当院のデバイスチェック未実施患者における取り組み

24 Symposium:第 47 回埼玉不整脈ペーシング研究会
●一般演題
当院のデバイスチェック未実施患者における取り組み
戸田中央総合病院臨床工学科
戸田中央総合病院心臓血管センター内科
はじめに
当院では,外来における点検を年間 696 回施
行している。フォローアップ患者数は 400 名
(ICD 40 名,CR T – P 10 名,CR T – D 34 名,PM
316 名)であり,そのなかには定期的に外来を受
診しない患者もいるのが現状である。外来受診
間隔は PM 患者で 1 ∼ 12 ヵ月,その他デバイス
患者で 1 ∼ 6 ヵ月としている
(植え込み後初回
1 ヵ月,3 ヵ月,6 ヵ月と期間を延ばしていく)
。
今回定期的に外来を受診しない患者に対して来
院を促す手紙を送付する取り組みを行ったので
高
齊
斉
荒
湯
橋
藤
藤
川
原
良
圭
賢
靜
幹
輔・石
哉・野
和・菅
司
夫・竹
田 雄 作・向 笠 良 宏
尻 克 人・島 田 宇 通
谷 大 輔・内 野 敬
中 創・内 山 隆 史
せの手紙を送付し,その理由について検討する。
2 方 法
患者情報を当院データベース
(図 1)より抽出
し,外来予定日を過ぎている患者をピックアッ
プした。そのなかで死亡や転院などフォロー
アップが終了している患者を削除してリストを
作成し,当院に連絡をしていただくように案内
をした手紙を送付した(図 2)
。連絡のない患者
には再度送付を行い,3 回手紙を送付して返答
のなかった患者 12 名に関しては以後送付せず
報告する。
今回の検討からは除外した。
1 目 的
3 結 果
フォローアップ未実施患者に対してお知ら
2011 年から半年ごとに計 10 回の手紙送付を
行った。フォローアップ中の患者 400 名のうち
外来予定日を過ぎていた患者数は合計 84 名で
全体の 20.1%になった。84 名のうち,
死亡 19 名,
転院 11 名,転帰不明 20 名,受診忘れ 34 名であっ
た
(図 3)
。
4 考 察
手紙を送付したことで受診を忘れていた患
者に適切なフォローアップを行うことができ
た。すでに死亡していた患者の家族からは厳し
図 1 当院データベース画面
い言葉をかけられてしまうこともあった。患者
Ryosuke Takahashi, et al.:Our hospital of the device check unexecuted efforts in the patient
Therapeutic Research vol. 37 no. 5 2016
Symposium:第 47 回埼玉不整脈ペーシング研究会 25
死亡
転院
転帰不明
受診忘れ
19
34
11
20
図3
外来予定を過ぎていた患者 84 名の
理由内訳
情報を適正に収集し,外来業務に活かすことが
重要であると考える。また , 病院とデバイス植
え込み患者を繋ぎ適切な時期にフォローアップ
を行うことが大切であり,その役割を担うのは
われわれ臨床工学技士であるべきであると考え
る。
5 今後の展望
植え込みから退院,その後の外来フォロー
アップまで積極的に患者と関わりを持ち,デバ
図2
患者案内用の手紙
イス植え込み患者の日常における不安や疑問を
解消できる存在となることを目指していきた
い。
(Therapeutic Research vol. 37 no. 5 2016. p.470 – 1 に掲載)
Therapeutic Research vol. 37 no. 5 2016