4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 異方性材料へ応用可能な ハイドロゲルナノファイバー 福井大学学術研究院工学系部門 繊維先端工学分野 准教授 藤田 聡 1 従来技術とその問題点 再生医療用途としてハイドロゲル材料が注目 (コラーゲン,アルギン酸ゲル等) ・生体組織との親和性を考え,異方性のあるハ イドロゲルが望まれている。 ・異方性ハイドロゲルの作成にあたり,分子鎖 の高次構造と配向制御は困難。また大きな異方 性ゲルを作成することも困難。 2 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来,エレクトロスピニング法ではハイドロゲ ルの紡糸はできなかった。 • 本技術ではハイドロゲルをナノメートルサイズ の直径を有する繊維状に加工できる。これを 一方向に集めて紡糸することで,異方性のあ るハイドロゲルを得ることも可能となった。 3 ナノファイバーの作製(エレクトロスピニング法) Nanofibers 4 想定される用途 • 本技術は生体組織の細胞外マトリクスの異方 性構造を模倣したハイドロゲルの作成に利用 できる。 • 細胞培養基材,再生医療材料,化粧品材料 の製造に適用できる。 • ハイドロゲルの異方性という性質に着目する と,バイオセンサー材料等の用途に展開する ことも可能と思われる。 5 実用化に向けた課題 • 現在,コラーゲンおよびアルギン酸のハイドロ ゲルについてファイバー化に成功し,異方性 ハイドロゲルの作製が可能なところまで開発 済み。力学的強度の向上が課題である。 • 今後,ファイバー径・架橋密度等について実 験データを取得し,細胞培養基材に適用して いく場合の条件設定を行っていく。 • 実用化に向けて,生産性を向上できるよう技 術を確立する必要がある。 6 企業への期待 • 幹細胞(MSC,iPS等)の培養に興味ある企業・医療 施設との共同研究 • 高密度細胞培養に関心のある企業との共同研究(高 密度細胞培養技術への展開。例えばゲル材料を 使った3次元培養装置の開発等) • ファイバー化しにくいゲル材料をシーズとして保有す る企業との共同研究。(既存材料をファイバー化する ことで新規応用へ展開) • 細胞を使ったバイオアッセイ技術を持つ企業との共 同研究(細胞試薬への展開等) 7 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :ハイドロゲル繊維の製造方 法及び当該製造方法により製造されたハ イドロゲル繊維 • 出願番号 :特願2015-104696 • 出願人 :福井大学 • 発明者 :藤田 聡、西本 昇平 8 産学連携の経歴 • 1999年-2002年 宝酒造(株) 研究員 • 2002年-2003年 タカラバイオ(株) 研究員 • 2004年-2011年 (株)板橋中央臨床検査研究所(現社名:(株)アイ ル) 研究員・主任研究員,京都大学再生医科学研究所 出向兼務 • 2011年- 福井大学(現職) • 2007年 技術士(生物工学部門),生物工学部会幹事(2009-) • 2007年-2008年 JST産学共同シーズイノベーション事業(顕在化ス テージ) 参画 • 2009年-2010年 JST 企業研究者活用型基礎研究推進事業に採択 • 2013年 JST A-STEP FSステージ探索タイプに採択 • 企業との共同研究多数 9 お問い合わせ先 福井大学 産学官連携本部 知的財産部 (総合戦略部門 研究推進課) 漆崎 行乃利 TEL 0776-27-9725 FAX 0776-27-9727 e-mail uru@u-fukui.ac.jp 10
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