4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 新規子宮肉腫転移機序解明 技術を用いた転移バイオ マーカーの開発 福井大学 医学部 教授 産科婦人科学科 吉田好雄 子宮筋腫と子宮肉腫の鑑別 バイオマーカーの重要性 • 良性の子宮筋腫は、30代以上の女性3~4人に1人程度罹患する。 • 悪性の子宮肉腫は、子宮に腫瘤を有する患者の1%程度とまれだ が、悪性度は非常に高い。 • 女性の晩婚化に伴い、子宮筋腫を“切らずに治す”治療法が多種出現。 • 様々な画像診断法を用いても、約10%程度の患者は、過大評価 (筋腫なのに肉腫の可能性があるとして子宮摘出されたり)、あ るいは、過小評価され(早期の肉腫なのに筋腫と診断され保存的 治療がなされたり)、不利益をこうむっている。 子宮肉腫の症状は、非特異的で 予後不良 • 危険因子は不明なことが多い • 少子・晩婚化、乳がん患者の増加、 ホルモン療法の普及などで今後さ らに子宮肉腫の増加が考えられる。 子宮肉腫は完全切除しても約半数に再発する ~現在転移予測バイオマーカーがない~ 子宮肉腫 平均無病期間(月) 局所再発 遠隔転移再発 最遠隔転移 再発部位 >II期 12~19 41% 59% 肺 20%以下の5年生存率 従来のバイオマーカーと問題点 既に用いられているバイオマーカーには 血清LDH, CA-125があるが、 感度・特異度が極めて低く信頼度が低い 肺転移予測能力はない 子宮肉腫に対する術後放射線療法も化学 療法も生存率を改善しない ~有効な治療法がない現状~ BOGANIet al. Gynecol Oncol 2016 子宮肉腫の予後予測腫瘍バイオマー カーや有効な治療法はない 稀少疾患であ り不均一性の 高い腫瘍 1990 2009 2010 2012 2016 Am J Obstet Gynecol Lancet Oncology Gynecologic Oncology Acta Oncologica Gynecologic Oncology 過去に子宮肉腫の肺転移モデルの 作成に成功した報告はなかった 新規バイオマーカーの開発に向けて 子宮肉腫肺転移モデルの作成 新規バイオマーカーの開発に向けて GFP-導入子宮肉腫細胞株樹立 子宮肉腫肺転移モデルの樹立 子宮肉腫肺転移モデルの樹立 新規子宮肉腫肺転移モデルの有用性 肺高転移モデルと低転移モデルの開発 肺高転移モデルと低転移モデルでの原発巣・ 転移巣の既知遺伝子発現の相違 肺高転移モデルと低転移モデルでの原 発巣・転移巣の新規遺伝子発現の相違 肺高転移モデルと低転移モデルでの原 発巣・転移巣の新規遺伝子発現の相違 肺高転移モデルと低転移モデルでの原 発巣・転移巣の新規遺伝子発現の相違 肺高転移モデルと低転移モデルでの原 発巣・転移巣の新規遺伝子発現の相違 新規バイオマーカーの特徴・従来バイオ マーカーとの比較 • 世界で初めて樹立した子宮肉腫肺転移動物 モデルから新規バイオマーカーを樹立した。 • 従来は感度・特異度さらに肺転移予測度が 低かったが、肺転移予測マーカーとなりえ る可能性が出現した。 想定される用途 • 本技術の特徴を生かせば、子宮肉腫・子宮筋腫鑑 別診断メリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、肺転移予測バイオマーカーの可能性 が得られることも期待される。 • また、同定された肺転移規定遺伝子に着目すると、 新規分子標的薬の開発の分野に展開することも可 能と思われる。 実用化に向けた課題 • 現在、実際の臨床検体を用いた検討が必要で ある。 • 今後、患者血清を用いた臨床検討が必要であ る • 実用化に向けて、血清測定キットの開発技術 を確立する必要がある。 企業への期待 • 血清測定キットの開発技術を持つ、企業と の共同研究を希望。 • また、新規創薬を開発中の企業、医薬分野 への展開を考えている企業には、本技術の 導入が有効と思われる。 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :新規子宮肉腫転移機序解明技術を用い た転移バイオマーカーの開発 • 出願番号 :特願2014-149007 • 出願人 :福井大学 • 発明者 :吉田好雄 宮本薫 川邉真也 水谷哲也 石兼 真 清野泰 お問い合わせ先 • 国立大学法人 福井大学 • 産学官連携本部コーディネーター 奥野 信男 • TEL:(0776)27-8956 内線2896 • e-mail: [email protected]
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