漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を 改正する等の法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案の概要 Ⅰ 趣旨 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部 を改正する等の法律(平成28年法律第39号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、関 係政令について所要の整備を行うほか、漁業共済における共済加入に係る要件等を見直す。 Ⅱ 政令案の概要 1 漁船損害等補償法施行令(昭和27年政令第68号)の一部改正 (1)特定事故の原因 だ 特定事故の原因として、襲撃並びに捕獲、拿捕及び抑留を規定する。 (2)満期保険の保険期間の見直し 満期保険の保険期間を、15年の範囲内で組合の保険約款で定める期間とする。 (3)危険の消滅による保険料の払戻し 普通損害保険、満期保険及び漁船積荷保険について、基本部分の保険の目的たる漁 船(積荷)が特定事故により全損し、若しくは委付されたとき又は特定特約部分の保 険の目的たる漁船(積荷)が特定事故以外の事故により全損し、若しくは委付された ときに、保険料の払戻しを請求できるものとする。 (4)政府の再保険に係る規定の整備 ・ 組合責任保険金額は、保険ごと(漁船船主責任保険にあっては、塡補区分ごと)に、 組合保有純保険料総額に組合の保険責任に係る危険の態様を勘案して定める一定の乗 数を乗じて算定するものとする。 ・ 組合保有純保険料総額は、同一年度保険関係の純保険料の合計額から当該同一年度 保険関係に係る漁船保険再保険事務等の再保険料の金額を差し引いて得た金額とす る。 ・ 政府の再保険金額の算出に用いる「組合責任保険金額を超える部分の金額に乗ずる 割合」を、85/100とする。 ・ 組合が再保険料の払戻しを請求することができる金額は、保険ごと(漁船船主責任 保険にあっては、塡補区分ごと)に、組合が払い戻すべき純保険料の額に相当する金 額に、当該純保険料に係る同一年度保険関係に係る漁船保険再保険事業等の再保険料 の金額の当該同一年度保険関係の純保険料の合計額に対する割合を乗じて得た金額と する。 (5)その他 漁船保険中央会の廃止等に伴い、所要の規定の整備を行う。 2 漁業災害補償法施行令(昭和39年政令第293号)の一部改正 (1)特定第二号漁業者及び区域内特定養殖業者の要件の追加 ・ 漁獲共済の特定第二号漁業者の要件として、当該区分の漁獲金額が一年を通じて 200万円を超えることを追加する。 ・ 特定養殖共済の区域内特定養殖業者の要件として、当該特定養殖業を営む日数が一 年を通じて90日を超え、かつ、当該特定養殖業の養殖に係る生産金額が一年を通じて 130万円を超えることと設定する。 (2)漁獲共済における数量逓減制度の対象漁業の削除 漁獲共済において、漁獲数量が一定水準を上回ると支払共済金を削減し、又は支払 わないとする数量逓減制度の対象から、さけ定置漁業を削ることとする。 (3)養殖共済における常襲病害足切り制度の対象養殖業の削除 養殖共済において、疾病による被害に係る支払共済金を削減する常襲病害足切り制 度の対象から、はまち養殖業、さけ・ます養殖業、かんぱち養殖業、すずき養殖業、 ひらまさ養殖業、まあじ養殖業及びしまあじ養殖業を削ることとする。 (4)掛金補助の要件の見直し ・ 養殖共済において、単位漁場区域内の被共済資格者の全員から共済の申込みがあっ た場合に高率の掛金補助を、1/2以上の者から共済の申込みがあった場合に通常の掛 金補助を措置することとする。 ・ 特定養殖共済において、掛金補助の対象となる区域内特定養殖業者と併せて、区域 内特定養殖業者以外の被共済資格者が共済の申込みをした場合に、当該被共済資格者 についても掛金補助の対象とすることとする。 (5)その他 養殖共済の全員加入制度の廃止等に伴い、所要の規定の整備を行う。 3 漁船乗組員給与保険に係る再保険金額の保険金額に対する割合に関する政令(昭和48 年政令第258号)の廃止 改正法による漁船乗組員給与保険法の廃止に伴い、漁船乗組員給与保険に係る再保険 金額の保険金額に対する割合に関する政令を廃止する。 4 関係政令の整備 漁船保険中央会の廃止等に伴い、関係政令について所要の整備を行う。 Ⅲ 施行期日 改正法の施行の日(平成29年4月1日予定)
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