
jumpers performed a running vertical jump with a single leg. Kinematic data were recorded using four
high-speed cameras at 300Hz, and the coordinates of 23 landmark points on the body were digitized offline.
Ground reaction forces were recorded using a force plate at 1000Hz installed at the take-off area. The
whole body center of mass position, mechanical energy and momentum, joint angles and torques of the
lower limbs, and angular momentum of the body based on the spring-mass model were calculated. The
relationship between the physical characteristics and the dynamics of take-off was analyzed.
O2C1700
Association between Corticospinal Inhibition of the Soleus and Walking
Stride-to-Stride Variability in Individuals with Chronic Ankle Instability
○Masafumi Terada , Phillip A. Gribble
1 College of Sport and Health Science, Ritsumeikan University
2 College of Health Sciences, University of Kentucky
1
2
Context: Altered gait variability has been found in patients with chronic ankle instability (CAI). Limited
evidence suggests inhibition of multiple central nervous system (CNS) motor pathways may lead to
biomechanical dysfunctions during gait in CAI patients. However, there is little investigation that has
examined associations of CNS excitability and inhibition with gait variability in a CAI population.
Objective: Determine if CNS excitability and inhibition of the soleus muscle are associated with gait
variability in CAI participants. Methods: Sixteen participants with self-reported CAI volunteered.
Participants walked on a motor-driven treadmill for three minutes at their selected speed. Ankle
kinematics in the sagittal-and frontal-plane were recorded using a passive retroflective marker motion
― 51 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション②
International Session 2
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:45 Room C
capture system. The temporal structure of kinematic variability was analyzed with sample entropy
(SampEn). Active motor threshold (AMT) and cortical silent periods (CSP) were assessed for corticospinal
excitability and inhibition of the soleus with transcranial magnetic stimulation. Pearson product moment
correlations were used. Significance was set a priori at P<0.05. Results: There were significant, positive,
moderate correlations between CSP and frontal-plane kinematic variability (r=0.50, P=0.02) in CAI
participants. Conclusion: Longer CSP was associated with irregular patterns of ankle kinematics, and
shorter CSP was associated with periodic patterns in CAI participants.
O2C1715
Intermittent muscle activities during quiet standing
○Hiroko Tanabe , Keisuke Fujii , Motoki Kouzaki
1 Graduate School of Arts and Sciences, The University of Tokyo
2 Research Center of Health Physical Fitness and Sports, Nagoya University
3 Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science
4 Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University
1
2, 3
4
Intermittent feedback control strategy is a theoretical concept which assumes that active control via
CNS feedback (i.e. torque output by muscle activities) occurs based on the kinematics information. Based
on this concept, we aimed to experimentally investigate the relationship between muscle activities, torque
output, and joint oscillations within a closed-loop system by extracting intermittent components from EMG
data and by computer simulation.
Eight male participants performed quiet standing for 2 min and we measured their joint angles and
torque (ankle, knee, and hip) in the sagittal plane and EMG of six leg muscles. Intermittent muscle on/off
(activation/deactivation) periods were detected from EMG data, and then we compared the dynamics in
the phase and torque planes between on and off periods. We found that muscles activated when joints
oscillated opposite to the anatomical action direction, which output joint torque in the anatomical action
direction.
We further implemented computer simulation with a triple-link inverted pendulum model to compare
the dynamics during on/off periods between simulation and experimental data. Our results experimentally
visualized the contributions of intermittent muscle activities to the stabilization of each joint.
In conclusion, intermittent muscle activities occur depending on the degree of stability of the skeletal
system, which actuate a skeleton by outputting joint torque along with anatomical action direction.
― 52 ―
一 般 研 究 発 表
国際セッション②
International Session 2
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:45 Room C
O2C1730
Home-based calf-raise training with the intent to move rapidly improves
rapid force production and balance performance in elderly men
○Ryoichi Ema , Shunsuke Ohki , Hirokazu Takayama , Yuji Kobayashi , Ryota Akagi
1 Graduate School of Engineering and Science, Shibaura Institute of Technology
2 JSPS Research Fellow
3 College of Systems Engineering and Science, Shibaura Institute of Technology
4 Institute for General Education, Ritsumeikan University
1, 2
3
3
4
3
This study aimed to clarify whether home-based calf-raise training, with the intent to move rapidly,
changes the rate of torque development (RTD) of the plantar flexion and balance performance in elderly
people. Thirty-four healthy elderly men (73 ± 5 yr) were randomly assigned to a training or control group.
The subjects in the training group completed 8 weeks of home-based bilateral calf-raise training using
body mass, with raising their heels as fast as possible. Before and after the intervention, plantar flexion
RTD and center of pressure (COP) displacement during single-leg stance were measured. Muscle
activation of the triceps surae and tibialis anterior during the strength and single-leg stance were
evaluated using surface electromyography. Muscle architecture of the medial gastrocnemius (MG) was
measured using ultrasonography. In the control group, no variables changed. In the training group, RTD
and muscle activation of MG and soleus on RTD significantly increased. The COP displacement during
single-leg stance significantly decreased after the intervention, which was accompanied by a significant
reduction in muscle activation of the triceps surae. The muscle architecture did not change. Our findings
indicate that home-based calf-raise training with the intent to move rapidly, performed without special
equipment or venue, induces an increase in the ability of rapid force generating capability of the plantar
flexors and balance performance in elderly men.
― 53 ―
口頭発表①
9月13日(火)9:00〜9:45(A会場(R101)
)
口頭発表②
9月13日(火)9:00〜9:45(B会場(R102)
)
口頭発表③
9月13日(火)16:15〜17:15(A会場(R101)
)
口頭発表④
9月13日(火)16:15〜17:15(B会場(R102)
)
口頭発表⑤
9月14日(水)9:00〜9:45(A会場(R101)
)
口頭発表⑥
9月14日(水)9:00〜9:45(B会場(R102)
)
口頭発表⑦
9月14日(水)9:00〜9:45(C会場(R103)
)
口頭発表⑧
9月14日(水)10:00〜11:00(B会場(R102)
)
口頭発表⑨
9月14日(水)10:00〜11:00(C会場(R103)
)
口頭発表⑩
9月14日(水)13:00〜14:00(B会場(R102)
)
口頭発表⑪
9月14日(水)13:00〜14:00(C会場(R103)
)
一般研究発表(口頭発表)
9月13日(火)、14日(水)
一 般 研 究 発 表
口 頭 発 表
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
9:00~9:45
口頭発表①
A会場(R101)
座長:塩澤 成弘(立命館大学)
9:00
O2A0900
身体重心を上下動させる予備動作がサイドステップのクイッ
クネスに及ぼす影響
内田 絵梨
立命館大学スポーツ健
康科学部
9:15
O2A0915
長距離選手のトレッドミルランニングにおける身体動揺と酸
素摂取量との関係
榎本 靖士
筑波大学体育系
9:30
O2A0930
競泳トラックスタートにおける身体質量中心位置の高さがス
タートパフォーマンスへ与える影響
田中 貴大
立命館大学大学院
口頭発表②
B会場(R102)
座長:樋口 貴俊(福岡工業大学)
9:00
O2B0900
野球打撃動作におけるバット・ヘッドスピード増大に有効な
スウィング動作の探索
阿江 数通
筑波大学スポーツ
R&Dコア
9:15
O2B0915
野球選手におけるバットスイング速度と体幹筋厚の関連
土金 諒
立命館大学スポーツ健
康科学研究科
9:30
O2B0930
空間的再現性の高いインパクトを生み出す野球打撃動作の検
討
御前 純
立命館大学
― 56 ―
一 般 研 究 発 表
口 頭 発 表
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
16:15~17:15
口頭発表③
A会場(R101)
座長:本城 豊之(防衛大学校)
16:15
O2A1615
歩行立脚期中の股関節,膝関節の角度変化
山本 洋之
姫路獨協大学医療保健
学部
16:30
O2A1630
歩行・走行動作の速度変化からみた下肢動作の安定性
湯 海鵬
愛知県立大学教育福祉
学部
16:45
O2A1645
歩行における筋シナジーの機能特性が活動度の不安定性の変
化に及ぼす影響
木伏 紅緒
京都大学大学院人間・
環境学研究科
17:00
O2A1700
新しい歩行様式i-walkにおける下肢関節のキネティクス解析
下寳 賢人
立命館大学大学院ス
ポーツ健康科学研究科
口頭発表④
B会場(R102)
座長:荒川 裕志(国際武道大学)
16:15
O2B1615
卓球のフォアハンドドライブにおけるラケットの制御とボー
ルコントロール
飯野 要一
東京大学
16:30
O2B1630
テニスのフォアハンド・グラウンドストロークにおける至適
動作生成
大津 卓也
筑波大学大学院
16:45
O2B1645
ゴルフスイング中の下胴部長軸まわりの回転運動を生み出す
動力学的要因
高木斗希夫
国立スポーツ科学セン
ター
17:00
O2B1700
膝関節伸展筋の疲労とゴルフスウィングパフォーマンスの関
係
三宅 悠斗
立命館大学大学院ス
ポーツ健康科学研究科
― 57 ―
一 般 研 究 発 表
口 頭 発 表
9月14日(水)14th Sep. (Wed.)
9:00~9:45
口頭発表⑤
A会場(R101)
座長:小田 俊明(兵庫教育大学)
9:00
O3A0900
野球競技選手における体幹筋の左右差に局在性は存在する
か?
小山田悠希
立命館大学スポーツ健
康科学部
9:15
O3A0915
野球選手における体幹筋の発育特性に関する横断的研究
和智 道生
立命館大学大学院ス
ポーツ健康科学研究科
9:30
O3A0930
野球打撃動作における左右下肢の動力学的な役割
見邨 康平
筑波大学大学院
口頭発表⑥
B会場(R102)
座長:吉岡 伸輔(東京大学)
9:00
O3B0900
野球メジャー球の投球がパフォーマンスに与える影響
那須 大毅
NTTコミュニケーショ
ン科学基礎研究所
9:15
O3B0915
ハンドボール投球同側脚ジャンプシュートの上級者と初級者
のキネマティクス比較
谷本 道哉
近畿大学生物理工学部
9:30
O3B0930
モーションキャプチャによる前腕回内回外の尺骨挙動推定手
法の提案
野尻 紘聖
熊本高等専門学校
口頭発表⑦
C会場(R103)
座長:正田 悠(立命館大学)
9:00
O3C0900
日本舞踊における「体幹部」の技法分析
宇津木安来
東京藝術大学音楽研究
科
9:15
O3C0915
足圧中心動揺による小児の安静立位姿勢制御の評価
大庭 尚子
日本女子体育大学
9:30
O3C0930
ヴァーチャル障害物の視覚情報による姿勢制御への影響
井田 博史
上武大学
― 58 ―
一 般 研 究 発 表
口 頭 発 表
9月14日(水)14th Sep. (Wed.)
10:00~11:00
口頭発表⑧
B会場(R102)
座長:佐藤 隆彦(立命館大学)
10:00
O3B1000
大学生男女サッカー選手のスプリント走における下肢関節動
作の比較
田村 雄志
福岡大学
10:15
O3B1015
女子100mハードル走におけるスタート姿勢の変化がパ
フォーマンスに及ぼす影響
岩崎 領
東京学芸大学大学院
10:30
O3B1030
陸上競技の曲線走における右足接地期の運動力学的特徴
東 洋功
早稲田大学大学院
10:45
O3B1045
長距離走における体軸回りの回転運動の効果
舛本 現
理化学研究所
口頭発表⑨
C会場(R103)
座長:長野 明紀(立命館大学)
10:00
O3C1000
サッカーゴールキーパーにおける異なる高さへのダイビング
動作に関する バイオメカニクス的研究
沼津 直樹
筑波大学大学院
10:15
O3C1015
拡散レーザーを用いたステップ計測の可能性
濱中 良
鹿屋体育大学大学院
10:30
O3C1030
垂直跳における下肢関節トルクがエネルギーの発生、変換、
伝達へ及ぼす影響
鈴木 雄太
大阪市立大学
10:45
O3C1045
傾斜条件の違いが連続ジャンプの運動効率に及ぼす影響
関 慶太郎
筑波大学大学院人間総
合科学研究科
― 59 ―
一 般 研 究 発 表
口 頭 発 表
9月14日(水)14th Sep. (Wed.)
13:00~14:00
口頭発表⑩
B会場(R102)
座長:谷本 道哉(近畿大学)
13:00
O3B1300
フットサルのキックにおけるキック方向の変化と腰部のダイ
ナミクス
濱田 佳孝
東京大学大学院
13:15
O3B1315
関節モーメントアームと固有筋力の関係
堀 美幸
摂南大学
13:30
O3B1330
陸上競技の走動作における単位距離当たりの力学的仕事に関
する研究
千田 周平
東京大学
13:45
O3B1345
国内一流十種競技選手の疾走動作とパワー発揮能力との関係
に関する縦断的研究
横澤 俊治
国立スポーツ科学セン
ター
口頭発表⑪
C会場(R103)
座長:稲葉 優希(国立スポーツ科学センター)
13:00
O3C1300
6 週間の継続的な投球経験による非熟練投球者の投球スピー
ド、投動作および筋活動パターンの変化
久保 槙平
神奈川大学
13:15
O3C1315
野球の投球動作におけるボールリリース前後の手指筋活動の
分析
海津 陽一
筑波大学大学院人間総
合科学研究科
13:30
O3C1330
バスケットボールのシュートの距離調節メカニズムに関する
研究
中野 信泰
東京大学大学院総合文
化研究科
13:45
O3C1345
主成分分析および重回帰分析を用いた大学アメリカンフット
ボール選手の形態的特性と走能力の定量
山本 捷
立命館大学
― 60 ―
一般研究発表
口頭発表①
Oral presentations 1
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room A
O2A0900
身体重心を上下動させる予備動作がサイドステップのクイックネスに及ぼす影響
○内田 絵梨(立命館大学スポーツ健康科学部)、藤本 雅大(立命館大学スポーツ健康科学部)、伊坂 忠
夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
バスケットボールなどの対人競技において、相手の予期せぬ動きに対して素早く反応し動作を開始するに
は、動作開始前に抜重動作を行うことが有効であると報告されている。予備動作を行い、動作直前の両脚の
荷重状態をコントロールすることで、効果的な動き出しが可能になると考えられる。そこで本研究では、身
体重心の上下動により加重と抜重を繰り返す予備動作が選択反応動作に及ぼす影響を検討することで、効果
的な動き出しに最も恩恵を与える予備動作の荷重条件を明らかにすることを目的とした。実験では、大学男
子バスケットボール選手を対象として、光刺激に応じて左右方向へステップする選択反応動作を静止立位条
件と予備動作条件で行わせた。予備動作条件では、身体重心の上下動により加重と抜重を繰り返すよう指示
し、加重初期、加重中期、抜重初期、抜重中期の異なる 4 つのタイミングで方向指示を行った。その結果、
予備動作条件では、いずれの方向指示のタイミングにおいても、静止立位条件と比較してステップ速度は有
意に上昇し、ステップに要する時間は有意に短縮した。予備動作は加重・抜重のいずれの局面においても効
果的な動き出しに有効であることが示された。
O2A0915
長距離選手のトレッドミルランニングにおける身体動揺と酸素摂取量との関係
○榎本 靖士(筑波大学体育系)、関 慶太郎(筑波大学大学院人間総合科学研究科)、大森 由香子(筑波
大学大学院人間総合科学研究科)、相原 岳浩(カシオ計算機株式会社)、大谷 勇治(カシオ計算機株式
会社)
ランニングエコノミーはトップ長距離走パフォーマンスに影響する要因であることが知られており、それ
にはバイオメカニクス的要因が大きく関与していると報告されている。しかし、ランナーの走スピードの変
化にともなうエコノミーの変化、および選手個々のエコノミーに影響するバイオメカニクス的特徴に関する
研究は進んでいない。その原因の 1 つには酸素摂取量の測定と同時にバイオメカニクス的変量の測定の困難
さがあげられる。そこで本研究では、トレッドミル走におけるランナーの腰部に装着したモーションセンサー
を用いて身体の動きを計測し、それと酸素摂取量との関係を検討することで、長距離選手においてランニン
グエコノミーに影響を及ぼす要因に関する示唆を得ることを目的とした。大学長距離選手にトレッドミルに
おいて 3 分間のステージ走を多段階に走らせ、また同じスピードにおいて 5 段階のピッチで走らせ、そのと
きの身体の動きを腰部に装着したモーションセンサーを用いて計測した。その結果、身体の上下、左右、前
後の動きと酸素摂取量との間に有意な関係がみられ、身体の上下動を 1 分間量にすることでピッチの変化に
ともなう酸素摂取量の変化を説明できた。
― 61 ―
一般研究発表
口頭発表①
Oral presentations 1
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room A
O2A0930
競泳トラックスタートにおける身体質量中心位置の高さが
スタートパフォーマンスへ与える影響
○田 中 貴大(立命館大学大学院)、本城 豊之(防衛大学校)、藤本 雅大(立命館大学大学院)、長野 明紀(立命館大学大学院)、伊坂 忠夫(立命館大学大学院)
【目的】競泳トラックスタートにおける身体の質量中心(Center of Mass: COM)位置の初期高さがスター
トパフォーマンスへ与える影響を、数値シミュレーションを用いて明らかにすることを目的とした。【方法】
人の身体を10自由度の剛体リンクセグメントモデルで表現し、系の運動方程式を数値積分することで各剛体
の絶対運動を求めた。COMの初期高さは、High(0.63m)、Normal(0.61m)およびLow(0.59m)の 3 条件
に設定し、競泳トラックスタート動作のシミュレーションを行った。【結果】跳び出し水平速度は、High
(3.74m/s)、Normal(3.73m/s)
、Low(3.59m/s)の順に速い値が認められた。また、後ろ脚における膝関
節伸展モーメントのピーク値も、High(184.59Nm)、Normal(175.11Nm)
、Low(161.10Nm)の順に大き
い値が認められた。【結論】競泳トラックスタートにおいて、COMの初期位置を高くすると、後ろ脚におけ
る膝関節伸展モーメントを強く発揮することができ、高いスタートパフォーマンスを得ることができること
が示唆された。
― 62 ―
一般研究発表
口頭発表②
Oral presentations 2
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room B
O2B0900
野球打撃動作におけるバット・ヘッドスピード増大に有効なスウィング動作の探索
○阿江 数通(筑波大学)、小池 関也(筑波大学)、藤井 範久(筑波大学)、阿江 通良(筑波大学)
野球の打撃動作では、大きなヘッドスピードの獲得が長打の確率を高めることに繋がる。このため、シミュ
レーションのように具体的な知見を得ることは打撃技術の向上や改善に有効となる。本研究では、バット重
心速度と角速度を変化させて予めバット軌道を生成し、ヘッドスピードの増大に有効な動作を明らかにする
ことを目的とした。23名の被験者にティー打撃を行わせ、身体およびバットの三次元座標を自動動作分析装
置によって計測した。 1 名の被験者(最大ヘッドスピード:37.9 m/s)を選定し、バット重心速度と角速度
の特徴点(49点)を、最大ヘッドスピードが40 m/sとなるように最適化計算(焼きなまし法)により値お
よびタイミング(5%以内)を変化させた。その際、計測値と計算値において、インパクト時のボール打撃
部位置の誤差が0.1 m以下、バット・ヘッド速度ベクトル角が 5 度以下と設定した。その結果、最大ヘッド
スピードの並進と回転成分の比率は、計測値では69.1%と30.9%、計算値では66.6%と33.4%となった。手関節
点における計測値と計算値の差のRMS%は、バレル側では12.0%、ノブ側では10.8%となった。
O2B0915
野球選手におけるバットスイング速度と体幹筋厚の関連
高校野球選手と大学野球選手の比較
○土金 諒(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、樋口 貴俊(福岡工業大学社会環境学部)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、和智 道生(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、御前 純(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、田中 大智(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、
三宅 悠斗(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
野球競技におけるバットスイング速度(BSS)は、打撃能力を決定する要因の一つである。スイング動作
は下肢から体幹そして上肢までの全身各部位の協調動作によって行われ、その中で体幹筋が関与する。体幹
筋の発達には年代差が生じることが指摘されている。そこで本研究は、高校と大学の野球打者におけるBSS
と体幹筋量の関係を明らかにすることを目的とした。高校野球選手28名と大学野球選手24名のBSSを、ティー
スタンド上の硬式野球ボールを全力で打った際のバット先端に貼付した反射マーカーの移動速度として求め
た。筋量は超音波法を用いて測定した左右両部位の腹直筋、腹斜筋群および多裂筋の筋厚から求めた。高校
野球選手では、BSSと軸足側(右打者では右側)の腹斜筋群の筋厚との間に有意な相関関係が認められた
(r=0.412、p<0.05)。これに対して、大学野球選手では、BSSと軸足側の腹斜筋群(r=0.426、p<0.05)に加
えて多裂筋(r=0.432、p<0.05)の筋厚との間にも有意な相関関係が認められた。この結果から、野球選手
においてBSSと体幹筋量は関連し、それには年齢依存的な違いがあることが示唆された。
― 63 ―
一般研究発表
口頭発表②
Oral presentations 2
13th Sep. (Tue.) 9:00~9:45 Room B
O2B0930
空間的再現性の高いインパクトを生み出す野球打撃動作の検討
○御前 純(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、樋口 貴俊(福岡工業大学社会環境学部)、土金 諒(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、佐伯 紘道(立命館大学スポーツ健康科学部)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
野球打者が優れた打撃結果を得るためには、空間的に正確なインパクト(ボールとバットの衝突)を繰り
返し行う「再現性」が必要である。実際に、プロ・大学野球選手においては、インパクト位置の再現性が高
いことが確認されている。一方、ゴルフショットなど多関節運動を対象とした研究では、各関節の協調によ
り結果の空間的誤差が低減されることが示されている。野球打撃においてもこのような関節間協調が見られ
るかを検討することで、打撃の再現性向上の一助となることが期待される。そこで本研究では、再現性の高
いインパクトを生み出す野球打撃動作を明らかにすることを目的とした。大学野球選手16名を対象に、セン
ター方向に設置した標的の中心を狙うよう指示し、ティー台上に設置したボールを20球実打させた。身体・
バットにおける計測点の位置座標は、三次元動作解析システムにて取得し、バット軌道、上肢関節の角度、
体幹・骨盤部の姿勢角を算出した。バット軌道とその到達点は高い再現性を示した一方で、一部の上肢関節
角度には試技間で変動が見られた。これらの結果から、大学野球打者は上肢関節の協調によりインパクトの
再現性を保っていることが示唆された。
― 64 ―
一般研究発表
口頭発表③
Oral presentations 3
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:15 Room A
O2A1615
歩行立脚期中の股関節,膝関節の角度変化
大腿と下腿の角度変化からの検討
○山本 洋之(姫路獨協大学医療保健学部)
【目的】歩行での膝関節の角度変化は膝関節は回転と並進運動の両要素があるため矢状面では移動軸を持
ち、固定軸と仮定する方法では正確な動きの捕捉は困難である。そこで、大腿と下腿の各々の角度変化に着
目し、歩行中の股・膝関節の角度を測定・検討した。【方法】被験者は健常成人19名、歩行をビデオカメラ
で撮影、デシタイズする方法で角度変化を算出した。マーカーは矢状面での大腿と下腿のそれぞれ全長を三
等分する 2 つの中点に貼付し、大腿と下腿での各 2 点を通過する直線と鉛直線との角を大腿・下腿の角度と
した。大腿の角度を股関節の角度とし、両肢の角度から膝関節角度を算出した。【結果・考察】19人中 3 名
は膝伸展位で歩行するため角度変化が乏しいことから集計から除外した。他の被験者の平均値として、歩行
立脚期の時間は0.64sであり、その間の踵接地から22.2%の時期に膝屈曲角度は最大になり、股関節屈曲は
18.3%で最大であった。また立脚期中、下腿は足部を支点として時間経過とともに前傾していた。このこと
から、膝関節の屈曲は下腿の前傾と股関節の屈曲角度に関連し、最大屈曲の時期は大腿の動きに依存するこ
とが明らかになった。
O2A1630
歩行・走行動作の速度変化からみた下肢動作の安定性
○湯 海鵬(愛知県立大学)、豊島 進太郎(東海学園大学)、金謙 樹(愛知県立大学)
人間の歩行,走行のような移動動作は,下肢の連続反復動作によって行われる。日常的に行う歩行,走行
動作は,身体動作の中でもっとも完成度の高い動作である。このような完成度の高い歩行,走行動作でさえ,
毎回ごとに動作の微少な差異があり,まったく同じ動作とはならない.歩行,走行動作には空間的な要素の
ステップ長があり,同じ努力でも毎歩ごとのステップ長にはばらつきが生ずるはずである.このような空間
的なばらつきは,人間の下肢運動動作の空間的な安定性の一つの指標となると考えられる。本研究は 2 段階
の歩行と 2 段階の走行動作や筋力を計測することによって,移動速度の変化により下肢動作の安定性の変化、
安定性の性差などを調べたものである。被験者は男子23名、女子19名であった。試技はトレードミール上で
の12分間の歩行と走行動作であった。下肢の安定性についての検討は、左右膝の垂直変位から算出した変動
係数に対して行われた。測定の結果から,速度の増大による変動係数の減少が見られ,安定性の向上傾向が
みられた.それは,速度の増加につれ運動の危険性が高まり,身体が自己保護のために安定性を高めるとい
う身体の特徴の一つと考えられる。
― 65 ―
一般研究発表
口頭発表③
Oral presentations 3
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:15 Room A
O2A1645
歩行における筋シナジーの機能特性が活動度の不安定性の変化に及ぼす影響
○木伏 紅緒(京都大学)、萩生 翔大(東京大学)、神﨑 素樹(京都大学)
歩行は、 1 歩行周期内の適切なタイミングにおいて、接地、立脚支持、地面の蹴り出し、といった動作が
協調的に機能する必要がある。動作の制御は歩行速度の上昇に伴い不安定になり、また、制御する動作の機
能に依存して不安定性は異なると考えられる。近年、冗長性を有する骨格筋の制御を簡略化する神経機構と
して筋シナジーが提唱されている。本研究では、不安定性の指標である最大リアプノフ指数を用いて筋シナ
ジーの活動度を評価することにより、筋シナジーの機能の違いによる不安定性の違いを明らかにした。様々
な速度で歩行している10名の被験者から得られた表面筋電図より、筋シナジーの抽出と最大リアプノフ指数
の算出を行った。最大リアプノフ指数の値が高いほど不安定性が高いことを意味する。急速な不安定性の発
展はλS、長期的な発展はλLとした。各被験者からは、接地の衝撃を吸収する、立脚支持、推進力発生、遊
脚をなす機能をもつ筋シナジーが頻繁にみられた。しかし、それぞれの筋シナジー間でのλSとλLの変化の
仕方に違いはみられなかった。このことから、中枢神経系は筋シナジーの機能の違いに依存せず不安定性を
制御していることが示唆された。
O2A1700
新しい歩行様式i-walkにおける下肢関節のキネティクス解析
○下寳 賢人(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、田中 貴大(立命館大学大学院スポーツ健康
科学研究科)、藤本 雅大(立命館大学スポーツ健康科学部)、本城 豊之(防衛大学校)、寺田 昌史(立
命館大学スポーツ健康科学部)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
我々は、通常歩行と近似したペースで歩け、生理学的運動強度を若干高め、かつ下肢筋力の向上をねらい
とする歩行様式「i-walk」を提案した。その歩行様式は、一歩目、二歩目を通常歩行の歩幅で、三歩目を通
常歩行よりも一足長程度大きくして歩くことを繰り返す。本研究では、この歩行様式i-walkが下肢関節にど
のような力学的負荷を与えるかをキネティクス的に解析することを目的とした。健康な男子大学生 4 名に対
し、床反力計内蔵トレッドミル上で快適歩行速度を計測し、その快適速度で通常歩行とi-walkを行わせた。
三次元動作解析装置で歩行中の身体各標点のマーカーの座標を取得し、床反力を同期測定し、逆動力学計算
によって下肢関節モーメントを算出した。その結果、i-walkの三歩目踏み出し脚の立脚期では股関節、膝関
節伸展、足関節底屈モーメントピーク値が通常歩行よりも30%以上の上昇を示した。支持脚の立脚期では股
関節屈曲、膝関節伸展モーメントピーク値は20%以上の上昇を示した。以上の結果から、i-walkは通常歩行
よりも大きな下肢関節モーメントを必要とするため、筋力向上効果が期待できることを示した。
― 66 ―
一般研究発表
口頭発表④
Oral presentations 4
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:15 Room B
O2B1615
卓球のフォアハンドドライブにおけるラケットの制御とボールコントロール
○飯野 要一(東京大学)、吉岡 伸輔(東京大学)、深代 千之(東京大学)
卓球のドライブ打法においては、スピードや回転量のあるボールを打てる能力が重要であるが、狙った場
所に打てるボールコントロールも重要である。本研究は、卓球のフォアハンドドライブにおいてインパクト
付近でラケットをどのように制御しているかを明らかにし、そのラケットの動きや角度とボールの落下点と
の関係を調べることを目的とした。
卓球の上級者 9 名が下回転ボールを全力かつできる限り正確にターゲットを狙ってフォアハンドドライブ
で返球した。各選手につき30試行のドライブを分析した。インパクトにおけるラケットスピード、ラケット
面の角度、ラケットの軌道角度及びそれらの変化率を算出した。またボールの落下点も算出した。
多くの選手が、ラケット面を開きながら、ラケット軌道角度を大きくしながら、またラケットスピードを
増加させながらインパクトしていた。また、ラケット面を開くほどボールの落下点が有意に遠くなることが
示された。ラケット面の角度がボールの落下点に影響を及ぼすにもかかわらず、ラケット面を開きながら打
球していたことは、精度向上の観点からはラケットの動きの制御が最適に達していない可能性を示唆した。
O2B1630
テニスのフォアハンド・グラウンドストロークにおける至適動作生成
ラケット軌道入力による関節負荷シミュレーション
○大津 卓也(筑波大学大学院)、小池 関也(筑波大学)、藤井 範久(筑波大学)
近年テニスにおいて、ラリー中の打球数は増加傾向にあることが報告されており、フォアハンド・グラウ
ンドストロークが試合の勝敗を左右する要因となっている。このフォアハンド・ストロークにおいて、ラケッ
トヘッド速度生成に貢献するのは、肩関節の内外旋動作であることが報告されている。しかし、この報告を
もとに技術の向上を考えるとき、どのように動作を変化すべきかは個人により異なると考えられる。個人の
動作に即した改善点を定量化して提示するには、本人の動作をもとに至適動作を探索することが有効である
と考えられる。そこで本研究では、関節負荷が少なく大きなヘッドスピードが得られる至適動作を提示する
ことを目的とした。そのような動作を実現するラケット軌道を遺伝的アルゴリズムによって探索し、その結
果得られた動作を至適動作として扱う。具体的には、 1 )実験で得られた動作データをもとに新たなラケッ
ト軌道を生成し、 2 )この軌道を実現するための時々刻々の動作姿容を、運動学的な冗長性を考慮して算出
し、そして 3 )生成された動作に対する逆動力学演算から得た関節負荷を評価するこれらのプロセスを繰り
返し行うこととした。
― 67 ―
一般研究発表
口頭発表④
Oral presentations 4
13th Sep. (Tue.) 16:15~17:15 Room B
O2B1645
ゴルフスイング中の下胴部長軸まわりの回転運動を生み出す動力学的要因
○高木 斗希夫(国立スポーツ科学センター)
ゴルフ選手 7 名(男子 3 名,女子 4 名)を対象に、ゴルフスイング中の下胴部長軸まわりの角速度の動力
学的成分を分析した。光学式自動動作分析システムを用いて、身体・クラブ計測点の三次元座標を算出した。
また、 2 台のフォースプラットフォームを用いて地面反力を計測した。身体とクラブを計11セグメント(左
腕、頭、上胴、下胴、両足、両下腿、両大腿、クラブ)にモデル化し、小池と石川(2009)の手法に基づき、
下胴部角速度の動力学的成分(①トルク、②重力、③ジャイロモーメント、④運動依存力、⑤地面反力の各
成分)を算出した。その結果、トルク項と地面反力項が、下胴部長軸まわりの角速度の増減の主要な成分と
なっており、これらの成分は相反するパターンを示した。すなわち、バックスイングとフォワードスイング
が切り替わる時点(トップ)付近まではトルク項が大きな正の貢献を示し、それ以降は負の貢献を示したの
に対し、地面反力項は、トップ時点付近までは負の、それ以降は正の貢献を示した。また、トルク項の主要
な成分は左右股関節屈伸展および内外転トルクが正の貢献を、上下胴関節長軸まわりの関節トルクが負の貢
献をそれぞれ示した。
O2B1700
膝関節伸展筋の疲労とゴルフスウィングパフォーマンスの関係
○三宅 悠斗(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、
泉本 洋香(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、土金 諒(立命館大学大学院スポーツ健康科
学研究科)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
学生ゴルフ競技では、約10kgのバッグを担いで一万歩以上歩くため、ラウンド終盤に下肢に疲労が蓄積
する。ゴルフスウィング中に下肢筋は、骨盤の回旋や姿勢の安定化に貢献し、とりわけ膝関節伸展筋は、ダ
ウンスウィングでの膝関節の安定性を高めることで、腰、肩、腕へと効率の良い運動連鎖の達成に貢献する。
従って、膝関節伸展筋の疲労は、パフォーマンスを低下させることが推察される。そこで、本研究は、ラウ
ンド終盤におけるパフォーマンス低下の軽減を目指した方策の基礎データを得るため、膝関節伸展筋を疲労
させた条件により、パフォーマンスが低下するかについて検証を行った。被験者は大学ゴルフ選手 3 名とし、
最大挙上重量の70%負荷による膝関節伸展運動を 6 セット(10回/セット)行い、その前後でドライバーショッ
トを10球ずつ打ち、スマッシュファクター上位 5 試技のヘッドスピード(HS)とボールスピード(BS)の
平均値を算出した。その結果、疲労課題後にHSに変化は無かったが、BSの有意な低下を認めた。従って、
膝関節伸展筋の疲労は、ゴルフパフォーマンスを低下させることが示唆された。
― 68 ―
一般研究発表
口頭発表⑤
Oral presentations 5
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room A
O3A0900
野球競技選手における体幹筋の左右差に局在性は存在するか?
○小山田 悠希(立命館大学スポーツ健康科学部)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、和智 道
生(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、樋口 貴俊(福岡工業大学社会環境学部)、御前 純(立
命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、土金 諒(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、三宅 悠斗(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、田中 大智(立命館大学大学院スポーツ健康科学研
究科)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
野球競技をはじめとする同一方向への回旋動作を頻繁に行うスポーツ選手では、体幹筋に左右差が生じ
ることが明らかにされている。しかしながら、その左右差発現の部位依存的な局在性に着目した研究はない。
したがって、本研究は、大学野球選手を対象に体幹筋の左右差の局在性を検討することを目的とした。被験
者は、投手を除く大学野球選手23名(年齢:20.5±0.7歳)とし、磁気共鳴画像法を用いて、L1/L2からL5/
S1までの横断画像を撮影した。測定対象筋は、腹直筋、腹斜筋群、大腰筋、脊柱起立筋、多裂筋とし、い
ずれも左右両部位の筋断面積(CSA)を計測した。体幹筋CSAの左右差において、L2/L3レベルにおける腹
2
斜筋群は、打撃側に比較して非打撃側が有意に大きかった(31.2±4.6 vs 29.6±4.6 cm 、P <0.05)。これに
対して、L4/L5レベルにおける脊柱起立筋は、非打撃側に比較して打撃側が有意に大きかった(15.8±3.9 vs
2
15.0±3.9 cm 、P <0.05)。本研究の結果より、大学野球選手の体幹筋では、左右差が認められ、それには局
在性が存在することが示唆された。
O3A0915
野球選手における体幹筋の発育特性に関する横断的研究
○和智 道生(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、
樋口 貴俊(福岡工業大学社会環境学部)、御前 純(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、土金 諒(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、三宅 悠斗(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、
田中 大智(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、小山田 悠希(立命館大学スポーツ健康科学部)、
伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学部)
【背景】野球競技における投球や打撃パフォーマンスにおいて、体幹筋は極めて重要な働きを担う。我々
は、これまでに大学野球選手では、体幹筋が特異的に肥大することを明らかにしてきたが、さらに、その発
育特性を検討することは、体幹筋トレーニングの適切な導入時期といった競技力向上の有益な情報となる。
したがって、本研究は、中学生期から青年期までの野球選手を対象とした横断的研究から体幹筋の発育特性
を明らかにすることを目的とした。【方法】被験者は、12歳から21歳までの硬式野球選手140名を対象とし、
超音波を用いて腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、多裂筋の筋厚を測定した。体幹筋の発育特性は、身
長を基準として 8 群に分類し,アロメトリー式を用いて筋厚の相対的な変化を解析した。【結果】腹横筋は,
159.0cmを変位点に発育係数が1.64から3.67へと急増する 2 相の直線で表される増加が認められた。一方、他
の体幹筋は、変曲点をもたずに 1 相の直線で表される増加が認められた。【結論】野球選手における体幹筋
量は、思春期以降も一定に増加するが,腹横筋においては思春期以降に顕著に増加する発育特性を有するこ
とが示唆された。
― 69 ―
一般研究発表
口頭発表⑤
Oral presentations 5
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room A
O3A0930
野球打撃動作における左右下肢の動力学的な役割
○見邨 康平(筑波大学大学院)、小池 関也(筑波大学)
野球の打撃動作では、左右の上肢がバットを直接操作するのに対して、左右の下肢は地面に力を作用さ
せることによって、全身の角運動量の獲得、体幹の支持および加速などを担っていると共に、バットヘッド
スピード獲得に大きく貢献するトルソ関節の回旋トルクの生成に関与していると考えられる。本研究では、
各種物理量の生成に対する下肢関節トルクの役割を、動力学的に定量化することを目的とした。具体的には、
計16の剛体セグメントからなる全身とバットの多体系モデルについて、左右各足部の圧力中心点における各
地面反力に対する全身の関節トルクの貢献式を導出し、身体重心から左右各足の圧力中心までの位置ベクト
ルとの外積計算により、バットを含む全身の角運動量の変化に対する関節トルクの貢献の定量化を可能とし
た。被験者12名のによる静止球打撃動作を対象とした分析の結果、全身の角運動量の鉛直軸まわり成分の生
成およびトルソ関節の回旋において、それぞれ重要な役割を担うと考えられる床反力成分の生成に対し、軸
脚側では足関節の底背屈軸トルクが、ステップ脚側では膝関節の屈曲伸展軸トルクおよび足関節の底背屈ト
ルクが大きな貢献を示した。
― 70 ―
一般研究発表
口頭発表⑥
Oral presentations 6
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room B
O3B0900
野球メジャー球の投球がパフォーマンスに与える影響
○那須 大毅(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、門田 浩二(大阪大学大学院医学系研究科)、
松尾 知之(大阪大学大学院医学系研究科)
米国のメジャーリーグや国際大会で使用されている硬式野球ボール(以下、メジャー球)は、国内で使用
されているボール(以下、国内球)と比べて滑りやすいことが度々指摘されているが、このことが投球のパ
フォーマンスに与える影響はこれまでに明らかになっていない。本研究では、これら異なる 2 種類のボール
を投じた際のパフォーマンス(球速、回転数、コントロール)の違いを明らかにすることを目的とした。実
験では、硬式野球の投手経験者 6 名を対象に、国内球およびメジャー球を各20球投じた際の球速(km/h)、
回転数(Hz)および4m先の的の中心からの誤差(cm)を計測した。その結果、コントロールについて有意
な違いが認められ、メジャー球を投じた時には、国内球を投じた時と比べて平均で8.6cm腕の振りに沿って
右上(左投手の場合は左上)にずれるという結果であった。発表では、コントロールとの関連が強いと考え
られるリリースのタイミングに関する結果も加え、投球における「すっぽ抜け」の原因について議論する。
O3B0915
ハンドボール投球同側脚ジャンプシュートの上級者と初級者のキネマティクス比較
ハンドボール上級者と初級者の同側脚ジャンプシュートでは空中での下肢の動作に相違がある
○谷本 道哉(近畿大学生物理工学部)、建畠 龍太(近畿大学生物理工学部)
背景:ハンドボールのジャンプシュートでは、投球肢と逆側脚で跳躍する動作が通常だが、ディフェンス
との関係から投球肢と同側脚で跳躍する方法もある.この同側脚跳躍シュートが巧みに行えるかどうかは技
能の良し悪しの一つのポイントとされる.目的:同側脚跳躍シュートの上級者と初級者のキネマティクス比
較を行い、その相違部分を検証する.方法:同側脚跳躍シュートを普段からプレー中に行っている上級者( 6
名:競技歴8.0±3.4年)と同側脚跳躍シュートをプレー中にほぼ行わない初級者( 6 名:競技歴1.8±0.9年)
に同側跳躍シュートを行っていただき、そのキネマティクス解析・比較を行った.結果:最も特徴的な相違
が見られたのは踏切後の空中での踏切脚の股関節動作であった.上級者では 5 名全員が股関節屈曲から伸展
方向に大きなROMで動作していた(86±32°)のに対し、初級者では伸展方向のROMを持たないか、小さ
いROMの動作であった(34±20°).結論:同側脚跳躍シュートの上級者と初級者の相違は主に空中での下
肢の動作においてみられる.これは運動量内部保存側による上肢のシュート動作の補強として働いている可
能性がある.
― 71 ―
一般研究発表
口頭発表⑥
Oral presentations 6
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room B
O3B0930
モーションキャプチャによる前腕回内回外の尺骨挙動推定手法の提案
○野尻 紘聖(熊本高等専門学校)、清川 拓哉(奈良先端科学技術大学院大学)、大塚 弘文(熊本高等専
門学校)、堀川 悦夫(佐賀大学医学部)、岡山 洋二(九州記念病院)
本論文では,モーションキャプチャを用いた前腕の回内回外モデルに基づく新たな尺骨挙動推定手法を提
案する.先行研究での回内回外モデルとしてKecskemethyらの運動学モデルがあるが,粒子群最適化(PSO:
Particle Swarm Optimization)を用いて推定精度を大幅に改善できる修正モデルや,計算量を少なくでき
る簡便な数理モデルの提案をCT画像によって行ってきた.しかし,被爆による身体的負担やCT装置を利用
し計測を行うコスト面の問題から,モーションキャプチャによって尺骨挙動を推定することのメリットは大
きいと考える.そこで,モーションキャプチャシステムを用いた前腕の動作分析結果について述べ,尺骨挙
動推定手法および推定結果を示し,本手法の有用性をCT画像から推定した結果と比較検証する.
― 72 ―
一般研究発表
口頭発表⑦
Oral presentations 7
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room C
O3C0900
日本舞踊における「体幹部」の技法分析
モーションキャプチャを用いた肋骨動作の解析
○宇津木 安来(東京藝術大学音楽研究科)
本発表でいう「体幹部」とは、伝統芸能の世界における「胸、腹、腰、背中」といった身体部位を含む「手
足頭」以外の胴体部を指す。その中でも本発表では、日本舞踊で特に重要とされる「胸」の身体技法に注目
し、肋骨部分の動作解析を行った。これまで日本舞踊研究、および舞踊研究一般において分析の対象は「手
足頭」が中心となってきており、
「体幹部」自体を対象にした研究は行われてこなかった。しかし、
「手足頭」
の母体である「体幹部」なくして舞踊も他の身体文化も成立しない。未来の身体技法研究は、「手足頭」を
支える基盤として「体幹部」を捉え、分析する事が重要になってくるのではないかと考える。本発表では「体
幹部」の技法が実際にどのように「手足頭」の技法と関係しているのか、また全体のパフォーマンスにどの
ように関わっているのかを、具体的なデータをもとに明らかにしていく。本発表で用いるデータは、光学式
モーションキャプチャMAC3Dシステムを使用したもので、2016年 2 月に東京藝術大学日本舞踊研究室にカ
メラ16台を設置し、肋骨を中心にマーカー86点を設定し、芸大日本舞踊専攻の教授、院生、学部生を対象に
取得したものである。
O3C0915
足圧中心動揺による小児の安静立位姿勢制御の評価
○大庭 尚子(日本女子体育大学附属基礎体力研究所)、山本 暁生(神戸大学大学院保健学研究科)、笹川 俊(神奈川大学人間科学部)、萩尾 耕太郎(東京大学大学院総合文化研究科)、中澤 公孝(東京大学大
学院総合文化研究科)
本研究の目的は、足圧中心(COP)動揺を用いて小児の安静立位姿勢制御の発達を明らかにすることと
した。4-9歳の健常小児を対象に安静立位姿勢保持中の床反力を記録し、COPを算出した。COP速度の標準
偏差は、閉眼では年齢との間に負の相関があった。COP速度の標準偏差は、開眼および閉眼において年齢
との間に負の相関があった。立位姿勢保持中にCOPは身体重心の水平面投射周辺で小さく変動しているた
め、COP変位の振幅は、姿勢制御の被制御変数である身体重心の振幅、すなわち制御のパフォーマンスを
反映する。一方で、COP位置は立位姿勢保持に必要な足関節トルクと比例関係にあるため、COP速度は足
関節トルクの微細な変動、すなわち制御コストを反映した変数とみなすことができる。そこでCOP速度/
COP変位比から、制御の効率(コスト/パフォーマンス)を評価した。その結果、COP速度/COP変位は、
年齢と共に減少する傾向(開眼:P<0.1、閉眼:P<0.05)があった。本研究結果は、少なくとも思春期前の
小児ではCOP速度/COP変位比が年齢と共に減少し、この点から評価した立位姿勢制御の効率が向上するこ
とを示唆する。
― 73 ―
一般研究発表
口頭発表⑦
Oral presentations 7
14th Sep. (Wed.) 9:00~9:45 Room C
O3C0930
ヴァーチャル障害物の視覚情報による姿勢制御への影響
○井田 博史(上武大学)
本研究の目的は、ヴァーチャル環境における障害物回避動作について、視覚情報が姿勢調節に及ぼす効果
を明らかにすることである。実験参加者(健常成人10名)がヘッドマウンドディスプレイを着用して直立し、
呈示される障害物映像に対して片脚挙上による模擬回避動作を行った。呈示環境として両眼視差がない場合
(2D)とある場合(3D)、また障害物運動として上下動がない場合(不変高)とある場合(変動高)がそれ
ぞれ設定された。挙上動作開始前については、初期姿勢調節相で前脛骨筋の筋活動に呈示環境と障害物運動
の交互作用がみられたが、つづく予測性姿勢調節相では有意な効果が検出された筋活動はなかった。一方、
挙上動作開始後の補償性姿勢調節相では、支持側の内側腓腹筋と大腿二頭筋、挙上側の大腿二頭筋と外腹斜
筋それぞれの筋活動において呈示環境もしくは障害物運動による有意な効果が検出された。呈示環境の2D
条件より3D条件で、また障害物運動の変動高条件より不変高条件でそれぞれ筋活動が大きくなる傾向があ
り、これらの視覚情報が衝突回避のための主動作遂行と姿勢調節に影響を及ぼすことが示唆された。
― 74 ―
一般研究発表
口頭発表⑧
Oral presentations 8
14th Sep. (Wed.) 10:00~11:00 Room B
O3B1000
大学生男女サッカー選手のスプリント走における下肢関節動作の比較
○田村 雄志(福岡大学)、布目 寛幸(福岡大学)、伊賀 崇人(福岡大学)、當眞 裕樹(福岡大学)、杉 秋成(福岡大学大学院)、福嶋 洋(福岡大学大学院)
本研究では、大学生男女サッカー選手の疾走動作の違いを明らかにし、サッカー選手へのスプリント指導
に役立てるための知見を得ることを目的とした。被験者は、体育会サッカー部に所属する男子10名(173.3
±4.0cm、65.9±5.8kg、19.5±1.1yrs)
、女子10名(162.0±2.0cm、56.9±2.0kg、19.8±1.8yrs)とし、スタンディ
ングスタートによる50m走を行わせた。走路側方に設置した 1 台のデジタルハイスピードカメラ(EX-F1)
によって、35m付近の疾走動作を毎秒300コマで撮影し、動作分析ソフト(Frame-DAISⅣ)を用いて身体
各部の二次元座標値を算出した。
その結果、女子選手は、男子選手に比べ接地期後半での股関節と膝関節の伸展および足関節の底屈が大き
かった(p<0.05)。また、 1 ステップにおける接地期の時間比も男子選手より長かった。それに伴い、遊脚
期前半では股関節および膝関節の屈曲が小さいことが明らかになった。このことから、女子選手は男子選手
に比べ、接地脚によって地面を長い時間押すことで遊脚の前方へのスイングが遅れる傾向にあることが示唆
された。
O3B1015
女子100mハードル走におけるスタート姿勢の変化がパフォーマンスに及ぼす影響
○岩崎 領(東京学芸大学大学院)、成澤 一希(東京学芸大学大学院)、新海 宏成(東京学芸大学)
【緒言】一般に女子選手は脚筋力が弱いので、100mハードルを含む短距離種目では位置エネルギーを利用
できる腰の高いスタートが指導書内で推奨されている。しかしながら、このスタート方法の効果について実
験を経て検証した報告は極めて少ない。そこで本研究の目的は、女子100mハードル走のスタート姿勢の変
化が、スタートから 1 台目クリアランスまでのパフォーマンスに及ぼす影響を明らかにすることとした。【方
法】女子大学選手 4 名(ベストタイム14.97±0.48秒)を対象に、セット時の前脚膝関節角度を①各選手の通
常、②最大伸展(腰高)、③90°屈曲(腰低)の 3 条件に設定し、 2 台目着地まで全力疾走させた。スタート
から 1 台目クリアランスまでの区間を計 6 台のハイスピードカメラ(500fps)で記録した。【結果と考察】
スタートから 1 台目着地までの時間、その区間の接地時間および滞空時間に条件間で差はみられず、腰の高
さの違いはパフォーマンスに影響を及ぼさないことが明らかとなった。この結果から、多くの指導書で推奨
されている腰の高いスタートが大学レベルの女子選手にとって必ずしも最良のスタートとは限らないことが
示唆された。
― 75 ―
一般研究発表
口頭発表⑧
Oral presentations 8
14th Sep. (Wed.) 10:00~11:00 Room B
O3B1030
陸上競技の曲線走における右足接地期の運動力学的特徴
○東 洋功(早稲田大大学院)、矢内 利政(早稲田大学)
曲線走では走者は身体全体を曲走路内側に傾斜させ,かつ身体の向きを常に曲走路の進行方向へ向くよう
疾走する.このような運動形態は左右の四肢動作がほぼ相似である直線走とは異なり,左右の動作に差異を
生み出すことにより実現できると考えられる.本研究では走運動を右足区間(右足接地から次の左足接地)
と左足区間(左足接地から次の右足接地)に分け,その左右差から曲線走の運動力学的特徴を明らかにする
ことを目的とした.被験者は男子短距離選手10名で競技場の曲走路 2 レーンを全力疾走させ,その動作を 4
台の高速度カメラを用いて走者の前方および側方から撮影した.その結果,左右それぞれの区間における走
者の身体重心速度やストライド距離,滞空時間に有意な差はなかったが接地時間においてのみ右足0.097sが
左足0.106sより有意に短い(p<0.05)結果を示した.また空中期における身体重心速度の水平成分ベクトル
が左右の各接地期で変化する角度には左右区間で差がなかった.これらの結果は,走者にはより大きな地面
反力が右足接地期に作用することを意味し,曲線走では左右脚が異なる方向かつ異なる大きさのストレスを
受けることを示唆する.
O3B1045
長距離走における体軸回りの回転運動の効果
○舛本 現(理化学研究所 情報基盤センター)、奥野 敬丞(理化学研究所 情報基盤センター)、手塚 一
志(理化学研究所 情報基盤センター)、野田 茂穂(理化学研究所 情報基盤センター)、姫野 龍太郎(理
化学研究所 情報基盤センター)
長距離走における体軸回りの回転運動がはたす役割について解析した。これまでランニングの速さに対し
ては,ピッチとストライドの影響については数多く議論されてきた。それに対し,本研究では体軸回りの回
転運動に注目した解析をおこなった。本研究では,大学運動部(陸上部・ラグビー部)の部員89人を対象に,
骨盤に 6 軸の加速度・角速度センサーを装着し,1,500メートル走の間の骨盤の動きを計測した。解析の結果,
骨盤の体軸回りの回転の活動量が大きいほど1,500メートル走のタイムがよいことがわかった。また,骨盤
の回転運動とピッチとストライドの間の関係についても分析し,骨盤の回転が走行速度におよぼす影響につ
いて考察した。さらに加速度センサーから得られる各軸のデータをもとに走行時の腰の運動の様子を計算し,
接地・蹴りと骨盤の回転のタイミングの各被験者による違いなどの走行の特徴について考察した。
― 76 ―
一般研究発表
口頭発表⑨
Oral presentations 9
14th Sep. (Wed.) 10:00~11:00 Room C
O3C1000
サッカーゴールキーパーにおける異なる高さへのダイビング動作に関する
バイオメカニクス的研究
○沼津 直樹(筑波大学大学院)、藤井 範久(筑波大学体育系)
本研究の目的は,異なる高さにシュートされるボールに対する,GKのダイビング動作の特徴を明らかに
することである.GKの16.5m前方からシュートされるボールに対してダイビング動作を行わせた.シュート
高さは,ゴールを 3 等分した高・中・低の 3 つを設けた.その結果,ボール方向と同側の脚(BS脚)の接
地時において,BS脚の股関節屈曲角度は全ての高さにおいて同程度であった.BS脚膝関節屈曲角度は,高
は中および低に比べると屈曲角度が小さく,中および低は同程度の屈曲位であった.また,中に比べて低の
方が,大腿はより直立し,下腿は移動方向へより倒れた姿勢でBS脚を接地させていた.低において,中よ
りも膝関節を屈曲しようとすると,BS脚が接地するまでの時間が長くなり,動作時間が長くなることで,
シュートに対応しづらくなると考えられる.また,BS脚の下肢関節を屈曲しすぎると,BS脚の動作によっ
て地面反力を発揮しづらい姿勢となると考えられる.そのため,両脚を有効に使ってダイビングを行うため
に,CS脚で移動方向の速度を主に獲得し,BS脚の下肢の傾きを調節することでシュート高さに対応してい
るのではないかと考えられる.
O3C1015
拡散レーザーを用いたステップ計測の可能性
走高跳と三段跳の場合
○濱中 良(鹿屋体育大学大学院)、加藤 忠彦(鹿屋体育大学大学院)、中野 裕登(ルートインジャパン
株式会社)、小森 大輔(鹿屋体育大学)、金高 宏文(鹿屋体育大学)
近年,直進する歩行や走行時の歩幅(ストライド),歩調(ピッチ),移動速度等(以後,ステップ変数と
する)は,赤外線を用いた計測装置等により,簡易かつ精度良く測れるようになった.しかし,この計測で
は測る範囲に赤外線の計測装置等を敷き詰めなければならないことや直進移動しか測れない.発表者らの研
究室では測定環境の制約を限りなく取り除くために,拡散レーザー(スキャンレーザー,30m半径,40Hz)を
用いて,走行時や跳躍時のステップ変数の計測ができる装置の開発を行っている.本研究では,拡散レーザー
の実用性を検証するために,走高跳の助走(直線および曲線)と三段跳の各跳躍歩のステップ変数を計測す
る実験を行った.その結果,両試技においてステップの位置計測は誤差を幾分生じるが,スポーツ実践で活
用可能な範囲のものであることを確認した.しかし,両試技とも接地時間等の時間的変数の計測では,拡散
レーザーのデータ取得の周波数の低さから,活用できないことが明らかとなった.今後,時間的なステップ
変数の計測精度を高めるには,100Hz以上の周波数で計測できるスキャンレーザーの開発が期待される.
― 77 ―
一般研究発表
口頭発表⑨
Oral presentations 9
14th Sep. (Wed.) 10:00~11:00 Room C
O3C1030
垂直跳における下肢関節トルクがエネルギーの発生、変換、伝達へ及ぼす影響
○鈴木 雄太(大阪市立大学)、村田 宗紀(国立スポーツ科学センター)
垂直跳では離地までに並進運動エネルギー(Et)や位置エネルギーを大きくすることが求められるが、関
節トルクは回転運動エネルギー(Er)を発生するため、これをEtに変換する必要がある。本研究では、垂
直跳において下肢関節トルクがエネルギーの発生、変換、伝達へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とし
た。 4 つのセグメントおよび 6 つの筋腱複合体からなる筋骨格モデルを用いてスクワットジャンプ動作をシ
ミュレートした。得られた動作をもとに各関節トルクによって生じる関節力を算出し、関節トルクによるエ
ネルギーの発生、変換、伝達を定量化した。関節トルクにより発生したErは、股関節トルクで144J、膝関
節トルクで105J、足関節トルクで166Jであったが、発生したErのほぼすべてがEtへと変換されており、そ
の多くが体幹に流入していた。これらに対する関節トルクの貢献を検討した結果、足関節トルクはErをEt
へと変換するとともに足部および下腿のEtを大腿へと流入させ、膝関節トルクは下腿および大腿のEtを体
幹へと流入させるが、股関節トルクはエネルギーの変換や伝達には膝関節トルクや足関節トルクほど貢献し
ないことがわかった。
O3C1045
傾斜条件の違いが連続ジャンプの運動効率に及ぼす影響
○関 慶太郎(筑波大学大学院人間総合科学研究科)、沼津 直樹(筑波大学大学院人間総合科学研究科)、
大山卞 圭悟(筑波大学体育系)、榎本 靖士(筑波大学体育系)
本研究は,傾斜条件の違いが連続ジャンプの運動効率に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.被
験者は男子学生中長距離走者 9 名であった.実験試技は,Incline(+ 8°),Level( 0 °),Decline(-8°)の
3 つの傾斜条件において, 3 分間の連続ジャンプを行わせ,このときの動作,地面反力,筋活動,酸素摂取
量を測定した.なお,ジャンプのピッチはメトロノームを用いて120bpmに規定した.上下動は条件間に有
意差は認められなかったが,酸素摂取量はInclineと比較してDeclineで有意に高い値を示した.このことから,
InclineはDeclineと比較して効率が高いと考えられる.また,足関節はInclineと比較してDeclineで有意に底
屈が大きく,膝関節はInclineと比較してDeclineで有意に屈曲が大きくなる傾向が認められた.さらに,腓
腹筋のコンセントリックな筋活動はInclineと比較してDeclineで有意に大きかった.これらのことから,足
関節と膝関節の角度の違いが腓腹筋の活動を変化させ,それが連続ジャンプの効率に影響していると考えら
れる.
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一般研究発表
口頭発表⑩
Oral presentations 10
14th Sep. (Wed.) 13:00~14:00 Room B
O3B1300
フットサルのキックにおけるキック方向の変化と腰部のダイナミクス
○濱田 佳孝(東京大学大学院)、深代 千之(東京大学大学院)、佐渡 夏紀(東京大学大学院、学術振興
会特別研究員)、吉岡 伸輔(東京大学大学院)
サッカーやフットサルでは腰部の回旋量の調節が左右蹴り分けの制御に関与していることが明らかになっ
ている。本研究は、フットサルのインステップキック中に腰部の回旋量を調節する力情報を算出し、キック
方向の調節メカニズムを明らかにすること目的とした。フットサルまたはサッカー経験歴 9 年以上の男子10
名を対象に、静止したフットサルボールを左右斜め前方の的を狙って出来るだけ大きな球速で蹴らせ、対象
者とボールに貼付した 3 次元マーカー座標値と地面反力データを取得した。得られたデータから、キネマティ
クス変数とキネティクス変数、腰部回旋運動に対する股関節と体幹関節の関節トルク、関節力による貢献成
分と貢献成分を時間積分した貢献度を算出した。その結果、支持期前半において、蹴り分けの方向でブレー
キとなる成分の調節によって腰部の回旋量が調節されていたことが明らかになった。各被検者においてブ
レーキ成分の貢献度の条件間の差が最大となる項目を比較すると、支持脚股関節外転トルクが最大となる者
と、体幹関節捻転トルクが最大となる者が存在した。したがって、支持期前半におけるブレーキ量の調節に
は 2 つの方略が存在することが示唆された。
O3B1315
関節モーメントアームと固有筋力の関係
○堀 美幸(摂南大学学生部スポーツ振興センター)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、和智 道生(立命館大学スポーツ健康科学研究科)、御前 純(立命館大学スポーツ健康科学研究科)、土金 諒
(立命館大学スポーツ健康科学研究科)、小山田 悠希(立命館大学スポーツ健康科学部)、長野 明紀(立
命館大学スポーツ健康科学研究科)、伊坂 忠夫(立命館大学スポーツ健康科学研究科)
単位筋サイズあたりの筋力として定義される固有筋力は、筋の生理的・形態的因子や神経系の因子に作用
されることが知られている。一方、関節モーメントアーム(MA)は、筋または腱の張力作用線と関節回転
軸の距離として定義され、MAが大きいほど最大筋力が高いことが明らかにされている。したがって、筋や
神経の因子の影響を除外した場合、筋サイズが同一の被験者間ではMAが大きいほど張力発揮の優位性が高
くなるため、MAは固有筋力に作用する形態的因子であることが推察される。そこで、本研究は、MAと固
有筋力の関連について検討を行った。健常若年男性30名を対象とし、磁気共鳴画像法を用いて、膝関節伸展
MAおよび大腿四頭筋体積を計測した。膝関節伸展筋力として、等尺性および60 deg/sと180 deg/sの等速性
条件下における関節トルクを測定した。膝関節伸展固有筋力は、関節トルクを大腿四頭筋体積で除すことに
よって算出した。MAは、等尺性筋力および両速度の等速性筋力との間に有意な相関関係を認めた。さらに、
MAは、等尺性固有筋力との間にも有意な相関関係を認めた。MAは、固有筋力に作用する形態的因子であ
ることが示唆された。
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一般研究発表
口頭発表⑩
Oral presentations 10
14th Sep. (Wed.) 13:00~14:00 Room B
O3B1330
陸上競技の走動作における単位距離当たりの力学的仕事に関する研究
○千田 周平(東京大学)、佐渡 夏紀(東京大学、日本学術振興会特別研究員)、吉岡 伸輔(東京大学)、
深代 千之(東京大学)
エネルギー研究では、酸素摂取量を用いて生理学的エネルギーから身体が発揮する力学的仕事への変換を
定量したエネルギー研究が多いが、出力された力学的仕事のうちどれだけが有効に利用されたかという観点
のエネルギー研究は少ない。そこで本研究は、出力された力学的仕事を有効に用いる走動作を明らかにする
ことを目的とした。
男子短距離競技者12名、男子長距離競技者 9 名を対象に、 5 段階の速度(3.0m/s~全力疾走)による走動作
を行わせ、各関節のトルク、角速度、トルクパワー、力学的仕事を算出した。力学的仕事を 1 ステップ長で
除すことで単位距離当たりの力学的仕事とし、各関節での力学的仕事の総和を総力学的仕事とした。
その結果、走速度が大きい場合には短距離群において力学的仕事を有効に利用できていた。そのメカニズ
ムとして、前足部接地と、それに伴う滞空時間の増大があげられた。滞空時間の増大は、非支持期に時間的
な余裕を生み出すことで、主に股関節で発揮する力学的仕事を抑えることが示唆された。また前足部接地は、
短い接地時間という特徴を有し、滞空時間の増大を導くため、結果として力学的仕事を抑える可能性が示唆
された。
O3B1345
国内一流十種競技選手の疾走動作とパワー発揮能力との関係に関する縦断的研究
○横澤 俊治(国立スポーツ科学センター)、松林 武生(国立スポーツ科学センター)、大沼 勇人(国立
スポーツ科学センター)、持田 尚(帝京科学大学)
本研究では十種競技選手の疾走動作とフィールドテストに象徴されるパワー発揮能力との関係を縦断的に
検討することを目的とした。国内一流十種競技選手 6 名を対象に、 2 年半にわたり計 4 ~ 7 回全力疾走と
フィールドテストを行った。全力疾走については、モーションキャプチャーシステムから得られた身体の三
次元座標値をもとに、全身の関節トルクパワーの絶対値の総和を時間で除すことにより平均パワーを算出し
た。また、垂直跳び、立幅跳、立五段跳び、メディシンボール投げを実施した。その結果、疾走時の平均パ
ワーやフィールドテストの計測値が高い時ほど疾走速度が高い選手と、疾走時の平均パワーやフィールドテ
ストの結果とは無関係に疾走速度が変化する選手とに類別された。前者のタイプの選手は大きなパワーを発
揮できる状態であることが高い疾走速度を得るために重要であり、後者のタイプの選手はパワー発揮能力よ
りも発揮したパワーを有効に疾走速度につなげられるかが疾走速度を左右すると考えられる。一方、期分け
と疾走速度等との関係は不明瞭であり、各々に合った高い疾走速度が得られる状態を試合期に形成すること
が選手にとっての課題の一つと考えられた。
― 80 ―
一般研究発表
口頭発表⑪
Oral presentations 11
14th Sep. (Wed.) 13:00~14:00 Room C
O3C1300
6 週間の継続的な投球経験による非熟練投球者の投球スピード、
投動作および筋活動パターンの変化
○久保 槙平(神奈川大学人間科学部)、鈴木 崇人(神奈川大学人間科学部)、宮崎 重勝(神奈川大学人
間科学部)、衣笠 竜太(神奈川大学人間科学部)
子どもの投能力低下は重大な問題であるにも関わらず、科学的知見に基づいた効果的なトレーニング法は
確立されていない。その理由の一つは、習得過程における投動作の変化は捉えられているが、投動作変化を
引き起こす原因と考えられる基礎スキルが明らかになっていないためである。本研究は、非熟練投球者の習
得過程における投球スピード、投動作の変化と筋活動パターンの関係を明らかにするため、縦断的な調査を
実施した。投球経験の少ない非熟練投球者を被験者とし、全力投球を一日60試行、週 4 日、 6 週間行わせた。
身体とボールに反射マーカをそれぞれ貼付し、投球スピード、運動学データを算出した。さらに、無線筋電
図法によって筋活動を記録し、筋シナジー解析によって、投球中の筋活動から複数の筋活動パターンを基礎
スキルとして抜き出した。 6 週間の投球経験によって、投球スピード、肩内旋運動の貢献は大きく増加した
(約1.5倍)。また、一部の筋活動パターンは、投球試行の増加につれてより多く使われるようになり、投能
力向上との関係がみられた。
O3C1315
野球の投球動作におけるボールリリース前後の手指筋活動の分析
○海津 陽一(筑波大学大学院人間総合科学研究科)、藤井 範久(筑波大学体育系)
ボールリリース(ball release; BR)前後の手指屈曲、伸展メカニズムを明らかにすることを目的とした。
健常男性 1 名を対象として、第三指のMP関節、PIP関節、DIP関節の屈曲/伸展角度、角速度を算出し、浅
指屈筋(FDS)
、総指伸筋(EDC)の筋活動を表面筋電図で導出した。BR前後の筋活動を把握するために、
BR時0msとし、T1; -59~-40ms、T2; -39~-20ms、T3; -19~0ms、T4; 1~20ms、T5; 21~40msの 5 区間にお
いて定量化を行い、%MVCで活動量を算出した。筋活動は、FDS[T1: 62.9%, T2: 83.5%, T3: 78.9%, T4:
113.8%, T5: 32.9%]、EDS[T1: 17.1%, T2: 17.6%, T3: 44.6%, T4: 63.4%, T5: 52.8%]であり、BR前のFDSに
大きな活動量を認めた。手指はMPにおいてT2終盤〜T3、PIPにおいてT1~T3区間で伸展角速度を認めた。
これらの結果より、BR直前にFDSの遠心性収縮が生じており、手指伸展は外力によって生じている可能性
が示唆された。
O3C1330
バスケットボールのシュートの距離調節メカニズムに関する研究
○中野 信泰(東京大学大学院 総合文化研究科)、吉岡 伸輔(東京大学)、深代 千之(東京大学)
バスケットボール競技においてシュートは試合の勝敗に直結する技術である。シュートの成功率を高める
ために、距離に合わせて調節する技術は重要である。本研究の目的はバスケットボールのシュートにおける
距離調節のメカニズムを明らかにすることとした。バスケットボール競技の経験を有する男子大学生10名に
― 81 ―
一般研究発表
口頭発表⑪
Oral presentations 11
14th Sep. (Wed.) 13:00~14:00 Room C
近・中・長距離の 3 つの距離からシュートを各 3 本ずつ成功するまで行わせた。モーションキャプチャカメ
ラ11台で身体特徴点とボールを撮影し、同時に床反力計を用いてシュート時の床反力を計測した。解析は身
体を 2 次元のリンクセグメントモデルで表し、手を掌と指の 2 セグメントとしてモデル化した。ボールの速
度・加速度から上肢 4 関節(肩・肘・手・中手指節間関節)の関節トルクを、床反力データから下肢 3 関節
(足・膝・股関節)の関節トルクを算出した。
シュート距離の増加によって上肢の関節トルクは増加傾向を示す被験者とそうでない被験者がいたのに対
して、身体重心速度の増加が共通して見られた。下肢の力発揮が変化する可能性が示唆された。
O3C1345
主成分分析および重回帰分析を用いた大学アメリカンフットボール選手の
形態的特性と走能力の定量
○山本 捷(立命館大学スポーツ健康科学部)、長野 明紀(立命館大学スポーツ健康科学部)
アメリカンフットボールではコンタクトを含む一方で体重の階級別が無いため、基礎的体力トレーニング
を重視する。基礎的体力トレーニングを実施する事で形態的発達がみられる。多くのチームではその様相を
定期的に記録するが、複数の計測値の間にどの様な関係があるかはこれまで明らかにされていない。本研究
ではこの課題に主成分分析の手法を用いて取り組んだ。また競技中には瞬発的な動作が多くなされるため、
スプリント能力が重要となる。評価指標として40ヤード走の計測値が頻繁に用いられ、この能力の向上が競
技力向上にも繋がると考えられる。本研究では重回帰分析の手法を用いて、40ヤード走と形態測定値、他の
体力測定値との関係を明らかにした。
主成分分析の結果、第 1 主成分は腹囲、体重等の形態的特徴が占めていた。第 2 主成分はパワークリーン、
ベンチプレス等の筋力計測値が占めていた。それぞれが体格の形態的特性と総合筋力に相当していることが
考察できる。重回帰分析の結果、立ち幅跳び、 3 コーン走(左方向)
、スクワット体重比の40ヤード走に対
する決定係数が約0.63となった。これらの因子が40ヤード走の能力に影響を与える事が示された。
― 82 ―
ポスター発表①
9月12日(月)口頭セッション
11:00〜11:54(B会場(R102)
)
ポスターセッション
17:30〜18:30(エポックホール)
ポスター発表②
9月13日(火)口頭セッション
13:30〜14:21(A会場(R101)
)
ポスターセッション
17:45〜18:45(エポックホール)
ポスター発表③
9月14日(水)口頭セッション
11:10〜12:01(A会場(R101)
)
ポスターセッション
14:00〜15:00(エポックホール)
一般研究発表(ポスター発表)
9月12日(月)、9月13日
(火)、9月14日(水)
一 般 研 究 発 表
ポスター発表①
Poster Presentations 1
9月12日(月)12th Sep. (Mon.)
11:00~11:54
ポスター発表①
B会場(R102)
司会:大塚 光雄(立命館大学)
P1-1
飛込競技者と体操競技者における「後踏切前宙返り(402C)」の比較
久永 将太
順天堂大学大学院
P1-2
日本の一流選手を含む異なる競技成績の棒高跳選手におけるボック
ス反力の特徴
山本 智貴
日本体育大学大学院
P1-3
円盤投動作における“骨盤に対する胸郭の三次元運動”と飛距離の
関係
上坂 学
順天堂大学スポーツ健康
科学部
P1-4
野球の試合中における投手の筋活動の変動
小林 裕央
東京大学大学院総合文化
研究科
P1-5
野球投動作の動力学的分析
鵜澤 大樹
筑波大学大学院
P1-6
野球打撃における地面反力と体幹回旋筋力の関係
平山 大作
筑波大学
P1-7
ソフトテニスにおけるオーバーハンドサーブとフィットネス測定値
との関係性
松本 莉佳
首都大学東京
P1-8
ゴルフスイング中の足圧中心移動からみたスイングスタイルは意図
的に変更できるか?
泉本 洋香
立命館大学大学院
P1-9
ゴルフクラブに作用するトルクの運動力学的分析
岡本 敦
東海学園大学スポーツ健
康科学部
P1-10
バドミントンラケットの性能予測
太田 映
筑波大学大学院
P1-11
バドミントンのオーバーヘッドストローク動作に関するキネマティ
クス的研究
大高 千明
奈良佐保短期大学
P1-12
スカッシュのフォアハンドストロークにおけるラケットスピードの
解析
柳谷登志雄
順天堂大学大学院
P1-13
サッカーにおけるトーキックの動作分析
成澤 一希
東京学芸大学大学院
P1-14
ジュニアウエイトリフターのスナッチ技術の年間変化の定量化
柏木 悠
日本体育大学大学院ト
レーニング科学系
P1-15
クロスカントリースキー競技の上り坂における優れたダブルポーリ
ング走法の技術的特徴
藤田 善也
早稲田大学スポーツ科学
学術院
P1-16
バスケットボールの前後ドリブルにおける上肢の動作分析
梅本 実穂
奈良女子大学大学院
P1-17
柔道の投げ技における頭部外傷リスクに関するバイオメカニクス的
研究
荒川 裕志
国際武道大学
P1-18
テコンドーにおける感覚的な「素早さ」の数値化
木下まどか
筑波大学大学院
― 84 ―
一 般 研 究 発 表
ポスター発表②
Poster Presentations 2
9月13日(火)13th Sep. (Tue.)
13:30~14:21
ポスター発表②
A会場(R101)
司会:篠原 康男(立命館大学)
P2-1
sine wave tandem gaitに関する運動力学的分析
川上 真吾
東北文化学園大学
P2-2
ライトタッチが静止立位時のフィードフォワード制御とフィード
バック制御に及ぼす影響
枝松 千尋
倉敷芸術科学大学
P2-3
複数体肢の同時動作における反応時間
竹林 秀晃
土佐リハビリテーション
カレッジ
P2-4
側方跨ぎ動作に関する身体運動学的解析
大沢 巧
埼玉医科大学総合医療セ
ンター
P2-5
撮影に使用するカメラ台数を増減した際の 3 次元座標空間再構築の
精度の変化
中井 聖
京都光華女子大学
P2-6
肥満児童における身体組成が立位姿勢制御に与える影響
山本 憲志
日本赤十字北海道看護大
学
P2-7
大学男子カヤック選手における体幹および上腕の筋量
若原 卓
同志社大学スポーツ健康
科学部
P2-8
ヒト上肢の前腕に関わる筋の形態学アトラス
小松 敏彦
大阪大学
P2-9
個人の特性に合わせた動作のばらつきに強い投射パラメータの推定
法
村田 宗紀
国立スポーツ科学セン
ター
P2-10
直列弾性要素の弾性がクラウチングスタートからの 1 歩目支持期に
おける下腿三頭筋の長さ変化に与える影響
大島 雄治
筑波大学大学院
P2-11
異なる背景筋活動中に行った急激な筋収縮時における筋束動態
矢野 壮馬
皇學館大学大学院教育学
研究科
P2-12
筋腱複合体の持続的伸張が腱硬度に及ぼす影響
中村 真緒
皇學館大学大学院
P2-13
家庭用ゲーム機と現実空間での運動時における脳波の比較
高橋健太郎
関東学院大学理工学部
P2-14
高齢男性における在宅での速さを意識したカーフレイズトレーニン
グが腓腹筋内側頭の剛性率に及ぼす影響
赤木 亮太
芝浦工業大学
P2-15
流速値の違いが背泳ぎ動作に及ぼす影響
佐藤 大典
中京大学大学院
P2-16
肺気量の違いが泳動作中のボディポジションに及ぼす影響
鷲野 壮平
鹿屋体育大学大学院
P2-17
近赤外分光装置を用いた酸素化ヘモグロビン・ミオグロビン動態か
ら捉える骨格筋ミトコンドリア機能
田中 大智
立命館大学大学院
― 85 ―
一 般 研 究 発 表
ポスター発表③
Poster Presentations 3
9月14日(水)14th Sep. (Wed.)
11:10~12:01
ポスター発表③
A会場(R101)
司会:小林 雄志(立命館大学)
P3-1
逆上がりにおける床反力と鉄棒反力の貢献
鴻巣 暁
東京大学大学院
P3-2
小学生の投動作の類型に関するバイオメカニクス的研究
小林 育斗
茨城県立医療大学
P3-3
やり投げにおけるヤリの飛行経路シミュレーション
安田 萌
茨城大学大学院
P3-4
自転車トラック競技の空気抵抗力について
西山 哲成
日本体育大学
P3-5
視覚情報を利用した走高跳のトレーニング方法
上島みどり
立命館大学
P3-6
視覚に着目した陸上競技水平種目の助走リズムを安定させるトレー
ニング
藤林 献明
びわこ成蹊スポーツ大学
P3-7
ヒト四足歩行のキネマティクス
衣笠 竜太
神奈川大学人間科学部
P3-8
歩行中の関節ストレスにおける性差
戸田 晴貴
倉敷平成病院リハビリ
テーション部
P3-9
異なる一定速度での歩行における下肢動作の対称性
平野 智也
日本体育大学大学院ト
レーニング科学系
P3-10
疾走速度変化の定量的評価に関する検討
篠原 康男
立命館大学共通教育推進
機構
P3-11
小中学生の加速疾走における時空間変数と地面反力の変化
永原 隆
鹿屋体育大学
P3-12
新開発の50mフォースプレートによるトップスプリンターのスター
トダッシュにおける地面反力について
松尾 彰文
鹿屋体育大学
P3-13
トレッドミル上における長距離走行中の足部内側縦アーチについて
木村 健作
筑波大学大学院
P3-14
走路の勾配と足部接地パタンがランニング中の足底圧に及ぼす影響
堀口 芳起
順天堂大学大学院スポー
ツ健康科学研究科
P3-15
下肢の動作および筋活動がランニングエコノミーに及ぼす影響
岡田 英孝
電気通信大学
P3-16
異なる台高と水平距離におけるドロップジャンプのキネティクス的
特徴
杉本和那美
筑波大学
P3-17
弾性床へのドロップ着地動作における競技特性による着地方略の差
異
宮崎 彰吾
筑波大学大学院
― 86 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-1
飛込競技者と体操競技者における「後踏切前宙返り(402C)」の比較
○久永 将太(順天堂大学大学院)、柳谷 登志雄(順天堂大学)、原田 睦巳(順天堂大学)、冨田 洋之(順
天堂大学)、宮本 彩(順天堂大学)、吉田 平(順天堂大学大学院)、加納 實(順天堂大学)
体操競技と飛込競技で実施される運動形態の多くは類似している。しかし、「後踏切前飛込」の動きは飛
込競技特有のもので、体操競技において実施される事が殆どない。そこで本研究は、それぞれの競技者によ
る後踏切前宙返り(402C)の特徴を比較することを目的とした。被験者は飛込競技者 5 名及び体操競技者
5 名であった。被験者が高さ0.3mの台上から後踏切前宙返りを実施する際の身体動作が、三次元動作解析
システムにより記録され、上肢、体幹及び下肢の関節角度を算出した。また、台上の地面反力がフォースプ
レートにより記録された。その結果、動作の後半の局面において、体操競技者は上体を早く前傾を開始して
いたのに対し、飛込競技者は離足の直前まで鉛直に近い姿勢を維持している傾向が明らかとなった。一方、
離足の瞬間の姿勢は、両競技者ともにほぼ同じ姿勢であった。また、離地時の地面反力の最大値は、前後方
向および鉛直方向ともに、飛込競技者と体操競技者の間に有意な差は見られなかった。以上の事から、後踏
切前宙返りにおいて飛込競技者は踏切直前まで立位に近い姿勢を保持し、より後半の局面における踏切動作
に差があることが明らかとなった。
P1-2
日本の一流選手を含む異なる競技成績の棒高跳選手におけるボックス反力の特徴
○山本 智貴(日本体育大学大学院トレーニング科学系)、平野 智也(日本体育大学大学院トレーニング
科学系)、松林 武生(国立科学スポーツセンター)、小林 哲郎(日本体育大学大学院トレーニング科学
系)、藤戸 靖則(日本体育大学大学院トレーニング科学系)、柏木 悠(日本体育大学大学院トレーニン
グ科学系)、小林 史明(日本体育大学)、船渡 和男(日本体育大学)
【目的】棒高跳選手の跳躍時のポールの下端に作用する地面反力を用いて、棒高跳選手の跳躍のボックス
反力の特徴を明らかにする。【方法】対象は男子棒高跳選手 8 名(身長:178±4.4㎝、体重:70±4.5㎏)と
して、棒高跳ピットで各被験者 5 本の跳躍から内省報告で最も良かった試技を分析対象とした。ボックス反
力は、棒高跳のボックスの下にフォースプレート(KISTLER社製、1kHz)を埋設し、Fyを前後方向、Fz
を鉛直方向として測定を行った。ボックス反力データは 4 次のバターワースフィルターを用いて40Hzで平
滑化を行った。【結果及び考察】Fy・Fzのボックス反力をポーラーカーブを用いて示すと、絶対値や体重で
正規化を行っても競技力の高い選手は低い選手と比べて踏切後により大きなFyを出し、後にFyが減少しな
がら大きなFzの力を獲得していた。これらのことから、競技力の高い選手はより大きな水平方向の力をよ
り大きな鉛直の力に変換している傾向がみられた。一方で、ボックス反力と競技記録が異なる選手も存在し、
体格や動作の違いがある可能性があることが示唆された。
― 87 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-3
円盤投動作における“骨盤に対する胸郭の三次元運動”と飛距離の関係
○上坂 学(順天堂大学スポーツ健康科学部)、高梨 雄太(順天堂大学スポーツ健康科学部)、柳谷 登志
雄(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科)
円盤投のコーチングにおける観点では、「体幹の捻り」は高いパフォーマンスを発揮する上で重要な技術
であると考えられてきた。しかしながら、体幹の捻りを三次元的に定量する方法は少なく、また、これらの
動きとパフォーマンスとの実際の関連性は明らかではない。そこで本研究では、円盤投の飛距離と慣性セン
サで計測した“骨盤に対する胸郭の 3 次元運動”との関連性を明らかにした。 9 名の円盤投選手が円盤投を
行った(平均飛距離49.6±3.8 m)。その際に骨盤と胸郭に貼付した慣性センサで骨盤に対する胸郭の角度お
よび骨盤・胸郭の角速度を三次元計測した。結果、滞空期前の左足離地時において、骨盤に対する胸郭の前
傾角速度(r=0.824)および右側屈角速度(r=0.799)に飛距離との有意な相関関係があった(p<0.05)。また、
滞空期後の右足接地時の骨盤に対する胸郭の右回旋角(r=0.824)および左回旋角速度(r=0.815)に飛距離
との有意な相関関係があった(p<0.05)。以上より、滞空期直前の前屈と右側屈、および滞空期直後の体幹
の捻りの大きさと投擲方向への体幹回旋が明らかとなった。
P1-4
野球の試合中における投手の筋活動の変動
○小林 裕央(東京大学大学院総合文化研究科)、小幡 博基(九州工業大学教養教育院)、進矢 正宏(東
京大学大学院総合文化研究科)、桑田 真澄(東京大学大学院総合文化研究科)、中澤 公孝(東京大学大
学院総合文化研究科)
野球のピッチングにおける筋活動の協調性は実際の試合中にどの程度変動するのか、そしてその変動には
どのような要因が影響するのか。本研究は、それらを明らかにすることで、投球の変動を最小化し、安定し
た投球を実現する方法の科学的根拠を得ることを最終目的とした。本報告では、実際の試合中に投手の筋活
動がどの程度変動するのかを調べた結果について報告する。投手 1 名を対象とし、全身13ヵ所に電極を貼付
した状態で投球してもらい、 1 球ごとの平均筋活動電位(mEMG)を算出した。その結果、三角筋、大胸筋、
右外腹斜筋、脊柱起立筋といった体幹筋群のmEMGは変動がほとんどなかった。一方、橈側手根屈筋、橈
側手根伸筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋といった投球腕の筋群、および中臀筋、大腿二頭筋、前脛骨筋といっ
た下肢筋群のmEMGはイニングによって変動があり、特に多くの失点をしたイニングでは投球間の顕著な
変動が見られた。試合中の上肢や下肢のmEMGはイニングによって変動し、特に失点する場面など緊張が
高まる場面ではその変動が激しくなる傾向が確認された。一方で、体幹筋群のmEMGに対してはその影響
が少ないことが示唆された。
― 88 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-5
野球投動作の動力学的分析
投球腕によるボール角速度生成についての検討
○鵜澤 大樹(筑波大学大学院)、小池 関也(筑波大学)
野球の投球において、リリース時のボールには、指との接触部から作用するボール接触力(ボール作用力)
によって、ボールのリリース時の状態量が生成される。特にリリース時付近では、示指および中指によるボー
ル接触力の作用線は、ボール重心から外れているために、ボールには回転が生じる。このためストレートの
球種において、ボールの並進速度および回転速度の生成に対する指関節を含む上肢関節トルクの役割を定量
化することは、ボール加速開始からリリース時までの投球動作におけるボールの角速度生成メカニズムの理
解の一助となることが期待できる。そこで、本研究では、簡易モデル化を行った示指および中指を含む投球
腕モデルを対象として、ボールの角速度生成に対する関節トルク項、重力項、ならびに遠心力およびコリオ
リ力等により構成される運動依存項の各貢献を求めることを目的としている。なお、モデル化においては、
示指および中指の各指を、末節および中節を 1 つに統合したセグメント、ならびに基節セグメントとしてモ
デル化し、これに掌、前腕および上腕の各セグメントを加えた多体系の運動方程式を導出して、分析に用い
ている。
P1-6
野球打撃における地面反力と体幹回旋筋力の関係
○平山 大作(筑波大学)、川村 卓(筑波大学)、阿江 数通(筑波大学)
本研究は、野球打撃における地面反力と体幹回旋筋力の関係について検討することを目的とした。対象は、
高校野球選手25名(右打者12名、左打者13名)とした。試技はティー打撃とし、センター方向へ打つよう指
示した。光学式三次元動作分析装置(250Hz)を用いて、身体に貼付した反射マーカから野球打撃動作を計
測した。同時に 2 台のフォースプレート(1,000Hz)を用いて地面反力を計測した。体幹回旋筋力は、
BIODEXを用いた 3 種類(60、90、120deg/s)の等速性体幹回旋筋力とした。右打者の体幹左回旋(反時
計回り)を主回旋、その反対方向を逆回旋とした。その結果、踏み出した脚の鉛直方向の最大力と体幹逆回
旋筋力(90、120deg/s)に有意な相関関係が認められた(p<0.05)。また、踏み出した脚の鉛直方向の力積
と体幹主回旋筋力(120deg/s)および逆回旋筋力(90、120deg/s)に有意な正の相関関係が認められた
(p<0.05)。これらのことから、個人が有する体幹回旋筋力が大きい選手ほど、野球打撃における踏み出した
脚の力の作用が大きいことが示唆された。
P1-7
ソフトテニスにおけるオーバーハンドサーブとフィットネス測定値との関係性
○松本 莉佳(首都大学東京)、井田 博史(上武大学)、緒方 貴浩(帝京大学)、高橋 和孝(筑波大学)、
福原 和伸(首都大学東京)
本研究は、2015年ソフトテニス全日本チームに所属したプレーヤーのフィットネス測定値とオーバーハン
― 89 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
ドサーブの動作パフォーマンスとの関係性を明らかにすることを目的とした。参加者は男子U-17チーム 9
名と同ナショナルチーム 1 名、また女子U-17チーム 9 名であった。フィットネス測定では、「形態」として
身長、体重、体脂肪率、また「機能」として膝屈曲伸展および体幹回旋の等速性筋力発揮能力、脚伸展パワー、
50m走、垂直跳び、水平ジャンプを行った。オーバーハンドサーブについては、 3 次元ビデオ動作解析によ
りラケット速度、左右脚それぞれの膝伸展角速度、体幹回旋角速度を求めた。男子においてラケット速度と
フィットネス測定値の体重、等速性筋力発揮能力、立ち幅跳びとの間に有意な正の相関があり、また女子で
はラケット速度と等速性筋力発揮能力の間に有意な正の相関がみられた。この結果は、フィットネス測定値
が優れたプレーヤーはサーブパフォーマンスが高いことを示すものであった。一方、サーブ動作中の関節角
速度とその関節の等速性筋力発揮能力との間に正の相関はほとんどみられず、両者は必ずしも関係しないこ
とも示唆された。
P1-8
ゴルフスイング中の足圧中心移動からみたスイングスタイルは意図的に
変更できるか?
○泉本 洋香(立命館大学大学院)、栗原 俊之(立命館大学)、伊坂 忠夫(立命館大学)
ゴルフスイング中の足圧中心(COP)は、右足からダウンスイングで左足へ移動したのち、インパクト
を左足で迎えるFront foot:Fと、右足へ戻るReverse:Rの 2 つのスタイルに分かれる。これらのスタイルは、
ゴルフ選手にとって固有化されており、競技レベルは関係なくパフォーマンスにも差がない。技術力向上の
ためには固定化されたスタイルを分解し、新たな動きを習得する必要がある。そこで本研究は自らのスタイ
ルとは異なるスタイルへ意図的な変更が可能か否か検討を行った。大学生ゴルフ選手29名(競技歴5.7±4.9年)
を対象とし、ドライバーショット中のCOPを計測した。通常試技を 5 打行ったのち、通常と同様のヘッド
スピードで、意図的にスタイルをFまたはRとする試技を 5 打ずつ実施した。通常試技でF群20名、R群 9 名
に分けられ、スイングスタイルを普段と変更できたのは29名中 3 名のみであった。この 3 名においてCOP
変更によるヘッドスピードの変化はなかった。したがって、イメージ通りにスタイルを変更できない選手が
多かったことから、ゴルフスイングスタイルは固着度が高く意図的な変更は困難であることが示唆された。
P1-9
ゴルフクラブに作用するトルクの運動力学的分析
○岡本 敦(東海学園大学スポーツ健康科学部)
ゴルフのクラブに作用するトルクの研究では、Williams(1967)はクラブの加速へのトルクの影響は無視
できると報告した。しかし、近年のSprigings and Neal(2000)のシミュレーションによる研究では、クラ
ブの加速に 9 %程度貢献していると報告した。そこで本研究では、ゴルフのスイング中にクラブに作用する
トルクを求めることを目的とした。被験者は 3 名の男子プロゴルファーであった。被験者のドライバーショッ
トをVICON社製モーションキャプチャーシステムによって記録した。クラブの座標系はクラブの重心から
グリップエンドへのベクトルをZ軸、Z軸とクラブフェースのヒールからトゥへ向かうベクトルに垂直なベ
クトルをX軸、Z軸とX軸に垂直なベクトルをY軸とした。その結果、ヘッドスピードの最大値は、45.8±1.7m/
sであった。ダウンスイング中に手からクラブに作用するトルクの最大値は、ダウンスイング開始からイン
パクトまでの87%の時刻に、Y軸で40.9±23.2N∙mであった。以上の結果より、ゴルフスイングの加速では、
― 90 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
手からクラブに作用するトルクも無視できないことが明らかとなった。
P1-10
バドミントンラケットの性能予測
ストリングスおよびシャフトの弾性を考慮したモデル化について
○太田 映(筑波大学大学院)、小池 関也(筑波大学)
バドミントンラケットのストリングス部およびシャフト部では、その構成素材の弾性特性のため、伸縮や
曲げといった変形が生じる。このため、これらの変形特性がシャトルコックの飛び出し状態に大きく影響を
与えているものと考えられる。そこで本報告では、フレーム部およびグリップハンドル部を剛体としてモデ
ル化するのに対して、ストリングス部およびシャフト部については、非線形弾性ひも,および仮想剛性関節
によって連結した多リンク体として、それぞれモデル化することによって、ラケットの変形特性を考慮した
モデルを構築し、シャトル打撃時の性能予測に活用することを目的としている。まずストリングス部におい
ては、高い張力の下、縦横に格子状に張られたストリングスの変形方程式を利用して、シャトルとの衝突に
よって生じる変位入力に対する、ストリングスの面外方向作用力をモデル化に基づく非線形計算によって求
めている。つぎに、シャフトについては、受動的な回転剛性関節を有する多リンク体として簡易近似モデル
化している。そして、これらの各部をフレームおよびグリップハンドル部に連結することによって、ラケッ
トモデルを構成している。
P1-11
バドミントンのオーバーヘッドストローク動作に関するキネマティクス的研究
○大高 千明(奈良佐保短期大学)、梅本 実穂(奈良女子大学大学院)、藤原 素子(奈良女子大学)
本研究は、バドミントンのオーバーヘッドストロークにおける 4 ショット(クリア、スマッシュ、ドロッ
プ、カット)について、熟練度による動作の相違および相手に球種を予測されにくいストローク動作を探る
ことを目的とした。被験者は、バドミントン経験のある女性 8 名(熟練者群 4 名、初級者群 4 名)を対象と
した。課題は、被験者の正面から打ち上げられたシャトルをオーバーヘッドストロークで打球することであ
り、各ショットを打ち分ける際、できる限り同じフォームで打球するよう教示した。 3 台のハイスピードカ
メラ(300fps)で動作全体を撮影し、動作解析を行った。動作時間、ラケットヘッドの軌跡、上肢の各関節
角度、体幹部(左右肩峰、左右大転子)の回転角度について、ショット間および熟練度の比較を行った。そ
の結果、熟練者群は、いずれのショットにおいてもラケットヘッドは大きく弧を描き、ショットによって打
点の位置が一定であった。また、体幹部の捻りを利用して打球することでシャトル速度を増大させていた。
さらに、初級者群に比べて、よりインパクトに近いタイミングで動作軌跡や動作速度を変更することによっ
てショットを打ち分けていた。
― 91 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-12
スカッシュのフォアハンドストロークにおけるラケットスピードの解析
○柳谷 登志雄(順天堂大学スポーツ健康科学研究科)、中川 慶之(順天堂大学スポーツ健康科学研究科)、
上坂 学(順天堂大学)
スカッシュにおいて、スイングスピードが速いことはボールスピードや競技力を決定する要因のひとつで
あると考えられるため、スイングスピードを高めるための技術の解明は、競技力向上に有用であると考えら
れる。しかしながら、スカッシュの技術解明に関する研究はテニスやバドミントンに比べると数少なく、トッ
プアスリートの技術の特徴も明らかにされていない。そこで、本研究はスカッシュの日本代表選手における
ラケットスピードの変化の特徴を、一般的な選手と比較することを目的とした。被験者は日本代表の男子選
手 1 名および一般的な男子大学生選手 6 名であった。被験者は実験室において、クローズドステップでフォ
アハンドストロークを行った。その時の踏み出し足接地からボールインパクトに至るまでのスイングスピー
ドにおける経時的変化が、三次元動作解析システム(VICON MX)で分析された。その結果、日本代表選
手のスイングスピードは、一般的な選手に比べて高いこと、そしてスイングスピード変化の特徴も一般的な
選手とは異なることが示された。
P1-13
サッカーにおけるトーキックの動作分析
キックの種類による動作時間とフォームの比較
○成澤 一希(東京学芸大学大学院)、岩崎 領(東京学芸大学大学院)、新海 宏成(東京学芸大学)
【諸言】サッカーにおいてつま先でボールを蹴るトーキックは、動きの小ささや動作時間の短さ、プレー
の意外性の高さが特徴として知られており、多くの指導書に解説が載る技術である。しかし他のキックと比
べて先行研究が少なく、その動作時間やフォームの真実は解明されていない。本研究はトーキックの動作と
パフォーマンスを他のキックと比較することで、その特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】男子
大学選手13名を対象に、一歩助走(1m)によるインステップ・インサイド・トーキックを各数本ずつ実施し、
その動作を 4 台のハイスピードカメラ(500fps)で記録した。実験では実際のシュート時の状況に近くなる
よう「前方の的を狙いつつ、できるだけ速いボールを蹴ること」を指示した。【結果と考察】蹴り足の離地
からインパクトまでの動作時間、軸脚の接地からインパクトまでの動作時間のいずれにおいても 3 種のキッ
ク間に有意差は認められなかった。一般的にトーキックは素早い動作で蹴ることができると言われているが、
本研究の実験条件下ではその優位性がみられなかったことから、トーキックには動作時間以外の点にメリッ
トがある可能性が考えられた。
― 92 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-14
ジュニアウエイトリフターのスナッチ技術の年間変化の定量化
○柏木 悠(日本体育大学大学院トレーニング科学系)、山岸 道央(日本体育大学)、袴田 智子(国立ス
ポーツ科学センター)、加藤 智子(早稲田大学)、船渡 和男(日本体育大学)
【背景・目的】ウエイトリフターのスナッチ技術は,競技レベル別において検討されてきたが,個人内の
技術変化に関しては明らかではない.本研究は,ジュニアウエイトリフターを対象に, 1 年間のスナッチ技
術の運動学的変化を明らかにする.【方法】被験者は,高校生男女ウエイトリフティング選手を対象に行った.
スナッチ動作中の運動学データは,年 5 回の撮影にデジタルビデオカメラを用いて80%1RMとまた,最終
計測では 1 回目の80%1RMのスナッチ動作を取得した.画像解析ソフトFrame-DIASⅤ(DKH社)を用い
てバーベル先端および身体の解剖学的計測点をデジタイズし,位置座標データから運動学的変数を算出した.
【結果および考察】年間のスナッチベスト記録および80%1RMの挙上重量には,有意な増加がみられたが
(p<0.05),一方で,体脂肪率,除脂肪量の変化はみられなかった.運動学的変数においてスナッチ動作中の
股関節の関節角加速度は,Transition フェイズの伸展また,2 pullおよびTurnoverフェイズの屈曲角加速度
に有意な変化がみられ,スナッチ技術の変化に影響していることが示された.
P1-15
クロスカントリースキー競技の上り坂における優れたダブルポーリング走法
の技術的特徴
○藤田 善也(早稲田大学スポーツ科学学術院)
本研究の目的は、クロスカントリースキー競技の上り坂において、競技パフォーマンスに優れた選手のダ
ブルポーリング走法の技術的特徴を明らかにすることであった。被験者は大学生クロスカントリースキー選
手21名であった。2.5kmの上り坂において最大努力の滑走を行わせた。被験者の動作は、1.5km地点に設置
した高速度カメラ(W850M, Panasonic)によって撮影しPCに取り込んだうえで、動作解析ソフトウェア
(Frame-diasV, DKH)を用いて身体座標点をデジタイズした。デジタイズされた身体座標点は、実座標へ
と変換し、平滑化した。得られた実座標をもとに、身体重心速度、各関節角度を算出した。その結果、タイ
ムトライアルの所要時間と滑走速度に有意な負の相関関係がみられた。また、競技パフォーマンスに優れた
選手は、短時間でダブルポーリング動作を行っており、ポーリング局面において肘関節を素早く屈伸させ、
股関節および膝関節をより屈曲させた状態からさらに素早く屈曲させていることが示された。さらにポール
を前方にスイングさせるリカバリ局面において、股関節および膝関節を素早く伸展させていることが示され
た。
― 93 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-16
バスケットボールの前後ドリブルにおける上肢の動作分析
ドリブルスキルコーチと大学生バスケットボール部員の比較
○梅本 実穂(奈良女子大学大学院)、大高 千明(奈良佐保短期大学)、藤原 素子(奈良女子大学)
本研究は、バスケットボールの前後ドリブルにおける上肢の運動について調べることを目的とした。被験
者はプロ選手に指導を行うドリブルスキルディベロップメントコーチ 1 名と大学生バスケットボール部員
(E群) 4 名とした。椅坐位姿勢で右上肢を用いた前後ドリブルを課題とし、ボールをバウンドさせるテン
ポとして 3 条件(80bpm条件、120bpm条件、160bpm条件)を設定した。被験者の右上肢 4 箇所(肩・肘・
手関節と中指先端)および右大転子にマーカーを貼付し、矢状面右側および後方からハイスピードカメラ
(300fps)で動作全体を撮影した。また、右上肢の関節角度変化(肘関節、前腕、手関節)を測定した。各
条件 6 サイクル( 1 サイクル:バウンド~前方~バウンド~後方~バウンド)を分析対象とし、 1 サイクル
を 8 区間に分け、各区間の所要時間および各区間切り替え時の水平前後方向の変位を求めた。その結果、所
要時間やボールの速度がコーチとE群間で異なった。また、各関節の角度変化において、両群間および各条
件間で特徴的な運動がみられた。以上より、コーチとE群では前後ドリブルでのテンポ変化に対応する方略
が異なることが示唆された。
P1-17
柔道の投げ技における頭部外傷リスクに関するバイオメカニクス的研究
中学校授業で取り扱われる投げ技 6 種類の比較
○荒川 裕志(国際武道大学)、中薗 優太(高砂市立荒井中学校)、神事 努(國學院大學)、柏崎 克彦(国
際武道大学)
柔道では投げ技を受ける際の頭部外傷リスクが問題とされる。本研究では、柔道初心者を対象に、中学校
学習指導要領「柔道」の第 1 学年および第 2 学年で取り扱われる 6 つの投げ技を行った際の頭部外傷リスク
を比較することを目的とした。投げ手は競技柔道経験者 3 名、受け手は競技柔道未経験者15名とした。測定
には光学式モーションキャプチャシステム(VICON MX)を用い、反射マーカーの 3 次元座標データから
算出した頭部角加速度のピーク値を頭部外傷リスクの指標とした。実験は畳の上で行い、計450回(15名×
4
6 種類× 5 試技ずつ)の試技を行った。分析の結果、ピーク角加速度の平均値はそれぞれ膝車3.7±1.2×10
2
4
2
4
2
4
2
deg/s 、支え釣り込み足3.5±1.2×10 deg/s ,体落とし3.6±1.1×10 deg/s 、大腰2.3±1.0×10 deg/s 、大
4
2
4
2
外刈り3.4±1.3×10 deg/s 、小内刈り2.5±1.2×10 deg/s であった。本研究の結果より、初心者を対象に投
げ技を実施する場合、頭部外傷リスクの点において大腰が最も安全であることが示唆された。
― 94 ―
一般研究発表
ポスター発表①
Poster presentations 1
12th Sep. (Mon.) 11:00~11:54 Room B
P1-18
テコンドーにおける感覚的な「素早さ」の数値化
○木下 まどか(筑波大学大学院)、藤井 範久(筑波大学体育系)
World Taekwondo Federationによるテコンドー競技(以下、テコンドー)は多様な蹴り技が特徴である
格闘技系種目である。テコンドーにおける「素早さ」は、計測が容易である蹴り速度や時間といったパラメー
タを用いて評価されることが多い。しかし、テコンドーは対人競技であるため、速度や時間のみならず、相
手選手に「はやいと感じさせる」感覚的パラメータも考慮して「素早さ」を評価する必要がある。そこで本
研究では、前回し蹴り動作における感覚的な「素早さ」を、周波数分析を用いた数値パラメータとして導出
し、評価を行うことを目的とした。様々な競技レベルのテコンドー競技者17名(年齢20.4±2.2 yr.、身長1.72
±0.07 m、身体質量61.5±5.0 kg、経験年数2.5±2.5 yr.)に中段(体幹部)へフェイント動作を伴う前回し
蹴りを行うよう指示し、 3 次元動作分析装置(200 Hz)を用いて身体各部の座標データを取得した。蹴り
動作前に行うフェイント動作の身体重心速度周波数と蹴り動作移行期中の動作の身体重心速度周波数を用い
て「はやいと感じさせる」感覚的パラメータを導出し、評価法を検討した。動作周波数成分の一致度が高い
ほど、蹴り動作の認知に影響すると考えられる。
― 95 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-1
sine wave tandem gaitに関する運動力学的分析
○川上 真吾(東北文化学園大学)、冨澤 義志(社会医療法人将道会 総合南東北病院)、村上 賢一(東
北文化学園大学)、藤澤 宏幸(東北文化学園大学)
【背景・目的】歩行における膝関節回旋運動は円滑な方向転換に重要と思われる。立位での方向転換のよ
うに水平面での回旋運動においては筋トルクによる制御が重要と考えている。しかし、確立された評価方法
はなく、臨床で簡便に評価できる方法の開発が望まれている。そこで、自作したsine wave歩行路をタンデ
ム歩行した際の、膝関節回旋運動を含めた水平面上の運動力学的特徴を明らかにすることが本研究の目的あ
る。【方法】対象は健常成人 9 名とした。三次元動作解析装置を用いて課題遂行中の膝関節回旋運動範囲を
計測し、加えて大腿二頭筋および半腱様筋の筋活動を表面筋電図により記録した。なお、立脚相の特定には
フットスイッチを用いた。【結果】膝関節回旋の運動方向に対し、主動作筋が積極的な活動を示す場合と、
拮抗筋が活動する 2 通りの戦略が認められた。【考察】方向転換においては、慣性力のみならず主動作筋と
拮抗筋の筋トルクも重要であることが示された。関節可動域に問題がないにも関わらず動作遂行が困難な場
合、膝関節回旋筋群の機能低下が要因の一つとして考えられ、本研究で用いた課題がバランス評価法として
も有用である可能性が示唆された。
P2-2
ライトタッチが静止立位時のフィードフォワード制御とフィードバック制御
に及ぼす影響
○枝松 千尋(倉敷芸術科学大学)
【背景】指先のライトタッチは静止立位時のCOP動揺を安定させる。一方、我々はCOP速度ベクトルの変
化から扇形面積を求めることでCOP変化量を 1 変数であらわすSFA法を提案した。本研究ではライトタッ
チによるCOP動揺の変化を、SFA法・Naganoらの方法を用いてフィードフォワード制御とフィードバック
制御に分けて検討する。【方法】被験者は健常な成人 8 名であった。閉眼立位で30秒間の重心動揺を100Hz
にて計測した。実験条件はライトタッチ(LT)条件とコントロール(NT)条件であった。解析は、SFA法
からFFratio(フィードフォワード制御時のCOP変化量)とFBratio(フィードバック制御時のCOP変化量)
を算出した。【結果】FFratioはNT条件に対してLT条件が有意に大きい値となったが、FBratioはNT条件と
LT条件で差は見られなかった。Naganoらの方法による方向変化も、フィードフォワード期間のみに有意差
がみられ、LT条件で方向変化が大きくなった。以上のことから、ライトタッチによる感覚入力は静止立位
時のフィードフォワード制御に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
― 96 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-3
複数体肢の同時動作における反応時間
同側性・対側性の影響
○竹林 秀晃(土佐リハビリテーションカレッジ)
本研究は,複数体肢の同時動作の組み合わせによる運動制御の影響を検討することを目的とした.対象は,
同意の得られた健常成人17名とした.反応課題は,①一側反応課題,②両側反応課題(左右上下肢を左右同
時に反応),③同側反応課題(上下肢の同側上下肢を同時に反応),④対側反応課題(上下肢の対側上下肢を
同時に反応)の 4 種類とした.また,反応課題の種類は,単純反応課題と選択反応課題とした.反応時間測
定は,椅子座位にてMulti-PASS System(DHK社製)を用いて,画像刺激に対して四肢に対応させ 4 つの
ボタンセンサーにて反応させた.統計学的分析は,二元配置分散分析と多重比較法を用いて検討した.選択
反応課題においては,同側反応課題と対側反応課題において,一側反応課題と両側反応課題より有意に反応
時間の遅延を認めた(p<0.05).選択反応課題においては,従来報告されている両側性機能低下より上下肢
同時運動の方が機能低下が認められることを示唆している.同側反応課題と対側反応課題において有意に反
応時間の遅延を認めたことは,半球間抑制や皮質内抑制の影響が関与している可能性がある.
P2-4
側方跨ぎ動作に関する身体運動学的解析
○大沢 巧(埼玉医科大学総合医療センター)、前田 佑輔(目白大学保健医療学部理学療法学科)
【目的】本研究の目的は、側方跨ぎ動作において目標物の高さを変えたときの重心軌跡、関節運動、床反力、
筋活動を解析し、目標物の高さによる変化、その力源を明らかにすることとした。【方法】対象は、健常成
人男性10名(平均22.0±1.2歳)とした。目標物の高さは15cm、30cm、45cm、60cmの 4 条件とし、右下肢
での自然な跨ぎ動作を指示した。測定項目は、骨指標の 3 次元座標、床反力、筋電図とし、測定データから
重心軌道、関節角度、筋活動を求めた。【結果】目標物の高さの増加に伴い、重心の前後方向最大振幅も増
加し、後方の振幅は前方の振幅の約 2 倍と後方への重心移動が大きかった。関節運動では股関節・膝関節の
屈曲角度は増加したが、足関節は大きな変化は認めなかった。筋活動では左下肢の中殿筋、右下肢の大腿四
頭筋に高い活動がみられた。【考察】目標物の高さの増加に伴い、左右方向だけでなく前後方向の重心移動
も増大した。前後方向の変化には関節角度や姿勢保持の下肢筋活動が重要であると考えた。今後、右下肢の
関節モーメントや体幹の動きを解析することで、より詳細に重心を後方に移動させる要因を見つけることが
できると考える。
― 97 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-5
撮影に使用するカメラ台数を増減した際の 3 次元座標空間再構築の精度の変化
バレーボールコート内の既知点を用いて 3 次元座標空間を再構築した場合
○中井 聖(京都光華女子大学)
バレーボールコート内での位置が既知である点を用いた簡易的なキャリブレーションによって 3 次元座標
空間を再構築する際に、カメラの台数を増減させて撮影を行い、 3 次元座標値の再現精度の変化を検討した。
コート内の既知点14点の実空間座標値を実測した後、 3 点の基準点を配したポールをコート全面に直立させ
て 2 台あるいは 3 台のデジタルカメラでフルHD撮影した。コントロールポイントとする既知点の 2 次元計
測座標値と実空間座標値から求めたDLTパラメータと基準点の 2 次元計測座標値から、基準点の 3 次元推
定座標値を算出し、実空間座標値との誤差を求めた。基準点(84点)のX座標、Y座標、Z座標の平均二乗
誤差は、カメラ 2 台では0.025m、0.030m、0.012m、カメラ 3 台では0.020m、0.028m、0.013mであり、カメ
ラ台数を増加した場合に基準点全体として再現精度がやや向上した。各基準点では、41点のX座標、13点の
Y座標、25点のZ座標で再現精度が向上したのに対して、23点のX座標、12点のY座標、37点のZ座標では再
現精度が低下し、基準点のコート内の位置によって再現精度に偏向した変化が見られた。
P2-6
肥満児童における身体組成が立位姿勢制御に与える影響
○山本 憲志(日本赤十字北海道看護大学)、伊藤 善也(日本赤十字北海道看護大学)、Sharon Hanley(北
海道大学大学院医学研究科総合女性医療)、柳 等(北見工業大学)、和田 匡史(国士舘大学)、新宅 幸憲(びわこ成蹊スポーツ大学)
【目的】両足および片足での立位姿勢制御能と体組成との関連性について検討した。【方法】肥満児童22名
(男子16名、女子 6 名、年齢8-12歳、%fat 33.0±6.0%)が本実験に参加した。被検者は重心動揺計(GP-5000、
ANIMA、TOKYO)を用いて、まず両足で開眼・閉眼それぞれの測定を行い、その後、同様に片足で測定
を行った。各測定とも測定時間は30秒間とした。同時に体組成計(BC-612、TANITA、TOKYO)を用い
て体組成を計測した。
【結果】肥満児童における骨格筋量と総軌跡長の関係は、両足開眼(r=-0.580、
p<0.05)、片足開眼(r=-0.574、p<0.05)、片足閉眼(r=-0.654、p<0.05)において有意な負の相関を認めた。
しかしながら、骨格筋量と両足開眼時の総軌跡長との間には有意な相関は認められなかった(r=-0.353、n.s.)。
【結論】肥満児童における立位姿勢制御には骨格筋量が影響することが示唆された。従って、肥満児童が安
定した立位姿勢を得るためには減量と骨格筋量の増加が有効であると考えられる。
P2-7
大学男子カヤック選手における体幹および上腕の筋量
○若原 卓(同志社大学スポーツ健康科学部)
本研究は、カヤック選手における体幹および上腕の筋量の特徴について、競技歴との関連で明らかにする
ことを目的とした。カヌースプリントのカヤックを専門とする大学男子選手12名を対象とし、 5 年以上の競
― 98 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
技歴を有する選手 6 名をA群、 4 年未満の競技歴を有する選手 6 名をB群とした。各選手の体幹および上腕
におけるMRIの横断像を連続的に撮影し、大胸筋、広背筋、腹直筋、側腹筋群(外腹斜筋+内腹斜筋+腹横
筋)、大腰筋、腸骨筋、腰方形筋、下部背筋群(脊柱起立筋+多裂筋)、上腕三頭筋の筋断面積を計測した。
各被験者の筋断面積における最大値を代表値として、 2 群間で比較した。その結果、大胸筋断面積はA群の
被験者がB群の被験者より有意に大きかった。この差は、体格を考慮した、体重の 3 分の 2 乗あたりの値で
も有意であった。それ以外の筋の断面積に、両群間の有意な差は認められなかった。A群の被験者は競技歴
が長いだけでなく、全日本学生選手権や日本選手権における成績上位者が多かった。したがって、本研究の
結果から、カヤック選手において、体幹および上腕の筋群の中で大胸筋の量が重要であることが示された。
P2-8
ヒト上肢の前腕に関わる筋の形態学アトラス
○小松 敏彦(大阪大学)、船渡 和男(日本体育大学大学院)
本研究の目的は、上肢の前腕部に関わる21の筋(円回内筋、浅指屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根
屈筋、方形回内筋、深指屈筋、長母指屈筋、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、腕橈骨筋、総指伸筋、小指
伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋、肘筋、上腕筋)につい
て形態的特徴を示すことである。日本人男性の解剖用献体(大阪大学解剖学講座協力)を対象に肉眼解剖学
的手法により、前腕部の筋を摘出して各々の筋の起始様相を詳細に捉えた。また、筋組織部の全てを筋束レ
ベルに分離して筋束長を計測し、同時に腱との付着様相を調べた。筋腱複合体としての腱、腱膜と筋束配列
及び隣接筋との付着様相がイメージできるように写真撮影した。筋の起始は骨からのみ起こるという認識が
強いと思われるが、前腕部においては前腕筋膜及び隣接筋との関わりが深いことが観察でき、これらの知見
は形態への基本認識への一助になり得ると考える。
P2-9
個人の特性に合わせた動作のばらつきに強い投射パラメータの推定法
○村田 宗紀(国立スポーツ科学センター)、鈴木 雄太(大阪市立大学)
バスケットやダーツなど、投射の正確性を求められる場面は多くのスポーツでみられる。このとき、目的
を満足する投射角と投射スピードの組み合わせ(投射位置を加えて投射パラメータとする)は無数に存在す
るが、動作のばらつきは個人によって異なり、適した投射パラメータの組み合わせも異なる。本研究では個
人の動作のばらつきの特性に強い投射パラメータの推定法を提案し、その有効性を検証することを目的とし
た(本研究ではバスケットのシュート動作を対象とした)。まず、被験者にゴールまでの距離を変えること
で様々な投射パラメータのシュートを行わせ、得られたデータから各投射パラメータのばらつきを関数とし
て表した。次に、動作のばらつきに強い投射パラメータの組み合わせを遺伝的アルゴリズムによって探索し
た。具体的には、投射パラメータ組み合わせ毎に、関数化したばらつきに基づいたノイズをランダムに加え
て複数回投射シミュレーションを行い、シュートの成功率が最も高い投射パラメータの組み合わせを求めた。
本手法より、個人の特性に応じた投射パラメータの組み合わせを推定し、さらに投射パラメータの変化に伴
うシュート成功率の変化を推定できた。
― 99 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-10
直列弾性要素の弾性がクラウチングスタートからの 1 歩目支持期における
下腿三頭筋の長さ変化に与える影響
筋骨格モデルを用いたシミュレーションからの検討
○大島 雄治(筑波大学大学院)、藤井 範久(筑波大学体育系)
全力疾走中の筋や腱の長さ変化を調べることは,より速く走るという運動課題に対する制限要因を明らか
にするうえで重要である.そのことを調べる方法として,筋骨格モデルを用いたシミュレーションが挙げら
れる.Hillタイプの筋モデルの腱の弾性は,腱の自然長に対して4%伸張したときに筋の等尺性最大張力にな
るように設定することが多い.また,各筋の等尺性最大筋力の大きさは,先行研究を参考にして任意で決め
ることが多い.つまり,等尺性最大筋力を大きくすれば,腱の弾性も高くなることになる.本研究の目的は,
アキレス腱の弾性について調べた先行研究を参考にして下腿三頭筋の腱の弾性を決定したモデルと従来のモ
デルを用いて,クラウチングスタートからの 1 歩目支持期の筋と腱の長さ変化を調べ, 2 つのモデルによる
違いを比較することとした.被験者 1 名にクラウチングスタートからの全力疾走を行わせ,座標値を収集し
た. 1 歩目支持期の動作を再現するようにシミュレーションを行った.結果として,従来のモデルでは,支
持期前半では筋が伸張し,支持期後半では筋が短縮していた.一方,弾性を調整したモデルは従来のモデル
とは異なったパターンを示した.
P2-11
異なる背景筋活動中に行った急激な筋収縮時における筋束動態
○矢野 壮馬(皇學館大学大学院教育学研究科)、瀧下 渡(皇學館大学大学院教育学研究科)、中村 真緒
(皇學館大学大学院教育学研究科)、小木曽 一之(皇學館大学大学院教育学研究科)
我々は、続く動きを予測しながら、様々な筋収縮様式の下で運動を継続させる。本研究では、急激な最大
膝伸展(MVC)の反復時、その背景筋活動と力発揮のタイミング予測が筋束動態にどのような影響を及ぼ
すのかについて検討した。
被験者は、100回の連続した受動的に行われる膝伸展/屈曲中、膝角度が60°に達した時、次の条件で50回
のMVCを行った。① 1 回おきのMVCでそのタイミングを知らせた場合、②ランダムに行い、それを知らせ
ない場合。等尺性状態からも同様な試技を行った。
MVC時の羽状角の変化量は、全ての収縮タイプで反復毎に減少したが、筋束と深部腱膜の交点(P点)の
移動量は変化しなかった。伸張性および等尺性収縮時の羽状角は、その深部腱膜近くで変化量が大きくなっ
た。P点の移動量および深部腱膜近くの羽状角の変化量は、伸張性収縮時により小さくなった。膝伸展トル
クの増加量は、伸張性収縮時に最も大きく、短縮性収縮時に最も小さくなった。短縮性および伸張性収縮時
は、①条件でトルク増加量がより大きくなった。
これらのことは、深部腱膜に近い部分での羽状角の増加がその力発揮に関係することを示している。
― 100 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-12
筋腱複合体の持続的伸張が腱硬度に及ぼす影響
○中村 真緒(皇學館大学大学院教育学科研究科)、瀧下 渡(皇學館大学大学院教育学科研究科)、矢野 壮馬(皇學館大学大学院教育学科研究科)、小木曽 一之(皇學館大学大学院教育学科研究科)
本研究では、下腿三頭筋をリラックス状態と電気刺激を付加した状態で、長時間伸張した時、その腱硬度
がどのように変化するのかについて検討した。
被験者は等速性筋力測定装置上に座り、リラックス時は右下腿三頭筋で、電気刺激時は左下腿三頭筋で受
動的な足背屈を300回連続して行った。足背屈は底屈120°から背屈70°までとし、その角速度は300deg/secに
設定した。連続足背屈前後には、足関節角度90°で最大足底屈力を測定した。
腱硬度は、連続背屈前後で、リラックス時に38.5±14.7Nm/cmから30.9±12.6Nm/cmへと減少する傾向が
見られた(p=0.055,n.s.)。電気刺激時には、30.3±11.34 Nm/cmから34.7±19.7Nm/cmと有意な変化はなかっ
た。
300回の連続した足背屈では、リラックス時に、その腱硬度が減少傾向を示した。それは、電気刺激によ
る筋収縮の状況下では見られなかった。電気刺激を付加したジャンプでは、その筋腱移行部に強い筋肉痛が
生じており、筋が他動的に収縮されながら伸張された場合、筋腱移行部がその負荷を担っている可能性が示
唆された。
P2-13
家庭用ゲーム機と現実空間での運動時における脳波の比較
○高橋 健太郎(関東学院大学理工学部)
本研究は,集中やリラックス時に出現するα波と,緊張時や意識分散時に発生するβ波に焦点を当て、現
実とバーチャルリアリティ(以下 VR)の運動時における脳波を測定し,比較検討することを目的とした.
本研究では,eggo sportsの脳波計を使用し,サンプリング周波数は512Hzにて測定した.被検者には,Wii
Sport Resortの卓球と実際の卓球を行い,勝敗は 6 点先取で勝利とした.脳波計から得られた信号からα波
とβ波を解析し,状況別(得点時,失点時,ラリー時,スマッシュ時)に比較検討した. 各結果から,現実,
VR共にα波が有意に高値を示す傾向が見られ,現実とVRを比較した際にα波が高く出現していた.VR(二
次元)では,画面に対し,タイミングを合わせてスイングするだけで返球出来るが,現実(三次元)では,
奥行きや,ボールの高さ,力加減など返球に必要な情報が多く,それを処理するために脳が活発に動いてい
ると考えられる.このことからVRで疑似的にスポーツをするよりも,現実空間で実際に身体を動かした方
が脳の活性化につながっていると示唆された.
― 101 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-14
高齢男性における在宅での速さを意識したカーフレイズトレーニングが
腓腹筋内側頭の剛性率に及ぼす影響
○赤木 亮太(芝浦工業大学)、大木 俊輔(芝浦工業大学)、髙山 浩一(芝浦工業大学、オリンパス)、
江間 諒一(芝浦工業大学、日本学術振興会特別研究員)、小林 雄志(立命館大学)
本研究は、高齢男性を対象に、在宅での速さを意識したカーフレイズトレーニングが腓腹筋内側頭の剛性
率に及ぼす影響について検討した。高齢男性34名は、トレーニング群及びコントロール群に均等にランダム
に振り分けられた。トレーニング群は、自重によるカーフレイズトレーニングを週 3 回、 8 週間実施した。
トレーニング介入前後で、足関節底屈筋群のRate of Torque Development(RTD)を自作の足関節用筋力
計により、安静時における腓腹筋内側頭の剛性率、筋厚及び羽状角を超音波診断装置により、それぞれ測定
した。コントロール群では、いずれの変数にも有意な変化はみられなかったものの、トレーニング群の
RTD及び剛性率は有意に増加した。先行研究において、筋がスティフであることが筋の素早い力発揮に好
影響を及ぼす可能性が指摘されている。このことを踏まえると、本研究の結果は、速さを意識したトレーニ
ングに伴い、素早い力発揮を可能とするような適応が筋に生じたことを示唆するものであった。
P2-15
流速値の違いが背泳ぎ動作に及ぼす影響
ストロークキネマティクスとローリング動作に着目して
○佐藤 大典(中京大学大学院)、草薙 健太(中京大学)、水上 拓也(中京大学大学院)、髙橋 繁浩(中
京大学)
【目的】流速の違いが、背泳ぎのストロークキネマティクス、胸部、腰部のローリング動作に及ぼす影響
を検討すること。【方法】被験者は大学水泳部に所属する男子競泳選手16名とした。試技は回流水槽プール
にて、30秒間の背泳ぎを 3 つの異なる流速で実施した。流速は、50m背泳ぎ全力泳時の10m間(30mから
40m)の平均泳速の100%(1.58±0.12m/s)、94%(1.49±0.11m/s)、85%(1.36±0.10m/s)とした。胸部お
よび腰部のローリング角度を算出するため、30cmの金属製の棒を固定したローリング角度算出機材を、胸
部と腰部の身体腹側にラバー製ベルトで固定した。【結果】ストロークタイムは全試技間に有意な差が認め
られたのに対し、ストローク長では100%と94%、100%と85%の間にのみ有意な差を示した。胸部および腰
部の最大ローリング角度は、全試技間に有意な差は認められなかった。今後は、より詳細に検証するため、
ストローク局面、ローリング角速度、ローリング軌跡長についても着目していく。
― 102 ―
一般研究発表
ポスター発表②
Poster presentations 2
13th Sep. (Tue.) 13:30~14:21 Room A
P2-16
肺気量の違いが泳動作中のボディポジションに及ぼす影響
水中モーションキャプチャを活用した試み
○鷲野 壮平(鹿屋体育大学大学院)、矢内 利政(早稲田大学)、萬久 博敏(鹿屋体育大学)、吉武 康
栄(鹿屋体育大学)
【目的】泳動作中における肺気量の違いがボディポジションに与える影響を検討した。【方法】競泳日本選
手権の出場経験を有する男性 1 名(肺活量:5.37L)を対象に、息を吐き切った状態(吐き切り)、息を吸い
切った状態(吸い切り)、主観的にそれらの中間の肺気量にした状態(中間)の 3 条件下にて、同一の最大
下努力度でのクロールをランダムに 3 回ずつ泳がせた。なお、試技中に肺気量が変化することを避けるため
に、呼吸動作は行わなわないよう指示した。水中モーションキャプチャシステムより得られた各関節の座標
より、ボディポジションの評価値として左右ストローク 1 サイクル中の身体重心高を算出した。【結果】推
-1
-1
-1
進方向の身体重心速度の平均値は、吐き切り条件で1.32m·s 、吸い切り条件で1.37m·s 、中間条件で1.36m·s
であり大きな差はなかった。身体重心高は、高い順に吸い切り条件、中間条件、吐き切り条件となり、吸い
切り条件と中間条件の差は0.6cm、吸い切り条件と吐き切り条件の差は3.9cmであった。【結論】今回の被検
者の場合、肺気量によって泳動作中のボディポジションは、最大4cm程度の影響を受ける。
P2-17
近赤外分光装置を用いた酸素化ヘモグロビン・ミオグロビン動態から捉える
骨格筋ミトコンドリア機能
一過性運動からの検証
○田中 大智(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)、菅 唯志(立命館大学スポーツ健康科学部)、
浜岡 隆文(東京医科大学健康増進スポーツ医学講座)、伊坂 忠夫(立命館大学大学院スポーツ健康科
学研究科)
長期的な運動トレーニングは、骨格筋ミトコンドリア機能の増加をもたらすことが知られており、近年、
これを評価するために近赤外分光装置(NIRS)を用いた非侵襲的方法の有用性が報告されている.一方、
一過性の運動後にも骨格筋においてエネルギー代謝が高まることから、ミトコンドリア機能が増加すると推
察されるが,それを捉えた報告はない.したがって、本研究は、NIRSを用いて、一過性の高強度運動によ
る骨格筋ミトコンドリア機能の変化を検討した.被験者は、健常若年男性 5 名とした。運動は、最大随意収
縮(MVC)の70%による 1 秒間のハンドグリップ運動を10回、 5 セット実施した。骨格筋ミトコンドリア
機能は、90%MVCによる10秒間のハンドグリップ運動後に即座に前腕部に虚血―再灌流を複数回繰り返し、
NIRSを用いて虚血中の尺側手根屈筋の酸素化ヘモグロビン・ミオグロビン(Oxy-Hb/Mb)の低下率の動態
を測定することによって評価した。その結果、運動前に比較して運動後にOxy-Hb/Mbの低下率の時定数が
有意に増加した。以上の結果より、一過性の運動後に骨格筋ミトコンドリア機能が増加することが示唆され
た.
― 103 ―
一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
P3-1
逆上がりにおける床反力と鉄棒反力の貢献
○鴻巣 暁(東京大学大学院総合文化研究科)、吉岡 伸輔(東京大学大学院総合文化研究科)、深代 千之
(東京大学大学院総合文化研究科)
【背景】片脚振り上げ型逆上がりにおいて、演技者は床反力と手部が鉄棒から受ける反力(以下鉄棒反力
という)を使用することができる。
【目的】逆上がりにおける床反力と鉄棒反力の役割を解明する。【手法】
健常成人男性10名による逆上がりを対象に、身体重心周りの矢状面の回転運動と重心の上下方向の運動を解
析した。【結果】①回転運動:角運動量は支持脚離地前後にピークに達した。支持脚接地期の床反力による
角力積は0.52±0.07(N・m・s/kg)、鉄棒反力による角力積は0.14±0.06(N・m・s/kg)であった。②上下運動:
両脚離地から腹部と鉄棒との接触までの間に、重心は17.7±4.2(cm)上方へ移動した。一方で、離地時の
運動量上向き成分は、5.4±1.6(cm)の重心挙上を引き起こせる大きさであった。離地後、鉄棒反力上向き
成分は最大0.98±0.13(BW)に達した。【考察】床反力は角運動量獲得の大部分を賄い得る。これに対し、
床反力が重心挙上に対して行い得る貢献には限度が存在し、これを鉄棒反力で補わなければならないことが
示唆される。
P3-2
小学生の投動作の類型に関するバイオメカニクス的研究
○小林 育斗(茨城県立医療大学)、阿江 通良(筑波大学)、加藤 謙一(宇都宮大学)
本研究では小学生の投動作をクラスター分析によって類型化し、そのバイオメカニクス的特徴を明らかに
して、指導のための基礎的知見を得ることを目的とした。小学校 2 、4 、6 年生の男女計302名のソフトボー
ル投げを 3 次元動作分析し、投球腕の関節角度、体幹の部分角度などを算出した。各学年の標準動作モデル
からの動作逸脱度の指標(zスコア)を求め、これを変数としてクラスター分析を行った。
男子の投動作を類型化すると、 2 年生では 3 つ、 4 年生では 2 つ、 6 年生では 3 つの群に、女子において
は、 2 年生では 4 つ、 4 年生では 4 つ、 6 年生では 3 つの群に分けられた。これらは、動作逸脱度の小さい
標準動作類似群、体幹や投球腕などの動作が逸脱する群、幼児の投動作パターンに類似した群などであった。
男子と女子の 2 、 6 年生では、標準動作類似群の投距離が有意に大きかった。これらのことは、標準動作モ
デルに類似した群、標準動作モデルと異なる代償的な動きを伴う群、未発達な群が存在しているが、標準動
作をモデルにすることが投距離向上に有効であることを示唆する。
P3-3
やり投げにおけるヤリの飛行経路シミュレーション
○安田 萌(茨城大学大学院教育学研究科)、富樫 泰一(茨城大学教育学部)
投射された物体の運動は、空気流体力を無視した場合、初速度、投射角、投射高の初期 3 条件で決定され
放物運動を行う。しかし、やり投げにおけるヤリは、その特異な形状から空気流体力の作用を検討する必要
がある。空気中を飛行する投射体には空気流体力が作用し、飛行方向と反対向きに抗力、垂直方向に揚力、
重心まわりにモーメント力が作用する。ヤリのような形状の物体では揚力や抗力は物体の向きによって大き
― 104 ―
一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
く影響を受け、適当な迎え角によって、より少ない抗力でより大きな揚力を得ることができれば、飛距離を
伸ばすことができる。前田(1996)は、男子用ヤリにおけるヤリの飛行挙動の研究からヤリを投射したとき
の実際の飛距離は、空気の影響を考えない場合の真空理論値よりも飛距離が大きくなり、飛行の中盤から後
半にかけて揚抗比が大きくなる傾向にあるとし、このことが飛行後半でヤリの落下を抑え、飛距離増大につ
ながると述べている。
本研究は、水槽実験によりヤリにかかる空気流体力(揚力、抗力、モーメント力)を推定し、ヤリの飛行
経路のシミュレーションを行った。
P3-4
自転車トラック競技の空気抵抗力について
―走行中の頭部位置、ヘルメット形状の影響―
○西山 哲成(日本体育大学)、高嶋 渉(八戸学院大学)、白崎 啓太(国立スポーツ科学センター)、明
石 啓太(国立スポーツ科学センター)、前川 剛照(福井工業大学)、山辺 芳(国立スポーツ科学セン
ター)
自転車競技のパフォーマンス向上において走行中の空気抵抗を低減する方法を追及することは重要であり、
姿勢や体格、および自転車フレームやヘルメットなどの競技器材の特性が主要素となる。本研究では、トラッ
ク・ロードレース種目のタイムトライアル競技を想定し、よく使用されるエアロヘルメットについて、また、
主に頭部位置を変えた姿勢の違いによる空気抵抗の影響を調べた。
風洞実験装置を用いて、トラックバイク上でのタイムトライアル姿勢で静止した選手の正面より55km/hr
(男子日本記録相当)の風を送り、選手に加わる空気抵抗力を、競技用ヘルメット 5 形状× 4 姿勢の計20の
組合せについて測定した。エアロヘルメット(31.6-32.3N)は、ロードレース用(33.8-340N)に比して
4-7%の低値を示した。姿勢変化に対する空気抵抗力(両エアロヘルメット平均値)は、選手の好みの姿勢
31.9N、下向き31.6N、顔上げ33.5N、頭部下げ30.9Nであった。本研究所見は、競技力向上に貢献する資料に
なると考えられた。
P3-5
視覚情報を利用した走高跳のトレーニング方法
○上島 みどり(立命館大学スポーツ健康科学部)、藤林 献明(びわこ成蹊スポーツ大学スポーツ学部)、
田畑 泉(立命館大学スポーツ健康科学部)
走高跳は、設定された高さのバーを 3 回以内の試技でクリアすることが要求される種目である。実践現場
で生じる問題点として、自己記録に近い記録に挑戦する際、設定された高さに対して気構えをしてしまい、
普段通りの動きが出来なくなってしまう現象(以下、高さ萎縮)が発生する。高さ萎縮の対策として、自己
記録以上の高さに(バーのクリアを目標とせずに)複数回チャレンジする“高さ慣れ”といったトレーニン
グが実施されている。しかし、実際には高さ萎縮が発生した状態での跳躍を繰り返してしまい、十分な効果
が得られない場合が多い。
そこで本研究では、高さ萎縮を解決するための新たなトレーニング手法として、記録の優れたアスリート
の視覚情報を共有することを提案した。そして、設定された高さを擬似的にクリアする体験を繰り返すトレー
ニングの有効性について、事例的に検討することを目的とした。
― 105 ―
一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
結果として、提案したトレーニング手法は 1 .高さ萎縮を解決するための 1 つの手法として利用できるこ
と。 2 .視野映像を提供するアスリートと映像を擬似的に体験するアスリートの身体や技術的な特徴の共通
点を考慮する必要があることが明らかになった。
P3-6
視覚に着目した陸上競技水平種目の助走リズムを安定させるトレーニング
○藤林 献明(びわこ成蹊スポーツ大学)
陸上競技の走幅跳や三段跳では,30~50mの距離を全力で助走して,0.2m幅の踏切板上で正確に踏切動作
を行うことが要求される.この正確な踏切動作と,跳躍距離を最大に獲得することを両立させるために,毎
回の助走における足どりテンポ(以下,運動リズム)を一定にするためのトレーニングが実施されている.
しかし,競技経験の浅い選手が刻む運動リズムは不安定な傾向があり,運動リズムを強く意識しながら行
うトレーニングが本来の運動動作を阻害してしまうケースが散見される.
本研究では、視覚情報が運動リズムに影響を与えると仮定して,ある運動リズムを用いた助走の視覚情報
(視野映像)を繰り返し視聴することで,助走における運動リズムを一定にするトレーニングの有効性につ
いて検討した。
助走の視覚情報(視野映像)を繰り返し視聴するトレーニング手法は,運動リズムを一定にするための 1
つの手段となること.更なるトレーニング効果を得るためには,視覚以外の五感に働きかけることが有効と
なる可能性が示唆された.
P3-7
ヒト四足歩行のキネマティクス
○衣笠 竜太(神奈川大学人間科学部)、久保 槙平(神奈川大学人間科学部)、大金 林太郎(神奈川大学
人間科学部)
ヒトの走る速さは、限界に達しているのか。その鍵はヒトの四足性に隠されているかもしれない(Kinugasa
& Usami 2016)。本研究は、ヒト四足の基本的動作としての歩行のキネマティクスを明らかにする。手、肘、
肩、股、膝、および足部に反射マーカーを貼付した被験者は、床反力計(AMTI社製)を埋設した歩行路を
0.6 m/sの速度で四足と二足で歩いた。光学式モーションキャプチャシステム(Motion Analysis社製)を用
いて、手・肘・肩・股・膝・足関節の関節トルクを算出した。四足歩行時の肩と膝の関節トルクが二足歩行
時のそれと比べて大きく( 6 倍)、推進力の獲得に関与していることが伺えた。また、四足歩行では、重心
が股関節よりも前方に位置することにより、股関節の伸展・屈曲動作に大きなモーメントを要していた。
P3-8
歩行中の関節ストレスにおける性差
○戸田 晴貴(倉敷平成病院リハビリテーション部)、長野 明紀(立命館大学スポーツ健康科学部)
歩行様式には性差があることが報告されている。このことは関節ストレスに影響を与える可能性がある。
― 106 ―
一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
本研究の目的は、若年健常男性・女性における歩行中の股関節と膝関節の関節面接触力の違いを明らかにす
ることとした。対象は、健常な20歳代の若年者とした(男性10名、女性10名)。計測課題は定常歩行とし、
3 次元動作解析装置と床反力計を用いた計測を行った。得られた運動学・運動力学データから、筋骨格シミュ
レーションソフトOpenSim3.2を用いて股関節と膝関節の関節面接触力を算出した。各対象者の体重で正規
化した後、立脚期中の力積値を鉛直、前後、側方成分のそれぞれについて算出した。統計学的解析は、共分
散分析を用いて行った。有意水準は5%とした。本研究の結果、女性は男性と比較し、股関節前後成分と膝
関節側方成分の力積値が有意に大きくなっていた。女性は男性と比較して関節の構造的な不安定性や関節弛
緩性を有している。それに加えて、歩行中の関節ストレスが大きくなることは、変形性関節症など関節疾患
における女性の受症率の高さの一因となる可能性がある。
P3-9
異なる一定速度での歩行における下肢動作の対称性
円滑性の観点から
○平野 智也(日本体育大学大学院トレーニング科学系)、柏木 悠(日本体育大学大学院トレーニング科
学系)、袴田 智子(国立スポーツ科学センター)、船渡 和男(日本体育大学)
【背景】歩行は両脚が同じ動きを繰り返すことによって遂行される周期的な運動である。しかしながら、
高速条件では推進力への貢献が利き脚で大きくなることが報告されている。【目的】異なる一定速度での歩
行おける下肢動作の対称性を円滑性の観点から検討すること。【方法】被験者は健常な成人男性 6 名であった。
試技は、トレッドミル上で 5 分間の歩行動作を行い、モーションキャプチャーシステムを用いて、最後の 1
分間中の運動学データを取得した。速度条件は、30、60、90および120m/minとした。運動学データから、
股関節、膝関節および足関節角度を算出し、関節角度から加速度変化率(Jerk)を求め、 1 ストライド中の
Jerk costを円滑性の指標とした。利き脚は、先行研究に基づき、ボールを蹴る脚と定義した。利き脚、非
利き脚ともに、連続10ストライドを分析した。【結果および考察】ストライド時間は、利き脚と非利き脚の
間で差がみられなかった。また、下肢 3 関節におけるJerk costは、利き脚で大きくなる傾向がみられた。こ
の結果は、歩行のための加速と減速の調節を利き脚で行っている可能性を示唆するものである。
P3-10
疾走速度変化の定量的評価に関する検討
○篠原 康男(立命館大学共通教育推進機構)、前田 正登(神戸大学)
疾走能力の評価および検討に関して,Furusawa et al.(1927)以降,静止状態から疾走を開始して最高速
度に至るまで,もしくは疾走を終えるまでも含めた疾走速度変化を数式化して,疾走全体を定量的に評価す
る試みがなされてきた(Prendergast, 2001 ;Morin et al., 2006 ;Buchheit et al., 2014)。これらの数式には,
いずれも共通して指数関数が用いられており,それらの指数などを変数として,加速の仕方や速度維持の能
力の検討がなされている。しかし,これら数式や評価手法は報告によって様々であり,どのように特性が異
なるのかは比較検討されていない。そこで本研究では,疾走速度変化の数式化に関する評価手法について,
その特性を比較検討した。学生短距離選手に静止状態からの70m走および100m走を行わせ,レーザー式速
度測定器を用いて疾走速度を測定した(100Hz)。実測した疾走速度変化を評価手法ごとに数式化し,実測
値との差異などから各評価手法および数式の特性を検討した。また,各評価手法の問題点についても合わせ
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一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
て整理し,それらの解決方法についても検討した。
P3-11
小中学生の加速疾走における時空間変数と地面反力の変化
○永原 隆(鹿屋体育大学)、原村 未来(鹿屋体育大学)、水谷 未来(鹿屋体育大学)、高井 洋平(鹿
屋体育大学)、松尾 彰文(鹿屋体育大学)
本研究の目的は、小中学生を対象として、加速疾走における時空間変数と地面反力の変化を明らかにする
ことであった。小学 1 年生から中学 3 年生までの男女200名に50mの全力走を行わせ、疾走中の地面反力を
50台のフォースプレートによって計測した。得られた地面反力のデータを用いて、疾走速度が最大に達する
までの加速局面における 1 歩ごとの時空間変数、支持期における平均力、力積を算出した。小中学生を含め
た全被験者の疾走速度は、増加の度合が減少しながら、スタート後13歩目まで増加した(6.10±0.84m/s)。
ステップ長は加速局面全体(13歩目まで)を通して増加したが(1.48±0.22m)、ステップ頻度は 7 歩目まで
増加した後(4.19±0.38Hz)、減少した。加速局面において、前後正味、鉛直の平均力および前後正味、加速、
減速の力積は、疾走速度の増加に伴い、変化の度合が減少しながら増加、あるいは減少した。一方、平均加
速力は、スタート後 5 歩目まで急激に減少した後に最大速度まで漸増し、平均減速力は、スタート後 3 歩目
まで増加し、その後 5 歩目まで値が変化せず、 6 歩目から最大速度まで再び増加する特徴がみられた。
P3-12
新開発の50mフォースプレートによるトップスプリンターのスタートダッシュに
おける地面反力について
○松尾 彰文(鹿屋体育大学)、永原 隆(鹿屋体育大学)、水谷 未来(鹿屋体育大学)、金久 博昭(鹿
屋体育大学)、土江 寛裕(東洋大学)、広川 龍太郎(東海大学)、磯 繁雄(早稲田大学)、福永 哲夫
(鹿屋体育大学)
鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究棟(15年 3 月竣工)の屋内走路にフォースプレート(FP)54
台が埋設されて約50m区間で疾走中の地面反力を測定できるようになった。この装置により 1 回の測定でス
タートからほぼ最高速度までのデータ収集が可能となった。本研究では、この装置をもちいて我が国トップ
スプリンターを対象に、スタートから50m付近までの地面反力の特徴を検討しようとした。
この装置(テック技販社製)は、スタート用FP4台と1m×0.9mのFP50台、データの制御装置とその表示
装置で構成され、 3 軸(x;左右方向、y;推進方向、z;垂直方向)で地面反力(F)、モーメント(M)お
よび圧力中心(CoP)を処理して 1 台のFP値として出力される。
被験者は 5 名であった。CoPyから計算した疾走速度とFfの力積/体重(IMf)をみると疾走速度8m/s付近
からIMfのほうが高い値となる傾向が見られ、最高値はVfでは10.5±0.2m/s、IMfでは11.7±0.3m/sに達した。
この差は主に空気抵抗によるものと考えられる。
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一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
P3-13
トレッドミル上における長距離走行中の足部内側縦アーチについて
○木村 健作(筑波大学大学院)、藤井 範久(筑波大学体育系)
足部内側縦アーチの低下は、歩行時や走行時における衝撃吸収能の低下に関与している。近年のマラソン
ブームに伴い、市民ランナーが増加しているが、長距離走行中の内側縦アーチ高の低下は、障害の要因とな
り得る。そこで、本研究の目的は、長距離走行中の内側縦アーチの形態的な特徴を明らかにすることである。
被験者は日頃よりランニング習慣のある男性とした。試技は、電動式トレッドミルシステム上で10kmの走
行を行わせ、 3 次元自動動作分析装置を用いて1km毎における身体と足部の分析点を測定した。走行中の内
側縦アーチ高の計測のために、靴を履いた状態における足部の拇指球、舟状骨、踵骨内側の位置に相当する
靴の内壁に穴を空け、足部に直接マーカーを貼付した。ミッドソールのマーカーをもとに靴の仮想的な足底
面を定義した。内側縦アーチ高は、舟状骨から足底面へ下ろした垂線の長さにより算出した。アーチ長は、
第一中足骨頭から踵骨後面までの長さとした。アーチ高率は、内側縦アーチ高をアーチ長で除した値に100
を乗じて算出した。得られた結果から、走行距離の増加により足部の衝撃吸収機能が徐々に変化する可能性
が示唆された。
P3-14
走路の勾配と足部接地パタンがランニング中の足底圧に及ぼす影響
○堀口 芳起(順天堂大学大学院)、柳谷 登志雄(順天堂大学大学院)
走路の勾配はランニング中の力の作用に影響すること、そして足部接地パタンもまたランニング中の力の
作用に影響することが明らかにされている。しかし、これらの要因の相互作用は不明である。そこで、本研
究では走路の勾配と足部接地パタンがランニング中の足底圧に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
下肢にランニング障害のない男性 5 名が被験者としてトレッドミル走を行った。その際の試技条件は、勾配
3 条件(-10%、0%、+10%)と接地パタン 2 条件(前足部接地、踵接地)を組み合わせた 6 条件とし、被
験者は各条件において3.33 m/s(=5min/km)の速度で 1 分間のランニングを行った。足底圧はインソール
型圧センサー(Pedar-X, Novel)によって測定された。その結果、前足部の足底圧の最大値において、走路
の勾配および足部接地パタンともに主効果が認められたが、相互作用は認められなかった。以上のことから、
前足部の足底圧の最大値において、走路の勾配と足部接地パタンの相互作用がないことが示唆された。
P3-15
下肢の動作および筋活動がランニングエコノミーに及ぼす影響
○岡田 英孝(電気通信大学)、栗田 崇平(電気通信大学)
本研究の目的は長時間走行中の下肢の動作および筋活動がランニングエコノミー(以下,RE)に及ぼす
影響について明らかにすることであった.日常的に長距離走トレーニングを行っている青年男性12名および
長距離走トレーニングを行っていない青年男性10名の計22名を被験者とした.被験者には,トレッドミル上
にて4-6種類の速度で各 4 分間の定速走行を行わせた.走行中の下肢動作を光学式 3 次元モーションキャプ
チャシステムで計測し,同時に表面筋電図により下肢 8 筋の筋活動電位を計測した.また,走行中の呼気を
― 109 ―
一般研究発表
ポスター発表③
Poster presentations 3
14th Sep. (Wed.) 11:10~12:01 Room A
採取し,酸素摂取量および呼吸交換比を算出した後,各走速度におけるエネルギー消費を求めた.さらに,
走速度とエネルギー消費の回帰直線の傾きを求め,これをREとした.REに影響を及ぼす変数を明らかにす
るため,REを目的変数,REとの単相関が有意であったバイオメカニクス的変数(キネマティクス変数,
EMG変数)を説明変数とするステップワイズ重回帰分析を行った.この結果,REの決定要因としては下肢
動作よりも下肢筋活動の方が重要であり,特に制動局面における下肢筋の共収縮時間の影響が大きいことが
明らかになった.
P3-16
異なる台高と水平距離におけるドロップジャンプのキネティクス的特徴
○杉本 和那美(筑波大学)、榎本 靖士(筑波大学)、関 慶太郎(筑波大学大学院)
ジャンプ動作は大きなパワーが発揮されること、ストレッチショートニングサイクル(SSC)筋活動であ
ることから、多くの研究がおこなわれ、トレーニングにおいても様々なアイデアで実践されている。しかし、
効果的なSSCの利用に関するバイオメカニクス的知見は十分とは言えず、跳び下りの高さと水平距離を変化
させたときのエキセントリックとコンセントリックのキネティクス変量の関係はトレーニングに役立つ基礎
的知見となるであろう。そこで、本研究は、陸上競技選手に異なる台高と水平距離でのドロップジャンプを
おこなわせ、下肢の動作を撮影するともに、地面反力および筋電図を計測し、それぞれの試技における下肢
キネティクスの特徴を検討することを目的とした。試技は、 3 種類の高さと 3 種類の水平距離を組み合わせ、
フォースプレートの前後に台を設置し、被験者に台から跳び下りて、フォースプレート上でジャンプし、前
方の台に跳び上がるよう指示した。試技によるエキセントリックとコンセントリックの時間および地面反力
の大きさの関係に着目して分析をおこなっている。発表ではこれらの下肢関節トルク、パワー、仕事および
筋活動について報告する。
P3-17
弾性床へのドロップ着地動作における競技特性による着地方略の差異
体操競技者と他種目競技者との比較
○宮崎 彰吾(筑波大学大学院)、藤井 範久(筑波大学体育系)
本研究の目的は、通常の床および弾性床へのドロップ着地動作を行う際の着地方略について、競技特性に
よって異なる特徴を明らかにすることを目的とした。実験課題は、通常の床および弾性床へ 3 つの異なる高
さからのドロップ着地動作とした。光学式三次元自動動作分析システムにより、身体と弾性床に貼付した反
射マーカーの三次元座標値を取得した。また地面反力をフォースプラットフォームにより測定し、同時に下
肢の筋活動を表面筋電図法によって記録した。被験者は大学体操競技者13名(Gymnast群)と健常な男性10
名(Control群)であった。接地時から重心最下点までの身体重心高の変位はGymnast群の方がControl群よ
りも小さかった。また脚スティフネスは、Gymnast群の方がControl群より大きかった。下肢の関節運動で
みると、膝関節角変位が両群の身体重心高の変位に大きく影響していた。体操競技者は他種目競技者と比較
して、床の弾性が異なっても膝関節が伸展位で着地動作をしていた。そして、弾性床への着地時には、弾性
床を変形させて弾性力を巧く利用した着地方略を用いていることが示唆された。
― 110 ―
Memo
平成29年 9 月12日発行
第24回日本バイオメカニクス学会大会
発行人 深代 千之(日本バイオメカニクス学会 会長)
発行所 第24回日本バイオメカニクス学会大会事務局
〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1
立命館大学スポーツ健康科学部
TEL:077-561-2791(代表)
印刷所 株式会社 北斗プリント社
〒606-8540 京都府京都市左京区下鴨高木町38-2
TEL:075-791-6125
演者・座長・司会索引
演者・座長・司会索引
索 引
氏 名
演題番号
ページ
氏 名
【ア】 相原 岳浩
O2A0915
61
阿江 数通
O2B0900
63
P1-6
89
O2B0900
63
阿江 通良
P3-2
赤木 亮太
泉本 洋香
演題番号
ページ
O2B1700
68
P1-8
90
磯 繁雄
P3-12
108
井田 博史
O3C0930
74
P1-7
89
104
53
伊藤 善也
P2-6
98
P2-14
102
稲葉 優希
O2C1630
50
明石 啓太
P3-4
105
口頭発表11○
60
東 洋功
O3B1030
76
井上 功一郎
O1C1430
38
荒川 裕志
O1C1700
42
井村 祥子
O1C1515
39
口頭発表 4 ○
57
岩崎 領
O3B1015
75
P1-17
94
P1-13
92
O1C1645
42
【ウ】 上野 弘聖
O1C1415
38
O2B1615
67
鵜澤 大樹
P1-5
89
O1C1600
41
内田 絵梨
O2A0900
61
O3B1000
75
宇津木 安来
O3C0900
73
P3-AW-10
28
梅本 実穂
P1-11
91
O1C1430
38
P1-16
94
O1C1600
41
【エ】 枝松 千尋
P2-2
96
特別講演Ⅰ○
14
榎本 靖士
O2C0915
48
O2C1430
31
O2A0915
61
O2C1500
32
O3C1045
78
O2C1515
32
P3-16
O1C1415
38
O1C1715
【イ】 飯野 要一
伊賀 崇人
池上 康男
伊坂 忠夫
O2C1730
○:座長/●:司会
江間 諒一
110
P3-AW-8
26
43
O2C1730
53
O2C0930
49
P2-14
102
O2C1645
51
P3-7
106
O2A0900
61
O2A0930
62
O2B0915
63
O2B0930
64
O2A1700
66
O2B1700
68
O3A0900
69
O3A0915
69
O3B1315
79
P1-8
P2-17
【オ】 大金 林太郎
大木 俊輔
O2C1730
53
P2-14
102
大沢 巧
P2-4
97
大島 雄治
P1-AW-1
18
P2-10
100
太田 映
P1-10
91
大高 千明
P1-11
91
P1-16
94
大谷 勇治
O2A0915
61
90
大津 卓也
O2B1630
67
103
大塚 弘文
O3B0930
72
― 114 ―
氏 名
大塚 光雄
演題番号
ページ
ページ
O1C1630
ポスター発表 1 ● 84
木村 健作
P3-13
大沼 勇人
O3B1345
80
清川 拓哉
O3B0930
72
大庭 尚子
O3C0915
73
金高 宏文
O3C1015
77
大森 由香子
O2A0915
61
【ク】 草薙 健太
大山卞 圭悟
O3C1045
78
久保 槙平
緒方 貴浩
P1-7
89
岡田 英孝
P3-15
109
岡本 敦
P1-9
90
岡山 洋二
O3B0930
72
O2C1645
51
奥野 敬丞
O3B1045
76
P1-8
90
小田 俊明
P2-AW-5
22
桑田 真澄
P1-4
88
口頭発表 5 ○
58
【コ】 小池 関也
O2B0900
63
小幡 博基
P1-4
88
O2B1630
67
小山田 悠希
O3A0900
69
O3A0930
70
O3A0915
69
P1-5
89
O3B1315
79
P1-10
91
O3C1315
81
P1-3
88
O1C1615
41
P1-12
92
P1-2
87
O2C1500
32
P1-14
93
O2C1545
34
P3-9
107
柏崎 克彦
P1-17
94
O1C1500
39
加藤 謙一
P3-2
104
O1C1530
40
加藤 忠彦
O3C1015
77
O2C1715
52
加藤 智子
P1-14
93
O2A1645
66
門田 浩二
O3B0900
71
鴻巣 暁
P3-1
104
金謙 樹
O2A1630
65
小木曽 一之
P2-11
100
金久 博昭
P3-12
108
P2-12
101
加納 實
P1-1
87
小林 哲郎
P1-2
87
上島 みどり
P3-5
105
小林 裕央
P1-4
88
川上 真吾
P2-1
96
小林 史明
P1-2
87
川村 卓
P1-6
89
小林 育斗
P3-2
104
川本 裕大
O1C1645
42
小林 雄志
O2C1730
【キ】 衣笠 竜太
O3C1300
81
柏木 悠
P3-7
木下 まどか
木伏 紅緒
48
演題番号
木村 新
【カ】 海津 陽一
O2C0900
氏 名
P2-15
O3C1300
41
109
102
81
P3-7
106
栗田 崇平
P3-15
109
栗原 俊之
奨励賞セッション 2 ○ 37
上坂 学
神﨑 素樹
奨励賞セッション 1 ○ 36
53
ポスター発表 3 ● 86
106
P2-14
102
P1-AW-2
19
小松 敏彦
P2-8
99
P1-18
95
小森 大輔
O3C1015
77
O1C1500
39
【サ】 佐伯 紘道
O2B0930
64
O2A1645
66
O1C1715
43
― 115 ―
阪田 真己子
氏 名
演題番号
ページ
氏 名
演題番号
ページ
笹川 俊
O3C0915
73
【ソ】 相馬 満利
O1C1615
佐渡 夏紀
P3-AW-9
27
【タ】 高井 洋平
P3-11
O1C1445
39
高尾 憲司
O1C1415
38
O3B1300
79
高木 斗希夫
O2B1645
68
O3B1330
80
高嶋 渉
P3-4
105
102
高梨 雄太
P1-3
88
高橋 和孝
P2-AW-6
23
41
108
佐藤 大典
P2-15
佐藤 隆彦
O2C0930
49
口頭発表 8 ○
59
P2-AW-7
24
O1C1600
41
P1-7
89
口頭発表 1 ○
56
高橋 健太郎
P2-13
101
ポスター発表 2 ● 85
髙橋 繁浩
P2-15
102
P3-10
髙山 浩一
O2C1730
佐野 真也
【シ】 塩澤 成弘
篠原 康男
107
清水 聖志人
O1C1700
42
下寳 賢人
O2A1700
66
正田 悠
O1C1715
43
口頭発表 7 ○
58
53
P2-14
102
P2-11
100
P2-12
101
竹林 秀晃
P2-3
97
105
建畠 龍太
O3B0915
71
田中 大智
O2B0915
63
瀧下 渡
白崎 啓太
P3-4
新海 宏成
O3B1015
75
P1-13
92
O3A0900
69
神事 努
P1-17
94
O3A0915
69
新宅 幸憲
P2-6
98
P2-17
進矢 正宏
O2C1530
33
P1-4
88
O1C1415
38
O2C1645
51
O2B0915
63
O2B1700
68
O3A0900
69
田畑 泉
P3-5
O3A0915
69
田村 雄志
O3B1000
75
O3B1315
79
【チ】 千田 周平
O3B1330
80
103
【ツ】 辻本 典央
P3-AW-10
28
O1C1430
38
【ス】 菅 唯志
P2-17
杉 秋成
O3B1000
杉本 和那美
P3-16
鈴木 崇人
O3C1300
81
鈴木 雄太
O2C0915
【セ】 関 慶太郎
田中 貴大
田辺 弘子
谷本 道哉
75
O2A0930
62
O2A1700
66
O1C1530
40
O2C1715
52
口頭発表10○
60
O3B0915
71
105
土江 寛裕
P3-12
土金 諒
O2B0915
63
48
O2B0930
64
O3C1030
78
O2B1700
68
P2-9
99
O3A0900
69
O2A0915
61
O3A0915
69
O3C1045
78
O3B1315
79
O3B1045
76
P3-16
110
103
110
【テ】 手塚 一志
― 116 ―
108
氏 名
寺田 昌史
演題番号
ページ
氏 名
O2A1700
【ヌ】 布目 寛幸
28
66
O1C1430
38
O2A1630
65
O1C1600
41
當眞 裕樹
O3B1000
75
O3B1000
75
富樫 泰一
P3-3
104
O3C1000
77
戸田 晴貴
P3-8
106
O3C1045
78
冨澤 義志
P2-1
96
【ノ】 野尻 紘聖
O3B0930
72
冨田 洋之
P1-1
87
野田 茂穂
O3B1045
76
冨田 真吾
O1C1530
40
【ハ】 袴田 智子
O1C1615
41
豊島 進太郎
O2A1630
65
O2C1630
50
P2-5
98
P1-14
93
中川 慶之
P1-12
92
P3-9
107
中里 真
O1C1500
39
中澤 公孝
O2C1530
【ナ】 中井 聖
51
ページ
P3-AW-10
【ト】 湯 海鵬
O2C1700
演題番号
沼津 直樹
萩生 翔大
O1C1500
39
33
O1C1530
40
O3C0915
73
O2A1645
66
P1-4
88
萩尾 耕太郎
O3C0915
73
中島 孝寛
O1C1515
39
浜岡 隆文
P2-17
中薗 優太
P1-17
94
濱田 佳孝
O3B1300
79
長野 明紀
特別講演Ⅱ○
16
濱中 良
O3C1015
77
O2C1430
31
原田 睦巳
P1-1
87
O1C1415
38
原村 未来
P3-11
108
O2C0900
48
【ヒ】 樋口 貴俊
O2C1615
103
口頭発表 2 ○
56
50
O2B0915
63
O2C1645
51
O2B0930
64
口頭発表 9 ○
59
O3A0900
69
O2A0930
62
O3A0915
69
O3B1315
79
久永 将太
P1-1
87
O3C1345
82
姫野 龍太郎
O3B1045
76
平野 智也
P1-2
87
P3-9
107
平山 大作
P1-6
89
広川 龍太郎
O2C0915
48
P3-8
106
中野 信泰
O3C1330
81
中野 裕登
O3C1015
77
永原 隆
P3-11
108
P3-12
108
永見 智行
O1C1700
中村 真緒
P2-11
P2-12
42
P3-12
【フ】 深代 千之
108
P3-AW-9
27
100
O1C1445
39
101
O1C1515
39
那須 大毅
O3B0900
71
O1C1630
41
成澤 一希
O3B1015
75
O1C1645
42
P1-13
92
O2B1615
67
P3-4
105
O3B1300
79
【ニ】 西山 哲成
― 117 ―
氏 名
演題番号
ページ
氏 名
演題番号
ページ
O3B1330
80
堀川 悦夫
O3B0930
O3C1330
81
堀口 芳起
P3-14
104
本城 豊之
口頭発表 3 ○
57
75
O2A0930
62
O2A1700
66
P3-1
72
109
福嶋 洋
O3B1000
福永 哲夫
P3-12
108
福原 和伸
P1-7
89
【マ】 前川 剛照
P3-4
105
藤井 範久
P1-AW-1
18
前田 佑輔
P2-4
97
P1-AW-2
19
前田 正登
P3-10
107
P1-AW-3
20
舛本 現
O3B1045
O2B0900
63
松尾 彰文
P3-11
108
O2B1630
67
P3-12
108
O3C1000
77
松尾 知之
O3B0900
71
O3C1315
81
松林 武生
O3B1345
80
P1-18
95
P1-2
87
P2-10
100
松本 莉佳
P1-7
89
P3-13
109
萬久 博敏
P2-16
103
P3-17
110
藤澤 宏幸
P2-1
藤田 善也
【ミ】 御前 純
76
O2C1515
32
96
O2B0915
63
P1-15
93
O2B0930
64
藤戸 靖則
P1-2
87
O3A0900
69
藤林 献明
P3-5
105
O3A0915
69
P3-6
106
O3B1315
79
奨励賞国際セッション○ 30
水上 拓也
P2-15
102
O2C1430
31
水谷 未来
P3-11
108
O2C0900
48
P3-12
108
O2C0930
49
水野 貴正
O1C1430
38
O2C1615
50
見邨 康平
O3A0930
70
O2C1645
51
三宅 悠斗
O1C1415
38
O2A0900
61
O2B0915
63
O2A0930
62
O2B1700
68
O2A1700
66
O3A0900
69
藤山 光太朗
O1C1700
42
O3A0915
69
藤原 素子
P1-11
91
宮崎 重勝
O3C1300
81
P1-16
94
宮崎 彰吾
P1-AW-3
20
O1C1615
41
P1-2
87
P1-14
93
【ム】 村上 賢一
P2-8
99
村田 宗紀
P3-9
107
藤本 雅大
船渡 和男
【ホ】 堀 美幸
O3B1315
宮本 彩
79
― 118 ―
P3-17
110
P1-1
87
P2-1
96
O2C1630
50
O3C1030
78
P2-9
99
氏 名
【モ】 持田 尚
森谷 敏夫
【ヤ】 安田 萌
矢内 利政
演題番号
ページ
氏 名
演題番号
ページ
O3B1345
80
【ユ】 湯元 健一
O1C1700
42
O2C1545
34
【ヨ】 横澤 俊治
O3B1345
80
O1C1500
39
吉岡 伸輔
O1C1445
39
O1C1530
40
O1C1515
39
104
O1C1630
41
76
O1C1645
42
口頭発表 6 ○
58
P3-3
O3B1030
P2-16
103
柳 等
P2-6
98
O2B1615
67
柳谷 登志雄
P1-1
87
O3B1300
79
P1-3
88
O3B1330
80
P1-12
92
O3C1330
81
P3-14
109
P2-11
100
P2-12
101
山岸 道央
P1-14
93
山崎 直子
特別講演Ⅰ
14
山下 大地
O1C1700
山辺 芳
P3-4
山本 暁生
P3-1
104
吉田 平
P1-1
87
吉武 康栄
P2-16
103
P2-7
98
鷲野 壮平
P2-16
103
42
和田 貴広
O1C1700
42
105
和田 匡史
P2-6
98
O3C0915
73
和智 道生
O2B0915
63
山本 捷
O3C1345
82
O3A0900
69
山本 智貴
P1-2
87
O3A0915
69
山本 憲志
P2-6
98
O3B1315
79
山本 洋之
O2A1615
65
矢野 壮馬
【ワ】 若原 卓
― 119 ―
氏 名
演題番号
【A】 Akagi, Ryota
O2C1730
P2-14
ページ
氏 名
演題番号
ページ
53
O3B1330
80
102
O3C1330
81
Akaguma, Ryosuke O2C1615
50
Akihara, Yuu
P2-AW-5
22
Fukuhara, Yusuke O2C0930
49
【E】 Ema, Ryoichi
P3-AW-8
26
Fukutani, Atsuki
O2C1515
32
O2C1730
53
O2C1700
51
102
【H】 Hakamada, Noriko O1C1615
41
Enomoto, Yasushi O2C0915
48
O2C1630
50
O2A0915
61
P1-14
93
O3C1045
78
P3-9
107
P2-6
98
P2-14
P3-16
【F】 Fujii, Keisuke
Fujii, Norihisa
P3-1
【G】 Gribble, Phillip A.
110
Hanley, Sharon
O2C1500
32
Hashizume, Satoru O2C1445
31
O2C1715
52
Hayashi, Ryohei
P2-AW-6
23
P1-AW-1
18
P2-AW-7
24
P1-AW-2
19
Herzog, Walter
特別講演Ⅱ
16
P1-AW-3
20
Hirokawa, Ryotaro O2C0915
O2B0900
63
O2B1630
67
Hisano, Takayuki
P2-AW-5
22
O3C1000
77
Hobara, Hiroaki
O2C1445
31
O3C1315
81
P1-18
95
P2-10
100
P3-13
P3-17
P3-12
48
108
国際セッション 2 ○ 47
Hoga-Miura, Koji
O2C0915
48
Ikegami, Yasuo
P3-AW-10
28
109
O1C1430
38
110
O1C1600
41
O2C1630
50
口頭発表11○
60
特別講演Ⅰ○
14
【I】
Fujimoto, Masahiro 奨励賞国際セッション○ 30
Fukashiro, Senshi
104
Inaba, Yuki
O2C1430
31
O2C0900
48
O2C0930
49
O2C1430
31
O2C1615
50
O2C1500
32
O2C1645
51
O2C1515
32
O2A0900
61
O1C1415
38
O2A0930
62
O1C1715
43
O2A1700
66
O2C0930
49
P3-AW-9
27
O2C1645
51
O1C1445
39
O2A0900
61
O1C1515
39
O2A0930
62
O1C1630
41
O2B0915
63
O1C1645
42
O2B0930
64
O2B1615
67
O2A1700
66
O3B1300
79
O2B1700
68
― 120 ―
Isaka, Tadao
氏 名
Ishikawa, Masaki
Izui, Yusuke
演題番号
ページ
氏 名
O3A0900
69
O3A0915
69
O3B1315
79
P1-8
90
P2-17
103
Miyazaki, Shogo
演題番号
ページ
O3B1315
79
P1-AW-3
20
P3-17
110
Mochimaru, Masaaki O2C1445
31
Moritani, Toshio
O2C1545
34
22
O1C1500
39
国際セッション 1 ○ 46
O1C1530
40
P2-AW-5
O2C1645
51
Murai, Akihiko
O2C1445
31
O2C0915
48
Murata, Munenori O2C1630
50
Kariyama, Yasushi P2-AW-6
23
O3C1030
78
P2-AW-7
24
P2-9
99
Kawakami, Yasuo P3-AW-8
26
特別講演Ⅱ○
16
Kinoshita, Madoka P1-AW-2
19
O2C1430
31
95
O1C1415
38
Kobayashi, Yoshiyuki O2C1445
31
O2C0900
48
Kobayashi, Yuji
53
O2C1615
50
ポスター発表 3 ● 86
O2C1645
51
P2-14
口頭発表 9 ○
59
【K】 Kadono, Hirosuke
P1-18
O2C1730
【N】 Nagano, Akinori
102
O2C1500
32
O2A0930
62
O2C1545
34
O3B1315
79
奨励賞セッション 1 ○ 36
O3C1345
82
O1C1500
39
P3-8
O1C1530
40
Nakazawa, Kimitaka O2C1530
33
O2C1715
52
O3C0915
73
O2A1645
66
P1-4
88
Kudo, Shoma
O2C1430
31
Narita, Kenzo
P2-AW-4
21
Kunimasa, Yoko
P2-AW-5
22
Nunome, Hiroyuki P3-AW-10
Kouzaki, Motoki
Kurihara, Toshiyuki 奨励賞セッション 2 ○ 37
28
O1C1430
38
O2C1645
51
O1C1600
41
P1-8
90
O3B1000
75
P2-AW-5
22
口頭発表 5 ○
58
O2C1730
53
Kusumoto, Kazuki P2-AW-5
【M】 Maitani, Aya
106
22
P2-AW-5
22
Makino, Akitoshi
P2-AW-5
22
Masani, Kei
O2C1530
33
Milosevic, Matija
O2C1530
33
Misaki, Jun
O2C1515
32
O2B0915
63
O2B0930
64
O3A0900
69
O3A0915
69
【O】 Oda, Toshiaki
Ohki, Shunsuke
P2-14
Ohshima, Yuji
P1-AW-1
P2-10
Otsuka, Mitsuo
O2C0900
102
18
100
48
ポスター発表 1 ● 84
【P】 Patel, Kramay
― 121 ―
Popovic, Milos R.
O2C1530
33
O2C1530
33
氏 名
演題番号
ページ
氏 名
【S】 Sado, Natsuki
P3-AW-9
27
Takahashi, Kazutaka P2-AW-6
23
O1C1445
39
P2-AW-7
24
O3B1300
79
P1-7
89
O3B1330
80
Sakaguchi, Masanori P3-AW-8
26
Sano, Kanae
P2-AW-5
22
Sano, Yoko
O2C1445
Sato, Takahiko
演題番号
Takayama, Hirokazu O2C1730
P2-14
53
102
O1C1530
40
31
O2C1715
52
O2C0930
49
Terada, Masafumi O2C1700
51
口頭発表 8 ○
59
O2A1700
66
Sengoku, Yasuo
P2-AW-4
21
Tsubakimoto, Shozo P2-AW-4
21
Shinya, Masahiro
O2C1530
33
Tsujimoto, Norio
P3-AW-10
28
P1-4
88
O1C1430
38
O1C1415
38
【W】 Wakamiya, Misaki O2C0900
48
O2C1645
51
Watanabe, Kohei
O2C1545
34
O2B0915
63
Williamon, Aaron
O1C1715
43
O2B1700
68
O3A0900
69
Yamamoto, Yuji
O2C1500
32
O3A0915
69
Yoshida, Takuya
P2-AW-6
23
O3B1315
79
P2-AW-7
24
O2C1500
32
P2-AW-6
23
P2-AW-7
24
P2-AW-6
23
P2-AW-7
24
Suga, Tadashi
P2-17
【Y】 Yamada, Kensuke P2-AW-6
103
Sugita, Masaaki
O2C0915
48
Suzuki, Yuta
O2C0915
48
O3C1030
78
P2-9
99
P2-AW-4
21
【T】 Takagi, Hideki
Tanabe, Hiroko
ページ
Yoshihara, Yuki
【Z】 Zushi, Amane
― 122 ―
Zushi, Koji
23
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株式会社テック技販
株式会社ナックイメージテクノロジー
株式会社フォーアシスト
株式会社ディケイエイチ
CLIMB Factory 株式会社
有限会社エスアンドエムイー
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株式会社テラバイト
株式会社ノビテック
日本キスラー株式会社
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