9月号をUPしました

題 字
初代会長 松 野 盛 吉
定 価 1部 48円
発行人
〒010-0951
秋田市山王四丁目1番2号
秋田地方総合庁舎内
秋 田 県 消 防 協 会
会長 中 田 潤
電話 018−867−7320
FAX 018−863−5910
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E-mail:[email protected]
(購読料は年会費に含む)
平成二十八年度全国統一防火標語
消しましょう
その火その時
その場所で
印 刷
〒010-0951
秋田市山王7丁目5−29
株式会社 松原印刷社
電話 018−862−8760
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災害の防止と消防活動の安全を誓う
堀井啓一秋
田県副知事は
ご来賓を代表
して﹁殉職者
平成二八年度殉職消防職・団員慰霊祭
の皆様が身を
もって示され
平成二八年度 第( 八八回 殉) 職消防
名が参列しました。
た崇高な精神
職・団員慰霊祭が、八月二三日 火 慰霊祭は、招魂などの神事の後、中
(
)
と果敢な行動
田潤秋田県消防協会長が﹁招魂碑に
午前一一時から秋田市千秋公園本丸
は、着実に本
合祀されております四五柱の御霊
の﹁殉職消防組員招魂碑﹂前におい
県消防人の間
は、郷 土 の 平 安 と 地 域 住 民 の 安 心・
て、秋田県消防協会が祭主となり執
に受け継がれ
安全を願い、我が身の危険をも顧み
り行われました。
ております。
ず勇猛果敢に懸命な消防防災活動を
慰霊祭には、ご遺族の方一六名の
私たちは、皆
遂行するなか、尊くも職に殉じられ
ほかご来賓、消防協会役員など五六
様の御功績を
ま し た。不 屈 の 消 防 魂 を も っ て 最 後
心から讃える
まで消防人としての職責を全うされ
とともに、その御遺志に応えるため
たその崇高な精神は、県内消防人の
鑑であり、今も私達の心に生き続け、 にも、今後も消防、防災体制の強化
に努め、県民が安全、安心に暮らせ
皆が等しく賛辞するところでありま
る社会の構築のために、全力で取り
す。われら消防人は、郷土愛護の精神
組むことを誓う﹂と慰霊のことばを
と強固な団結力をもって、御霊のご
述べられました。
遺訓を胸に、一致団結して厄災を防
止し、地域住民の安全・安心のため 公益財団法人日本消防協会長と秋
田県市長会長のメッセージの紹介に
最善の努力
続き、中田会長、ご遺族を代表して
を尽くすこ
鹿角市の花ノ木八重子様、ご来賓の
と を 誓 う﹂
方々が御霊の冥福を祈り玉串を奉奠
と祭主祭文
し、最後に送魂の神事が行われ、慰
を奏上しま
霊祭は滞りなく終えました。
した。
平成28年9月15日(毎月1回15日発行) №751
消 防 秋 田
(1)(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
第七〇期初任教育入校生
殉職消防組員招魂碑を清掃
秋田県消防学校
秋田市千秋公園本丸に建立されて
いる﹁殉職消防組員招魂碑﹂の清掃
は、毎年、秋田県消防学校初任教育
課程の一環として行われています。
今年も、八月二三日 火( 開) 催の慰
霊祭に先立ち、一九日 金( に) 六九名
の入校生によって行われました。
清掃は、碑内の玉石を移動させて
枯れ葉やゴミを除去したり、碑周囲
の雑草などを取り除いたほか、碑に
付着したコケなどの汚れを水をかけ
て洗い流しました。清掃後、参加者
全員が﹁招魂碑﹂に向かい黙とうを
捧げました。
入校生の皆さんありがとうござい
ました。
第二回理事会
秋田県消防協会
一般財団法人秋田県消防協会第二
回理事会は、八月二三日 火( 、) 平成
二八年度殉職消防職・団員慰霊祭終
了後、秋田市中通の﹁イヤタカ﹂で
開催されました。主な協議事項、報
告事項についてお知らせします。
︻協議事項︼
①日本消防協会定例表彰の上申
表彰旗、竿頭綬などの表彰︵功績
章及び精績章の女性枠各一名を含
む︶については、各支部内申のとお
り、特別表彰まといは小坂町消防
団を上申することとしました。
な お 、 優 良 婦 人 消 防 隊 消( 防 隊
員 に) 関 し て は 、 支 部 か ら の 内 申
はありませんでした。
②秋田県消防
協会定例表彰
各支部か
ら上申のと
おり授与す
ることが承
認されまし
た。
・勤続章
五七五名
・功労章
二一名
平成28年9月15日(毎月1回15日発行)(2)
消 防 秋 田
№751(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
⑤消防団員の確保と活動の充実
・消防団員家族表彰
消防団員の確保と活動の充実を
七家族︵二一名︶
図るため、一定の要件を満たした
③秋田県消防操法大会
消防団員を雇用する事業所の事業
⃝平成二九年度の大会から、これ
税を軽減することを目的とし、現
までの平日開催を改め、土曜日
在、全国三つの県で制定している、
に実施する。
﹁消 防 団 の 活 動 に 協 力 す る 事 業 所
⃝来年度の大会から﹁規律訓練﹂を
等を応援する県税の特例に関する
披露する。
条例﹂を本県においても設置する
・男性の全国大会予選のない年、
よう、知事等に対して要望するこ
隔年に実施する。
とを協議した結果、同条例を設置
・出場を希望する二隊ほどで実
した場合の効果などを検討する必
施する。
要があることから、今後、引き続き
・操法終了後、表彰式までの間
協議していくこととしました。
行う。
︻報告事項︼
実
※施方法など詳細は、今後検討。
①平成二八年度消防車両の交付要望
④第二三回全国女性消防操法大会
各消防団から五台の要望があり
⃝開催日及び開催場所の決定
ました。共済加入率や車両保有状
平成二九年九月三〇日 土( )
況また、交付車両は全国で七七台
向浜運動広場駐車場
となっていること等を考慮し、本
こ(まちスタジアム駐車場 )
県から二台要望することとしまし
⃝関連事業
た。
・激励交流会
②消防団防災学習・災害活動車の
平成二九年九月二九日 金( ) 交付
秋田キャッスルホテル
平成二六年度より日本消防協会
・防災展、物産展
が交付しているもので、今年度本
操法大会会場内
県に交付されることに伴い、各消
⃝秋田県、秋田市に対する要請
防団に交付希望の照会をしたとこ
関連事業開催への協力や、財
ろ、四消防団から希望があり、正
政的協力について、知事、市
副会長会議において協議の結果、
長、秋田県消防長会に対して要
小坂町消防団を交付先として推薦
することに決定しました。
請することを決議しました。
)
)
③平成二八年度秋田県女性消防団
ネットワーク会議
一一月一五日 火( の) 開催を変更
し 、 一 一 月 二 九 日 火( に) 開 催 す る
ことに決まりました。
会議の詳細については、後日連
絡します。
④全県消防団長研修会
一二月八日 木( に)開催します。
課題討議、意見交換のテーマを予
め各消防団に照会し、その上で決
定することとしました。
⑤消防団員研修
■第六期女性消防団員教育
一〇月二九日 土( ∼)三〇日 日( )
場所 秋田県消防学校
■消防団員指導員研修
一一月二六日 土( ∼)二七日 日( )
場所 秋田県消防学校
■消防団員幹部教育指揮幹部科
分団指揮課程
平成二九年三月四日 土( ∼)
五日 日(
場所 秋田県消防学校
■消防団員基礎教育
平成二九年三月一一日 土( ∼)
一二日 日(
場所 秋田県消防学校
日
※本消防協会主催の研修は秋田県
消防協会へ、消防大学校が開催す
る研修は県総合防災課にそれぞれ
お問い合わせ下さい。
平成28年9月15日(毎月1回15日発行) №751
消 防 団 員
意見発表会
・美郷町消防団
副分団長
・勤続三〇年
・会社員
近美
光夫
(二)
各種消防団活動に積極的に参加
し、現在は応急手当普及員として
も活躍しており、上司や部下から
の信頼も厚い。
第12回
私が消防団に入団した当時は、コ
ミュニケーションを取るためとよく
飲み会をやっていました。これが昔
からよく言われる飲み消防かと思
い、一番下のペイペイなので、文句
を言わず参加していました。今で言
う飲みにケーションです。私はアル
コールが駄目なもんで、正直苦痛で
した。しかし、飲みにケーションが
どれだけ大事なことか後の出来事で
分かるようになりました。
それは、小型ポンプ操法の選手に
選ばれてしまったことです。それま
では、何となく大会に参加していれ
ば良いような感覚でいましたが、選
手ともなればそうもいきません。出
場するからには負けたくありませ
﹁消防団員の結束力﹂
消 防 秋 田
(3)(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
ん。それから一ヶ月という長丁場を
かけて練習しました。
最初は、待機線にすら集まれなか
った自分が、何とか型になる操法が
出来るようになり良かったです。結
果は四位という一番悔しい順位で、
次の年からはバカになって練習に励
みました。練習後の飲みにケーショ
ンの大事さが分かった時です。結束
力の始まりです。
しかし、市町村合併があり、各分
団一チームの出場となり、当然のこ
とながら強いチームが出ることにな
り、元ライバルチームのサポートに
回ることになり、だんだん練習に足
が遠のくようになりました。分団と
しての結束力の低下です。
しかし、若い団員が増えてくる
と、又活気が出てきました。この時
を待っていたように、分団長の一声
です。昔の垣根を取り払い皆で頑張
って行くべしとのことでした。そん
なの無理だべと自分の中で思ってい
ました。
ところが若い団員には、昔のこと
など全く関係なく選手になりたい意
欲がすばらしく、分団で予選をやら
なくてはならないほどでした。嬉し
い悲鳴です。しかし困ったことに、
一チームの出場だったのです。で
も、団長が二チームまでは出場して
も良いとのことでした。団員達の喜
びは凄かったです。団長、ありがと
うございます。結束力アップです。
選手になれなかった団員達は、ダ
メならいつでも交代してやるからな
と言いながらサポートに回ってくれ
ました。頼もしい団員に感謝です。
これによって、AチームとBチー
ムが誕生しました。また、何度も支
部大会や県大会を経験した先輩団員
も、練習に駆け付けて、百人力の力
を得ることが出来ました。練習中に
は笑い声が出るほど、和気あいあい
な雰囲気ですが、いざ試技に入ると
その集中力には、びっくりするほど
のものがありました。
BチームはAチームの上になろう
と狙っているし、Aチームは、そう
はさせないと頑張っているし、お互
い切磋琢磨しながらレベルをどんど
ん上げて行くのが分かりました。我
が分団の結束力は素晴らしいものが
ありました。
結束力の結果は、県大会二連覇と
いう輝かしい記録を打ち立てること
が出来ました。全県優勝など、夢の
また夢が実現できて本当に嬉しかっ
たです。
こんな消防バカの揃った分団の一
員であることを誇りに思い、より一
層消防活動に参加したいと思ってい
ます。
飯野
正和
・ 横手市平鹿消防団
分団長
・勤続二八年
・農業
地区の中でもリーダー的な存在
であり、諸先輩方が退職していく
中、分団長の役職を任命され現在
に至る。
﹁消防団のことあれこれ・・﹂
私にとって消防とは色々な思い出
があります。
消防に携わった祖父や父のこと、
自分が新米団員だった頃、そんな
中、一つだけ忘れることのできな
い、辛い思い出があり、今でもハッ
キリと思い出すことができます。
それは、平成六年四月二〇日夜一
一時過ぎのことです。当時眠ってい
た私を妻が揺り起こし、﹁外で人の
呼ぶ声がしている﹂と言うのです。
人の声に時折車のクラクションの音
が混じり、内容は聞き取れませんで
した。何事かとカーテン越しに外を
見ると、折柄の風に煽られて、燃え
上がる炎が闇の中で揺らめき、﹁火
事だ﹂と直感しました。
泣き出した子供を妻に託し、急い
で玄関に掛けてあった半纏をつか
み、闇の中を走りました。現場近く
では、二人のお母さん達がおろおろ
していました。聞けば、この二人の
旦那さんたちで消火を試みたが、火
の勢いが強く、消せないと判断する
や、軽トラに乗って、火事ぶれをし
ているところでした。家の中で聞こ
えた音は、火事ぶれの音だったので
した。
私は、﹁一刻も早くかけないと﹂ 火も収まり、いくらかの冷静さを
取り戻す中、火元の家族の方たちの
と考えましたが、時期は四月で用水
姿がないことに気がつき、みんなで
路には水が乏しい状態です。そこ
手分けをして探したのですが、どこ
で、最近上水道の整備により、消火
に も い な い の で す。こ こ の お 宅 は 高
栓が設備されたことを思い出し、使
齢の母親と病気がちな長男、そして
ったことは一度もありませんでした
私より三つ年上の弟さんの三人家族
が、﹁一刻も早く水を揚げる﹂思い
ですが、弟さんは出火の際、隣の家に
だけで、夢中になってポンプ格納庫
助けを求め、火を消そうとしていた
から、消火栓を往復し放水の準備を
は ず な の で す。こ の 弟 さ ん と は 小 さ
しました。そのうち、地元消防団の
い頃、登下校の世話や色々な遊びを
仲間も駆け付け、放水の準備も整
教わり、ずいぶんと面倒を見てもら
い、私は消火栓のバルブを回し、水
い、心 の 優 し い 良 い 先 輩 で し た。ま
と空気の混じった音とともに、燃え
た、この弟さんは幼い頃、父親を出稼
さかる炎に向かって放水されたのを
ぎ中の火災で亡くされて、それ以来
目の当たりにして、﹁やっと水が出
母親を助け、病気がちな兄の世話を
た﹂という思いに駆られました。こ
し な が ら 懸 命 に 生 き て き た 人 で す。
の時の時間は全然分かりませんが、
そんな中、焼け落ちた家の北側の隅
ただ口の中の乾き、胃が締め付けら
で、母親と長男が見分けもつかない
れるような感じがしていました。
状態でお互いに抱き合うような姿で
この頃、もうあたりは修羅場と化
発見されました。そして先輩は、玄関
し、風のあおりも強く、風下の住宅や
から居間を過ぎた廊下あたりで仰向
農作業場に火が移りそうな勢いで
す。やがて近隣の消防団も駆け付け、 け に 倒 れ た 状 態 で 見 つ か り ま し た。
生前の姿、面影は一切なく、一家全員
厳しい条件の中、みんな必死の消火
が亡くなる最悪の結末でした。
活 動 を し て く れ て い ま し た。折 柄 の
風のため火勢は全然衰えず、私自身 早朝からの合同現場検証に私も手
初 め て 体 験 す る よ う な 火 の 勢 い で、 伝いとして参加しました。足元は焼
け焦げた木材や、ススと泥水でドロ
熱くて近づくことも出来ない状態で
ドロの状態で、火事場の異臭があた
した。そんな中、懸命な消火活動のお
りに立ちこめておりました。片付け
陰で、風下の住宅や農作業場に一部
の最中、先輩を見つけたあたりで、
被害はあったものの、何とか延焼は
私は人の手首を見つけました。手は
まぬがれたのですが、火元の住宅は
開かれたままで、一部小指の先が欠
完全に焼け落ちて、柱が一∼二本や
けて炭のように真っ黒でした。拾い
っと立っているような有様でした。
平成28年9月15日(毎月1回15日発行)(4)
消 防 秋 田
№751(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
上げた時、気持ち悪いとか恐ろしい
などの思いはなく、ただその手を見
て、﹁どんなに熱かったろう、どん
なに苦しかったろう、どんなに家族
を助けたかったのだろう﹂そんな思
いで、あの燃えさかる炎の中に飛び
込んだのだろうと想像すると、言葉
にならない感情が湧き上がり涙が流
れ、その場から動くことができませ
んでした。
火事は誰を問わず一飲みにして灰
と化してしまいます。身近な人を亡
くし、改めて火の恐ろしさを思い知
らされました。普段は身近な人、大
切な人が火災で亡くなるなど想像出
来ませんが、この火災を体験したこ
とで、二度とこのような事が起きて
はいけないと思いました。
火事はどんな小さな火種でも起こ
り得ます。タバコやたき火の不始末
など、些細なことからも起こりま
す。よく火事につける特効薬はない
と言いますが、私は日ごろの地道な
注意喚起や、火災予防に対する啓蒙
活動が大切だと思います。
今平鹿消防団では、女性団員が男
性消防団員とともに、毎月二∼三集
落を定期的に巡回し、声掛け、啓蒙
活動を実践しています。このような
地道な活動こそが地域・地区防災の
安全安心に繋がるものと思います。
また、最近の災害規模の大きさに
は驚かされます。わが横手市でも震
度七以上が起こると何千人もの人が
犠牲になると想定されております。
特に積雪期の地震は、三千人以上の
人々が亡くなり、倒壊する家も何千
軒にもなると言われております。こ
のことを踏まえ、消防団としてどの
ように対応するのか、冬の災害に備
えた訓練も必要になってくると思い
ます。
力強い消防としての準備をしつ
つ、美しい住みよいふるさと秋田で
有り続けられることを願い発表とい
たします。
佐々木
勝
・湯沢市消防団
部長
・勤続二七年
・会社員
フットワークの軽さと、団員の
統率力、現場での判断力や行動力
には、皆からも深い信頼を寄せら
れている。
﹁二回の遭難事故を体験して﹂
消防団に入って、火災・遭難・川
流れなど様々な出来事を体験してき
ました。でもこの二件の遭難事故
は、六〇世帯にも満たない集落で、
自分が消防団に入ってから二人が山
で亡くなる大変痛ましい事故でし
た。
一件目は、秋の彼岸がくる少し
前、稲刈りをするまで戻ると言って
分達の手で見つけることはできませ
奥山に出かけた人が昼になっても戻
んでした。何か魔物でもいるのでは
らず、車のある場所まで行ったが本
と思いました。火災と同じくもう少
人が見あたらない。このことを自分
し早い対応が出来たのではと悔やみ
達が知ったのは夕食時、台風が近づ
いているというニュースを見ていた
ました。また、日ごろからのコミュ
時間でした。それから準備をして山
ニケーションの在り方までも考えさ
へは一時間余りかかります。その頃
せられました。
から雨風が強くなってきました。そ 二回目の捜索で林道に入って気付
れから三日間夜通しで山を捜索する
いた事は、一回目の捜索時のあの台
も見つからず、四日目は集落に帰り
風の傷跡がすっかり片付けられてい
公民館に居ました。そこへ本人らし
た事でした。倒木、流れてきた土
い人が虎毛沢の上流で遺体で発見さ
砂、丸太で作られた橋、しっかりと
れたので、身元確認のため集落から
整備されていました。いつの間にか
二人出てほしいとの連絡が入り、自
こんな奥まで、こんな大変な事を素
分を含め三人行くことにしました。
早くできる組織・人達がいる事に感
現地までは林道でそのあと沢を歩い
動しました。それと、身元確認で行
て四時間は覚悟して下さいとのこと
った三人は、レスキュー隊の皆さん
でした。現場に到着し確認したとこ
に多大な協力が出来たと思います。
ろ、確かに本人でした。
沢の中を遺体を乗せたボートをまっ
もう一件は、五月の連休が終わろ
すぐに流す時、丸太の橋の上を渡る
うとする頃、それも知らせが入った
時も﹁助かります。ありがとう。﹂
の が 暗 く な っ て か ら で し た。も う 九
と隊長さんにお礼を言われました。
〇歳になろうかというお婆さんが孫
実は朝に集まった時、私は﹁あなた
達にカタクリを、と近くの山へ出か
は遠慮した方がいいのでは?﹂と言
けたが、昼になっても帰ってこない。 われていました。それは多分普通の
家の人達は昼過ぎから探していたら
長靴だったからだと思います。スパ
しい。四、五日捜索しましたが見つか
イクの長靴だから沢の中をしっかり
らず、捜索も打ち切りになり、その後
歩けるからというとそうではないと
何 日 も し て か ら 見 つ か り ま し た。見
思います。スパイクだと岩の上で滑
つかった場所は防災ヘリが飛んだ範
らないと思いますが、私は沢に入る
囲よりも更に山を越え林道を横断し
前に準備していた紐でしっかりと足
て、通常では考えられないような所
と足首を縛りました。あとは沢の中
で見つかったと聞きました。
をどう歩くかだと思います。
この二件の遭難事故、遭難者を自 このような形で協力出来た事も消
平成28年9月15日(毎月1回15日発行) №751
消 防 秋 田
(5)(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
防団に入っていたからこそ出来た
事。また消防団に入っている事で当
てにされる事も感じています。
このような体験、経験を次の団員
にも伝えていくことも大事なことだ
と思っています。
終わりになりますが、昔から言わ
れてきた言葉に日ごろから用心して
お か な け れ ば な り ま せ ん。何 の 用 心
かと言いますと、
﹁地震・雷・火事・
おやじ・台風も﹂それよりおっかね
な﹁バカ息子﹂。
実務研修を
終えて
秋田県消防学校
真
秋田市消防本部
大野
学校生活中、最後の実務研修とい
うことで、一日の流れや業務内容等
少しでも多くのことを知り、配属さ
れるまでの残り約一ヶ月の間に、一
人前の消防士に近づけるようになり
たいと思い研修に臨みました。
朝の車両点検等も一回目の研修で
は何をしているのか分かりませんで
したが、今回の研修では先輩方が何
をしているのか理解でき、配属後の
役割も教えてもらいました。午前と
午後の訓練では、結索や三連梯子と
ホースの延長等を行い、現場での活
動要領を含め、詳しく説明してもら
ったので残りの学校生活の訓練で
も、常に現場でのことをイメージし
ていきたいと思います。
今回の研修では配属されてからの
ことを多く学べたので、残り約一ヶ
月の学校生活の中で、現場で力にな
れるように目的を持ち、一日一日を
大切に過ごしたいと思います。
第 70 期
初任教育
り、防火衣の着装が遅くなってしま
めての体験だったので、気持ちが焦
ました。三年間の実務経験の中で初
てて収納し、出場準備に取りかかり
等が全て車両外に出ていたので、慌
たため、投光器やエンジンカッター
かし、出場前に資器材点検をしてい
ていたため、途中帰署しました。し
目の救助事案では、傷病者が脱出し
目はくず焼き調査出場でした。一回
あり、一回目は救急救助出場、二回
今回の実務研修では、出場が二回
能代山本広域市町
村圏組合消防本部
るのかを体験した。昼食後、予防業
水を止めた時に反動力がどの位かか
分岐の両方から放水をして片方の放
った。消防活動応用訓練では、二又
資器材点検と消防活動応用訓練を行
付けたいと思った。その後、車両・
とした基礎となる知識や技術を身に
るこの時間を有効活用し、しっかり
一度しっかりと初任教育を受けてい
いただいた。署長の訓辞を聞き、今
交替を終えた後に、署長から訓辞を
修であった。今日は申し送りと勤務
今回は、二回目の宿泊での実務研
大曲仙北広域市町
村圏組合消防本部
弘将
いました。とても良い経験ができた
務について話を聞いたが、消防用設
進藤
と思います。二回目の出場では、黒
備についてであった。また午後の訓
儀仁
い煙が上がっているので確認して下
練では、屋内検索と応急はしご救出
児玉
さいという通報で出場しました。す
今回の実務研修を終えて、屋内検
を行った。応急はしご救出は学校で
ていました。幸い関係者がいたた
索には色々なやり方があることを知
ると、煙が三箇所も見え、現場に行
め、消火してもらい、大事には至り
ったが、やはり学校で学んでいるこ
最近やったため、しっかりとやるこ
ませんでした。くず焼きが増える
とがこれからの実務を行っていく中
くと三箇所ともメロンの栽培で使用
と、火災の増加につながりかねない
での基礎になることを実感したの
とができたと思う。
ので、新聞や広報紙等で注意喚起を
で、しっかりと学びたいと思った。
た。
行わなければいけないと思いまし
するビニール製のチューブを焼却し
平成28年9月15日(毎月1回15日発行)(6)
消 防 秋 田
№751(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
翔平
北秋田市消防本部
大川
八月八日、二回目の当務実務研修
のため、久しぶりに所属で勤務し
た。朝は各課の申し送りをした後、
通常点検があったが、普段学校で何
回もやっている分、変にかたくなる
こともなくスムーズにこなすことが
出来た。その後、車両点検を実施
し、午前中にドクターヘリの要請が
あったため、支援活動の見学に同行
させてもらった。午後は乾燥してい
たホースの収納や事務の仕事を手伝
った後、ホースの耐圧試験を行っ
た。ついでに二又分岐を活用した放
水訓練を行った。五〇メートルのホ
ースに水が載っている状態から、二
又分岐で二線放水するために、ホー
スクランプと媒介金具を使用した。
簡単な想定ではあったが、スムーズ
に動作出来たので良かった。その
後、応急はしごの訓練も行っていた
だき、とても充実した一日となっ
た。
今回の実務研修を終えて、残りの
学校生活もあと一ヶ月、入校のため
長期不在で職場に迷惑をかけている
分、一ヶ月後には少しでも貢献でき
る職員になって帰らなければいけな
いと感じた。
知晃
由利本荘市消防本部
遠藤
今回、二回目の実務研修では、救
助資器材点検、取り扱い要領、火災
防ぎょ訓練を行いました。午前中の
救助資器材点検、取り扱い要領で
は、スプレッター、カッター、エン
ジンカッター、エアマイティー、コ
ンビツール、ラムシリンダーを使い
ました。ほとんどは以前の実務研修
や消防学校での訓練で使ったもので
したが、コンビツールとラムシリン
ダーは今回初めて使いました。特に
ラムシリンダーに関しては、見るの
も触るのも初めてでしたので、とて
も良い機会となり、勉強になりまし
た。いずれこのような資器材も自分
で使えるようにならなくてはいけな
いので、もっと様々な資器材に慣
れ、早く使えるようになりたいと感
じました。
午後からの火災防ぎょ訓練では、
ホースカー、ホースバックを使い、
ホースを延長し、そこから屋内侵入
し、ガンタイプノズルを使い鎮圧す
る訓練を行いました。ガンタイプノ
ズル自体使うのが初めてで、最初は
使い方に戸惑いましたが、最終的に
はうまく使えましたし、とび口の吊
り上げもちゃんと行えました。
消 防 秋 田
平成28年9月15日(毎月1回15日発行) №751
金澤
直大
鹿角広域行政
組合消防本部
今回の実務研修では、前回の実務
研修よりも学ぶことが多かったので
はないかと感じた。それと同時に、
プロの消防士として現場で活躍する
上で、自分なりに足りないことも沢
山あった。課題も見つけることがで
き、とても充実した一日だった。
私に足りないと感じた部分は沢山
あるが、圧倒的に知識、経験が足り
ない。私自身も現場に同行させてい
ただいたが、現場で自分が何をした
ら良いのか、いまいちはっきりイメ
ージすることが出来なかった。これ
からの消防学校の訓練で、現場活動
の基本を身に付けていきたい。主な
課題の一つは、災害モードへの切り
替えである。先輩方は、指令が流れ
ると瞬時に災害モードに切り替え、
帰署するまで集中している。自分は
災害モードへの切り替えも遅いし、
集中力も持続しない。それらの部分
をもっと意識してこれからの訓練に
取り組んでいきたい。
初任科教育も残すところ一ヶ月で
ある。まだまだ今のままでは戦力に
ならない。課題が沢山ありすぎる、
少しでも戦力になれるように、課題
を一つ一つクリアしていきたい。
(7)(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
秋田県内各消防団の定年調査
H28.4.1 現在 秋田県総合防災課
項 目
㸯
㸰
㸱
㸲
㸳
㸴
㸵
㸶
㸷
消防団名
鹿 角 市 消 防団
小 坂 町 消 防団
大 館 市 消 防団
北秋田市消防団
上小阿仁村消防団
能 代 市 消 防団
三 種 町 消 防団
八 峰 町 消 防団
藤 里 町 消 防団
男 鹿 市 消 防団
潟 上 市 消 防団
五城目町消防団
八郎潟町消防団
井 川 町 消 防団
大 潟 村 消 防団
秋 田 市 消 防団
由利本荘市消防団
にかほ市消防団
大 仙 市 消 防団
仙 北 市 消 防団
美 郷 町 消 防団
横手市各消防団
湯 沢 市 消 防団
羽 後 町 消 防団
東成瀬村消防団
団長
なし
副団長
67
なし
なし
65
なし
なし
なし
なし
65
なし
なし
なし
70
なし
70
なし
なし
なし
なし
なし
なし
65
65
70
70
70
70
70
68
70
70
70
70
70
68
定 年 年 齢
部長
分団長 副分団長
65
65
65
なし
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
なし
役職なし
60
60
70
70
70
なし
65
65
65
65
65
65
63
63
60
なし
65
65
65
なし
なし
70
70
70
70
70
70
70
70
65
65
65
65
70
65
65
65
65
60
なし
班長
65
団員
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
65
60
70
60
70
65
65
60
65
65
60
65
65
70
70
65
65
65
60
70
70
65
65
65
60
備 考
機能別は定年なし
※1
※2
機能別は70才
機能別は70才
※1 男鹿市消防団員退職勧奨取扱要綱にて規定
※2 内規で定年を分団長以下 70 歳と規定しているが、拘束するものではない
秋田県横手市寿町1番28号
TEL (0182)
(32)3880
FAX (0182)
(32)0839
ホームページ http://it-yokote.sakura.ne.jp/
E - m a i l [email protected]
次に、基地内に保管されている大
容量泡放射システム、運転防災管理
セ ン タ ー 内 の 大 型 化 学 高 所 放 水 車、
泡 原 液 搬 送 車、
化学車二台を見
学させていただ
き、特に大型化
学高所放水車に
ついては配管が
見える仕様だっ
たことから、ポ
ンプ車の構造等
についても興味
を持って質問し
て い ま し た。残
念ながら、深さ約五〇メートルある
地中式タンクの内部は雨模様で見学
することができませんでした。
支部の大きな
危険物施設とし
ては、由利本荘
市に石油資源開
発株式会社由利
原鉱場中央基地
があり、数基の
屋外タンク貯蔵
所があります。
施設の規模は違
いますが、今回
施設を視察したことで、今後の防災
に対する知識、消防幹部として日ご
ろの災害に対する心構えを再認識す
ることができました。
︹情報提供=由利本荘にかほ支部︺
同期比較
平成27年
平成28年
由利本荘にかほ支部
移動研修
由利本荘にかほ支部は、周防支部
長以下四五名 事(務局を含む の)役員
で構成されており、支部の主な事業
としては、消防操法大会を始め、新
規採用消防団員養成講習会、幹部教
養研修、移動研修等を実施しており
ます。
この事業のうち、平成二八年六月
一八日に移動研修を実施しました。
研修先は、秋田石油備蓄株式会社男
鹿事業所
で、基地
には世界
最大級の
地中式タ
ンク一二
基と地上
式タンク
4基 、 約
三七〇万
キロリッ
トルの原
油が貯蔵
されてお
り、社員の方より基地の概要、管理
する上での保安、防災等に対する設
備、日ごろの心構え等についてバス
内から見学、説明を受けました。
シ バ ウ ラ ポ ン プ
モリタ消防ポンプ
平成28年9月15日(毎月1回15日発行)(8)
消 防 秋 田
№751(昭和26年8月1日第3種郵便物認可)
火災の発生状況 (速報値)
(秋田県総合防災課調べ)
8月
累計
8月
累計
年計
8月
累計
建 物
19
140
16
136
211
3
4
林 野
7
29
3
32
34
4
­ 3
車 輛
3
23
6
32
45
­ 3
­ 9
その他
5
44
14
75
83
­ 9
­ 31
合 計
34
236
39
275
373
­ 5
­ 39
死者数
1
15
0
31
40
1
­ 16
負傷者数
3
37
5
61
86
­ 2
­ 24