「組合員の高い評価を得る、という具体的な目標を」(PDF)

組合員の高い評価を得る、という具体的な目標を ◆ Outlook by Masahiro Higa
展 望
JAの進むべき道
組合員の高い評価を得る、という具体的な目標を
准組規制「 5 年後」条項を常に念頭に
の取り組みの提起なら、
「何をするか」
私は過去 2 度、この「展望」を書き
は明快です。しかし、そうではないか
ました。いずれも農協法の「 5 年後ま
らです。私が最も恐れることは「危機
でに准組合員の事業利用規制の在り方
感は理解した。でも具体的に何をし
に結論を得る」との規定への切迫した
たらいいのかが分からない」という状
危機感が前提です。
態、いわゆるピンとこない状態になっ
すなわち、
「同規制の導入はJAグ
てしまうことです。この状態で時が経
ループの解体・弱体化の契機になりか
ねない。JAグループは、今後も『食
比嘉政浩
(JA全中専務理事)
過すればJAグループの危機は現実の
ものとなるでしょう。
と農を基軸として地域に根ざした協同
組合』として、正・准組合員を対象とした総合
組合員アンケートで目標を明確に
事業の展開によって、JA綱領を実現すること
役員・幹部職員の皆さま方におかれては、い
が基本であり、同規制導入を阻止する必要があ
ま一度「期限が決められている」情勢認識の共
る。そのためには、組合員とりわけ担い手に評
有と自ら決めた具体策「自己改革工程表」実践
価を得ることが最重要」との内容です。
の重要性を訴えていただきたいと考えます。
また、全中としても、数年後に、原則として全
実行具体策は自己改革工程表でJAごとに決めた
組合員を対象に、JAに関するアンケートを実
第27回JA全国大会決議はJA・連合会・中
施すべく検討しています。実施の可否・時期や
央会に対し自己改革工程表の策定を求めていま
設問等は組織的に検討します。
す。もし、全国のJAが均一であれば統一的な
3 年前、政府は農業者にアンケートを行い、
実行具体策を決めたでしょう。しかし、地域は
購買・販売事業につきJAへの不満が大きいと
多様ですから、①「販売品取扱高の拡大」を唯
報告しました。今後も、JAは農業者と話し合っ
一の共通目標とした上で、②実行策は個々のJ
ているか、などにつきアンケートを実施するで
Aで具体化、③具体策を立てる際には組合員と
しょう。これに対するには、JAグループ自らが
徹底した話し合いを、と決議しています。
本格的なアンケートを実施し、その中で、組合
員から高い評価を得ることしかないと考えます。
「当たり前」だから難しい
こうした①~③の決議内容はいわば「当たり
前」です。各JAで実践されてきたことです。
そして、各JAでは、この全組合員アンケー
トの実施とその設問の事前の具体化を契機に、
「この設問で組合員から評価を得るためには何が
昨今「当たり前ゆえの難しさがある」と感じ
必要か」との視点で、自己改革のポイントをさ
ます。全国統一具体策なら、あるいは、全く新規
らに明確にしていただきたいと考えています。
2016/09
月刊 JA
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