Ⅶ 学校・家庭・地域の連携 近年,子供を取り巻く環境が大きく変化しており,未来を担う子供たちを健やかに育むためには, 学校,家庭及び地域住民等がそれぞれの役割と責任を自覚しつつ,地域全体で教育に取り組む体制づ くりを目指す必要がある。また,多様化する家庭が様々な課題を抱え孤立しがちな社会状況や,生活 の中で自然に行われる教育的な営みが難しくなっている状況を踏まえ,多様な主体や世代が関わりあ う社会を実現し,子供の育ちや子育て家庭を支える人間関係とシステムを持つ地域づくりが求められ ている。 このため,学校や公民館等を,世代や立場などが異なる様々な人々が集まる地域コミュニティの拠 点として位置付け,豊富な社会体験を持つ地域の人材等を活用し, 「学校支援地域本部」「放課後子供 教室」 「コミュニティ・スクール」 「家庭教育への支援」などの取組を通して,保護者や地域住民など の多様な主体によるネットワークを構築し,地域の活性化を図るとともに,子供が安心して暮らせる 環境づくりを推進することが重要である。 1 地域に開かれ地域とともに歩む学校づくりの推進 (1)学校を核とした県内1000か所ミニ集会 県教育委員会では,地域住民の声を学校運営に生かす開かれた学校づくりや学校を核とした地 域コミュニティの構築を目的として,原則として千葉市を除く県内全ての公立小・中・高・特別 支援学校を会場に,学校職員と保護者や地域住民とが学校・家庭・地域の様々な教育課題について, 膝を交えて本音で語り合う取組として,「学校を核とした県内1000か所ミニ集会」を実施している。 ① ミニ集会の3つのねらい ・地域住民の声を学校運営に生かす開かれた学校づくり ・家庭と地域が理解し合い,協力し合う環境づくり ・学校を核とした地域コミュニティの構築 ② 平成27年度の実施状況 (千葉市を除く) 開催校数 参加人数 実施率 地域と連携した開催 学校数/割合 小学校 696 校 (705校) 43,168 人 (52,047人) 100% (100%) 388 校/ 55.7% (395 校/ 56.0%) 中学校 326校 (326校) 22,534 人 (29,791人) 100% (100%) 194 校/ 59.5% (189 校/ 58.0%) 高等学校 128校 (130校) 5,774 人 (6,090人) 100% (100%) 107 校/ 83.6% ( 123 校/ 94.6%) 特別支援学校 38校 (34校) 2,272人 (2,045人) 100% (100%) 27 校/ (27 校/ 71.1% 79.4%) 計 1,188校 (1,195校) 73,748人 (89,973人) 100% (100%) 716 校/ (734 校/ 60.3% 61.4%) ※( ③ ミニ集会で話し合われた主なテーマ ○ 学校・家庭・地域の連携について ・子供の安全を守るための学校・家庭・地域の連携 ・小中、地域が連携する道徳教育について ・学校、家庭、地域における休日の過ごし方 ・家庭、地域と連携した食育の推進 - 51 - )内は前年度の実績 ・学校、家庭、地域の連携による生徒の地域貢献 ・地域・家庭・学校における防災について ・学校支援ボランティア活動のあり方について ○ 学校の運営や指導に関すること ・学校力を地域に還元する取組について ・地域に信頼される学校を目指して ・逞しい子供にするための親と教師のあり方 ・小中一貫教育について ・開かれた学校づくり ・安心・安全な学校づくりについて ○ 子育てやしつけについて ・学校と家庭で育む望ましい子供の生活習慣 ・地域の子供は地域の大人が育てる ・親の言葉かけと接し方のコツ ・子供のストレス・親のストレス ・子供の人権尊重について ・豊かな心を育むための家庭教育 ・子供の良さを見つけ伸ばす親子関係について ・家庭での子育てについて ○ その他 ・命を大切にする気持ちを育む教育の推進 ・サイバー犯罪を防ぐために ・朝食の重要性について ・ネット利用のマナーと危険予防について ・障害を持った方の理解について ・子供たちに伝えたい郷土に伝わる伝統料理 ・地域の清掃活動による環境教育 ・行事を通じた地域との交流 ・カラーセラピーを子育てに生かす ・災害時の避難所運営について ・自転車の安全な乗り方について ・歯の健康について ・読書のすすめ ④ ミニ集会の成果や発展した例 ・保護者や地域の意見を聞き、教職員の意識の高まりにつながった。 ・ボランティア活動等、学校の取組が評価され、教職員の意欲向上につながった。 ・三部制の特徴や学び直しの学校として教育相談に力を入れていること等、理解が広まった。 ・福祉コース開設に対する地域の期待を受け、教職員の意識向上につながった。 ・避難所の開設の方法・必要なもの・役割り分担等について考えることができ、教職員や地 域の防災意識を高めることができた。 ・近隣自治会総合防災訓練が実施され、約600名の住民の方々が本校への避難訓練を体験 した。 ・地域の課題を地域住民から聞き取り、高校・大学の地域貢献の使命や手法を事例から考え ることができた。 - 52 - ・法の施行に伴い、合理的配慮をキーワードとして障害者支援のあり方を改めて考える機会 となった。 ・地域の安全を守っていくとともに、地域で子どもたちを育てていこうとする意識の高まり につながった。 ・地域の実情に応じたパトロールや見守りについて考え方が深まった。 ・スマホ・ケータイについて、保護者が悩みを抱えていることがわかり、学校で指導する意 義やその内容についての共通理解が図れた。 ・いじめというテーマで話し合いができたことがよかった。 ・自治会の協力意思を確認でき、人数は少なかったがお互いの声が聞けてよかった。 ・各自治会の活動日や内容を知ることで、自治会同士に更なる協力体制が生まれた。 ・学校、保護者、地域、関係施設等のそれぞれの立場で児童生徒の命を守るためにできるこ とを意見交換し、意識が高まった。 ・自転車の通行が多く危険なので、各自治会、保護者、学校の連名で警察に要望書を出し、 その結果、警察によるパトロールや立ち番指導などが増えた。 ・地区の小学校でのインターンシップ協力校が増えて連携が広がった。 (2)地域とともに歩む学校づくり推進支援事業 子供たちの健全育成のためには,「地域そのものを大家族」としてとらえ,学校・家庭・地 域が一体となって地域の子供は地域みんなで育てるという考えのもと,地域や学校の様々な活 動を支えている人たちの力を結集し,家庭・地域の教育力の向上を図るとともに,地域の力を生 かした活動の推進を図る必要がある。 ① 趣旨 学校と地域が連携して,地域コミュニティを構築し,地域の子供たちを地域で育てていくた め,国の補助事業「学校支援地域本部事業」(国・県・市町村が1/3ずつ費用を負担)を活用 し,学校に学校と地域を結ぶコーディネーターを配置して,学習支援や環境整備,登下校時の見 守りなど,学校を支援する体制づくりを推進する。 ② 事業内容 ア 市町村の取組 (ア) 市町村運営委員会の設置 ・教育支援活動等の運営方法等を検討 (イ) コーディネーターの配置 ・教育支援活動等の企画や学校・家庭・地域の調整 (ウ) 「地域とともに歩む学校づくり委員会」(学校支援地域本部)の設置 ・学校の余裕教室を活用して「地域ルーム」を設置し,教育支援活動を実施・運営 (授業の補助,部活動の指導,図書の整理や読み聞かせ,花壇や樹木の整備等の校内の環 境整備,学校行事の運営支援など,学校の要望に応じた学校の支援活動) イ 県の取組 (ア) 推進委員会の設置 学校関係者,関係団体,地域コーディネーター,学識経験者,関係行政担当者等からな る推進委員会を設置し,県内市町村の取組を支援 ・平成24年度は,「ちばっ子」育成事例集を作成し,県内市町村等に配布 ・平成25年度は,啓発リーフレットを作成し,県内市町村及び小中学校等に配布 ・平成26,27年度は,取組内容をまとめた啓発広報紙を県内市町村及び小中学校等 に配布 - 53 - (イ) コーディネーター研修の実施( 「放課後子供教室推進事業」と兼ねる) ・「学校支援コーディネーター研修講座」を3期に分けて開催,人材発掘や育成,資質向 上を図るための講義や演習,参観,協議等を実施 <平成27年度の実績> 学校支援コーディネーター研修講座 (1) 趣 旨 コーディネーターが,知識・技術上の不安を取り除き,安心してボランティアを支援 する役割を果たしていけるように,基礎的な知識や技術の習得,資質の向上を図るため の講座を開催するとともに,ネットワーク作りの一助とする。 (2) 期日・内容・会場・参加者数 期 期 日 内 容 会 場 参加者数 1 5~6月 コーディネート能力の育成 ・学校支援ボランテ ィア活動の理解 ・学校教育の理解 ・コーディネートの技法 ・千葉県総合教育センター 170名 ・さわやかちば県民プラザ ・南房総教育事務所 2 8~1月 活動の様子の参観 ○各教育事務所単位で実施 128名 ・学校支援地域本部事業実 施校 県内で3校 ・放課後子供教室 県内で5か所 3 1月22日 講演及び事例発表会 千葉県教育会館 100名 (3) 主な日程 <1期> 午前:講義(学校支援ボランティア活動の理解,学校教育の理解) 午後:演習(問題解決のためのワークショップ) ※東葛飾地区のみ2日間で実施 1 日目 講義,演習 <2期> 日程説明等 (10分程度) 活動の参観 (45分程度) 概要説明及び質疑応答 (45分程度) <3期> 午前:講演 2日目 講義,演習 午後:事例発表 (4) 対象 「学校支援地域本部事業」 , 「放課後子供教室推進事業」及びその他類似事業に 関わる以下の者 ・コーディネーター ・ボランティア ③ ・教職員 ・市町村の担当者 国事業「学校支援地域本部事業」の活用状況 平成27年度は,16市町村で129本部(小学校145校,中学校52校,特別支援学校 1校)が活用した。 (3)放課後子供教室推進事業 共働き家庭等のいわゆる「小1の壁」打破を目指し,児童が放課後等を安全・安心に過ごすこ とができる居場所整備を進めるとともに,次代を担う人材を育成するために全ての児童が放課後 等に多様な体験・活動を行うことができるよう,平成26年度,厚生労働省と文部科学省が共同 - 54 - して総合的な放課後対策を推進する「放課後子ども総合プラン」を策定した。本県においても, 「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」が一体的または連携して総合的な放課後対策を推進 する。 (国・県・市町村が1/3 ずつ費用を負担) ① 趣旨 放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して,子供たちの安全・安心な活動拠点(居場 所)を設け,地域の方々の参画を得て,子供たちとともに勉強やスポーツ・文化活動,地域住 民との交流活動等の取組を実施することにより,子供たちが地域社会の中で,心豊かに健やか に育まれる環境づくりを推進する。 ② 対象とする子供の範囲 本事業の子供の範囲は地域の子供全般を対象としているものであり,幼児,児童生徒の一部 のみを対象とするものではない。 ③ 事業内容 〔県の取組〕 ア 推進委員会の設置 行政関係者,学校関係者,社会教育関係者,福祉関係者,学識経験者等からなる推進委員 会を設置し,放課後対策事業の総合的な在り方の検討を行い,放課後子ども総合プランの推 進を図る。 イ コーディネーター,教育活動推進員等研修の実施 市町村が各小学校区毎に配置するコーディネーターや,放課後対策事業に関わる教育活動 サポーターや教育活動推進員等を対象に,資質向上を図るための講義,情報交換・情報共有 等を図る研修を実施する。 〔市町村の取組〕 ア 放課後子供教室の実施 ・教育活動サポーター,教育活動推進員等を配置する。 ・基本的に小学校施設(余裕教室,校庭,体育館等)を活用して実施する。なお,地域の実 情に応じて,公民館や児童館などの社会教育施設等での実施も可能である。 イ 運営委員会の設置 ・事業計画の策定,安全管理方策,広報活動方策,ボランティア等の地域の協力者の人材確 保方策,活動プログラムの企画,事業実施後の検証・評価等について検討する。 ウ 学校区毎の協議会の設置 ・放課後児童クラブとの共通プログラムの日時・内容・実施場所,子供の状況,情報共有, 学校施設の活用方法などを検討する。 エ コーディネーターの配置 ・保護者等に対する参加の呼びかけ,学校や関係機関・団体等との連絡調整,地域の協力者 の確保・登録・配置,活動プログラムの企画等を行うほか,本事業と放課後児童クラブと の連携についての調整を図る。 - 55 - <平成27年度の実績> 〔県の取組状況〕 ・推進委員会の開催 3回( 「地域とともに歩む学校づくり推進支援事業」と兼ねる) ・学校支援コーディネーター研修講座(「地域とともに歩む学校づくり推進支援事業」と兼 ねる) ・放課後子ども総合プラン指導スタッフ等研修会(福祉部局と共催) 期 日・会 場 内 8月31日(月) 県総合教育センター 容 参 加 者 ・講演 ①放課後子供教室の教育活動 ・演習 (グループワーク) 推進員,教育活動サポーター 等 ②放課後児童クラブ指導員等 (87名) 〔市町村の実施状況〕 平成27年度は,28市町174か所で実施。 (4)県立学校における「開かれた学校づくり委員会」設置事業 ① 開かれた学校づくり委員会 学校が保護者や地域住民の信頼に応え,地域の教育力向上の核となる学校づくりを進めるた め,学校と地域がより一層連携を深めることが求められており,国においては,平成 19 年 6 月に学校教育法が改正され,学校評価と積極的な情報提供に関する規定が整備された。 また,県教育の戦略的なビジョンでは, 「家庭・地域と連携した魅力あふれる学校づくり」 が基本テーマのひとつとして掲げられ,保護者や地域住民の声や期待を学校経営に生かすため の仕組みづくりへの対応が課題となっている。 そこで,県では,平成 12 年度から実施している「学校を核とした県内 1000 か所ミニ集会」 と,平成 16 年度から 18 年度まで実施した県立学校における「学校評議員制度モデル実践研究」 の成果と課題を踏まえ, 「開かれた学校づくり委員会」を県立学校に設置し,学校運営上の重 要な課題等の解決方策や,地域の教育力向上に関する方策の検討及び学校の関係者評価を行う ことに加え, 「学校を核とした県内 1000 か所ミニ集会」及び特色ある学校の教育活動に携わる ものとしている。 <平成27年度の状況> 全ての県立学校に設置しており,安心・安全で地域に信頼される学校づくりを進めます (1) 委員の状況 県立学校全体 8.4 人(※校長を除く) (2) 実施内容 平均回数 3.1 回 (5)県立学校における「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度) 」設置事業 公立学校教育に対する多様な要請にこたえ,信頼される学校づくりを進めるためには,地域住 民や保護者等のニーズが学校運営により一層的確に反映されることが重要である。 このため,平成 16 年 6 月「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正され,学校を 設置する教育委員会の判断により,地域住民や保護者等が,学校運営協議会を通じて,一定の権 限と責任を持って学校運営に参画することが可能になった。 - 56 - この制度は,教育委員会及び校長の権限と責任の下,地域住民,保護者等が学校運営に携わっ ていくことで,より良い教育の実現とともに,地域に開かれ,地域に支えられる学校づくりを目 指している。 県内のコミュニティ・スクール指定状況(平成28年4月現在) 県立学校 県立多古高等学校(平成 24 年 4 月 1 日~) 県立長狭高等学校(平成 24 年 4 月 1 日~) 県立浦安高等学校(平成 27 年 4 月 1 日~) 県立京葉高等学校(平成 28 年 4 月 1 日~) 市町村立学校 習志野市立秋津小学校(平成 18 年 10 月 1 日~) 香取市立栗源小学校(平成 23 年 9 月 1 日~) 香取市立栗源中学校(平成 23 年 9 月 1 日~) (6)コミュニティ・スクール実践研究事業 コミュニティ・スクールの導入拡大を図るため,これから導入しようとする学校の実情に応じた制 度運用の方策について検討する。 研究校:県立九十九里高等学校 2 家庭教育の支援の充実 近年,都市化や核家族化,少子化,雇用環境の変化などにより,地縁的なつながりや人との関係 の希薄化が親の孤立化を招くなど,親や家庭を取り巻く状況や子育てを支える環境が大きく変化し ている。家庭教育は「生きる力」の基礎的な資質や能力を育成するものであり,すべての教育の出 発点であることから,家庭教育の支援の充実が重要である。 本県では,「広く県民に子育て情報を提供」,「市町村への家庭教育支援」,「学校を通じた家庭教育 支援」,「企業と連携した家庭教育支援」を4つの柱として,乳幼児期から青年期までの子供を持つ 親等を対象として,家庭教育支援の充実に努めている。 (1)家庭教育推進委員会の設置 本県の実情に応じて,家庭教育支援の方策等を協議し,学校,家庭,地域が連携協力して, 社会全体で取り組む家庭教育支援の一層の推進を図る。 (2)市町村家庭教育支援事業 ① 家庭教育相談担当者協議会 家庭教育に関わる人たちが一堂に会し研修を重ねることで課題等を共有し,関係機関,関係 者のネットワークを構築し,家庭教育支援体制を強化する。 (教育事務所ごとに年1回開催) ② 市町村担当者研修 ア 市町村相談員及び子育てサポーターリーダー等のための家庭教育研修講座 市町村家庭教育相談員等,相談業務に携わる方を対象とした研修講座を実施する。講座 Ⅰ・講座Ⅱを各4回実施する。 イ 「親の学びプログラム」活用推進事業 親としての役割や子供の発達の段階に応じた関わり方等を,親が主体的に学べるプログラ ムの展開例や市町村の担当者等が効果的に活用できる広報の仕方についてまとめた「親の学 - 57 - びプログラム」の活用推進に努める。 ウ 千葉県家庭教育支援研究協議会 家庭教育支援及び子育て支援に関する現状や課題・取組の報告等をとおして,家庭教育 支援の在り方について協議し,家庭・学校・地域が一体となって,子供たちを育てる環境 づくりを推進する。 エ 子供の生活習慣改善事業 子供の生活習慣を一層改善するために,「早寝早起き朝ごはん」をスローガンに,関係機 関・団体等と連携して,継続的に啓発活動や情報提供に取り組む。 (3)学校を通じた家庭教育支援 ① 「学校から発信する家庭教育支援プログラム」普及啓発事業 保護者向けの啓発資料編と学校行事等で教員が保護者へ働きかけるための指導プログラム 編で構成する「学校から発信する家庭教育支援プログラム」について活用を推進する。 ② 家庭教育支援リーフレット活用事業 基本的な生活習慣,親子のコミュニケーション,家庭学習・読書の習慣,地域とのかかわ り,進路など家庭で取り組ませたい内容をまとめた保護者向けリーフレットを小学校・中学 校へ入学する児童・生徒を持つ全保護者に配布するとともに,3歳児健診等を利用して幼児 を持つ全保護者に配布し,家庭の教育力向上を支援する。また,今年度新たに小学4年生版 を作成する。 (4)広く県民に向けた子育て情報の提供 ① ウェブサイト「親力アップいきいき子育て広場」 生活習慣やしつけなど,子供の発達段階に応じた関わり方等をスマートフォンや携帯電話 からも学べるウェブサイトを開設し,インターネットで発信する。また,子育てに関する悩 みなどについての相談先を紹介する。 ② 家庭教育支援団体データバンク 学校・家庭・地域住民・企業等がそれぞれの役割を果たしながら一体となって子供たちを 育てる環境づくりを推進するため,市町村教育委員会の協力を得てデータバンクを作成し, ウェブサイトで紹介する。 家庭教育や子育てに関するサークル・団体,講演・講座等の講師の検索などができる。 (5)企業と連携した家庭教育支援 ① 家庭教育支援講座 県内の企業に対して,社員研修の場を利用した家庭教育支援講座の実施を働きかける。 ② 「子ども参観日」キャンペーンの実施 親の働く姿を見て,家庭で仕事の話をすることにより,家族のコミュニケーションの促進を 図る。 ③ ちば家庭・学校・地域応援企業等登録制度 教育分野で貢献活動に取り組む企業等と連携し,家庭・学校・地域が一体となって子供たち を育てる環境づくりを推進する。 - 58 - <平成27年度の実績> (1)ウェブサイト「親力アップいきいき子育て広場」 アクセス数 ・携帯電話 4,467 件,パソコン 23,719 件,計 28,186 件 (2)家庭教育支援団体データバンク 登録団体:118 団体 (3)市町村相談員及び子育てサポーターリーダー等のための家庭教育研修講座 初級(4講座)延べ 208 名,中級(4講座)延べ 235 名 (4)家庭教育支援研究協議会 参加者 49 名 ア 千葉県家庭教育支援研究協議会 イ 「親の学びプログラム」活用推進研修会 ・スタート研修 (各地区1回) 参加者 138 名 (企画書作り,PC 実技研修 各 3 回) ・フォローアップ研修 ウ 家庭教育相談担当者協議会 参加者 45 名 (各地区1回) 参加者 244 名 (5)「学校から発信する家庭教育支援プログラム」普及啓発事業 活用状況(アンケート調査から) 保育所 29.7 %,幼稚園 70.2 %,小学校 89.1 %,中学校 86.2 % (6)家庭教育支援リーフレット活用事業 小学校及び中学校に入学する全児童生徒及び 3 歳児健診を受診した幼児の保護者に配布し た。 幼児期版 54,000 部,小学校版 53,000 部,中学校版 54,000 部 (7)企業の社員研修の場を活用した「家庭教育支援講座」 3 事業所 (8)「子ども参観日」キャンペーン 県庁他,25 団体 64 事業所 (9)ちば家庭・学校・地域応援企業等登録制度 登録企業・事業所数 3 406 か所 企業や大学等と連携した教育の推進 (1)ちば家庭・学校・地域応援企業等登録制度 企業の持つ技術等は貴重な教育的資源であることから,企業と県教育委員会が連携し,家庭・ 学校・地域が一体となって子供たちを育てる環境づくりを推進するため,教育分野での社会貢献 活動に取り組む企業等を登録し,その取組をホームページ等に掲載するなど,広く県民に周知す る。 平成28年3月末の登録数 406企業・事業所等 (2)企業と連携したキャリア教育・社会体験活動 ① 夢チャレンジ体験スクール 県教育委員会では,県内の多様な企業や大学等と連携を図り,様々な職種における就業体験 や科学・技術体験等の機会を通して,職業に必要な資質や能力等について学ぶとともに,将来 の職業に対する夢を育むことを目指し,夏季休業中に「夢チャレンジ体験スクール」を実施し ている。 本事業は,「千葉県夢チャレンジ体験スクール実行委員会」を設置し,企業,大学・研究機 - 59 - 関等,学校,行政等が一体となって,より効果的に推進している。 平成27年度の「千葉県夢チャレンジ体験スクール」は, 「サイエンススクール」 「キャリア 教育科学・先端技術体験キャンプ」「キャリア教育しごと体験キャンプ」と,3つのプログラ ムで実施した。 <平成27年度実績> (1) サイエンス・スクール ① 1日で完結する,科学的な実験を中心に行うコース小(保護者)・中・高生対象 参加者合計:335名 実施機関 期日 参加者 ① かずさDNA研究所 7/22(水) 7/24(金) 小5・6年生30名 小5・6年生26名 ② 県立現代産業科学館 7/25(土) 7/26(日) 小・中学生47名 小・中学生44名 ③ 県産業支援技術研究所 7/27(月) 小4~6年生9名 ④ 県衛生研究所(食品科学研究室) 7/28(火) 中1~3年生8名 ⑤ 県農林総合研究センター 7/28(火) 中学生5名 ⑥ 製品評価技術基盤機構 7/29(水) 小4~6年生19名 ⑦ 県環境研究センター 7/30(木) 中学生5名 ⑧ 東京大学生産技術研究所 7/31(金) 小4~6年生9名 ⑨ 三井化学(株)茂原分工場 7/31(金) 小4~6年生18名 ⑩ 東京大学宇宙線研究所 8/ 3(月) 小4~6年生37名 ⑪ 県立中央博物館分館海の博物館 8/ 3(月) 小4~6年生17名 ⑫ 県水産総合研究センター 8/ 6(木) 小4~6年生12名 ⑬ 県畜産総合研究センター 8/ 7(金) 小5~中3年生19名 ⑭ 県立中央博物館 8/ 9(日) 小5~中3年生30名 (2) キャリア教育科学・先端技術体験キャンプ ① 参加者合計:127名 日帰り2日間コース <中・高生対象(定員62名)> 〔7/21(火)~29(水)〕参加者:53名 (実施企業・大学・機関等)出光興産㈱,キヤノンマーケティングジャパン㈱, 新日鐵住金㈱,日本IBM㈱,ソニーイーエムシーエス㈱, かずさDNA研究所,製品評価技術基盤機構, 荏原製作所,東京情報大学, ② 日帰り3日間コース <中・高生対象(定員24名)> 千葉県がんセンター 〔8/5(水)~7(金) 〕参加者:20名 - 60 - プログラム内容 ・ 「がんの分子生物額」についての講義 ・PCR法による遺伝子の増幅 ・実験結果についての議論 ③ 宿泊コース ・血液からのゲノムDNA回収・精製 ・海外留学生との交流会 ・研究者との交流会 <中・高生対象(定員66名)宿泊場所(さわやかちば県民プラザ)> 〔8/19(水)~21(金)〕参加者:54名 (実施企業・大学・機関等)東葛テクノプラザ,国立がん研究センター東病院, セイコーインスツル㈱,東京大学宇宙線研究所, 千葉大学環境健康フィールド科学センター, 日本ベルパーツ㈱ (3) キャリア教育しごと体験キャンプ <中・高生対象(定員41名)宿泊場所(さわやかちば県民プラザ)> 参加者合計:37名 〔8/4(火)・6(水)~9(日)〕 (1泊2日を含む5日間) (実施企業) 毎日新聞社千葉支局,野村證券㈱千葉支店,㈱JALスカイ成田事業所, ANA成田エアポートサービス(株),ホテルニューオータニ幕張, 千葉信用金庫,㈱千葉銀行,東京税関成田税関支署,日本生命保険(相) (講座運営) ② 株式会社 morisemi 「子ども参観日」キャンペーン 子供たちが,勤労観,職業観を身に付け,社会で自立し,仕事を通じて社会に貢献できるよ うにするためには,大人が働く姿を見せたり,家庭で仕事の話をしたりするなど,子供が働く ことの大切さについて知る機会を積極的に作っていくことが必要である。 このため,県教育委員会では,子供たちが親や大人の働く姿に接することができるよう,企 業等に「子ども参観日」の実施を呼びかけるキャンペーンを実施する。 ③ キャリア教育啓発資料 キャリア教育について,その内容や重要性を保護者に理解してもらうとともに,家庭教育に おけるキャリア教育の大切さを見直すきっかけとするため,県立高等学校,県立特別支援学校 高等部に在籍する児童・生徒の保護者を対象に,家庭用キャリア教育啓発リーフレットを配布 し,活用を図る。 ④ キャリア教育啓発ステッカーの配付 キャリア教育の重要性を広く知っていただくことを目的として,キャリア教育啓発ステッカ ーを作成。このステッカーを各事業所の店頭等に貼ってもらうことにより,産業界や地域の方 々に就業体験学習の理解を得るとともに, 「学校・家庭・地域が共に連携して次代を担う子供 たちを育てる」という気運を高める。 (3)高等学校と大学の連携の促進 ① 高大連携の促進 県立高等学校が県内大学・短期大学の連携に関する取組状況の情報をより積極的に活用して いくために,活用状況の調査結果をホームページに掲載し,高等学校が高大連携に取り組み やすい環境の整備を図る。また,県立高等学校の高大連携に関する取組事例や前年度の取組 - 61 - 実績を調査し,結果をホームページに掲載。各高等学校の取組を参考に,より多くの高等学校 が大学等との連携に取り組むことができるよう支援する。 ② 千葉大学教育学部との連携 高校生の学問に対する興味・関心を喚起し,学習意欲を高めるとともに,目的意識をもっ て主体的に進路を選択する能力・態度の育成を目指し,千葉大学教育学部との連携講座を実 施している。千葉東,木更津高等学校での基礎教養講座は,県教育委員会と千葉大学教育学部 との高大連携に関する協定に基づき,上記各校と教育学部が個別に協定を結び,土曜日に全 14 講座実施した。夏季休業中には,長生高等学校で,千葉大学教育学部が 1 日のみの公開講座を 実施した。公開講座の開催通知は,県から各県立高等学校全校に配布した。 (4)企業と連携した子供応援事業 子供の健やかな成長を支援する「ちば家庭・学校・地域応援企業等登録制度」に登録してい る企業と、放課後や週末等に余裕教室を活用して健やかな子供の育成を目指す「放課後子供教 室推進事業」をつなぎ、全ての子供を対象とした放課後等の活動を支援する新たな仕組みを構 築する。 - 62 -
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