各省庁の平成 29 年度税制改正要望の公表

平成 28 年9月特別号
各省庁の平成 29 年度税制改正要望の公表
29 年度改正の流れ(予想)
法人税関連の要望(◎は個人所得税も共通)
◎中小企業投資促進税制と中小企業の固定資産税の
8月末
各省庁の税制改正要望が集約
9月∼
政府の税制調査会の議論
1/2 減税の対象範囲の拡大(高効率の冷蔵陳列棚、
11 月∼
与党の税制調査会の議論
省エネ空調等の器具備品・建物附属設備の追加。中
12 月
与党の税制改正大綱が公表
小企業等経営強化法の中に改組)
1∼2月
税制改正法律案が国会に提出
◎500 万円以上の医療用機器の特別償却の延長
3月下旬
税制改正法律が成立・公布
◎医療機関の設備投資に関する特例措置の創設(地域
医療構想に沿った病床の機能分化等に資するもの)
◎所得拡大促進税制の拡充(中堅・中小企業は賃上げ
個人所得税関連の要望
○NISA の長期積立枠(年 60 万円×20 年間)の創設
○ベビーシッター等の子育て支援に要する費用に係
る税制措置の創設
○給与所得者の特定支出控除の対象の拡充(遠方に住
む男女の結婚に伴う転居費等を追加)
額×10%→20%に。大企業は 10%を継続)
◎研究開発税制の拡充・延長(サービス開発の追加、
総額型の控除率にメリハリ、高水準型の延長など)
○地方拠点強化税制の拡充・延長(設備投資減税・雇
用促進税制の拡充)
○スピンオフ税制の導入(有望事業の独立を促すため、
事業を切り出す際も適格再編の対象に)
○外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)の見
資産税関連の要望
直し(簡素な制度に。航空機リース事業の見直し)
○上場株式の相続税評価の見直し(時価→時価×90%)
○非上場株式の評価方式の見直し(類似業種の株価(A)
29 年度改正の目玉は「配偶者控除の廃止」
の見直しなど中小企業の実力を反映した評価に)
○事業承継税制の見直し(雇用維持割合の緩和、早期・
配偶者控除について、年 103 万円を意識して働く時
計画的な事業承継について生前贈与のためのイン
間を調整する傾向にある点等からこれを廃止し、かわ
センティブの強化など)
りに「夫婦控除(案)
」とすることが検討されています。
○持分なし医療法人への移行計画の認定を受けた医
【現行制度】
【新制度案】
療法人に対する贈与税の非課税措置の創設(出資持
分放棄による医療法人へのみなし贈与課税に対処)
○教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の
対象の拡充(あしながおじさんから貧困家庭の子ど
配偶者控除 38 万円
配偶者が給与収入
年 103 万円以下の
場合等に控除
夫婦控除?
①配偶者の働き方や年収に
かかわらず控除?
②本人の年収に制限は?
もへの贈与も対象に)
○幼稚園・保育所等に土地を貸与し続けた場合の贈与
税・相続税の非課税措置の創設
12 月中旬に平成 29 年度税制改正大綱が公表される
までの税制改正の議論にご注目ください。