事故例紹介 =内外航向け= 日本船主責任相互保険組合 ロスプリベンション推進部 講師:岡田 卓三 桑田 敬司 これまでのロスプリベンションセミナーでは、当組合の事故傾向から注意すべき事案の ご紹介や、ヒューマンエラーによる事故を防止するために必要な考え方等を御説明して 参りました。今回のセミナーでは、当組合が実際に取り扱った事故や運輸安全委員会の 事故調査報告書をもとに、以下の 3 つの事案をとりあげ、具体的なの事故原因の分析と 事故防止策をご紹介します。 ●衝突事故 紀伊水道における、コンテナ船と貨物船の 衝突事故 ・ 両船の船長は何度も航行経験がある航 路。通い慣れた航路で何故事故が起き たのか? ・ VHF による交信も行っていたにも拘ら ず、何故衝突したのか? ・ 両船内でのリソース管理体制(BRM)は 正しく行われていたのか? ●機関トラブル事故 ピストンピンのスナップリングの取り付け不良による、ピストンスカートの割損損傷 ・ 整備・組立て作業の責任者は作業の要点を理解していたか? ・ クランクケースの点検時に、シリンダーライナー点検を実施したか? ・ 潤滑油の消費が増加した場合の異常状態の見極めは適切であったか? なお、機関事故については、運輸安全委員会が 2008 年から 8 年間の間に、機関故障お よび機関損傷を起こした船舶(除く、漁船)について発行した報告書を分析しました。 ●燃料油海上流出事故 残油量計測ミスによる燃料油の補油作業中の事故 ・ 補油前には残油量計測を行っていたが、何故事故が発生したのか? ・ 計測方法や管理体制は適切なものであったか? 以上
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