(2016 年9月号掲載) 群馬県内企業の事業承継に関する動向調査 一般財団法人群馬経済研究所 主任研究員 ~要 1. 桑原 正幸 約~ 事業承継とは事業を後継者に引き継いで会社を存続させることであり、事業承継の種 類には①親から子等親族への承継、②自社幹部・従業員等親族外への承継、③第三者へ の売却(M&A)がある。 2. 当研究所が県内企業を対象に実施したアンケートによると、親から子等親族への事業 承継については、「難しいと思う」と「何ともいえない」の合計が6割弱に達している。 3. 後継者にしたい人では、「代表者の親族」が6割超を占めている一方、後継者を選ぶ 際に特に重視することでは「職務遂行(事業執行)能力・経験」が6割弱と最多である。 4. 事業引継ぎの予定時期では、全体で「今後5年以上先」と回答した企業が約3割であ るが、代表者の年齢が高くなると、事業引継ぎの予定時期が他の年代に比べて短くなっ ている。 5. 後継者に事業を引き継ぐ場合の課題では、過半数の企業が「後継者を補佐する人材の 育成・選出」を挙げている。 6. 自社の第三者への売却(M&A)について、「考えたことがある」と回答した企業は 全体では2割弱にとどまるが、代表者の年齢が 70 歳以上になると、4割弱まで増加し、 他の年齢層に比べ関心が高くなっている。 7. 我が国が今後も経済成長を維持していくためには、技術やノウハウといった目に見え ない経営資源を承継していくことが不可欠である。
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