インド:石炭鉄道輸送 短距離輸送は値上げへ

インド:石炭鉄道輸送 短距離輸送は値上げへ
2016 年 9 月 8 日掲載
8 月 24 日付けの地元報道によると、インド鉄道会社は、石炭輸送料金を 8~14%(輸送距離 100~700km)
値上げする。一方、700km 以上では 13%の値下げとなる。また、輸送距離 100km 以内の場合、石炭ター
ミナルでの積込・荷卸に対して 55 ルピー/トンの割増金を徴収する。
長距離での輸送料金値下げにて、石炭の鉄道輸送量は増加すると思われるが、実際の輸送料金には石炭
ターミナル料金(25~30 %)が追加される。値上げにて鉄道輸送には 100 億ルピーの追加収入が見込まれる。
インド鉄道会社の貨物運送量の 50%は石炭であり、石炭輸送量は、2015-2016 会計年度では 552 百万ト
ンであった。鉄道事業は、輸送量と旅客収入の減少を食い止める努力をしており、7 月の輸送量は、前年度
同月比 7.74%減であった。
発電会社 Hindustan Power 社の営業担当役員は、鉄道輸送運賃の値上げは、インフレを誘発するとし
た。ちなみに、7 月の消費者物価は 6.07%上昇(6 月の消費者物価は 5.77%上昇)となり、これは、エネルギ
ー地方税と石炭価格の急激な上昇によるものであり、最終消費者への電力価格は更に高くなるとした。更
に、同役員は、運賃改定にて、企業(石炭会社)と火力発電所の経済的な流通は、更に悪化するとした。
民間発電会社は、石炭供給源の大部分は、自家炭鉱ではなく、石炭公社(CIL)に依存しており、高い鉄道
輸送料金を支払わなければならない。
インド鉄道によると、輸送距離 1,501km~2,000km では輸送料金は 4%~13%の値下げ。輸送距離
2,000km 以上では輸送料金は 9~15%の値下げとなる。石炭輸送料金の値上げは、2015-2016 年度に 6.3%
値上げされていた。
(石炭開発部 辻
誠)
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