Technical Report

No.AMM-1604
Technical Report
No.
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～考古遺物の原料産地推定～
表面電離
表面
電離型質量分析計による高精度鉛同位体比分析
型質量分析計による高精度鉛同位体比分析
1.概要
1.
概要
高精度鉛同位体比分析法は、鉛の安定同位体比を正確に測定することにより、遺物に使用された
原料の産地を推定する手法です。
鉛（Pb）は多くの同位体を持ちますが、地球誕生時から存在した質量数204、ウラン（ U）やトリウム
（Th）が放射壊変を起こして生成する206・207・208の4つが安定同位体と考えられています。（表1）
4つの安定同位体は、初期に存在した鉛量及びウランやトリウムと共存した時間の違いにより、産
地よ
地によって比率が僅かに異なります。従って、高精度鉛同位体比分析で得られた結果と産地別の同
比率が僅か異なります従
高精度鉛同位体比分析得られた結果と産地別同
位体比率のデータを照合することにより、出土遺物の産地推定を行うことが可能となります。
2.資料情報
2.
資料情報
1）主要な対象材料
①銅系資料（青銅、純銅など）
②ガラス系資料（カリガラス、鉛ガラスなど）
2）必要量
50mg程度（鉛含有量によって異なります）
表1 U及びThの放射壊変と鉛の生成
親核種質量数半減期娘核種
U
238
45億年
Pb
U
235
7.1億年
Pb
Th
232
140億年
Pb
***
***
***
（Pb）
質量数
206
207
208
（204）
3.装置仕様等
3.
装置仕様等
表面電離型質量分析装置
（Thermo Fisher SCIENTIFIC社製/MAT262）
表2 同位体比測定精度
同位体比 206/204
207/204
207/206
測定精度* ±0.010
±0.010
±0.0003 ±0.0006
208/206
*NBS SRM981-1の日間精度から算出（±1σ）
図1 装置外観（クリ
装置外観（クリーンルーム内に設置）
ンルム内に設置）
4.測定事例
4.
測定事例
華北
朝鮮
銅鏡の分析結果（分析値）
華北産の原料が使用されている
可能性が高いと推察されました。
馬淵久夫氏・平尾良光氏らの提案する
分布図との比較例
朝鮮
華北
図2 東アジア地域の鉛同位体比分布図（左：A式図
右：B式図）
華北：中国前漢鏡の領域
華南：中国後漢・三国鏡の領域
日本：日本産鉛の領域
n ：タイ産鉛の領域
朝鮮：朝鮮半島系遺物ライン
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