JT-60 2 次冷却設備計器更新 仕様書 国立研究開発法人量子科学技術開発機構 核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 トカマクシステム技術開発部 JT-60本体開発グループ 1.概要及び目的 2 次冷却設備は、JT-60 の本体、電源設備、加熱装置、機器系の 4 系統で発生する熱を 2 次 冷却水の送水により回収し、冷却塔において除熱する設備である。2 次冷却設備では、2 次冷却 水の障害を抑制・防止するために、水処理系を設けて水質を管理・維持している。 本件は、冷水槽pH及び冷水槽導電率用ディストリビュータの更新、ポンプ電流計測用の電力 変換器の更新、既設のフィルタ差圧計のループ試験を行うものである。また、安全対策 として電力変換器の端子部に保護カバーを取り付けるものである。 2.作業実施場所 核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 JT-60 2 次冷却ポンプ棟 (2 次冷却制御室、2 次冷却水ダクト、屋外) 3.作業実施時期 本仕様書に基づく作業実施期間は契約締詰日から平成 29 年 2 月 24 日までを原則とする。 詳細については、量子科学技術研究開発研機構(以下「量研機構」という。)担当者と打合せの 上、決定することにする。 4.納期 平成 29 年 2 月 28 日(火) 5.支給品及び貸与品 (1)本作業に必要な電力及び水は、量研機構の指定する位置から無償で支給する。 (2)本作業に関する図書は貸与する。ただし、厳重な管理の下、取扱いに注意し、作業完了後、 速やかに返却すること。また、契約目的以外に使用してはならない。 6.作業内容 6.1 更新対象機器 ① ディストリビュータ ・員数:6 台 ・型式:M753R8100-01(島津システムソリューションズ(株)製又は相当品) ② 電力変換器 ・員数:14 台 ・型式:T-100GAA(三菱電機(株)製又は相当品) 6.2 作業内容 (1) 計装機器の更新作業 ・表-1 に示した計装機器を更新(据付含む。)すること。なお、更新対象機器は受注者が準 備する。また、取扱説明書(点検及びその他必要な事項を含む。)を提出すること。 -1- (2)ループ試験 ・表-1に示す計装機器(電力変換器、ディストリビュータ、リードスイッチ付差圧計)につい て、ループ試験を行うこと。 ・ループ試験の内容は以下のとおりとする。ループ試験の方法は添付資料-1 を参照のこと。 添付書類以外の方法で実施する場合には、事前に量研機構の確認を得ること。 a.冷却系給水圧力(4 ループ) b.冷水槽 pH(1 ループ) c.冷水槽伝導率(1 ループ) ・既設の電源 2 次冷却ポンプ A の出口フィルタ差圧計(DPIS301A)について、ループ試験 (1 ループ)を行うこと。 ・電力変換器について、ループ試験(14 ループ)を行うこと。 ・各ループごとに検出端に模擬入力を加え、数点の上げ下げ往復にてデータを取得するこ と。 ・発信器出力値及びループ出力値を計測し、これらの値がループの総合精度内にあること を確認すること。 ・不具合等の異常が見られた場合には、量研機構に報告し協議を行うこと。 ・ループ試験については、全数量研機構立会いとする。 ・ループ試験等で使用した基準測定器等の名称、型式等の仕様及びトレーサビリティが取 れている標準器を使用し、定期的に校正されていることを示す校正試験成績書を報告書 に添付すること。 (3) 電力変換器保護カバーの設置作業 ・図1に示すLP1盤内は狭隘のため、電力変換器については、端子露出部の感電防止用 保護カバーを製作し取り付けること。 ・保護カバーの材質はアクリル板(透明)とすること。 ・保護カバーの取付けは、既設の電力変換器が取り付けられているベース板を利用するこ とも可能とする。また、詳細寸法は現地にて確認すること。 7.試験・検査 (1)外観検査 ・機能維持に係る損傷等がないことを確認すること。 (2)動作試験 ・調整運転時において、機器等が正常に動作することを確認すること。なお、ポンプ運転操 作は、量研機構が実施する。 -2- 8.提出図書 提出図書 提出期限 部数 確認 ○ 作業工程表 (確認要) 契約締結後、速やかに提出すること。 2 作業者名簿 作業開始 2 週間前までに提出すること。 1 作業体制表 作業開始 2 週間前までに提出すること。 1 緊急連絡体制表 作業開始 2 週間前までに提出すること。 1 再委託承諾願 作業開始 2 週間前までに提出すること。 (量研機構指定様式) 様式は量研機構指定のものとする。 作業要領書 (確認要) 作業開始 2 週間前までに提出すること。 2 作業日報 次回の作業日までに。 1 作業報告書 作業終了後、速やかに提出すること。 2 作業記録写真 作業終了後、速やかに提出すること。 1 量研機構が必要とするもの 随時 1 ○ 指定部数 (確認方法) 「確認」は次の方法で行う。 量研機構が確認のために提出された図書を受領したときは、期日を記載した受領印を押印して 返却する。また、当該期限までに審査を完了し、確認しない場合には修正を指示し、修正など を指示しないときは、確認したものとする。なお、再委託承諾願は、量研機構の確認後、書面に て回答するものとする。 なお、(確認要)の記載のない図書は、確認不要とする。 9.検収条件 「7.試験・検査」の合格、「8.提出図書」の確認並びに、量研機構が仕様書の定める業務が 実施されたと認めたときをもって、作業完了とする。 10.適用法規・規程等 (1)那珂核融合研究所規程・規則等(安全衛生管理規則、防火管理規則、電気工作物保安規 程ほか) (2)日本工業規格(JIS)及び関係規格 (3)労働基準法 (4)その他関係する諸規格・基準・法令等 11.一般安全管理 (1)受注者は、作業管理及び安全管理について、本作業を総合的に監督する責任者(総括責 任者)を定め、その管理に当たること。また、現場責任者を定め、本作業における現場作業 の指揮監督を行うこと。 (2)現場責任者は、常時作業エリア全体を監視し、災害発生要因の是正に努めること。また、作 -3- 業者の不安全作業を未然に防ぐよう努めること。 (3)作業計画に際し、綿密かつ無理のない工程を組み、機材、労働安全対策等の準備を行い、 作業の安全確保を最優先としつつ、迅速な進捗を図るものとする。また、作業遂行上既設物 の保護及び第三者への損害防止にも留意し、必要な措置を講ずるとともに、火災その他の 事故防止に努めるものとする。 (4)作業現場の安全衛生管理(KY活動、ツールボックスミーティング等)は、法令に従い、受注 者の責任において自主的に行うこと。 (5)受注者は、作業者の見やすい位置に、作業表示、作業体制表及び緊急連絡体制表を表示 すること。 (6)作業中は、常に整理整頓を心掛ける等、安全及び衛生面に十分留意すること。 12.グリーン購入法の推進 (1)本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律) に適用する環境物品(事務用品、OA機器等)が発生する場合は、これを採用するものとす る。 (2)本仕様に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本方針に定める 「紙類」の基準を満たしたものであること。 13.特記事項 (1)本作業を進めるに当たって、本仕様に示す以外の必要な情報は、別途量研機構と協議し、 必要と認められる場合に限り、量研機構から提示する。 (2)作業の進展により、明らかに要求事項等が満足できないことが判明した場合、又は矛盾 があることが判明した場合、その他本契約に基づく作業を行う上で疑義が生じた場合には、 量研機構と受注者間で協議をすること。解決が困難な場合には、量研機構の決定・指示に 従うこと。 (3)受注者は、安全関係法令及び量研機構の諸規程を遵守し、安全について万全の注意を払 うとともに、量研機構の安全管理担当者の指示に従うこと。また、本作業において想定外の 事象が生じた場合には、作業を中断し、量研機構担当者と十分に協議し、安全を十分に担 保した上で作業を再開すること。 (4)本作業を監督する責任者は、量研機構担当者と常に密接な連絡を取るとともに、量研機構 担当者の指示に従うこと。 (5)本作業に従事するものは、必要な資格、経験、知識等を有する者であること。 (6)受注者は異常事態等が発生した場合、量研機構の指示に従い行動するものとする。 (7)本作業は、量研機構が定める通常の勤務時間内(9:00~17:30)に行うことを原則とする。 -4- 表-1 更新計器及びループ試験一覧表 機器名 用途項目 場所 既設品の 型番 数量 メーカー ディストリビュータ 冷却系給水圧力 LP1 島津システ (PX102A、PX202A、 ムソリューショ PX302A、PX402A) ンズ(株) 冷水槽pH (PHX901A) M753R8100-01 6 T-100GAA 14 DG98 1 LP11 冷水槽導電率(CX901A) 電力変換器 冷却ポンプ電流 LP1 (CT101A,B,C、T201A,B,C、 三菱電機 (株) CT301A,B,C、CT401A,B,C) 水処理系ポンプ電流 (CT501A、T501B) リードスイッチ付 電源 2 次冷却ポンプA出口フ ポン 長野計器 差圧計 イルタ差圧(DPIS 301A) プ室 (株) -5- 添付資料-1 ループ内容及びループ試験要領 1.冷却系給水圧力(4 ループ) (電子式圧力伝送器 ―アレスタ ―アレスタ ―ディストリビュータ ―指示計 ―警報設定器 ― データロガ ―PC) ①圧力テスタにより模擬圧力を印加し、伝送器の出力電流値、警報設定器の動作確認及び LP1 制御盤面の指示計指示値の計測をすること。計測点は下記とする。 ・目盛 0~0.6MPa:0、0.15、0.3、0.45、0.6 ・目盛 0~1MPa:0、0.2、0.4、0.6、0.8、1 ②警報設定器の設定値は下記とする。 ・PS102 L:0.15MPa 以下 ON(25%)、H:0.40MPa 以上 ON(66.6%) ・PS202 L:0.25MPa 以下 ON(25%)、H:0.70MPa 以上 ON(70%) ・PS302 L:0.33MPa 以下 ON(33%)、H:0.60MPa 以上 ON(60%) ・PS402 L:0.40MPa 以下 ON(40%)、H:0.76MPa 以上 ON(76%) 指示計 (PI102~402) 警報設定器 (PS102~402) I H/L 出力電圧値の計測 データロガ アレスタ MDP-24 アレスタ MDP-24 ディストリビュータ (PX102A~402A) 伝送器 (PIT102~402) 出力電圧値の計測 圧力テスタ -6- 2.冷水槽pH(1 ループ) (3D トレーサ ―アレスタ ―アレスタ ―ディストリビュータ ―指示計 ―PLC ―タッチパネ ル ―データロガ -PC ①標準電圧発生器により模擬電圧をアレスタ出力端に印加し、各出力及び指示値の計測 及び警報の動作確認を行うこと。計測点は下記とする。 ・2,4,6,8,10,12 (pH) ②警報の設定値は下記とする。 ・PHS901 L:7.0pH 以下 ON(50%)、H:8.6pH 以上 ON(66%) タッチパネル 指示計 PHX901 I PLC アレスタ MDP-24 アレスタ MDP-24 データロガー ディストリビュータ 3Dトレーサ 標準電圧発生器 出力電圧値の計測 3.冷水槽導電率(1 ループ) (3D トレーサ ―アレスタ ―アレスタ ―ディストリビュータ ―指示計 ―PLC ―タッチパネ ル ―データロガ -PC ①標準電圧発生器により模擬電圧をアレスタ出力端に印加し、各出力及び指示値の計測 及び警報の動作確認を行うこと。計測点は下記とする。 ・0,200,400,600,800,1000 (μS/cm) ②上下限警報付指示計及び警報設定器の設定値は下記とする。 ・CIC901 L:750 以下 ON、H:800 以上 ON ・CS901 H:900 以上 ON(90%) タッチパネル 指示計 CIC901 I PLC アレスタ MDP-24 アレスタ MDP-24 ディストリビュータ 3Dトレーサ 標準電圧発生器 出力電圧値の計測 -7- データロガー 4.電源 2 次冷却ポンプA出口フイルタ差圧(1 ループ) (接点付差圧計 ―アナンシエータ) ①圧力テスタにより圧力を印加し、上下 5~6 点の誤差計測を行うこと。 ②導通チェッカ(ブザー)により接点の動作確認及び LP1 現場制御盤にてアナンシエータ表 示の点灯確認を行うこと。接点設定値は下記とする。 ・DPIS301A H:0.059MPa 以上 ON(赤針) 圧力テスタ 接点付差圧計 DPIS301A リレーシーケンス H ダンパナー H L 接点動作値の確認 大気開放 -8- ANN アクリル板(透明)設置箇所 図-1 LP1 盤内の電力変換器保護カバー取付け -9-
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