産学官連携 2nd プログラム「 規模 然災害への備え」(概要版)

産学官連携 2nd プログラム「⼤規模⾃然災害への備え」
(概要版)
と
き ︓平成28年 8 ⽉10⽇(⽕)13︓15〜16︓30
と こ ろ ︓⼤分県庁本館2階正庁ホール(⼤分市⼤⼿町3丁⽬1番1号)
参加者数︓204名(内訳︓学⽣・⼀般44名,⺠間86名,⾏政74名)
< プ ロ グ ラ ム >
12︓30〜
受付開始
13︓15〜13︓30
開
会
主催者挨拶
(公財)⼤分県建設技術センター 理事⻑ 進 秀⼈
13︓30〜14︓45
第1部講演
「東⽇本⼤震災を経験して 〜未来へ。そして⼦どもたちへ〜」
講 師︓株式会社 ⻄條設計コンサルタント 代表取締役社⻑
14︓45〜15︓00
休
15︓00〜16︓30
第2部講演
⻄條 祐樹 ⽒
憩
「これからの⼤規模⾃然災害への備え備えと課題 〜社会インフラの機能継続の観点から〜」
講 師︓京都⼤学防災研究所 社会防災研究部⾨ 港湾物流BCP研究分野
特定教授
16︓30
閉
会
1
⼩野 憲司 ⽒
――
第1部
講演
――
「東⽇本⼤震災を経験して」〜未来へ。そして⼦どもたちへ。〜
講 師:西條 祐樹 氏
(株式会社 西條設計コンサルタント 代表取締役社長)
▼講演要旨
1.東⽇本⼤震災の概要
2.(⼀社)宮城県測量設計業協会の取り組み
・東⽇本⼤震災での対応を検証するため会員に震災時の業務状況等を調査。結果から「緊急事態への
備え」、「経験を活かす・伝える」、
「災害時の業務遂⾏体制の構築」等の提⾔を得た。防災意識向上
のために結果を協会のホームページに公開している。
3.災害発⽣時の建設業・建設関連業の役割
・建設業・建設関連業は、迅速かつ確実な復旧を進めるだけでなく、国⺠の⽣命・財産を守る上で必
要不可⽋。
・災害からの復旧に向けた第⼀歩は建設業・建設関連業の⾏動によって始まる。
4.発災から初動期
5.被災地は今
6.複雑化する課題
・課題に対応するためには、復興に合わせた制度が必要。
・縦割りではなく総合的な事業間調整や四次元的事業管理が必要。
7.東⽇本⼤震災から得られた知⾒
・平時から積極的に情報共有し、情報の⽔平展開の意識を持つ。
・オープンでシームレスな情報インフラを平常時に構築して使いこなし、有事に備える。
・想定外の出来事は必ず起きる。普段から想像し正しく恐れる。
8.未来へ。そして⼦どもたちへ。
・防災対策には限界がある。
・災害が発⽣したときに⼤きな⼒となるのは⾃助・共助。
・ソフト⾯の整備は家庭単位や、職場単位で⾏うことが重要。それらが集まることで真の防災・減災
対策となる。
2
▼聴講者の意⾒・感想(抜粋)
(⾏政職員,⺠間職員)
・実体験に基づく講演であったので、「備え」の重要性が実感できた。また、測量設計会社の役割や、
対応状況がよくわかった。
・実際に経験している⼈の話であり、また建設関連の⼈でもあったため⾃分の⾝に置き換えて考え、
話を興味深く聞いた。
・災害時の対応について、業務だけでなく、⽇常的な⾯においても参考となる知識が得られた。
・「備え」は簡単なものではないと思うが、体験したことから学び、どう⽣かすか考える機会になった。
・⽇常業務に追われ忘れかけていた⼤きな災害について、考え直す機会となった。⾵化させてはいけない物、出来
事がまだまだ残っていることを再認識できた。
・建設(関連)業界の社会的役割、講師の責任感が良く伝わってきた。
・各⾃が BCP を作成しておき、有事にはシームレスに連携できる関係を平時に成⽴させておくこと
が最重要と感じた。
・BCP の⼤切さにも触れられており、⼤変ためになった。被災体験を⾵化させないためにも、今
後も語り⼈として活動の継続を願う。
(学⽣,⼀般)
・東⽇本⼤震災の被害が⼤きく、まだ完全に復興できていないことがわかった。
・災害時の建設業、建設関連業の役割について、しっかりと考えることができた。⼟⽊が国⺠の⽣
活に役⽴っていることを改めて実感した。私は、将来⼟⽊関係の仕事をしたいと思っているので、
災害時などにも役⽴つ技術を⾝につけて、必要とされる⼈材になれるように頑張りたいと思った。
とても⼼に響くお話だった。
・⾃然災害の恐ろしさを改めて強く感じた。普段、普通に⽣活をして特に不便なことがなくても、
⾃然災害によって、今までどおりに⽣活ができなくなって⼈の助けが必要になったりするので、
たくさんの⼈と助け合うことの⼤切さを知った。
・記録に残すことの重要さが伝わった。
・現地の状況、会社が取り組んだこと、地震や津波での変化、もし⾃分が被災者になった時の教訓
など普段聞けないことや、ためになる話が聞けて良かった。
3
――
第2部
講演
――
「これからの⼤規模災害への備えと課題」〜社会インフラの機能継続の観点から〜
講 師:小野 憲司 氏
(京都大学防災研究所 社会防災研究部門 港湾物流BCP研究分野
特定教授)
▼講演要旨
1.⾃然災害リスクの⾼まり
・東海・東南海・南海地震の経済被害は最⼤81兆円を想定。また死者数は2~3万⼈が想定されて
おり、いずれも過去に発⽣した地震の被害規模を⼤きく超える。
・⼈⼝減少が進む中、⾼齢者の割合が増加していることから、災害発⽣時の⾼齢者や⾃⼒避難困難者
への対応は⼤きな課題。
2.経済・社会の脆弱性の⾼まり
・世の中が便利になればなるほど、その代償として私たちの⽣活は災害に対してますます脆くなる。
・震災等が各種産業へ与える影響は⼤きい。ダメージを抑え事業の継続を⾏うためには、社会・企業
で BCP(Business Continuity Plan︓事業継続計画)を策定する必要がある。
・BCP の⽬標・・・①機能喪失の最⼩化、②早期の機能復旧、③代替機能の確保
3.災害時物流のリスクマネジメント
・災害時物流における海の活⽤メリット
①海上輸送により、⼤量の⼈や物資を集中的に輸送可能。また、陸路が途絶えたときの迂回機能
を持つ。
②船を利⽤することにより、地震・津波への耐性を持つ。さらに居住空間としての利⽤も可能。
・⽀援物資や⽀援部隊の輸送拠点として港湾は重要な施設。熊本地震の際は港湾を拠点とした広域ネ
ットワークにより、被災地への⽀援物資の輸送や⽣活⽀援を⾏った。
4.まとめ
・⾃然災害リスクの⾼まりに正⾯から向き合う。
・経済・社会の脆弱性は今後も⾼まっていくことを認識する。
・被災地における⼈、モノの流れは、被災者の⽣命と健康を護り地域経済を再⽣する。
4
▼聴講者の意⾒・感想(抜粋)
(⾏政職員,⺠間職員)
・BCP、BCM 等、事業継続は産学官共通の課題であるため、有益な情報であった。
・経済、社会の脆弱性の⾼まりを意識して、災害に備えることが重要であることが分かった。
・⾃然災害への備えについて、新しい視点からの対策を知り、今後の役に⽴つと思った。
・BCP について体系的に整理しており、とても楽しく聞くことができた。
・災害時の物資輸送については、被災者の変化する要望に対応していくことが重要であり、今後はその対策を構
築すべきと考える。
・災害に伴い、物流の停滞が発⽣する事で、様々な⽀障が起こることが分かった。
・「災害を忘れず、いつも考えておくこと」という⾔葉が印象的だった。
・港湾を拠点とした⽀援⽅法はあまり認識がなかったのでとても勉強になった。
・⾼齢化社会ではリスクが⼤きく、⼤規模災害に備えるためには、様々な災害リスクを常に意識する
ことを再確認できた。
・⾏政側として BCP が策定されているが、地域の⽣活が復旧するためには、企業等との関係をつな
げる必要があると思った。
・⾃然災害リスクの⾼まりへの不安に対して、⽇頃から常に意識することの重要性を再認識した。また、緊急⽀
援輸送にフェリーの活⽤が有効であるという視点は、特に⼤分県にとっては、重要な提案として受け⼊れなけ
ればならないと思う。
・物流ラインの断絶が⽣産や⽣活にどのような影響を与えるかという視点はこれまであまりなかった
が、予想以上に⼤きいことを感じた。
(学⽣,⼀般)
・地震や津波などの⾃然災害を常⽇頃から意識しないといけないと思った。
・海上輸送は多くの⼈員や物資を送ることができるので、災害時にはとても役⽴つことがわかった。
・災害時には陸と海の使い分けが⼤切という事を知ることができた。
・新しいことばかりだったので、頭の整理が完全にできたわけではないが、⾃然災害によって、できることがで
きなくなったら、考え⽅を変えて、違うことをしていけるような知識を得たいなと思った。
・今回の講演を聞いて、特に残ったことが、世の中が便利になればなるほど、益々もろくなるという
事。
・津波避難時に⾼齢者をどうやって避難させるか、これが問題だと思う。だんだん⾼齢者が増加して
いるので⾼齢者のために避難場を作るべきだと思う。
5
▼今後の産学官連携の取り組みに期待すること(抜粋)
(⾏政職員,⺠間職員)
・前回のように、パワーポイントの講演に加えて、パネラーによるディスカッション形式が良いと思う。もしく
は、グループ分けをしてテーマに沿って学習し、発表する形式のほうがより充実した研修になると思う。
・今後も続けていくべきで、協働に向けた研修が必要かと思う。
・連携活動⾃体をアピールすることで、⼟⽊のことを幅広く知ってもらうきっかけにしていただきたい。
・⼆回参加させていただき、異業種の交流の必要性を痛感している。中⼼的に企画・運営されているセンターの
研修部⾨の充実さを願っている。次の会場はぜひ〔学〕部⾨で…。
・災害を忘れないために、東⽇本の話題は継続して伝えていくべきと思う。
・⼤分県の⼤規模災害に対する取り組みを、どのように考えているのかをセミナーとして開催していただきたい。
・時間、回数が増えることを望む。
・都市計画、観光等にかかわること。
(学⽣,⼀般)
・1st プログラムにも参加したが、1st プログラムのようにパネリストの⽅々が話した⽅がもっと理解を深める
ことができると思った。
・普段知ることのできないことが知れ、それぞれのつながりができるので、これからもこのような活動が増える
と良いなと思う。
・今後の⼟⽊事業の発展につながってほしい。
・もっとたくさんのお話を聞いて、将来に活かすことができたらいいなと思う。
・配布資料の簡略化を⾏い、分かりやすく(できればカラーで)、枚数も少なくした⽅が良いと思う。学⽣が受講
するのであれば、なおさら、そうした⽅が良いのではと思う。
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